八幡と、恋する乙女の恋物語集   作:ぶーちゃん☆

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お久し振りでございます!
まぁ他のはちょこちょこ書いてたんですけど、この短編集は3ヶ月ぶりになりますね(^^;)


で、この3ヶ月間はふざけた物しか書いて無かったので、今回は久し振りのおふざけ無しの作品となります。
ちなみに101話目だったからこのタイトルにしたかっただけで、そこら辺はかなーり強引です(白目)


今回のはかなり嫌いな人もいらっしゃいますでしょうが、書きたかったので許してね☆




101回目のプロポーズ 〜for Y〜

 

 

 

「隼人さん。そろそろいい時間ですし、先に雪乃と帰ったらどうかしら」

 

「そうですね。じゃあ雪乃ちゃんを自宅の方まで送っておきますね。それではお先に失礼します」

 

 

 

 雪ノ下建設の三月決算も無事に済み、本日は決算報告会という名目で会社の重役や関連企業の重鎮達、そして大口の株主達が集められた雪ノ下家主催のパーティーが、海浜幕張駅そばのホテルザ・マンハッタンのラウンジにて執り行われた。使用するホテルこそ違えど、これは毎年の事ではあるのだが。

 そんなパーティーには雪ノ下建設顧問弁護士の父も当然出席し、妻として同伴する母だけでなく、息子の俺も同伴させられる事となるのも、また毎年の恒例行事である。

 将来的なコネクションを構築する──現時点ではただの顔見せ程度ではあろうが──という観点で考えれば、一見雪ノ下建設の仕事上とは無関係でしかないただの高校生の俺が引っ張りだされるというのも、当然といえば当然なのかもしれない。

 

 

 そしてパーティーも宴もたけなわとなってきたそんな折、不意に雪乃ちゃんの母親からそんな指令が下され、俺と雪乃ちゃんは席を立つ事になる。

 

 

 ──そろそろいい時間……、か。

 

 

 現在時刻は、確かに高校生が外を出歩くには些か遅い時間とも言えなくはない。しかし、わざわざ呼び出されたパーティーを途中退席してまで帰宅するほどの時間でもないのだ。

 つまりこれは、俺と雪乃ちゃんの関係に気を遣った行為に他ならない。要はこの後に二人の時間を楽しめ、ということ。だって多少遅くなろうとも、雪乃ちゃんは都築さんに送らせればよいだけの話なのだから。

 

 とは言うものの、これは今更と言えば今更とも言えるか。なぜならこういった集まりごとがある際は、決まって二人で早く帰されるのが半ば恒例化しているからだ。

 

 ありふれた光景ゆえ、特に思うところもなく一礼をしてそこから離れた俺は、会場の片隅でガス入りの飲料水が注がれたグラスをつまらなそうに傾けている少女の下へと向かう。

 

「雪ノ下さん、送るから先に帰ろうか」

 

「……ええ」

 

 父のクライアントの妻から軽く指示されただけで全て察する事が出来る俺もさることながら、そんな俺からのこの短い台詞だけで全てを察する事が出来るこの少女もまた、俺同様にこういった周りからの期待を痛いほど感じているのだろう。

 彼女も特に思うところがないような自然な振る舞いで、これといって会話をすることもなく、共にラウンジをあとにするのだった。

 

 

 雪ノ下雪乃。

 父のクライアントである雪ノ下家の次女であり、幼い頃から兄妹のように共に過ごした幼なじみであり、そして…………、俺の許嫁とも呼べる存在でもある、俺の好きな人……、Y。

 

 

× × ×

 

 

 ホテルのロビーをあとにした俺達は、五分ほど歩いた先にある海浜幕張駅へ向けて、夜の街を並んで歩く。

 ここ最近、頬を撫でる風はすっかり春めいた暖かさになってきたとはいえ、やはり夜に吹く風はまだまだ冷たい。

 そんな春の夜風に吹かれながら、いくらかの距離は開いてはいるものの、ぎりぎりのラインで隣と言ってしまってもよいであろう左側を歩く彼女の横顔をチラリと眺める。

 

 彼女、雪ノ下雪乃とは、確かに許嫁と言っても過言ではないような関係性ではあるものの、それは特に確約されている間柄ではない。葉山家側からも雪ノ下家側からも、その間柄に言及をされた事は無いからだ。

 もっとも、本人達の与り知らない所ではそういった話にはなっているのかもしれないけれど。

 

 ただ、俺は子供の頃から漠然とではあるが、将来は雪乃ちゃんと婚姻関係を結ぶことになるのだろうと感じていた。

 そしてそれは大人になるにつれ、少しずつ……でも確実に強く感じるようにもなった。……大人になるにつれ、周囲の大人達の目がそれを期待している……いや、それはもう期待というよりも、さも当然の未来予想図のように考えているのであろう事を、より強く感じ取れるようになってきたからなのだろう。

 そしてそれは彼女も同じ。だからこそ彼女は俺から距離を取る。嫌いな俺との未来が決定づけられている運命から、少しでも距離を取るように。

 

「どうしようか? まだそんなに遅い時間でもないし、せっかくだからどこかでお茶でもしていかないかな?」

 

 それでも俺は断られる事など承知の上で、いつも通りお誘いの定型文を口にする。これは親達から、周りから期待されているが故の、葉山隼人としての行動なのだろう。

 例え断られようとも、例え距離を取られていようとも、俺はこうして彼女との関係を続けていかなければならないのだから。

 

 

 ……しかし、この日はいつもとは違っていた。

 だから、雪乃ちゃんの口から次に紡がれる思いがけない返答に、一瞬ではあるが惚けた顔を晒してしまった事を、どうか笑わないでほしい。

 

「……そうね。そうしましょうか」

 

「……え」

 

 

× × ×

 

 

 ちょうど近くにあったカフェへと入った俺達。互いに飲み物を注文すると、店員が商品を運んでくるまでのあいだ、取り留めのない会話を交わす。

 

「珍しいね、雪ノ下さんが誘いに乗ってくるなんて。……でも本当に良かったのか? こんな所を学校の人間にでも見られでもしたら、また余計な噂を立てられかねないよ?」

 

 そう。あれはほんの数ヶ月前の出来事。

 新年という事で今日と同じように雪ノ下家と葉山家が集まる機会があり、その時もまた今日と同じように俺と雪乃ちゃんの二人だけ先に帰される事となった。

 もちろんその日も形ばかりの誘い文句を発した俺と、当然体よくお断りした雪乃ちゃんの帰路中の姿を学校の誰かに目撃され、それからひと月近くという長い間、学校で余計な噂を立てられた。

 

 あの時はいろはの協力のおかげでなんとか沈静化したが、ただ一緒に歩いていただけであれだけ騒がれたのだ。二人で店に入っている所なんか見られてしまったら、騒ぎがぶり返すという問題だけでは済まないだろう。

 だから、普段でさえ全く誘いに乗ってこない雪乃ちゃんが、今回に限って誘いに乗ってきた事があまりにも意外だった。むしろ、今回こそ固辞しそうなものではないのだろうか?

 

 しかしそんな俺の思考をよそに、目の前の彼女は薄く笑う。

 

「おかしな人ね。自分から誘っておいて「良かったのか」もなにも無いでしょう」

 

「はは、違いない」

 

「それに私、あの時の下賤な噂なんて、これっぽっちも気にしてなんかいなかったのだし」

 

「……ああ、そうだね」

 

 そう。雪ノ下雪乃は、下らない周りの目や声など気にもとめない。あの時あの噂を気にしていたのは、本人ではなく周りだけなのだろう。もちろんその周りには俺も含まれているし、そして……彼も。

 

 それからは沈黙の時間が続く。

 とはいえこの沈黙の時間には、不思議と以前のような刺々しさは感じない。むしろ心地よく感じてしまう程の沈黙。

 ……本当に彼女は柔らかくなった。

 

 しばらくして注文した品が届いてからも、互いにカップを傾けながら沈黙の時間は続いてゆく。

 

 

 ……でも、そろそろこの心地のよい沈黙を破ってあげようかな? 彼女も少しそわそわしてきたようだし、こちらから話を振ってあげないといい加減可哀想だ。

 

「で、雪ノ下さん」

 

「なにかしら」

 

 俺から声を掛けた事により、ようやく会話の糸口を見いだした雪乃ちゃんは、まるで猫が物音に耳を立てるかのようにぴくりと反応する。それなのに、さもなんでもないように振る舞う彼女は、見ていてとても可愛らしい。

 

「俺に話があるんだろ?」

 

 とても可愛らしいのだが、生憎こう見えて俺は意外と性格が悪いんだ。だからその可愛らしさには誤魔化されてはあげないよ?

 うっすらと意地悪な微笑を浮かべた俺は、雪乃ちゃんにちょっとだけ意地悪をする事にした。

 

「あなたはなにを言っているのかしら。お茶に誘ったのはあなたの方でしょう?」

 

「あはは、それは確かにそうだけど、俺に用がなければ君が誘いに応じるはずがないからね。どうせ適当に会話でもしている流れの中で、こっそりと聞き出したい事でもあったんだろう?」

 

「くっ……!」

 

 なんとも悔しそうに顔を歪める彼女。俺が雪乃ちゃんにイニシアチブを取れる事なんてそうそう無いからね。せっかくだから、もう少しだけ意地悪しちゃおうかな?

 というか、雪乃ちゃんがこの程度の揺さ振りで隙を曝け出すということ自体が、彼女の変化の顕れそのものなのだろう。以前までの鋭利な刃物のように冷たい彼女であれば、少なくとも俺には決して見せなかった隙。それをこうも容易く見せてくれる事が、たまらなく嬉しくもあり……たまらなく悔しくもあるのだけれど。

 

「ま、俺はどっちだっていいんだよ? 雪ノ下さんが聞きたい事があるのなら、俺が教えられる範囲でもあればいくらでも教えるし、特に聞きたい事がないようなら、このまま無言の時間が続いたってそれはそれで結構楽しめているしね」

 

 にっこりと問い掛けた俺の選択肢は、悔しそうに歯噛みしている彼女には悪魔の選択に見えているのかもしれない。

 いけないな。こういった機会が珍しすぎるあまりに、少し楽しみすぎてしまったかもしれない。せっかくあの雪乃ちゃんが俺の誘いに乗ってくれたんだ。やりすぎて雪乃ちゃんがヘソを曲げて、聞きたい事を聞くに聞けなくなってしまったらさすがに申し訳ない。

 

「……はぁ〜。……葉山隼人くん。あなたってそんなに底意地が悪かったかしら。少なくとも、表向きだけはいい人を装ってるように記憶していたのだけれど」

 

 しかししばしの葛藤のあと、頭痛を抑えるようこめかみに指を添えて深く溜め息を吐いた彼女の言葉も、また予想外の言葉。

 いままでの彼女ならここで意地を張って会話を打ち切っていたかもしれないけど、今日の彼女はそんな意地や負けず嫌いを我慢してさえも、まだ会話を続ける気らしい。つまり、我を押し通すのが常の彼女がそうまでして聞きたい話なんだと思う。

 

「はは、ひどいな。ま、偽善者の俺も雪ノ下さん相手に表向きを装う必要なんてないしね」

 

 彼女のひどい言い草に思わず苦笑を漏らしてしまった俺ではあるけれど、ほんの少しのお返しをしたところでこの悪戯は終了としよう。

 普段なかなかお目にかかれない雪乃ちゃんの慌てる様は十二分に楽しませてもらったし、さすがにあまり虐めすぎるのも可哀想だしね。

 

「で、なにが聞きたいのかな。調子に乗って少し意地悪してしまったし、なんでも答えるよ」

 

 まぁ雪乃ちゃんが誘いに応じた時点でなにかあるなとは気付いていたし、もともと何を聞かれても答えるつもりだったけどね、という本心は内緒だけど。

 

「……最初から気付かないフリをして、黙ってそうしてくれていたら助かったのだけれど」

 

 恨めしげに俺を一瞥する雪乃ちゃんの表情につい笑みがこぼれてしまう。

 いつもなら俺が一方的に攻められっぱなしなんだから、たまにはちょっとくらいいいだろ?

 

 

「……そ、その」

 

 

 そしてついに雪乃ちゃんの口から本日の目的が語られる事となるのだが、その口から紡がれた言葉は、さんざん予想を裏切られてきた今日の雪乃ちゃんの対応の中でも、特に一番の予想外な言葉だった。

 

 

「……だ、男性は、女性に贈り物をされるとしたら、一体どんな物をもらうと嬉しいと感じるのかしら……?」

 

 

 決して俺と視線を合わさないようにそっぽを向きながら、そんなあまりに予想外の台詞を口にした雪乃ちゃんの頬は、この十数年間のあいだに見てきた雪乃ちゃんの頬の中で、一番の熱を帯びていたのだった。

 

 

× × ×

 

 

 男性への贈り物、か。これはまたなんとも予想だにしない相談をされたものだ。

 俺への贈り物……という可能性はゼロなのは分かっている。それはこの質問をされたのが俺だから、という事実を差し引いたのだとしても、どちらにせよ可能性はゼロからコンマ1だって上がらない。

 

 ではあの雪乃ちゃんがここまでして俺に尋ねてきた理由はなんだろうか? と考えた時、脳裏にはすぐにとある解答が思い浮かんだ。

 

 

 ──ああ、そういえばおじさん……、雪乃ちゃんの父親の誕生日は今月だったか。

 

 

 そう考えると、あの雪乃ちゃんがそっぽを向いて、こうまで所在なさげに身を捩らせているのも、まぁ分からなくもないかな。些か恥ずかしがりすぎな気がしないでもないけれど。

 

 彼女の家庭環境はかなり複雑だし、以前は彼女自身が意識して家族からは距離を置いていた。

 でも二月に実家に戻った頃から、彼女の中での家族への思いにもなにかしらの変化があったのだろう。故に今まで誕生日に贈り物などしたことのない父親へのプレゼントを思い悩んでいたのだろうと思う。

 

「贈り物、か。……そうだな」

 

 であるならば、ここは俺も真剣に考えてあげなくてはならないな。本当なら頼りたくないであろう俺なんかに相談してくれたんだ。出来うる限りの協力を惜しむ気はない。

 

 贈るのであれば、やはり身の回りの物がいいかな。愛する娘に贈られた大切な品だからこそ、いつも身に付けていたいだろう。

 例えば腕時計。例えば靴。贈り物としては申し分ない物は数あれど、どれも高校生が贈る品としては多少高価なものだ。

 ましてやおじさんはそういった物は常に一流の品で身を固めている。いくら雪乃ちゃんが使える金額がそこらの高校生よりいくらか多くとも、やはりあのおじさんに贈る品としては現実的ではないかもしれない。

 だったら身の回りの小物、か。

 

「ま、定番中の定番だけど、ネクタイなんか喜んでくれるんじゃないかな」

 

 これは男性に、というより父親に向けての定番かもしれないけどね。

 しかしネクタイは毎日使う物だし、ビジネスマンの身を包む戦闘服とも言えるスーツに、ほんの少しの遊び心を加えられるアクセントにもなるもの。もちろんネクタイだってピンからキリまである物だし、一流の物を贈ろうとすればかなりの高額になってしまう。

 しかしそこは贈られる側の趣味と贈る側のセンスが合致すれば、そこまで高価な物でなくたって構わないし、ネクタイなら愛する娘から贈られて喜ばない父親は居ないだろう。

 

「ネクタイ……。確かに男性への贈り物としては定番かもしれないけれど、ネクタイは指定の物をしているのだし……」

 

 俺からの提案に、ぶつぶつと呟きながら顎に手を添えて悩む雪乃ちゃん。その目も呟く言葉も真剣そのものなのだが、ひとつだけ少し気になるワードに引っ掛かりを覚えた。

 

 

 ──指定の物? それはどういう意味だろうか。

 

 

 まぁ、確か几帳面な人の中には曜日によって決まったネクタイを絞めていくという人も居るらしいし、案外おじさんはそのタイプなのかもしれないな。

 

「もしくはストールなんてどうかな? 今夜もそうだけど夜はまだ冷えるし、マフラーと違って暖かい日でも普段着のアクセントとしても使えるからとても便利だよ。ストール一本あるだけで私服も一気にお洒落になるしね」

 

 おじさんがストールを巻いている姿は見たことがないけど、とてもお洒落な人だし、休日にストールを巻いて外出するおじさんの姿というのも中々いいのではないだろうか。

 

「……ストール。確かに悪くはないけれど、さすがに真夏にそんなものを贈られても困惑してしまわないかしら……」

 

 またも俺の提案に対し考え込む彼女。どうやらこれも却下の方向のようだ。

 まぁそれは仕方の無い事だろう。さすがに真夏にストールを贈られても困る事は間違いない。中には夏にストールを巻いている男性もいるにはいるが、あれは本人がお洒落の為に勝手に我慢してる分には構わないが、正直周りからすると出来れば遠慮してもらいたいものだ。燦々と照りつける太陽の下で首に巻き付けられたストールというのは、見るからに暑苦しい。

 

「……ん?」

 

 危うくうっかり流しかけてしまったが、今の雪乃ちゃんの弁には物凄い違和感がある事に気が付いた。

 

「えっと、雪ノ下さん……。そのプレゼントというのは、夏に贈る物なのかい?」

 

 そう、夏。

 まだ初夏にもなっていない春真っ盛りの今、彼女は夏の贈り物に頭を悩ませているという。

 その事実が示すのは、雪乃ちゃんがプレゼントを贈る相手が父親ではないということ。雪乃ちゃんの相談がちょうどおじさんの誕生月と重なった為に、どうやら俺はすっかり勘違いをしていたらしい。

 

「……な、なにか問題でもあるのかしら」

 

 そして、驚きの色を見せていた俺に彼女が返してきた色は深紅。

 ただでさえ透き通るように白い彼女の頬だからこそ……いや、頬だけでなく耳も首も腕に至るまで、その赤は彼女の肌を美しく染め上げた。

 

 そしてその瞬間、不意に頭を過った光景の数々が脳内を駆け巡る。

 

 

 

 

『はやはちキマシタワー!! ブッハァ!』

 

『海老名擬態しろし』

 

『……海老名さん、マジっべー。……あ、そいや結衣ー、なんでヒキタニくんて海老名さんにハチって呼ばれてるん?』

 

『ん? だってヒッキーって八幡って名前だし』

 

『八幡? へー。つか八幡てけっこー変わった名前じゃね?』

 

『あ、なんかねー、八月生まれだから八って付けられたとか言ってたよ』

 

『適当すぎね!? いや、適当ってかむしろ漢らしいわ。いんやー、ヒキタニくんの親マジぱないわー』

 

 

 

 いつもと変わらない教室でのやりとりの中で、不意に耳に入ってきた何気ない情報。

 まぁ彼の誕生日がいつだろうと、俺には特に関係がないとすっかり忘れていたけど、まさかこんな形であの情報が記憶から呼び出されるとは思わなかった。

 

 それに加えて年始でのあの一幕。

 あの日、雪乃ちゃんの誕生日前日に千葉で偶然出会った彼と結衣は、まだ一日早いとはいえ雪乃ちゃんに贈り物を渡していた。そんな二人と別れた彼女は、とても大切そうに彼らからの贈り物を胸に抱えていたっけ。

 

 まだ八月には遠すぎること。彼女の相談がおじさんの誕生月と重なったこと。

 それらの理由で雪乃ちゃんの本当の目的に思考が及ぶことは無かったのだが、解ってみればなんとも単純な話だったわけだ。彼女が俺に頼ってまで贈り物に悩んでいたわけも、彼女があんなに恥ずかしそうに身を捩らせていたわけも。

 

 それに気付いてしまった時、俺の中にはなんとも形容し難い感情が沸き上がってきた。

 この感情を表に出すわけにいかない事は分かっている。もし今これを表に出してしまったら、たぶん俺は雪乃ちゃんにきつく叱責されてしまうだろうから……

 

 それは分かっている。分かってるんだけど……、ああ、やっぱり駄目だな。どうやら俺は、自分で思っているほどポーカーフェイスにはなれないみたいだ。

 そして我慢しきれなくなってしまった激しい感情が、ついに口から零れてしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

「……ぷっ!」

 

「……っ! ……な、なにがおかしいのかしら」

 

「あ、い、いや、すまない。……あ、あはは」

 

 つい噴き出してしまった俺に雪乃ちゃんからの凍える視線が突き刺さり、慌てて謝罪する。控え目に言ってとても恐い。

 身の危険を感じ、なんとか誤魔化そうと必死な俺の姿はさぞ滑稽な事だろう。そんな自分を想像しただけで、また違う笑いが込み上げそうになってしまうよ。

 でもここでまた少しでも口角を上げようものなら、その時は俺のちっぽけなプライドなどズタズタにされるほどの口撃を食らうに違いない。しっかり気を引き締めないと。

 

「……いや、いくらなんでも夏の相談を持ちかけてくるのは早すぎじゃないか? と思ってしまってね」

 

「し、仕方ないでしょう。あなたとこうして二人になる機会なんて、家族同士が集まった時くらいしかないのだから」

 

「だったら次はお盆だってあるだろ?」

 

「……お盆では、少し間に合わないのよ」

 

 なんとも照れくさそうに目を泳がせる彼女の言葉を聞いて、俺はまた新たな情報を得る事となる。

 

「へぇ、比企谷の誕生日って八月の初旬なんだな」

 

「!? あ、あなたは一体なにを言っているのかしら、別に私は夏とは言ったけれど八月なんて一言も言っていないのだしましてやその相手が比企谷くんだなんて一切口に出してはいないのだけれど勝手にあなたの中でおかしな物語を創らないでもらえないかしらとても迷惑でとてもとても不愉快だわ」

 

 おっと、これは失言だったようだ。

 でも、真っ赤な顔でまくし立ててくる彼女の必死すぎる弁に、俺の心の中には先程も感じたなんとも形容し難い感情が渦を巻く。

 

 

 ──なんだろう、まるで花も恥じらう恋する乙女そのもののような、雪乃ちゃんのこんな慌てる姿を見ていると、胸の奥底からなんとも温かい感情が……、なんとも嬉しい感情が沸き上がってくる。

 

 

 我ながら可笑しな話だとは思う。好きな人『Y』が、他の男へのプレゼントに思い悩んであたふたしているのを見て顔が綻んでしまうなんて。胸が温かくなってしまうだなんて。

 でもそれはなんの間違いもない、俺の……葉山隼人の偽らざる気持ち。

 

 

「……以前。……あれは確かマラソン大会の打ち上げの時だったか。あの時も言ったけど、やっぱり君は変わったな。それも少しどころか、かなり、ね」

 

 

 彼女が変わりはじめたと感じたのは、いつの頃からだっただろう。なかなか話す機会が無かったから本人には直接伝えられなかったけれど、それはマラソン大会なんかよりもずっと前から。

 “それ”をなんとなく感じはじめた頃は正直戸惑いもしたし、悔しくもあった。あの雪ノ下雪乃を変えてしまえる人間が居るのだという事実に。

 

 彼女を変えたのは間違いなくあいつ。俺が唯一大嫌いと公言する、とてもムカつく奴だ。

 もちろん彼女を変えた要因は結衣にもあるだろう。いや、“結衣にも”ではなくて“結衣も居たから”か。彼女が居て結衣が居てあいつが居る。そんなあの不思議でおかしな場所が、彼女を少しだけ変えてくれた。

 

 でもそんな少しだけ変わった彼女をここまで大きく変えたのは、やはりあいつ。

 まったく。本当に腹立たしい奴だな君は。俺の好きな人を、こんなにも普通の女の子に……こんなにも可愛らしい普通の女の子に変えてしまえるなんて。やっぱり俺は君が嫌いだよ。

 

 

 すると、つい今しがたまで慌てふためいていた彼女の紅色の頬が優しく緩む。

 

「そう、ね。……ほんの少しだけ、変わったかもしれないわね」

 

 ふっ、と。優しげな瞳で俺の目を見つめる雪乃ちゃん。でもその瞳に写っているのは俺ではなく別の人、別の場所、別の刻なのだろう。

 

「へぇ、意外だね。あの時と違って、今日は素直に受け入れるのか」

 

「あら、打ち上げの時だって否定はしなかったと記憶しているのだけれど。あの時は少し照れくさかったから、どうかしらとはぐらかしただけ。あなたに対しても、自身に対しても……」

 

 でも、と彼女は言葉を紡ぐ。

 

「今はもうはぐらかす必要も無いくらい自覚しているから。自分が変わったと」

 

「そう、か」

 

 

「ええ。……ふふ、ほんの少し前までは、世界を変えるなんて身の丈に合わない馬鹿げた事を言っていたのだけれど、今こうして変わったのは……変えられたのは私のほう。人生って、なかなか上手くはいかないものね」

 

 そう言う彼女は、とてもではないが自身の上手くいかない人生を嘆いているような顔はしていない。

 彼女が浮かべているのは、嘆きではなく幸福。

 

「……でもね、とても不思議な事なのだけれど、それでもやはり世界は変わったのよ。私が変わる事によって、私の周りの世界が今までとはまったく別の世界に変わってしまった。私が望んでいた変革後の世界なんかよりも、ずっと素晴らしい世界に」

 

「そうか」

 

 世界は往々にして優しくない。それは彼女のように清く正しく生きようとする人間には、特に厳しく辛く感じるだろう。

 だから彼女は願った。世界が自分に厳しいのならば、いっそ世界ごと変えてしまいたいと。

 

 でもなんのことはない。彼女自身が変わる事で、彼女は彼女を取り巻く世界を変える事が出来た。ずっと願っていた世界とは違う世界なのかもしれないけれど、雪乃ちゃんが一番素敵な笑顔でいられる一番素敵な世界に。

 

「ええ」

 

 未だ熱の籠もった赤い顔でとても満足そうにはにかむ雪乃ちゃん。そんな彼女を見ていたら、どうしても自分の気持ちを伝えたくなってしまった。

 唯一あいつにだけ……大嫌いなあいつにだけ明かしたことのある胸の内を。そして、そんな俺でも今思いついてしまったとある思いを。

 

「……俺は変わらない事も大事だと思っていたし、その気持ちは今でも変わらない。とても情けない話だけど、俺は変われないし、変わってしまう事を畏れてもいる。だからたぶん俺はこの先も変わらないし、これからも自分では選ばないという選択をしていくんだと思う」

 

 正直、俺は彼女が羨ましい。自分を変えてくれる存在と巡り合えて、そして自分の世界を変えてくれた存在を想える君が妬ましくも思う。

 俺も彼女のように変われたら、自分が変わる事によって世界までも変えられたら、なんて思ってしまう自分が居ることは認めざるを得ない。

 

 でも俺は変われないだろう。こう見えて、俺はなかなかに臆病で、なかなかに面倒くさい難儀な性格なんでね。

 

「……それでも」

 

 そう。それでも、だ。そんな俺でも、雪乃ちゃんとのこのやりとりを経て、ひとつだけ変わろうと、ひとつだけ自分で選ぼうと思えた事があるんだ。

 

「……今からひとつだけ、自分で選択肢を選ぼうと思う。誰に言われたわけでもない。誰かから期待されたわけでもない。俺自身が選ぶ選択だ」

 

 そして俺は言う。みんなの葉山隼人の言葉じゃない。これは俺の言葉。

 

 

「雪乃ちゃん。将来、俺と結婚してくれないか?」

 

「は?」

 

 その瞬間、辺りの空気も時間も凍り付く。途端に無表情になる雪乃ちゃんの冷めきった目がなかなかキツい。まぁそうなるだろうとは分かっていたけど、これはちょっと想像以上だ。

 

「……あなたは何を言っているのかしら。ふざけているのなら、私はもう帰らせてもらうわ」

 

 俺の発言により、先程までのせっかくの穏やかな空気が台無しになってしまった。そんな穏やかな空気に気を緩めかけていた雪乃ちゃんが憤慨するのも無理はないと思う。

 でもこれは、別に君を怒らせたくて言ったわけでもなければ、もちろん本気で君と結婚したいから言ったというわけでもないんだ。

 

「すまない、冗談だ。……いや、冗談ではないか。そうだな、これはけじめ、なんだと思う。しっかりと君に振られておこうというけじめ」

 

 緊迫してしまった空気を少しでも和らげるよう、苦笑交じりの笑顔を彼女へと向ける。

 

「……どういうことか、説明してもらいましょうか」

 

 怒りと呆れで席を立ちかけた彼女も、俺からの謎めいた言葉と笑顔に、俺への興味を失っていた瞳にもう一度興味の色を宿してくれた。

 

 それじゃあ言わせてもらおうかな。ここからは俺のターンだ。

 

「俺が唯一自分で選択しようと思ったこと。それはね、雪乃ちゃんの選択を応援すること」

 

「……?」

 

「俺はこの十七年間……。いや、物心がついて、自分が将来歩まされるであろう道を感じた時から考えると十年と少しか。そんな十年の中で、俺は両親から、周りからの期待を裏切らないよう努力してきたつもりだ」

 

「……そうね。あなたがその努力をしてきた事は知っているわ」

 

 ま、それが前向きな努力なのか後ろ向きな努力なのかは分からないけどね。

 他人から見たら、そんなのはただの逃げに見えるかもしれない。敷かれたレールから外れないようにする為の努力。なんとも格好悪い話だ。

 それでも俺はそのやり方を信じて生きてきた。

 

「だから俺は、いずれ来るであろう誰かとの将来にも、なんの疑問も持たずにいた。持たないように生きてきた」

 

「……」

 

 そこまで言うと、雪乃ちゃんは苦虫を噛み潰したかのように俯く。

 それはそうだろう。だって、その将来の相手は君なんだから。

 

 しかし彼女は、でもね、と言葉を紡ぐ俺に再び顔をあげた。

 

「……それはもうやめた。やめようって決める選択を選ぶことにしたんだ。そして、雪乃ちゃんが選ぶ選択を、精一杯応援する選択を選ぶことにした」

 

「葉山くん……」

 

 具体的な事はなにも言わない。この話し合いは、俺と君の決別の話し合いなのだと。幼い頃からお互いになんとなく感じていた、二人の未来図の終焉なのだと。

 具体的な事はなにひとつ言わないけれど、それでも雪乃ちゃんは、今のやりとりだけで全てを理解してくれたようだ。

 

 そんな彼女の理解力の早さに満足した俺は、このシリアスになりかけてしまった空気をなんとかしようと、出来うる限りおどけてみせる。

 

「だから一度きっちり振られておこうと思ってね。ほら、子供の頃は何度も雪乃ちゃんにプロポーズしてたろ? 将来お嫁さんになってよ、ってさ。もう何回したか分からないくらい」

 

 ……本当に、何度プロポーズした事だろう。

 まだ無邪気だったあの頃。お互いの家の事も、お互いの親の期待の事もなにも考えないで済んでいたあの頃。それでもなんとなく将来を感じていたであろう少年時代の俺は、雪乃ちゃんに何度もプロポーズをしていた。

 それこそ軽く百回はしてたんじゃないかな。君に深い傷を負わせてしまった小学生時代のあの時からは、一度だってしたことなんてないけれど。

 

「だから、ま、けじめとして、最後のプロポーズをしとこうと思ってね。これでばっさりと断ってくれたら、あとはもう雪乃ちゃんを全力で応援するよ。……変わらない俺が、選択をしない俺が、唯一選ぶ選択だから」

 

 そしてこれでお終いにしようよ。お互いに、幼い頃からの呪縛に縛られるのは。

 

「ごめんなさい。あなたのプロポーズ、断固として拒否します」

 

 そう言って頭を下げた雪乃ちゃんは、俺が今まで見てきた彼女の中でも、一番素敵な笑顔だった。

 

「……いやいや、断るにしたってもっと柔らかい言い方があるだろ!? まったく。相変わらず酷いなぁ、雪乃ちゃんは」

 

「あら、あなたが言ったんじゃない。ばっさりと叩き斬れと」

 

「そこまでは言ってないだろう!?」

 

「ふふっ」

 

「はは」

 

 

 

 ようやく呪縛から解き放たれた二人は、本当に久し振りに心から笑い合う。こんなに迷いの無い笑顔の向け合いは、一体いつぶりだろうか。

 本当に我ながらおかしな話だよ。好きな人に振られて、こんなにも清々しい気持ちになれるだなんて。

 

 

 

 

 

 ──好きな人、Y、か。

 確かに俺は雪乃ちゃんの事を大切に想っているし、分類で言えば間違いなく好きな人なのだろう。

 

 でもその好きは、どちらかといえば家族に向ける好意に近いのだと思う。もし俺に妹が居たとしたら、多分こういう好きを向けていたんだろう。

 

 

『結局、本当に人を好きになったことがないんだろうな。……君も、俺も』

 

 

 いつかの台詞が頭を過る。

 あれはそう、俺の大嫌いなあいつに向けた台詞。そして、自分自身に向けた台詞。

 そう。ずっと分かっていた。俺は本当に人を好きになったことなんて無いんだって。

 

 でも、いくらなにも選ばない俺でも、選択しない事を選んだ俺でも、心のどこかではずっと疑問に感じていたんだと思う。いくら選ばないからといって、好きでもない相手と将来を築くのはどうなんだろう、と。

 

 だから俺は、雪乃ちゃんを好きだと思い込もうとしていたんだ。好きな人と結婚できる。それのどこに疑問を挟む必要があるんだ? と、自分に言い聞かせていたんだ。

 なんのことはない。選択をしないと決めた自分の選択は間違ってないと、そう思い込みたかっただけ。

 

 だからあの時、千葉村で戸部に好きな人のイニシャルを聞かれてイラついたのだ。本当は違うのに、答えたくないのに、それでも自分に嘘を吐く為にYと答えてしまった自分自身に、無性に腹が立ったから。

 

 ……結局俺は、本当は変われない自分が嫌いなんだろう。

 

 

 

「……あなたも、少し変わったわ」

 

 不意に。彼女はそう口にした。

 思考の海を泳いでいた意識をそちらへ向けると、ひとしきり笑って満足した彼女は優しく微笑んでいた。

 

「俺が?」

 

「ええ。あなたは自分は変わらない、変われないと言っていたけれど、そんなことは無いわ。最近のあなた、結構変わったわよ」

 

「そうかな」

 

「ええ。だって以前のあなたとだったら、こうして二人でお茶をする事なんて、想像しただけで虫酸が走るもの」

 

「はは、雪乃ちゃんは本当に酷いな」

 

「でも今はそこまで不快ではない。それは、あなたが変わったから」

 

 それは違うよ雪乃ちゃん。それは、君が変わったからなんじゃないのかな。

 俺は君のようには変われない。

 

「……人って、変われるのではなく、気付いたら変わってしまっているものよ。いい変化もあればそうでもない変化もあるけれど、少なくともあなたの変化、私は嫌いではないわ」

 

 そうは思っていても、雪乃ちゃんがそう感じてくれているのなら、もしかしたら本当に少し変わったのかもしれないね。

 変化していってしまうのを畏れる俺が変わった、か。面白い事もあるものだ。

 

「それは最高の誉め言葉だよ。ありがたく頂いておこうかな」

 

 ……もしも本当に少し変わったのだとしても、それが自分にとって良い物なのか悪い物なのかは分からない。それでも、なんとも悪くない気分だ。

 

 だったら、変わるというのはそんなに悪いものでもないのかもしれない。

 ずっと変わらないと思っていた自分が本当に変わっていってしまうなら、そしてそれを実感する事がこんなにも気分がいいものならば、俺も少しずつ変化を受け入れていってみようか。

 

 

 

 

 ──そんな風に思えるということ自体が、俺が変わってきている証拠なのかもしれない。ならばこれからも、少しずつ少しずつ変わっていこう。出来る事を出来る範囲でやっていこう。

 そうだな。まず差し当たって出来る事といえば……

 

 

「よし。これでこの話はお終いにしよう。じゃ、話を戻すけど、確か比企谷の誕生日プレゼントの話だったっけ」

 

「……だ、だから別に比企谷くんの事だなんて一言も言ってないでしょう」

 

「あはは、もうそういうのはいいんで。で、どうしよっか? というか流石に今真夏のプレゼントの相談をされても、雪乃ちゃんの好感度アップを狙える贈り物なんて思いつかないよ?」

 

 

「なっ!? だ、誰も好感度がどうだなんて言ってないでしょう! 勝手に物語を創らないでと何度言えば理解できるのかしら! そ、そもそもあなた、さっきから呼び方が昔に戻っていてとても不愉快だからやめてくれないかしら……!」

 

「あははっ」

 

 

 

 

 ──差し当たってはそう。こうやって、昔好きだった女の子の背中を押してみよう。

 

 

 

 

 




というわけで、実に3ヶ月ぶりの更新がまさかの葉山というね(・ω・)
まぁ葉山視点でのゆきのんSSといったところでしょうかね。


今回のは、以前からたびたび議論になるあのイニシャル。
Yだからゆきのんだろう、とか、雪ノ下ではるのんだろ?、とか、実はは優美子なんじゃね?等々、葉山の好きな人って誰ぞや?という議論に対しての私なりの考えって感じですね。
Yと答えさせられた時のあのイライラ感、そして「人を好きになった事がない」発言等を見て、あの時のYはこういう事なんじゃないかなー?なんていう妄想です(^^)



てなわけで100話達成の時点で一区切り付けたこの短編集ではありますが、たまーにこうやって突発的になんか書いちゃうかもしれないので、また更新があった時は宜しくです☆



ではでは今年も大変お世話になりました♪良いお年を〜!


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