八幡と、恋する乙女の恋物語集   作:ぶーちゃん☆

49 / 117


メリークリスマ〜ス!


大変長らくお待たせ致しました☆
ルミルミ完結編です!

やー……私って書き貯めてから更新するタイプじゃないんで、とっくに書き終わってるのに更新出来ないのってキツいですね><
勝手にイブ更新なんて宣言しちゃったのが悪いんですけど、なんかずっとモヤモヤしてます(苦笑)


というわけで、ようやく更新です!どなたさまも、ごゆるりと聖夜をお楽しみくださいませ(*^^*)




ぼっち姫は、愛する王子様と共に運命の国で聖夜を祝う【後編】

 

 

 

キラキラと輝くイルミネーションに包まれて、私達はディスティニーをゆっくりと歩く。

もう、ただ歩いているだけで、まるで夢のなかに居るみたいに幻想的。

 

「……綺麗だね、八幡」

 

「そうだな」

 

元々私と八幡はあんまり会話が多い方じゃない。ていうか少ない。

でもホーンテッドを出てから、暫くのあいだ光り輝くパーク内をのんびりと見て回ったんだけど、会話はホントにこれだけ。

 

でも、私と八幡との間の会話なんてそれだけで十分だよね。なんの不足もない。

たぶん他の誰とも、こんな気持ちになれる事なんてないんだろうな。

八幡だけだよ?私をこんな気持ちにさせてくれるのは。

 

 

こんな気持ちにさせてくれる八幡に、今日はすごいプレゼントを用意してきたんだ。

ディスティニーが夜に包まれてから、私の小さな胸がその事を思い出したかのように、ばくんばくんてずっと早鐘を鳴らしてる。

八幡、もう少しだけ待っててね。あとちょっとしたら、サプライズをあげるから。

 

 

× × ×

 

 

「寒っ……」

 

冬のディスティニーの夜は尋常じゃなく寒い。

凍り付くような風が吹くと、布に覆われてない部分が痛くてジンジンする。

 

「大丈夫か?留美」

 

「……うん。大丈夫」

 

「もう夜になったし、マフラーとかした方がいいんじゃねぇか?」

 

「……マフラー持ってきてないし」

 

「……は?マジで?どう考えたって寒くなんのなんて分かってたろ……しゃあねぇなぁ……じゃあ俺の使え」

 

八幡はそう言うと、自分が巻いてるマフラーに手を伸ばした。

 

「別に大丈夫。いらない」

 

「いや、大丈夫って事ねぇだろ。遠慮すんなって」

 

むぅ……しつこい!

今はまだいいんだってば。

 

「だからホントにいらない。八幡しつこい」

 

「はぁ……ったく、風邪引いても知んねぇぞ……?」

 

「子供扱いしないで」

 

私は八幡からの優しい申し出を、いつものように悪態を交えつつ頑なに拒否した。

でも……ホントは、ありがと。

 

 

「……じゃあ八幡、温かくなりたいから、そろそろ夕ごはんにしよ」

 

「ん?そうだな。なに食いたい?さすがにチュロスじゃねぇよな」

 

ニヤリと苦笑する八幡に冷たい眼差しを向けて言ってやる。

 

「あったまりたいって言ってんのに、外で食べ歩きするわけないじゃん。ばかじゃないの?」

 

だからなんでばかって言うとちょっと嬉しそうな顔すんの?

八幡って変態なのかな。

まぁ八幡だししょうがないよね。

 

 

そして私達は、クリスタルキャッスルっていうブッフェレストランで食事を取った。

ママのごはんで舌が肥えた私には味はあんまりだったけど、ガラス張りのこのレストランからはライトアップされた白亜城が近くに見えたから、とても素敵なクリスマスディナーになったと思う。

 

ちなみに八幡も味はイマイチだったらしく、しきりに「留美の作ったドリアの方が八万倍美味いな」とか言ってた。

……ばかはちまん……それ言われる度に料理の味が分かんなくなっちゃうんだから、やめてよねっ……

でも……来年のクリスマスディナーとクリスマスケーキは、仕方がないから私が作ってあげようかな、うん。

 

 

× × ×

 

 

『レディース・アン・ジェントルマン』

 

パーク内に響き渡る機械音声のアナウンスが、ナイトショー・エレクトリックパレードの開始を告げる。

 

お馴染みのBGMに乗せて、クリスマスバージョンのデコレーションに光り輝くフロートと、クリスマスバージョンのコスチュームに着飾ったミキオ達が、夜のパークを美しく華やかに彩る。

 

「エレクトリックパレード久しぶりに見たんだけど、やっぱりいいよね」

 

キラキラ光る電飾の光を浴びて、八幡の顔もキラキラと照らされる。

私もキラキラしてるかな?

 

「そうだな。なんかクリスマスな感じになってるしな」

 

「クリスマスな感じって、八幡、パレードもクリスマスバージョンになってるの知らなかったの?」

 

「んー、まぁそうだな。去年はパレードんとき、ゴタゴタしてて見れなかったからな」

 

「…………」

 

……ん……?去年って、なに……?

 

「八幡……去年もクリスマスにランド来たの……?誰と……?……またお団子……?」

 

「へ?……あ、あーあー、違げぇ違げぇ。いや、まぁ由比ヶ浜も居たっちゃ居たが……」

 

「……ふーん」

 

「いやいや声低っ……だからそういうんじゃ無くてだな……仕事だよ仕事」

 

「なに……?仕事って」

 

浮気を仕事って言って誤魔化すとか、八幡男として最低。

 

「ほら、去年コミセンでクリスマスイベントやったろ?あれの視察も兼ねて行って来いって平塚先生にパスポート何枚か貰ってな。最終的には八人の大所帯になって行って来たんだよ」

 

…………ホッ、なんだ、そういうことかぁ。

まったく、ホント八幡ってだめだめ。

 

「そうならそうと、早く言えばいいでしょ。ばかはちまん」

 

「言う隙さえ与えられなかったんだが……」

 

愕然とする八幡は無視して、私は去年のクリスマスの事を思い出していた。

あの日、ホントに……本っ当に奇跡的に八幡と再会できだからこそ、今の私達があるんだ。

こうして手を繋いで、クリスマスのランドでパレードを一緒に見ていられるんだ。

 

「ねぇ八幡」

 

「な、なんすかね」

 

目の前を通る光り輝くフロートの灯りに照らされて、私は八幡に心からの笑顔を向ける。

電飾が眩しくて明るいけど、夜だし赤くなってる顔はバレないよね。

 

「私、去年のクリスマス、先生からイベントに参加してみないか?って言われて、正直迷った。ぼっちの私が行ったって、なんにも楽しい事なんて無いんだし。でも一人でなんでも出来るようにって頑張ってる時だったから、本当は嫌だったけど無理に参加したんだ…………でもね、今は参加して、本当に良かったって思ってる」

 

八幡と会えたから……恥ずかしくてそこまでは言わなかったけど、八幡はちゃんとそこまで汲み取ってくれたみたい。

 

「そっか。ま、手伝いで無理矢理参加させられただけだけど、俺も行って良かったわ」

 

そう言って、とても優しい笑顔で頭を撫でてくれたから。

 

 

パレードのBGMと光に包まれながら撫でられるのは本当に幸せ。今日一番の夢心地。

こんなに人混みが凄いのに、ゲスト達の騒めきも凄いのに、まるでこの世界には私と八幡しか居ないみたいな錯覚に襲われる。

ふわふわと宙に浮いてるみたいな感覚に陥っちゃうくらいに、まるで夢の中みたい。

 

 

パレードも終わり、暫くしてから花火が上がった。

普段ならディスティニーミュージックのなか打ち上げられる花火だけど、このシーズンばかりはBGMもクリスマス。

クリスマスソングに耳を傾けて夜空に咲く光の花を眺めながら、私はずっと頭を撫でて貰ってた。

 

 

 

そしてこのあと私は…………

 

 

× × ×

 

 

「八幡」

 

「どうした?」

 

花火も終わり、夢の時間もあとほんの少し。

そんな物悲しい時間のはずなのに、私の心臓はより強く、より早く鼓動する。

 

「ツリー、見に行こ」

 

「ん?ああ、そういやイルミネーションが点灯してから、まだ行ってなかったな。んじゃ行くか」

 

「うん」

 

パレードと花火を見ていた場所から、ワールドバザールのツリーまではすぐ近く。

ほんのすぐ近くのはずなのに、目の前にそびえるこのツリーが視界いっぱいに広がるまでには、なんだか物凄い時間が掛かったような気がする。

 

「綺麗……」

 

私は目的も忘れて思わずうっとりと眺めてしまった。

 

「だな。昼間見た時も凄かったけど、やっぱライトアップされると別モンだよな」

 

「うん……」

 

暫く無言で眺めてたけど、刺すような寒さと、それに反比例するかのような八幡の手のぬくもりに、私はするべき事を思い出した。

思い出した途端に、なんだか顔がカァッと熱くなる。

 

こくりと喉を鳴らして、私は意を決して八幡へと言葉を放つ。

 

「八幡、あのさ」

 

「おう」

 

「クリスマスプレゼント…………ちょうだい?」

 

「へ?」

 

私からの突然のプレゼント要求に、八幡が間抜けな声をあげた。

そりゃね。子供が親にねだる訳でもあるまいし、普通自らクリスマスプレゼントを要求するなんて有り得ないよね。

 

「お、おう、そうだな。ツリーの下とかで渡した方が雰囲気あるしな。ほれ」

 

八幡は鞄をごそごそすると、可愛くラッピングされたプレゼントを渡してくれた。

って…………あ、あれ?

 

「嘘……?八幡、プレゼントなんて用意してくれてたの……?」

 

「は?そりゃ用意するだろ。まさか驚かれるとは思わなかった…………てか、じゃあなんで要求したの!?」

 

ホントびっくりした……

まさか八幡のくせに、自ら女の子にプレゼントを用意してくれてるなんて……

予想外の出来事に、嬉しさと驚きで、ちょっとだけ視界が霞む。

 

私は八幡から手渡された包みを、俯いたままギュッと胸に抱き締める。

どうしよう……めちゃくちゃ嬉しい……身体が震えるほどに……

よし。これは私の宝物にしよう。永遠に。

 

「八幡のくせに生意気っ……」

 

「俺はクリスマスプレゼント用意しとくだけで生意気なのかよ……」

 

生意気に決まってんじゃん……八幡のくせに……八幡のくせにっ……

 

 

あまりのサプライズに、つい我を忘れて歓喜に酔い痴れちゃってたけど……ダメでしょ私……!むしろこの嬉しすぎるサプライズは、私の計画に支障を来すんだから。

 

だから私は嬉しさを押し殺して、その幸せの包みをバッグに押し込み、八幡に無情の言葉を発した。

 

「あり……がと……。でも、これじゃ足んない。もっとちょうだい」

 

「マジかよ……はぁ……で?あとは何が欲しいんだ……?」

 

せっかくプレゼントをくれたのに、さらなるプレゼントの要求に肩を落とす八幡。うー……ごめんね……

心の中で謝りながらも私は指を差す。今、私が一番欲しているものに向けて。

 

「それ。それが欲しい」

 

「……は?こ、これ?」

 

 

× × ×

 

 

ぬくぬくっ、いい匂いっ……!

私は、八幡に貰ったマフラーをぐるぐる巻きにして顔をうずめて、その八幡のぬくもりと匂いをクンクンと堪能してる。

 

「えへへっ……」

 

うぅ……なにこれ……まるで麻薬みたいに私の心をあっという間に支配していくぬくもりと香り。

あぅ……幸せ……

 

「あのな…………だからさっきから何度もマフラー使えって言ったろうが……。プレゼントくれとか言わないで、寒いなら寒いって言えよ、アホ……」

 

「アホとかハラスメントだからね、八幡。訴えてやる」

 

「俺、散々ばかはちまんばかはちまん言われてるんだけどっ?」

 

「なんか嬉しそうなくせに……」

 

「うぐっ!」

 

冷めた瞳で一瞥してそう言うと、八幡は痛いとこ突かれたみたいに言葉を詰まらせた。

やっぱり嬉しいんだ……変態はちまん。

 

「八幡が変態なことは取り敢えず置いとくとして、いいの!私が欲しかったんだから」

 

「……さいですか」

 

ふふ、なんだか八幡、力が抜けた顔してる。

プレゼントプレゼントって要求されて、私が嫌な女とかって思ったのかな。

でもね八幡。その力が抜けちゃった顔を、これから驚きでいっぱいの顔にしてあげるからね。

 

 

「ねぇ八幡」

 

「今度はなんすかね……」

 

「次は私がプレゼントあげる」

 

「マジ?」

 

「うん。マジ」

 

へへ〜っ、と悪戯っぽく笑いながら、私はバッグからごそごそと、可愛くラッピングした包みを取り出した。

喜んでくれるかな……すっごいドキドキする……!

 

「はい。あげる。開けてみて」

 

「へ?今ここで開けんの?」

 

私からプレゼントを渡された八幡が驚いたように尋ねてきた。

 

「………………開けてみて」

 

「……はい」

 

私が開けてって言ったんだから、八幡は大人しく開ければいいの!

 

冷たい目と声で二度目の開けてみてを言い渡された八幡は、とても大事そうに、ゆっくりとラッピングされた包みを開く。

少しずつ開いていく包みに、私の胸は激しく脈打つ。

 

「おおっ……」

 

開け放たれた包みから出てきたもの。それは、

 

「マフラー……」

 

「うん。あったかそうでしょ」

 

「ああ、すげぇあったかそう……ってかコレ……」

 

「……そ。私が貰ったこのマフラーの代わりに、今使えばいいよ。んで、受験生の八幡は、それでちゃんとあったかくして、風邪引かないようにしてね。あとは受験の日とかにしてけば、あったかい上にお守りにもなるからね」

 

「んだよ……手編みとか反則だろ……」

 

 

───あの日八幡が夢の国の招待状を届けてくれるよりもずっと前から、少しずつ少しずつ用意してた。

本を読んだりママに教わったりしながら、少しでもいい出来に仕上げようって頑張った、私の八幡に対する想いがいっぱい詰まった八幡の為だけのマフラー。

 

「……むっ、手編みのマフラーなんて、重いとか思ってない……?」

 

マフラーを持ったまま固まってる八幡に少しだけ心配になった私は、不安な気持ちがバレないように怒ったフリをして尋ねた。

 

「アホかっ……んなわけねぇだろ…………すっげぇ嬉しいっつーの……絶対受験の時してくわ」

 

「……ん」

 

良かった……喜んでもらえた。

八幡が本当に嬉しそうな顔してくれたから、完成するまで悪戦苦闘して大変だった毎日なんて、一瞬でどっかに飛んでっちゃった。

 

「……にしてもすげぇな、これ。マジで売ってるヤツみてぇじゃねーか」

 

「……でしょ。最初はママ……お母さんに見てもらいながら練習したんだけど、ある程度出来るようになったら、あとはもう全部一人でやったんだよ?…………どう?もう、」

 

そして私は小さな胸をいっぱいに張る。

 

 

「八幡なんかより、私の方がもっと一人でできる」

 

「……っ!」

 

 

へへへっ、言ってやった。

ずっと八幡に言ってやりたかった言葉のひとつ。

これを八幡に言ってやれるように……そして八幡が、もう私の心配しなくて済むように。だって、その為に私はなんでも頑張ってきたんだから。

 

「へっ……違いない。留美には敵わねーわ」

 

「えへへっ」

 

 

うん。私の勝ち。

よし。あとは最後の仕上げ!

もうひとつ、恥ずかしくてずっと言えなかった、でもずっと言ってやりたかった言葉を、八幡にプレゼントするからね。

 

 

× × ×

 

 

「おし!んじゃあ、有り難く使わせてもらうかな」

 

そう言ってすぐにマフラーを巻こうとした八幡を、私は慌てて止める。

 

「八幡、待って。まだしないで」

 

「は?いや、だって留美が今しろって……」

 

困惑してる八幡から、無言でマフラーをむしり取ってやった。

もう!八幡慌てすぎ。

 

「……私が巻いてあげる」

 

「いやいやいや、別に自分で巻けるっ…」

 

「私が巻いてあげる」

 

「…………よろしく」

 

 

…………ふぅ……

私は深く息を吐いた。

 

どうしよう……こんなの初めてだ。足がガクガクと震えて、立ってるのもやっと。

手の震えも尋常じゃない。

もう顔が燃え上がりそうなくらい熱いのか、血の気が引いて感覚がマヒしちゃってるのか分からないくらいにパニックになりかけてる。

 

「大丈夫、か……?どうかしたのか……?」

 

震える手の先にあるマフラーを見つめて固まったままでいる私を、八幡は心配そうに気遣ってくれる。

 

「別になんともない。ていうか早く屈んでよ。そのままじゃマフラー巻けないでしょ」

 

「……? ん、おう」

 

震える声をなんとか絞りだして八幡を私の身長の高さまで屈ませると、ふわりとマフラーをかけてあげる。

 

一巻き、二巻き。ぐるぐるとマフラーを巻かれる度に、あったかそうに、嬉しそうに、照れくさそうにするほんの10センチ先の八幡の顔を見つめながら、私は心の中でよしっ!と自分を奮い立たせる。

 

「うん。これでよし」

 

少しだけおしゃれに巻いてあげたマフラーは、八幡によく似合っていた。

うん。やっぱり八幡は格好良いな。

手縫いのマフラーもいい出来だよね。

 

 

 

───こくりと喉を鳴らす。そして、覚悟が出来た。

巻き終わってマフラーから放した両手は手持ちぶさた。

その手持ちぶさたになった両手を、ほんの10センチしか離れてない八幡の頬を挟むように優しく添えて、そして…………そして私は…………八幡の唇に、熱く震えるまだ幼く小さな唇を、そっと押しあてた……

おっきなディスティニーのクリスマスツリーの下で、キラキラと灯び続ける光に包まれながら……

 

× × ×

 

 

「な、なななっ……なんてことしやがる……!」

 

暫く固まっていた八幡だけど、まだ離れたくないと名残惜しむ唇をスッと離すと、ようやく我に返ったのか顔を真っ赤にさせてすごい慌てだした。

 

ホントは私だって慌ててる。もうホントやばい。死にそうなくらい恥ずかしくて今すぐにでもここから走って逃げたい。

 

でも……まだ終わってないから。

まだ、ずっと言いたかった言葉を言ってないから。

 

だから私は、涙で滲む瞳を、ぷるぷると震え続ける唇を、燃え上がるように熱い頬を、八幡からぷいっと逸らして隠したい気持ちを無理やり押さえつけて、まだ八幡の頬に両手を添えたまま、キスしたばかりのほんの10センチ先の八幡から目を逸らさずに、ずっと伝えたかった気持ちをきちんと言葉にして伝えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「八幡……………大好き」

 

 

 

 

やっと言えた。やっと伝えられた。

今さらかも知んないけど、素直になれない捻くれものの私がずっと言葉に出来なかったキモチ。

 

 

 

……あうぅ……もう無理。

キスしちゃって、大好きって言っちゃって、ついに私の振り絞った勇気はここで力尽きた。

この距離で八幡と目を合わせ続けるのはさすがにもう無理っぽい……!

再度固まっちゃった八幡に背を向けて、真っ赤に茹で上がった私は逃げるようにテテッと距離を取る。

 

でもあと一個だけ。

あと一個だけ言い忘れてた言葉があったんだ。

少しだけ八幡と距離を取ってクルリと振り返った私の目に映ったのは、光り輝くツリーをバックに立っている大好きな八幡。

そして八幡の目に映ってるのは、運命の国の素敵なイルミネーションと、美しくライトアップされた白亜城をバックに、真っ赤な顔して微笑む私、なのかな。

 

 

「ねぇ八幡!」

 

 

そして私は叫ぶ。私史上最高の笑顔で。

八幡に……ううん?八幡だけじゃない。八幡と私を出会わせてくれた、この世界中のすべてに感謝を込めて、聖夜のお祝いの言葉を。

 

 

 

 

 

 

 

「メリー クリスマスっ☆」

 

 

 

 

 

おしまいっ♪

 






事案発生事案発生!!
総員退避セヨ!総員通報セヨ!!



と言うワケで、聖なる夜に事案が発生したところで、みんな大好きぼっち姫シリーズはひとまずの完結とさせて頂きたいと思います!!(え?ダメ?許されないの?)
まぁルミルミ大好き作者であるこの私が、せっかくここまで育て上げたルミルミをこのまま捨て去ることが出来ればですけども(^皿^;)

ていうか、短編集なのにルミルミだけで11話ってどういうことだってばよ。
もう初めっからこのぼっち姫シリーズで長編にすりゃ良かったじゃんよ。

なにはともあれ、このぼっち姫シリーズを完結(仮)までご覧くださりありがとうございました!
みなさまにも、ルミルミみたいな幸せな聖夜が訪れますようにっ(^人^)



PS.今回は諸事情により、せっかくの有り難い感想に対する返信が遅れます><
いや別にリア充だからクリスマスには返信出来ないんだZE☆とかそういう舐めた理由ではなくて、マジで諸事情ですよ諸事情。


ではでは皆様!またあとでお会いしましょう!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。