やるきのないIS操縦者 〜lazy boy   作:永夜の報い

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序章 Ⅳ

 

 

 

 とりあえず僕は自室に帰ってきていた。まずは手紙を開けてみることにする。

 

『貴方がこれを読んでいるということは、私は貴方の前から姿を消しているでしょう。詳しいことは教えることができませんが、再び会う事は難しい。なので私から出来る最大限の事をしようと思い、その鞄を貴方に遺して行きます。上手く使って下さい。貴方を愛しています。さようなら。PS:この手紙は自動的に消滅し「うわぁぁぁ!!」

 

 急いで窓を開け手紙を外へ投げ捨てて伏せる。直後、バンッッ!という大きな爆発音が聞こえた。あぶねぇ。

 音からしてあのまま手紙を読んでいたら指2、3本持っていかれてたかもしれない。おぉこわいこわい。

まあいい。次は手紙と一緒に置いてあったアタッシュケースを開けてみよう。

 

と思っていたのだが…

 

「開かない……」

 

見た目は唯のアタッシュケースだけどコレ絶対に似てるだけの別物だな。閉じる為の金具が付いているけれどウンともスンとも言わない。

しかたない……

 

作戦1、力技

 

「うぎぎ………くへっ」

 

作戦1、失敗。

 

 

作戦2、実は別にスイッチがあったのさ!

 

「……」

……なかったのさ!

 

作戦2、失敗。

 

 

作戦3、

 

「開けゴマ!、アラホ・モラ!、アバカム!」

 

…手当たり次第色々言ってみる。

まぁこんな事で開くわけが…「ガチャ!」あったようです。わけがわからないよ。何に反応したのか。

 

「閉じろ!」

ガチャン

「オープン!」

ガチャ

 

ただの気合の問題だっだようだ。不思議技術万歳。

開いてみると、タッチパネルのようなものに何か文字が表示されている。…わかりやすいIS理論、仕様書、ISコア、1から簡単に作れるIS講座、etc。

 

〈 …コレ絶対に姉ちゃんこうなる事知っていただろ〉…という確信はないけれど疑いたくなるほどのアレコレが表示されている。つーか量子変換されてるのかこれ、本当にとんでもないな。

 

まあいい、そんなことより仕様書だ。パネルの仕様書のところをタッチしてみる。すると、しゅわん!という何とも形容し難い音がなり気がついたらアタッシュケースの中に仕様書と書かれた紙の束が…

 

「すごい」

 

の一言が思わずこぼれた。

超スピードとか超能力とかそんなちゃちなモンじゃー…とか言っていたポルナレフの気持ちであった。

 

仕様書(とは名ばかりの紙束)を読んでみると、このアタッシュケースの開け方とか使い方とか仕組みについて書かれていた。開け方の紙が中に入っていたら開け方わかんないやん…

 

どうやらこの鞄もどきはかなりたくさん物が入れられる(量子変換されるのでもちろん重さもない)様なので上手く使わせてもらうことにした。ISと同じ仕組み使っているとかとんでもなさ過ぎワロタ。

 

ISといえばコア入っていたような…

さらに言うとISコアって世界に400幾つくらいしかなかったような…

まあいいか、姉ちゃんならやりかねないような気もするし。

…姉ちゃんまた会えるといいなぁ。

 

とにかく、今は目の前の問題をどうにかしよう。

 

 

▽▽▽▽

 

 

僕、槭樹くん。今後部座席にいるの。

例のアタッシュケースに必要な物を詰めたり、近所に挨拶回りしたりで気がついたらあっという間に夜の帳が下りた。夜ご飯どーしよかなーなんてくだらない事考えていたらあることに気が付いた。

 

あれ?世界に2人しかいない人間をこんなふうに自由にしておくか普通?

 

テレビは映らないがネットは使えるのでISが使える男が世界に2人しかいない事は知ることができたのだが、1人目の織斑なんちゃら君の情報は怪しいほど出てきたのに僕の情報は全く出てこない、いやそもそも僕もISを動かせる、ISを動かせる男が二人ってことが公表されていないっぽい?

 

…あれ、これ研究所でモルモットまっしぐらルートか?

 

本来、女性だけが動かせるIS。もしも動かせる男が出てきて、それが二人である場合片方は・・・あはは。

 

怖くなってきたので外をみる。なにもみえない。まるで僕の未来を暗示しているようだ。

そこで気がついた。遠くの方にたくさんの輝くなにかがががが……

カーテンを閉めて何も見なかったことにした。

The 現実逃避。

さっさと寝よ。明日は早い。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

残念だったな、現実からは逃げられない。

翌日、緑の人がガチムチの黒スーツ(女)と共に僕を迎えにきた。

 

「おはようございます。それでは行きましょうか」

「はい。ええと…」

「あっ、私は山田真耶といいます」

「ぼ…儂は十五夜槭樹です。これからよろしくお願いします」

「はい、よろしくお願いしますね。槭樹君」

「ところで何処へ向かうんです?」

「そうですね。まず、研究じ…」

「失礼します」

 

かえで は にげだした!

しかし がちむち に つかまってしまった!

がちむち の こうげき!

 

「ふんっ!!」

「おごぉっっ!?」

 

かえで は きぜつ した!

 

 

 そして今に至る。いまのはちょっとだけ痛かったぞ。現在車でどこかに向かっている。

 どこにむかっているんだろーなー。まったくかいもくけんとうもつかないなー。どなどなー。

 

「あっ、気分はどうですか?」

「…あんまりよくないですね」

「ごめんなさい。私の言葉がたりませんでしたね。研究所にはISの適性の検査の為に行きます」

「ISの適性?」

「はい、ISの適性はEランクからSランクまであり高いほどISの反応がよくなります」

「へぇ〜。ゲームか何かのレア度みたいですね」

「ちなみに世の中の殆どの人はEランク、ISを起動させることしか出来ません。…それなのにISが誕生してから今まで女尊男卑の風潮が耐えません。…同じ人類で嫌悪し合うなんて嘆かわしいことです」

 

山田さんは本気で悲しそうな表情を浮かべていた。

……ここで『警戒されないように芝居しているのでは』とか考えてしまっていた自分に少し嫌悪感が湧いてくると同時に意外と彼女のような良識派も今日増えて来ているのではないかという希望的な考えも沸いてきた。

 

「槭樹君!見えてきましたよ!」

 

僕が自己嫌悪に浸っていると、山田さんから声が掛かった。あーみえてきちゃったかー。まぁ、なるようにしかならないし気楽にいこうそうしよう。

 

 

 

 

 

 

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