英雄伝説~王国の軌跡~   作:赤城 二号機

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あばばばb


第十三話 悲劇

事情を知らないものからするとそれはもはや救出作戦とは思えないものであった。救出作戦を念頭に置いていた帝国軍もまた常軌を逸した攻撃に驚きを隠せなかった。いまだ飛行艇を持たない帝国軍は空からの攻撃に対応できないことは確かであり、奇襲であればなおさらであった。突如上空に現れた二機の飛行艇は地上の帝国兵に対して無差別攻撃を始めた。狙いもロクにつけていないような、やみくものように思える攻撃。だが数の少ない高射砲があらかじめ分かっていたかのように破壊された以上、戦車が始動し、援護に来るまでその圧倒的な火力に装甲を持たない歩兵は必死に逃れるしかなかった。

 

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『強襲するだと?』

『ああ。こちらは絶対に人質を帝国領内に入れたくない。でも人質は敵陣ど真ん中。そこで無差別攻撃をする飛行艇が送られてきて手当たり次第に暴れている。そういう状態になったらどうする?』

『王位後継者が別に残っているから殺してでも人質を渡すな、ということか?』

『帝国人が興味あるか知らんが、この間まで王国人だったエドワードはデュナン公とクローディア殿下の王位継承問題のことをよく知っている。おそらく軍内のデュナン派あたりの指示だか暴走と勘違いしてくれるだろう。政治屋のエドワードのことだ、そんなことを考えるだろう。女王陛下を奪われて信頼を失っている状態だ。これ以上の失態は避けたいだろうから姫殿下だけでも連れて逃げようとするだろう』

『…危険すぎる。エドワードの動きはお前の予想にすぎんし、実際に殿下の殺害許可など出ているはずもない。民間人も避難していない。そんな状況で…』

『殿下の部屋はわかっている。窓から顔が見えたらしい。監視班と狙撃犯を救出班に勘違いさせて礼拝堂に突入するふりをしてやれ。その前に拠点毎に一発ずつぶち込んでもらう必要がある詳しくは監視班の情報と照会して決めてくれ』

『…万が一殿下が死んだ場合どうする?』

『戦闘中に死亡、とするしかないんじゃないか?妹と同い年の女の子を好き好んで殺したいわけないじゃないか』

『不敬罪だな。笑えん。銃殺もんだぞ…』

『だが普通に助けに行っても死ぬ。まあ、殿下を救出できたとしても俺とお前は確実に命令違反で確実に軍法会議行きだ。隠密どころか民間人まで巻き込むような作戦だからな』

『不名誉退役か銃殺。本気で言っているんだな?』

『ふざけられるような状況じゃないだろうが』

『いやな役回りだな』

『まったくだ』

 

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帝国兵の多くを死に追いやった飛行艇のうち1機は旋回しながら礼拝堂を守るような動きをしていた。チェーンガンは分厚い装甲を持つ戦車以外にとって脅威であった。

「くそう!あいつを打ち落とせないとこちらの被害は大きくなる一方だ!」

「戦車部隊が来るまでの間、持ちこたえるしかありません!捕虜を渡すわけには…ッガ」

「衛生兵!」

「礼拝堂にも狙撃兵がいるぞ!気をつけろ!」

「増援部隊はまだか!」

礼拝堂付近で怒号が飛び交う中、数発のロケット砲が撃ち込まれた臨時司令部も混乱していた。

「駐留軍の宿舎も攻撃されたようです。帝国軍の多いところは徹底的に攻撃されています!民間人もお構いなしのような攻撃です。人質を礼拝堂からこちらに移していたのが幸いしましたね…。巻き添えを食らう前に後方へ退避すべきでは?」

混乱の中情報を集めつつ人質の扱いをエドワードに尋ねる。再びそばに着弾したようだった。猛烈な爆音が響き、窓ガラスが砕け散る。

「…ああ。すぐにでも移そう。車を準備しておいてくれ」

「わかりました」

エドワードの返事を聞いて部屋を出ようとした兵士はドアを開けた瞬間に頭がはじけ飛び、血で一面を赤く染めた。

「お久しぶりです。エドワード元中将」

「お前は!」

直後に部屋に押し入ってきて視界に入った男の顔に驚いて拳銃を抜こうとしたエドワードであったが、反撃する隙は与えられることもなく乾いた発砲音が響いた。数秒前に逝った名も知らぬ帝国兵と同じように彼もその後を追った。

『殿下とその付き人らしき人の保護はできました』

射殺した証拠にエドワードのドックタグを奪ったところで上の階に助けに行った部隊から連絡が入る。

『こちらも終わった。下の船に向かえ』

『了解しました』

ホテルの裏に止められていた小型船のエンジンを始動させて待機していると裏口からクローディア殿下を連れた部隊が出てきたことを確認すると空に向かって信号弾が打ち上げられた。

「あの…助けていただいてありがとうございます…」

激しい戦闘で生きた心地がしないであろう爆音の中、震えながらもお礼を言うクローディア殿下に軽く会釈すると大きな声で指示を出す。

「礼などは後でかまいません。すぐにこの場から離脱しま…」

刹那、視界に閃光が走り、爆音が耳をつんざく。至近弾があったようだった。

「隊長!ホテルが崩れます!総員退避しろ!」

 

 

『リシャール大尉!信号弾を確認しました』

『こちらも視認した。退路を開いてくれ。この場で飛行艇に戻る余裕はない。海の上であちらと合流する』

『了解しました。そのまま最短経路で船着き場に向かってください』

(空から援護を受けながらの撤退は楽だが、こんな無茶苦茶な作戦は金輪際できんだろうな。新兵器であるが故か…)

「敵の処理は上の味方に任せろ!船着き場に急げ!」

 

 

 

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ツァイスでは重鎮たちが集まって御前会議が行われていた。ツァイス以外の占領された年を奪還するため軍の再編をカシウスが中心になって行っていた。大まかな方針としては二通り。会戦派か分断派。結集した陸軍兵力を持って南下してくる帝国軍を打倒。そのまま北上して国土から帝国軍を追い出す。または航空戦力をもって補給線を破壊、弱体化した帝国軍を各個撃破していくか。

「航空戦力はいまだ未知数の兵器です。空から攻撃できるというのは魅力的ですが、戦力を正確に測れない兵器を中心に持ってきて作戦を立案するのはいかがなものかと。確実性を重視すべきだと考えます」

「帝国軍の陸軍兵力は王国軍の全軍を集結させても正面から戦えばかなり厳しい戦いになります。帝国の戦車兵力に対抗するにはしばらく時間がかかりますが今は一刻を争う状態。暢気に構えていてはますます帝国に利するだけです。機動力の高い飛行艇にかけるべきかと」

二つに分かれた意見は平行線をたどる。決めかねるという沈黙。生死不明の王太女のことも考えなければならない。

「…一時閉会した後に決議を…」

煮詰まった会議を切ろうとしたところで会議室に緊急通信のブザーが鳴り響く。

『こちら救出部隊より本部へ。緊急事態です』

「カシウスだ。何が起こった」

『クローディア殿下とその付き人一人を保護し、脱出を図ろうとしたところで軟禁場所であったホテルの一部が倒壊。シャルル=ブライト少尉とクローディア殿下がその倒壊に巻き込まれた可能性があります』

「なんだと!?」

場の空気が騒然となる。信じて待っていた報告が最悪の事態としてしらされた。宮廷組からは作戦に失敗した陸軍に対して非難の声が上がる。

「王位継承者が生死不明とはどうするつもりだ?侵攻は防げない、助けもできない陸軍は何をしているのか」

「責任はだれがとるのか」

云々。

当然困難な作戦であったことを承知している陸軍側からも無責任な発言をする宮廷組への反論の声が上がる。

「救出作戦が短期間で立て続けに、同じ相手に行わなければならない状況下で、成功率は50%を割っていてもおかしくない。そもそも軍の護衛を付けず、捕虜にしてしまった考えなしの行動に問題があるのではないか」

「金銭取引という手もあったのにメンツのために無理やり作戦を実行させたのはそちらではないか」

云々。

 

大声での言い合いに発展している中静かに祈る女王陛下の姿に気づいたものは次第に冷静さを取り戻す。

「今は内部で争っている場合ではありません。あまりみっともないところを見せないでください。それに、まだ報告に続きがあるようですね」

『はい。我々は増援部隊の動きもあり救出作戦の継続は不可能と判断し作戦地域を離脱しました。ただ、隊員の一人が現場から離脱を図ろうとする人影を見たといっているものがいるので生存の可能性もあります』

「不確定要素だな。断定できんなら帝国に身柄がわたっていると考えるべきだろうな。詳しくは帰還後に聞く」

『…了解しました』

「作戦失敗の責任は私にあります。申し訳ありません、女王陛下。まだ幼い王太女をこんな形で…」

「今は責任云々言っとる場合ではない。王太女を救出できなかったのはあの状況ではやむを得ん」

「状況のせいにするな!モルガン将軍!いったい何のための…」

「侍従長。気持ちはわかりますがモルガン将軍の言うとおりです。クローディアは残念ですが今は私たちのやるべきことをするしかありません…。ブライト大佐も息子さんの安否がわからずつらいと思われますし、こんなことを求めるのは酷だと思いますが作戦部長の任をそのまま…」

「…はい。王国のために全力を挙げて帝国の侵略を阻止しましょう」

なんともつらい空気の流れる中リシャールから正確な報告があるまで会議は一時中断された。

 

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「これはひどいな。空からの攻撃とはこうも脅威となりえるのか」

増援要請を受けてルーアンについた時の惨状は見るに堪えなかった。もはや戦闘と呼べるのかも怪しい一方的な攻撃。戦車のみが辛うじで一矢報いたかもしれないが、撃墜するには至らずこちらの被害もそれなり。爆発に巻き込まれた歩兵など死体が回収できるかも怪しいレベルであった。

「重戦車なら対抗可能だが軽戦車では荷が重かったか。まあ、最新鋭の兵器をあの男に託すほどの余裕はスナイダー将軍もないか。エドワードの死体だけでも残っていればいいが…。粉々になっていたら事後処理が面倒すぎる」

破壊つくされた道を整備し、死体の山を避けながら道なき道を進む工兵たちの後ろに続いて増援部隊の指揮官たちは進んでいく。臨時の司令部とされていたホテルの下の階は火こそ消し止められていたが戦闘の激しさを存分に物語っていた。

「ひどいな。戦車部隊に苦情を入れておけ。貴様らはどこを狙っていたのか、とな」

「飛行艇の動きに合わせて戦車砲を撃っていたようですな」

「それにしても臨時のとはいえ本部に榴弾を叩き込む腕はひどすぎる。なまっておる。もし、きちんとした貴族の指揮官がいたらスナイダー将軍の首も飛ぶレベルの問題だ。本来なら懲罰だけではすまんぞ」

自軍が本部を置いていたとは思えないような、そんな終末的な光景が目の前に広がっていた。自国の戦車兵の腕に不満を漏らしていると、司令部だった廃墟から兵士が出てくる。

「報告します。エドワード将軍の遺体が発見されました」

「首だけでも出てきたか…」

「いえ。四肢に重大な欠損はありませんでしたが、眉間と心臓に一発ずつ銃撃を受けた射殺体で発見されました。抵抗した様子もありませんでしたし、おそらく…」

「悪運のいいやつめ。この惨状の中できれいな死体でいるとは自己主張の強いやつだ。けっ!その死に方なら王国軍によって裏切り者として始末されたのか。手の込んだことをする。が、腕のいい殺し屋でもいるようだな」

「それと倒壊していない部分の最上階で争った形跡がありました。室内にとどまっていた兵士たちの死体のほかに捕虜と思われる侍女らしき遺体も見つかりました。これらの遺体は欠損がかなりひどかったです。おそらく機銃掃射か榴弾の巻き添えになったのかと思われます。ただドアを無理やり開けた部屋の周りのみ奇跡的に一切の被害が及んでいませんでした。不自然です」

「おそらくそこに人質、例の王族を礼拝堂からエドワ-ドが移していたのだろう。気づかれてしまったようだがな。そして最重要人物を除いて敵もろとも抹殺か。王国軍もなかなかやることがえげつない。それで、人質の行方は?」

「おそらくすでに空の上かと…。もしくは巻き込まれて死亡したか…」

「ならば仕方あるまい。どのみち我々の手の届くところにおらんようだ。部隊の再編と施設の再構築を集中的に行う。本部に連絡を入れて工兵隊の増援要請を出せ」

「了解しました」

 

 

日の出の明かりが差し込む中、機銃や砲撃を受けた痕跡がありありと残った、激しい戦闘を記録しているような外観の飛行艇二機が発着場へと降り立った。中から出てきた部隊の人間たちもまた泥や煤によって汚れており戦闘の過酷さを物語っていた。最後に操縦士たちと一緒に出てきたリシャールとマーカス、ユリアは待機していた憲兵に連れられて尋問室へと連れてこられた。中では椅子にゆったりと腰かけたカシウスが待っていた。憲兵は軽く会釈してその部屋から退室すると、おもむろにカシウスが切り出した。

「さて、何があったのか話してもらうぞ。お前らの様子を見るところ、とても隠密作戦を遂行してきたような恰好ではないな」

「…はい。礼拝堂に軟禁されているというのは誤情報で実際には司令部として使用されていたホテルの一室にクローディア殿下は軟禁されていました」

着席しながらリシャールはそれとなく答える。

「横の女の子は通信越しに行っていた付き人の子か?確かなのか?」

「間違いありません。私たちもエドワード将軍に連れられて殿下とともに礼拝堂から移されました」

そうか、とうなずくと視線を再びリシャールに向けて話を進めるように促す。

「警備の厳しいところへばれないで突入するのは難しいと考えました。一時退避した我々は本部の指示を仰ぐべきか、独断で作戦を変更し行動するかを考え…」

「本部への連絡のための移動と判断待ち、それから再出撃をすると夜明けまで間に合わない可能性が大いにある。すぐにでも動かなければならない緊迫した状況であることを考慮して独断で強硬手段に切り替えた、か。どうせシャルルの発案だろう」

そこまで言い終ると手を額に当てて、やれやれ、とでも言いたげにカシウスは大きくため息をつく。

「いえ。私の…」

「お前ではないな。お前たち二人のことは俺がよく知っている。あいつが考えそうなことだ。やり方が荒い。慎重なお前が自ら提案することじゃない」

リシャールは内心でやっぱりわかるか、と思いながら話を進める。

「…初めに潜入した4名を除いて飛行艇に退避した部隊を率いた私はホテルにいるということを知らないことを装って礼拝堂を急襲しているように見せかけ、敵兵士の注意を本部と逆にある礼拝堂に向けました。上空からの攻撃である程度敵兵の動きを誘導しながらホテル周辺の敵も掃討しました。増援のために兵士が司令部を出ていったすきに潜伏していた4名が裏口から侵入しました。現場指揮官の排除も企てたまたまいたエドワード元中将の抹殺が並行して成功。軟禁された部屋に突入したほうは同室にいた殿下とシュバルツ殿を連れて脱出、戦域から離脱するための船を出そうとしたところで敵戦車の榴弾がホテルに直撃。倒壊に二人が巻き込まれました」

話を終えて目を伏せるリシャール。目を伏せて黙って聞いていたカシウスは口を開く。

「なるほど。エドワードを消したか。おおよそのことは把握した。リシャール、お前はおそらくだがしばらくの謹慎になるだろう」

立ち上がり出口へと向かうカシウス。腑に落ちないリシャールはカシウスに質問する。

「罰が緩すぎませんか。命令違反の上、作戦に失敗していますが?」

命令無視の上作戦失敗。おまけに対象が王族となれば覚悟していた銃殺が即日行われても文句を言うつもりがなかったリシャールとしてはしばらくの謹慎を不思議に感じたのだ。

「あんな状況で救出作戦を出したのがそもそもの間違いだ。お前に責任があるなら無茶な作戦を立てた俺がそれより大きな責任があるはずだ。だが、女王は俺を作戦部長に留任させた。実質罰則なしだ。これから大きな作戦が行われるいつでも動けるようにしておけ」

「シャルル、息子のことは何も言わないのですか」

シャルルの名を口に出すとカシウスは歩みを止めた。何か言おうとしてやめ、意を決したように再び口を開いた。

「…今の俺たちに悲しんでいる暇はない。…そういえば飛行艇は戦車に対抗できるか?」

「破壊力、機動力ともに十分です。作戦の中心にすえても問題ないかと」

「そうか。ゆっくり休んでおけ」

「大佐もあまり無茶はなさらないでください」

「ああ」

そういうと部屋から出て行った。代わりに入ってきた憲兵に連れられて三人はそれぞれ仮眠室絵と連れていかれた。仮眠室まで向かう三人を覆う空気は悔恨と諦観のまざった負の感情が渦巻いていた。

 

 

 

 

「話は済んだようだな。あいつらはお前の考えていたように動いていたのか?」

カシウスが休憩室に戻るとモルガンを含む数人の陸軍のメンバーが待機していた。

「…はい。殿下の軟禁場所に関して情報にミスがあったようです。報告の時間がなかったので独断で動いて最後の一歩のところで事故が起こった、というのが今回の作戦でした」

「…そうか。シャルル、お前の息子は残念だが、…大丈夫か?あまり自分を責めるなよ。酷な言い方になるが軍人であった以上戦死は想定内だ。だが、父親ならば受け入れられんのもわかる。精神的にもたんようならワシから話はつけるぞ」

暗い面持ちでいつもの快活さのないカシウスを心配するモルガン。カシウスの意思をなるべく尊重したいというのが今の陸軍の考えであった。

「わかっています。大丈夫ではないですが大丈夫です。ここで降りるのは本意ではありません。このまま続けさせてもらいます。…それに新たな情報も手に入れました」

「飛行艇か?」

「はい。我々が考えている以上の能力を持っているようです、アレは。小さい傷はいくつもありましたが致命的な被弾はしていませんでした。高射砲の位置さえ分かっていれば撃墜されることなく一方的な戦火を期待できる、かなり有用な兵器になるでしょう」

嫌なことを振り払うように淡々と事実を述べる。元気はないが目に宿る力のようなものを感じたモルガンは余計ないたわりの言葉をこれ以上かけるべきでないと思いはなしを先に進める。

「ではお前の案でいくのか?」

「はい。我々の国土を蹂躙した対価をその身をもってきっちり払ってもらいます」

「救出作戦に参加したメンバーに関してだがどうするつもりだ?宮廷組はなおも厳罰を求めているみたいだが。正直無視してしまっても構わんと思うが?」

誰が言ったか、奴らは声だけはでかいからな。いまいましい、と不満の声がボソッと聞こえる。

「めったなことをいうものじゃない。彼らなりの役割がある。だが、そうですね。組織としては対立を避けておくべきかもしれませんがアレよりあの小隊の方がよっぽど価値があります。私も彼らの要求はのむべきでないと思います」

「わかった。女王には話を通しておこう。最初の目標は当然王都であるのは確定だろうが、いつぐらいに攻撃を仕掛けるつもりだ?」

「三日から五日以内を想定しています」

「時間はあまりない。もう一度御前会議を招集する。再編を急ぐべきだな。皆、行くぞ」

 

 




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