そんな、早くもないか・・・
いや、この作品に関しては早い方だと思うんだよな…
さて!今回はみなさんのリクエストが多かった、劇場版キャラがでます!
しかし、感想で正解している人が多くて驚きました!
やはり、ヒントでわかっちゃうもんなんですね(笑)
それでは、一風変わった劇場版をどうぞ!
名前があることに意味がある~前篇~
あの海燕さんの死亡イベントを見事クリアしてから、数日が経った。
どうして、あんな深手だったのに、そんなピンピンしてるかって?
それは俺の力で治療し、一気に回復したからだ!
自分自身も治療し、その後、海燕さんも治療した。
浮竹隊長のは元からの病なので、そういう類は治せないみたいだ。
いや~、こう見ると、自分の力を恐れ見る。
まるで、NAR〇TOの医療忍術みたいだってばよ!。
・・・え?ネタ?だってばよ?
空耳じゃないかな!
さて、今日も日々、仕事に追われている俺だが、仕事終わりに海燕さんからお呼びがかかった。
ついでに、ルキアも呼ばれたみたいで、2人して海燕さんがいる部屋に足を踏み入れた。
「鬼柳院京夜です。失礼します」
「朽木ルキアです。失礼します」
「おう!お前ら、よく来たな!」
元気そうに返事をした海燕さんはお茶を片手に大福を食べていた。
全く、この人は変わらないな・・・
俺たちが必死に仕事をしているっていうのに・・・
あれ?俺、この人の恩人だよね?
何だろう・・・世界の悪意を感じる・・・
「それで、海燕さん。なぜ、俺とルキアを読んだのですか?」
(京夜、笑顔が怖いぞ・・・)
俺は青筋をたてながらも海燕さんに聞く。
隣にいるルキアは冷や汗を流し、俺を見ている。
「おう、それはな・・・あひふぁ、あふぁっふぇ、ひゅうふぁふぁ!」
「海燕殿、食べながらは行儀が悪いです・・・」
「・・・・・・・・・」
(無言の笑顔は怖いぞ!京夜!)
海燕さんの態度を見て、青筋が2つに増える。
あ、やっべえ、この人救ったけど半殺ししていいかな?
・・・え?だめ?じゃあ、何発か殴ろう。・・・それもダメ?
「わふぁっふぇふよ!・・・えーと、お前ら明日、明後日、休暇だ!」
「!!!」
「へ?」
あ、あの大福美味そうだな~と羨ましく見ていたら、驚きの言葉が聞こえた。
え?休暇?いきなり?―――――マジで!?
「ほ、本当ですか!?」
「ああ、お前らはこないだの虚事件から休みなく働いてくれてたからな。休みくらいあげようと言うわけだ」
いいぃぃぃっっっやっっほぉぉぉぉい!!!
久方振りの休暇だ!
本当、何日振りだよ!
今まで仕事、仕事、仕事、休めると思ったら、砕蜂に邪魔されてパーだし、ちゃんとした休暇がなかった!
だが、今回、1日ちゃんと休める~!
こんな嬉しいことはない!
「しかし、よろしいのですか?海燕殿?」
「あん?なにが?」
ルキアァァァ!?
お前、何言っちゃってんのオオオオォォォ!?
普通に休み貰おうぜ!?
これで、もし休みがなくなっちまったら、何十連勤だよっ!
「今、同期は私と京夜しかいません。しかも、ほかの13番隊の者は少なからず出払っている。そんな状況ですと副隊長に重みがあると思うのですが・・・」
そう。俺の同期で13番隊にいるやつは俺とルキアを除いてみんな辞めてしまった。
こんなに辞めるのはなかなかの異例みたいだ。
そうか・・・だから、俺の仕事量が減る所か増していたんだな。
今更納得。
「その点については大丈夫だ。主に京夜のおかげでな」
「俺のおかげ・・・?」
「テメーは仕事をこなす速さが凄まじいんだよ。しかも、それが毎日積み重なっていってたから、大分、少なくなっている。だから、テメーらがいなくても何ら問題ない。俺や他のやつらで対処できる」
おおっ!俺ってそんなこなしていたんだ!
普通にやってただけなんだけどね・・・
「それにこれ以上、京夜や朽木にやらしたら、俺たちの仕事がなくなっちまう。それだと、色々と問題が発生するんだよ」
「問題とは・・・?」
「気にすんな。大人の事情だ」
出た!何か困ったときに子供に使える大人の事情!
って、俺もルキアも子どもじゃねーっつーの!
・・・いや、ルキアは子どもか?主に胸の辺りが・・・すみません、肘を抓らないでください。
「(全く、京夜は・・・)では、お言葉に甘えて、休暇をとらせていただきます」
「おう!2人でデートでも行って来い!」
「なっ!?ななな、何をいきなり言うのですか!?」
「海燕さん、ルキアをからかうのは止めてください」
「冗談だ。それじゃ・・・ひゅっふい、ひゃふへほ~!」
結局、海燕さんは海燕さんだな・・・
大福食べながら送るとは・・・
ちなみに、ルキアは海燕さんの言葉を気にしてかチラッチラッと俺を見ながら、顔を赤くしてた。
俺とルキアは仕事を終え、帰路を歩いている。
ルキアを朽木邸に送り届けているのだ。
「しっかし、急に休みって言われても、何していいのかわかんねえよな」
「うむ・・・私も明日は仕事だと思っていたからな。他の予定など考えていない・・・」
ルキアも俺と同じか。
本当、何すっかな。
家でゴロゴロしてもいいんだけど、せっかくの休みなんだ。
有効に使いたい。
「ルキアは家でゆっくりしないのか?」
「そ、それは・・・え~と・・・外に、そう!明日は外出したい気分なんだ!」
ルキアはビクッと反応した後、戸惑いながら答える。
さっき、何も予定がない、なんて言ってなかったか・・・?
ま、朽木邸ってけっこう息詰まるよな。
だから、家にいたくないのかな?
ルキアは何か思ったらしく、決意を固めた顔をし、俺に聞いてきた。
「きょ、京夜、その、どこか行きたい場所とかないのか・・・?」
「行きたい場所・・・?うーん・・・」
行きたいところねえ・・・
甘味処や食べ物巡りは済んだし、服や家具もこれといって欲しいものはない。
うんうん考えていると、ルキアが再び尋ねてきた。
「ほ、他に、最近行ってない所とかは・・・?」
「最近行ってないところか・・・」
う~ん・・・・・あっ!あったぞ!
あいつらに久しぶりに会いに行くか!
元気にしてるかな~。
時間も経ったし、ルキアにあいつらを紹介しても大丈夫だろ。
「ああ、そういえば、あそこには最近行ってないな・・・。明日の予定が決まったぜ!」
「な、なら・・・そこに行ったらよかろう」
「なに、他人事みたいに言ってんだ?ルキアも行くんだよ」
「・・・は?」
なんだか、素っ頓狂な顔してるな。
「い、今何と言った・・・?」
「だから、ルキアも行くんだよ。俺が明日、行くところに」
なんだ?様子が変だな?俺、何か悪いことしたか?
そしたら、いきなりルキアが俺に近づいた。
「ほ、本当か!?」
「うおっ!?な、なんだよ!?本当だよ!」
「~~~~~~っ!や、約束だぞ!」
「あ、ああ・・・」
なんだ?急に声を荒げたと思ったら、にやけてご機嫌になりやがった。
若いから感情の揺れが激しいのかな?
その後、集合場所と時間を話した。
その間は終始にやけていて頬が赤みを帯びていた。
どうしたんだろ?何か嬉しいことでもあったのか?
まあ、女の子は笑顔が1番だからな!
そしたら、いつの間にか別れる道に辿り着いた。
「じゃ、ここでお別れだ」
「そうだな!それでは明日はよろしく頼むぞ!」
「ああ、またな!」
そう言って、鼻歌混じりながらルキアは帰って行った。
いつもなら別れるときは名残惜しそうに、哀しい顔して別れるのに、今日は元気がよかった。
そうかそうか!そんなに明日が楽しみか!
ルキアを誘ったかいがあるな!
と、いけね!俺も遅くなったら、明日遅刻しちまう。
俺も明日のために帰路をゆっくり歩いて行った。
「ふふふ!」
翌日の朝、私は意気揚々と集合場所に向かっていた。
なぜ、こんなに気分がいいのか。そんなの簡単だ!
「まさか、京夜から誘ってくるとわな!」
あの愛しの京夜から誘われたのだ!
こんなことは初めてだ!
2人っきり、水入らずで一緒に外出するのだ!
これは、現世で言う、デデデデッ、デート・・・
「ち、ちがうぞ!そんな不純な動機ではない!ただ、私は京夜が寂しいと思ったから、仕方なくついていくだけ・・・のはず」
私は首を横に振りながら、考えを否定する。
ああ、しかし、顔のニヤケが止まらない!
そんなことをしていたら、集合場所についた。
「む、京夜はまだ来ていないのか・・・」
ちょっと、ショックだ。
こういうものは先に男性がいるものだろう!
「だが、まあ、いいだろう。集合時間に少し遅れて来るぐらい」
逆に、私はきちんとしっかりしていると、改めて認識してくれるだろう。
それで、『やっぱ、ルキアはしっかりしてるな。俺の嫁にほしい・・・』なんて言われたりして!
私はそんな妄想を繰り広げながら、京夜を待った。
~15分後~
「少し、遅くないか・・・?」
少し経ったが、未だ京夜は来ない。
ま、まあ、気分が高揚しているせいで、時間が経つのが早く感じるんだろう!
あともうちょっとしたら、ひょっこり出てくるだろう!
「それにしても、この服でいいものだろうか・・・?」
私の服は紺色で所々にユリの花が刺繍されている。
これは朽木家の仕えている人たちから勧められたものだ。
パッと見ただけでも一級品だとわかるほどだ。
「に、似合っているのだろうか・・・?こんな高いものを着て、京夜にひかれないだろうか・・・?」
ひいた京夜の顔が頭に浮かぶ。
だ、ダメだ!そんなことを考えるな私!
「か、髪とか変じゃないだろうか・・・?」
そう思い、私は手で髪を整えたり、弄ったりする。
あ~、早く来てくれ!
時間が経つにつれて、不安ばかり過ぎる~!
~40分後~
「・・・・・遅い」
あやつはいつまで待たせる気だ!
なぜ、時間指定したあやつが来ないのだ!
「よし、来たら、散々文句を言ってやる・・・」
それで、今日私の言うことを従わせてやる!
今日、京夜は私に服従する犬にさせてやる!
・・・想像してみた。
・・・いいかも・・・って、ちがうちがう!
「はあ、なぜ、来ないのだ・・・?もしかして、忘れてしまったのか・・・?」
そうだとしたら切ない。
確かに、あやつは鈍感で女たらしで、女に対する礼儀がなっていない!だが―――――
「約束は守り、私のことをきちんと見てくれる・・・」
あやつはそういうやつだ。
信じたい。
だが、こうまで遅いとさすがの私も不安になる。
はぁ、とため息を吐いた時だった。
後ろから聞きたかった声が聞こえた。
「悪い悪い、遅くなっちまって。寝坊して準備に手間どっちまった」
「!」
きょ、京夜の声だ!
胸がバクバク鳴っている。
だ、だが、落ち着け。
叱るんだ。叱って、私に服従させるんだ!
「このたわけ!私をいつまで、ま・・た・・・せ・・・」
「ん?どうした?」
叱ろうと思い、京夜を見た瞬間、言葉を失ってしまった。
京夜は茶色で鷹が刺繍されてる羽織を着ていて、その中に白の下地。
下は無地の黒を履いていた。
長い銀髪は1まとめに結んでいる。
いつもと違く、カッコいいと見惚れてしまった・・・
開いた口が塞がらない・・・
「・・・・・・・・・」
「? 何ボーッとしてんだよ。ほら、行こうぜ」
そう言って、京夜は私の手を掴み、歩いた。
きょ、京夜が私の手を!?
「な、何をするのだ!?」
「こうしたほうがはぐれないだろう?それとも嫌か?」
「そ、そんなことない!こ、このままでいい・・・!」
「ん。それじゃ、行くぞ」
そう言って、私の手を軽く引っ張りながら、ゆっくり歩いた。
もうあんな怒りなどない。
ただただ幸せな感じしか生まれてこない~!
そう意識しすぎてしまい、顔が赤くなってしまった。
「ん?顔が赤いぞ?大事か?」
「っ!だ、大丈夫だ!気にするな・・・」
「そうか」
び、びっくりした。京夜の顔が私の目前まで来るのだから・・・
心配してくれるのは嬉しいが、あんなに近づかれると私の平常心が・・・
「・・・・・・・・・」
この様子を客観的に見たらどう思うのだろうか・・・?
多分、ただの幼馴染とは思われないだろう。
伴侶とか恋人とかに見られるだろう・・・
「~~~~~~~っ!?」
「うおっ!?急に首を振って、どうした?」
「な、ななななな、なんでもない!?」
「そ、そうか。っと、ついたぜ」
ああ、私のバカ・・・
変なことを考えてたせいで京夜に変な目で見られてしまった・・・
着いた所は安っぽい服屋だった。
「ここに連れて来たかったのか・・・?」
「まさか。ちげーよ。ここではちょっと買い物をな」
よかった。ただ単に買い物に付き合うためではなかったのだな。
だが、男女でこのボロイ服屋に入るというものは、いささか雰囲気を崩させる。
私が思い描いてた道とはちがう・・・
そうこうしてる間に私たちは店に入った。
「いらっしゃい」
野太いおじさんの声が聞こえた。
それから、京夜はあまり迷わずに服を物色する。
ただ、手にしたものはどれも安っぽく、薄い服ばかりだ。
しかも、男女用のを数着。若干、女物の服が多い。
「おい、京夜。まさかこれはお前が着るのか?」
「なわけないだろ。俺は変態じゃねえぞ」
それを聞いて安心した。
愛しの人が女装趣味があるなんて、笑えない。
では、この服の山はなんなのだ・・・?
「毎度あり~」
京夜は会計を済ませ、私たちは店をでる。
京夜の行動がわからん・・・
一体、私をどこに連れていきたいのだ・・・?
「行きたい所はどこなのだ?早く教えてくれ」
「まあまあ、そう焦るなよ。着いてからのお楽しみだ」
むぅ、教えてくれてもいいじゃないか。
ま、そこまで言うのだからきっといい所なのだろう。
期待しているぞ!
その後、ふいに手を掴まれて、また驚いてしまった・・・
私たちは歩き続け、場所は変わり、流魂街78地区―戌吊―。
成程、最近行ってないというのも頷ける。
ここは私と京夜が出会った場所であり、様々な思いでがあるからな。
「・・・懐かしいな」
「そうだな。ここには色んな思いがあるからな・・・」
そうやって、思い出を噛み締めながら戌吊を練り歩く。
なんだか、昔を思い出す・・・
こうやって、歩いたものだ。
あの時は京夜と2人だけではなく、恋次や他の仲間たちがいたが・・・
「しかし、どこまで行くのだ?私たちの思い出の場所は行ったし、このまま行くと戌吊を抜けるぞ?」
「俺がこれから行く所は戌吊の端なんだよ」
戌吊の端・・・?
そんな所になにがあるのだ?
そう言って、再び歩くと、1本の獣道があった。
京夜は何も迷わずに慣れた感じにそこを通ってく。
昼間だというのに薄暗かった。
「京夜!ここを通るのか!?」
「ああ、そうだ。なんだ?怖いのか?」
「なっ!?怖くなんかないわ!馬鹿者!」
ば、馬鹿にしおって!
こんなの今の私なら恐くなんかないわ!
しかし、こんな道があったとは・・・
この先には私も行ったことがないので、何があるのか皆目見当がつかない。
そのまま京夜について行き、邪魔な草木をどけていると、京夜が動きを止めた。
「どうしたのだ?」
「ああ、いたんだよ。あいつらが」
「あいつら?」
私は京夜が目にしてる方へ視線を向ける。
獣道から少し外れた所に青年と少女がいた。
よく見ると、山菜をとってるらしい。
「おーい!お前ら!」
京夜は手を振りながら、青年と少女を呼ぶ。
どうやら、あちらも気が付き、私たちに駆けてくる。
「久しぶり、お兄ちゃん!元気にしてた?」
「・・・久しぶり、兄さん」
「ああ、久しぶり。ピンピン元気だよ!お前らも元気そうでよかった」
少女は元気そうに満面な笑顔で話す。
青年の方は落ち着いていて、物静かだ。
京夜のことを”兄”だと・・・?
京夜に兄妹がいることは聞いたことがない・・・
一体、何者なのだ・・・?
「あ、悪いなルキア。こいつら紹介するぜ」
京夜は私が置いて行かれていることが分かったらしく、この2人を紹介する。
「このバカそうだが、元気たっぷりな女の子が焔だ」
「ちょっと、お兄ちゃん!バカってどういうことよ!」
焔という少女は頬を膨らめ、京夜に怒る。
だが、いかんせん怖さがなく、かわいらしく見えてしまう。
焔は黄色の短髪で、あがってる前髪だけは紅色。
少しツリ目だが、あどけなさがある。
雰囲気は元気で明るく、天真爛漫、好奇心旺盛というのがわかる。
「で、こっちの物静かだが、意外と頼もしい男が雫だ」
「・・・や、やめてよ、兄さん。照れる・・・」
雫という青年は頬を掻きながら、赤らめる。
雫は片目を長い前髪を隠してる。
髪は全て黒く、気弱な目つきをしている。
さらに、肌の色は浮竹隊長並みに白く、病弱と感じさせる。
だが、どうやら、元々肌の色が白いだけで病とは関係ないらしい。
「京夜、こやつらとお前とはどういう関係なのだ・・・?」
「ああ、流魂街で俺が世話をしてたんだが・・・ルキア、何かこいつらに関して身に覚えがないか・・・?」
「身に、覚え・・・?」
唐突に私に聞いてきた。
こやつらと私に何か関係があるのか・・・?
記憶にないぞ?初対面なのだから、全く覚えが・・・!?
「・・・焔・・・雫・・・」
なんだ・・・?
その名前に関しては何か大事なものを感じる。
それに、焔と雫を見るとなんだか懐かしさを感じる。
記憶がないはずなのに・・・どういうことだ・・・?」
「っ!?」
突然、軽い頭痛に襲われた。
頭に違和感を感じる。
記憶がないはずなのに、心が覚えていると訴えている・・・
「どうだ?何かわかったか?」
「・・・いや、覚えがない。・・・すまない」
「そっか・・・」
すまん、本当に何も思い出せないのだ。
だが、この異様な違和感はなんなのだ・・・?
「・・・やっぱり、覚えてないんだね。ルキア・・・」
「・・・焔姉さん・・・」
焔は哀しげな表情をする。
その背中を撫でながら、雫は焔の傍による。
やっぱり、とはどういうことだ・・・?
私は名を名乗ってないのに、なぜ私の名を知っている・・・?
京夜とこやつらには知っていて、私が知らないもの・・・
一体、なんだというのだ・・・!
「こんな所で長話もなんだ。場所を変えようぜ!この先にこいつらの家があるから、そこに移動しよう!」
京夜が暗い空気になると感じてか、話題を変えた。
ありがとう、京夜・・・
私は突然の出来事で混乱しかけていたんだ・・・
きっとそういうものを感じてくれたんだろう。
3人は並んで歩き、私はその後をついていった。
「お兄ちゃん、その風呂敷はなに?」
「ああ、これか。これは、お前らの服だ。前の服はボロボロだろ?」
「わーい!ありがとうっ!」
「うわっ!?焔、急に抱き着くな!」
「・・・焔姉さん、兄さんが困ってる」
「え~、いいじゃん!久しぶりに会ったんだからさ!」
焔は喜び、京夜に抱き着いた。
な、なん・・・だと・・・!
くっ!これが、兄妹の特権か・・・!なんて、羨ま・・・待て待て!落ち着くんだ!仮にも兄妹だ!
私と兄様のようなものではないが、きっとこれが普通なのだ!
「お兄ちゃん!私、お兄ちゃんの話聞きたい!」
「・・・兄さん、僕も」
「そうかそうか。そんなに聞きたいのか。じゃあ、何から話そうかな~」
3人は京夜の話で盛り上がってた。
なんだか、孤独になった気分だ・・・
私と3人の距離が空いていく、そんな感じがした・・・
私と兄様もこんなやり取りがしたかった・・・
私はその光景を後ろからついていきながら、眺めていた。
私たちは歩き続け、獣道を抜けた。
そこは広々としいた草原で、花もいくつか咲いている。
井戸や物干す所があり、そこに1軒だけ民家が建っていた。
こんなのどかな所があったのか。
知らなかったな。
「うっし、ついたな。あいつ、いるかな」
「いるよ!中でお昼御飯用意してると思うよ!私、呼んでくるね!」
そう言って、焔は私たちより先に行き、小走りで民家に向かう。
途中で止まり、叫んだ。
「アキ姉ちゃーーーーーん!お兄ちゃんが来たよーーー!」
数刻経った後、ガラッと扉が開いた。
そこから出て来たのは少女だった。
少女は私たちに気づき、ゆっくりとした動きでこちらに歩いてくる。
少しづつ近づいてきて、容姿が肉眼でもわかった時、私は驚愕した。
「なっ!?・・・わ、私・・・?」
灰色で、癖のある髪型。
整った容姿、少しネコみたいな目。
瞳は生気あまり感じないが、その奥には慈愛を感じる。
細身で肌の色は雫より白い。
白く、くたびれた薄着を着ているのを見ると、流魂街に住んでいることがわかる。
そして、私と瓜二つだった。
こ、これはどういうことだ・・・!?
他人の空似というものなのか・・・!?
しかし、こやつから、なぜか、親近感を感じる。
また、頭に違和感が・・・
「久しぶりだな、アキ。元気にしてたか?」
京夜がそう聞くと、少女はほんの、ほんのわずかだが、口元を緩めた。
その直後、不思議なことが起きた。
―――――京夜。久しぶり。私、元気。京夜、元気そう。よかった。
「っ!? 頭の中に声が!?」
少女は口を開いてない。
だが、京夜に返すように言葉が聞こえた。
一体、何をしたのだっ!?
「・・・アキ姉さんは喋れないんだ」
「雫・・・?」
「・・・その代わり、思念みたいなものをとばせて、一部の人と会話ができる」
私が戸惑っていると、雫が補足してくれた。
思念・・・
そんなもので会話ができるのか・・・
というか、思念なんて普通はとばせないぞ。
何者なのだ・・・?
「俺はいつも元気だよ!アキが変わらずに綺麗なままでよかった」
―――――ありがとぅ・・・。皆の前。恥ずかしぃ・・・
「いいじゃねえか。素直な俺の気持ちだ」
な・・・なんなのだ!
この甘い空気はなんなのだ!
京夜め、また女をたらしめおって・・・
しかし、同じ顔が顔を赤らめているのを見ると、なんだけ変な感じだ・・・
私までなんだか恥ずかしく・・・
京夜は私を見た後、紹介をしてくれた。
「ルキア、こいつはアキ、って言うんだ。お前とそっくりで驚いただろ?」
「あ、ああ・・・確かに驚いたが・・・」
そっくりどころではない!
全く、一緒だ!
こんなに似ていると不気味さを覚える・・・
だが、やはりそんな感じはしない・・・
「アキ、ルキアだ。お前の―――――」
―――――大事。わかってる。
アキは私の目の前に立ち、見つめる。
その後、スッと手を差し伸べてきた。
―――――よろしく。ルキア。
「え?・・・あ、ああ、よ、よろしく・・・」
てっきり、何かされるのかと思った・・・
警戒して損したな・・・
―――――安心して。何も。しない。
「えっ!?く、口に出てたか!?」
「・・・アキ姉さんは一部の相手の考えていることがわかるから」
「そ、それを早く言ってくれ!」
それを知っていたら、こんな失礼なことを思わなかったわ!
―――――気にしてない。
「~~~~~っ!」
ま、またやってしまった・・・
考えていることがわかるとは恐ろしい・・・
っとと!そう考えてはいけない!また読まれる!
「さっ!みんな!ここで立ち話じゃなくて、お家に入ろ!お昼ももうすぐできると思うしさ!」
「腹減ってたんだよな。ちょうどいいな」
焔が提案し、京夜が先へ進む。
私たちはそれに続くように向かった。
アキ、こやつは本当に何者なのだ・・・?
思念をとばし、考えが読め、私と瓜二つ・・・
そして、さっきからくるこの変な違和感・・・
混乱がさらに渦を巻いている・・・
―――――ルキア。
「・・・む?」
スッと手を出す。
―――――行こう。置いてかれる。
「あ、ああ・・・」
どうやら、私は考え込んでいたらしい。
私はアキの手をとった。
その手は酷く冷たく、人ではないと思ったが、口では表せないが温かみを感じる。
そして、私もアキにつれられて、家の中に入った。
よし!俺の番だな!
え?待ってない?いいんだよ!
この話の主人公は俺なんだから、俺視点の話をしなくちゃ意味がねえべ!
今、俺たちは3人の家にお邪魔してる。
アキと焔はお昼の調理をしていて、そろそろ終わりそうだ。
雫は居間の真ん中に設置してある火を点けられる所で、がんばって点けようとしている。
ルキアは少し居心地が悪そうに、だが、何か思い当たる所があるようで、辺りを見渡しては考え事をしている。
・・・ここに来るのも久方振りだな。
居間があって、その脇に物置があって、居間の奥に台所。
簡素で狭い家だが、ここには思い出がたくさんある。
例えば、物置にある長方形で等身大の箱。
あそこからは少なからず、邪悪な霊圧を感じる。
あの箱の中身を俺は知ってる。
そうあれはアキの―――――
「京夜、今更なのだが、行きたい所はここなのか・・・?」
「ああ、そうだぜ。こいつらにも会わせたかったからな」
「そうか・・・」
ルキアが小さな声でそう尋ねた。
あれから時間が経った。
いや、経ちすぎたのかもしれない。
もっと早く来れたのかもしれない。
だが、これでよかったのかもな。
ルキアも少なからず、あの時とちがって、何か思い当たる節があるらしいからな。
そうしている間に昼食ができたようだ。
「お待たせ~!ほら、召し上がれ!」
焔が鍋を中央にある火が点いている所に設置した後、蓋を開ける。
そこには野草おじやがあった。
「おっ!ちゃんとできてるな。俺の教えは忘れてないみたいだな」
「当たり前じゃん!お兄ちゃんから教えてもらったことは何1つ忘れてないよ!」
嬉しいことを言ってくれるな。
さすがは俺の妹(仮)だ!
さて、空腹も限界だし、さっさと食べるか!
「それじゃ、いただきます」
『いただきます』
俺の号令に合わせ、皆が合掌する。
そして、1口。
「ん!うめえな!懐かしいぜ!」
「よかった~!また昔みたいにお兄ちゃんに指摘されないか不安だったよ~!」
―――――ちなみに。味付け。私。
あの頃を思い出させるな・・・
たくさん野草をとって、みんなに料理してあげた・・・
アキと焔には精根込めて教えた。
雫には修行させて、俺がいなくなっても任せるようにしてたな・・・
「前より上手くなってるな。腕が上がったんじゃないか?」
―――――多分。野草たくさん入れたから。京夜、何食べても平気だから。
おい!人が何でも食える変人扱いすんじゃねえ!
確かに、好き嫌いはねえが、毒草や危ないものだと、さすがの京夜さんもポックリ逝っちゃいますよ!
―――――大事。そんなの入ってない。
あ、心読みやがったな。
そりゃ、信頼してっから、そんなの入ってないのはわかってるよ。
しかし、2人をまとめるのは大変だな?
俺が大変だったからな。
まるでアキはお母さんだな。
―――――夫募集中。
アキならいい人見つかるさ。
―――――・・・はぁ。そうじゃない。
? 俺、何か間違った言葉だったか?
―――――・・・鈍感。
??? よくわからんな。
さて、そうこうしている内に飯も半分を切ったな。
本題を切り出すか。
「よし、それじゃあ、ルキアに俺とこいつらのことを詳しく話してやるか。お前も気になってるんだろ?」
「あ、ああ・・・特にアキのことは・・・」
まあ、具体的なことを話してないからな。
「さて、どっから話そうかな。そうだな―――――あれは・・・」
あれは俺がまだ死神になる前、流魂街にいた時の話だ。
それは忘れたい。
けど、忘れちゃいけない。
焔について。雫について。そして―――――アキについて。
いかがでしたでしょうか?
この話はショートストーリーで、2部、3部で分かれようと思っています。
補足として、ダークルキアのアキですが、基本無表情です。
例えるなら、エヴァのレイですね。
次はなぜ、焔と雫に名がすでについているのか、ダークルキアがいるのか、アキの名前の由来とは・・・
いろんなフラグを立てたので、回収が大変そうです・・・
けど、がんばります!