なんだか、前話よりもスラスラ書けて、あっという間に書けてしまいました。
もう1つの作品を手掛けていますが、当分そちらはお休みです。
どちらかというと、今はこちらに力を込めたいので。
ご了承ください。
さて、今回の話は京夜が現世へ向かいます。
ただ、原作と違い、劇場版キャラ、先取りキャラなど、多数のキャラたちが登場します。
現世編は自分的に今までより最高の作品にしたいと、意気込んでいます。
最後に、前話の時はすみませんでした。
みなさんの賛否両論が激しかったのは頭に焼き付いています。
今後はみなさんが納得するような話を手掛けたらいいなと思います。
では、現世編どうぞ!
現世に行くことに意味がある~秋風舞う中の出会い~
「え?現世へ駐在任務?」
「おう、そうだ。お前、まだ経験していないだろ?」
朝、海淵さんから、そう告げられた。
これまた突然だな。
「そうですけど・・・どうしたんです?随分といきなりじゃないですか?」
「テメエのせいだよ!」
「ええっ!?」
海淵さんに怒られた。
なんで!?日々、仕事を頑張ってるだけじゃないか!
四席になって、しかも、隊長たちとドンパチやったせいか、ちょっと知名度も上がって、大変なんだぞ!
「本来、下っ端時代に上司と一緒にやってから、腕がつくと、1人で現世に行くんだが・・・・・お前はその工程をすっ飛ばして、席官就任しちったんだよ!」
「え~・・・それ、俺のせい・・・?」
「ったりめーだろっ!そもそも、こんなに遅くなったのは、駐在任務よりも優先する仕事があるから、こんなに遅れちまったんだよ!」
それって別に怒ることじゃ・・・?
って、言うと、海淵さんの怒りに油を注ぎそうだから、言わない。
「つーことで、京夜、今から現世に行って来い」
「ええっ!?展開早くないですかっ!?」
「うっせーよ!聞いたことねえぞ!席官になった奴が現世で働いたことがないってことは!」
「はあ~・・・わかりました。すぐに支度しますよ」
そう言って、その場から立とうとする俺。
ちょうど、その時、ルキアがやってきた。
「おはようございます。海淵殿、京夜」
「おーっす」
「おはようさん」
「む、京夜、今からどこかへ行くのか?」
俺の様子から読み取ったのか、ルキアは感づいた。
あれ、俺、立っただけだよな?
まるで、心を見透かれた感じだ。
なにそれ・・・怖い・・・
「ああ、現世に駐在任務で行く所だ」
「ふむ・・・やっと、京夜も現世に行くのか」
やっと・・・?
「え・・・?もしかして・・・ルキアはもう行ったことがあるのか?」
「ああ、あるぞ。私に先に越されたな」
「oh・・・」
ルキアはニヤケながら、俺に言う。
俺はorzの形をとってしまう。
まさか・・・こんな形でルキアに先に越されるとは・・・
「今、どんな気持ちだ?四席ほどの死神よりも、先に下っ端の死神に現世に先に行かれたんだぞ?言ってみろ、どんな気持ち?(笑)」
ルキアが・・・黒く見えてしまうのは、気のせいだろうか?
すごい笑いを堪えているのがわかる・・・
「って、言ってる朽木も清音が同伴じゃねえか」
「ちょ、海淵殿!?」
海淵さんがネタバレをしてくれた。
そ、そうだよね~。
よかった、今回、俺が行くのは1人でだから。
「な、な~んだ、ルキアは1人じゃなかったのか!」
「くっ、あのまま落ち込んでいればいいものの・・・!」
お~お~、随分と悪いことを考えていらっしゃる。
だが、残念だったな。
俺のメンタルはこの程度では折れはしない!
「いいから、早く支度してこい。こっちも、現世で役立つ道具とか用意してやっから」
「あ、はーい、わかりました」
俺はすぐに身仕度を整えた。
衣服は数着、歯磨き、歯ブラシ、金は現世用に換金できる場所があるから、そこで行うか。
ついでに、多めに持っていこうっと。
こっちの金は現世に通用しないから。
え~と、スタンガンはいらないな。
これに、これに、これも、っと-----よしっ!完了!
俺は穿界門に向かった。
「海淵さん、準備整いました」
「おう、じゃあ、これも持っていけ」
穿界門の前に海淵さんが立っていた。
海淵さんから袋を渡される。
ちょっと、重いな。
何が入ってんだ?
「中に何が入ってるんですか?」
「ん~、義魂丸や義骸とか・・・まあ、現世に役立つもんだ。損はねえと思うぜ」
そんなもの入ってんのか・・・
この袋は某四次元ポケットか?
「ま、お前の実力なら、そんなに苦じゃない仕事だと思うぜ。現世の観光ついでに行って来い」
「はい、行ってきます!」
海淵さんに激励され、俺は穿界門を潜った。
「現世に到着、っと」
どこかの家の屋根に着地する。
道中は地獄蝶を連れて行ってたから、難なく来れた。
さてと、これから虚退治に-----
「その前に住処の確保だな」
衣食住は人の基本だ。
これから数日間は現世にいるんだ。
住処は欲しい。
「・・・そうだ、海淵さんのおススメの所があるんだったな」
前にそんなことを話していた記憶がある。
確か、駅の近くとか言ってたっけ?
俺は駅の近くの不動産屋に向かった。
「―――って、おススメって曰くつき物件かよ・・・」
不動産屋にその家の話を聞いたが、どうも曰くつきらしい。
だからか、長年、そこに人が住まないでいる。
家賃もマンションの部屋でありながら、なんと1万未満。
住んでくれるだけありがたい、と言うほどだ。
しかし、曰くつきね~。
原因は大体わかってるけど。
「っと、ここだな」
最寄りの駅から徒歩10分。
昔からありそうなマンションでありながら、壁を何度も塗装しているのか、真新しく見える。
えっと、確か3階の305号室か。
「ここか・・・」
部屋の前に到着したんだが・・・うん、中から感じてくる。
死神じゃなかったら、わかんなかっただろうな。
長年人が住んでない理由がわかるぜ。
「そんじゃ、入るとしますか」
俺は扉を開けた。
その中には-----
『全く・・・最近の社会は乱れとるの~』
『本当じゃ、食品偽装?そんなものワシらの時代にはなかったぞ』
『あ!見て見て!飛行機~!』
『ヨホホホホ!みなさ~ん!天気がいいので歌を歌いましょう~!』
『お昼はまだかの~?』
『確かに、お昼時ですね~・・・。私もお腹減っちゃいました。あ、私、減るお腹ないんですけどね!ヨホホホホ~~~!』
・・・仰山おるな~、
やっぱり、整の住み処になっていたか。
こいつらを他の人たちは、幽霊か何かだと思って、気味悪がってんだろう。
「それじゃ、初仕事の魂葬をしますか」
こいつらをここに置いてちゃ、大家に迷惑だ。
それに、これから俺の家にするからな。
ちゃっちゃと終わらせるか。
俺は初仕事を行った。
『いや~~~!?やめてください~!絶対に痛いですから~!・・・あ、あまり痛くないかも。でもでも、女の子にやってほしか-----』
「喧しい、さっさと逝け」
『ちょ!?文字が-----あっ!』
最後の整が魂葬される。
何だったんだ、今のは・・・
なんで、骨だけの魂があるんだよ・・・
普通、人の形してるだろ。
やけにしぶとかったし。
「さて、静かになった所で、部屋作りをするか」
俺は義骸に入り、先ほど、引っ越し業者が来て、俺の所有物を持ってきてくれた。
え?どうやったかだって?
・・・それは海淵さんのみぞ知ることだな。後で聞いとけ。
俺は家具を一通り置き、飯の食材を買おうとしていた時だった。
pppppp
「ん?伝令神機からか。指令か?」
全く、これから買おうとスーパーに入ろうとしていたのに・・・
でも、指令が来ては仕方ない。
虚を倒しに行くか!
「義魂丸、初めて飲むけど・・・このネーミングはどうにかならなかったのか?」
義魂丸が入ってる容器には『サティスファクション』という名前が施されていた。
しかも、先端には黒いガチャピンらしきものがとりつけられている。
・・・嫌な予感しかしない。
ネーミングもそうだが、このキャラクター・・・某カードゲームにでてくるものじゃね?
「一々、気にしていたらしょうがねえな。早速試すか」
黒い突起物を潰し、義魂丸がでてきて、俺はそれを飲み込む。
その瞬間、義骸と死神である俺が分かれた。
「初めてやったが・・・上手く行ったな」
「よう、ご主人」
見ると、義骸がそう呟いた。
うわっ!目つき悪い・・・
しかも、なんだか、目が黒く見えるんですけど・・・
「えっと・・・お前のことは何て言えばいい・・・?」
「俺はキョウスケ!決闘者だ!」
「・・・決闘者じゃないからね。義魂丸だからね」
名前も雰囲気もマンマじゃねえか!?
しかも、見た目が原作と同じ顔だから、余計タチが悪い!
なんだよ、決闘者って!
世界が違うんだよ!
で、でも、一応、義魂丸だから、俺の指示は聞く、よね・・・?
「えっと・・・俺は虚を倒しに行ってくるから。その間、身体は頼んだ」
「ヒャーハハハハハ!任せとけ!決闘者を潰してくるからよぉ!」
「しなくていい!そもそも、決闘者はいねえから!」
ああ・・・闇落ちしてる彼と同じだ・・・
だから、あのキャラクターだったのか・・・
闇落ちした象徴だもんね・・・
「くれぐれも、騒ぎを立てないように。いいな?」
「ハーハッハッハッハ!要は騒ぎにならなきゃ、いいんだろ?心配すんじゃねえ、騒がねえように満足してくっからよぉ!」
「・・・満足、という言葉を聞いて、余計心配だぜ・・・」
と、とにかく、義骸のことはキョウスケに任せるしかない。
俺は虚の元へ向かった。
『ギュウウウウウ!』
俺は虚と戦闘していた。
虚の攻撃を難なく避ける。
『ポオオオオオク!』
「牛か豚かはっきりしやがれ!」
ザン!と虚を真っ二つに斬る。
虚は霊子に変わり、消えた。
「はいしゅ~りょ~・・・っと、いけね。早く戻らねえとな」
急いでキョウスケの元へ戻る。
あの感じだから不安だ・・・
何も起こってなければいいけど・・・
キョウスケの元へ辿り着いた俺。
そこで見た光景に俺は唖然としてしまった。
「キャアアアアア!?」
「逃げんじゃねえ!俺を満足させてくれよぉ?!」
「・・・・・・・・」
・・・キョウスケが女性を襲っていた。
何やってんだよ・・・
急いで、俺は義骸に入ることにした。
「すみません、すみません、すみません・・・・・」
「フン!この変態鬼畜野郎!馬に蹴られて死ね!」
そう言い残し、女性は去って行った。
名言ありがとよ・・・おかげで俺のLPは0に近いぜ・・・
これではっきりした。
キョウスケは多様してはいけない!
恐らく、このままいけば、俺は周りから変態扱いされてしまうだろう。
「海淵さん、なんてものを用意したんだ・・・」
きっと、名前がカッコイイからって理由だけで選んだんだろうな・・・
ああ・・・いい笑顔の海淵さんがサムズアップしてるのが見えてくる・・・
ブッ飛ばして~・・・!
「へっくし!」
「海淵殿、風邪ですか?」
「いや、恐らく、現世にいるバカが俺のことを言ったんだろ」
「???」
はあ、こうなったら、成るようになるだ。
俺はスーパーで食材を買い、家に戻った。
ちょうど、その時だ。
ppppppp
「ん?また指令?やけに多いな」
まだ初日なのに頻繁に鳴るな。
やっぱり、ここが空座町だからか?
俺が伝令神機を開いて、指令を確認する時だった。
ppp、p・・・・・
「あ?消えた・・・?」
突然、鳴り止んだ。
故障・・・?なわけないよな。
買ったばっかだし・・・貰いもんだけど。
「・・・気になるな。ちょっと、様子を見るか」
指令には地図が流されているしな。
しかも、運よく、駅前だ。
俺は再度、家から出て、目的地へ向かった。
駅前にはすぐに着いた。
そこで俺が目にしたのは-----
「なっ!?
そこには欠魂がいた。
驚く所はそこじゃない。
「なんだよ・・・この数は・・・」
数が異常なのだ。
1体や2体の騒ぎではない。
駅前にそこらかしこに欠魂がうようよと動いてる。
本来、欠魂はこんなに出ない。
欠魂は尸魂界と現世の輪廻の輪から外れた存在。
なぜ、外れたか、魂から記憶がなくなったからだ。
で、基本は尸魂界と現世の間にある空間に漂っている。
それが、時折、空間外に漏れた存在が現世に来て、自分の記憶を探しているのだ。
だから、こんなに大量発生するはずがないんだ。
え?なんでそんなに詳しいのかって?
そりゃあ、霊術院時代に教科書に載っていたし、何より、劇場版で出ていたしな!
1作目は何回も見てたな~・・・泣いたぜ。
(ん・・・?劇場版・・・?)
確かに、この光景は見たことがある。
駅前だし、欠魂なんて存在がこんなにいるなんて滅多に起きることじゃない。
まさか・・・な。
「とにかく、こいつらを何とかしなくちゃいけねえな」
俺は先ほどの考えを頭の隅に置き、死神化する。
多少、気になることはあるけど、まずは目先の問題を解決しなくちゃな。
「おいおいご主人!こんなに決闘者がいるぜぇ!」
「キョウスケは黙ってろよ!?決闘者じゃないし、空気読んで!?お前は逃げるべきなの!」
くそっ!だから、義魂丸は飲みたくなかったんだ!
でも、こんな目立つ場所で義骸を脱ぎ捨てたら、事件ものだ。
ちくそぅ・・・キョウスケがいると、話が進まねえ・・・
キョウスケは放っておき、俺は欠魂を斬った。
斬っても大事なはず、だ!・・・多分。
斬る斬る斬る!俺は欠魂を斬り続けた。
「ちっ、一向に数が減らねえな・・・」
大量にいる欠魂。
斬っても斬っても数が変わってる気がしない。
「ハッハー!だったら、俺のモンスターで-----」
「なんでいるんだよー!?モンスターはいいから、どっか行ってろよ!?」
キョウスケの奴、まだいたのかよ!?
あと、どうして君はそう好戦的なんだ!?
・・・あ、闇落ちしてるんだったな・・・
俺が攻めあぐねていた時、突然、それは起きた。
突風が起きた。
ヒュオオオーーーーー
「うわっ!?」
俺はつい反射的に顔を覆う。
次に目を開けた時、信じられないものを見た。
「死神・・・?」
死神がそこにいた。
紫髪の少女、くりくりている目は今は戦闘時ということがあり、真剣な目つきだ。
背は小さいが、欠魂の前に狼狽えないその姿は威風堂々とした姿だった。
そして、黄色いリボンで髪を束ねている。
-----って、おいおい、嘘だろ・・・
こんなことがあるのかよ・・・
どうして、今、あいつがここにいるんだ!?
「夕闇に誘え-----」
突如、彼女はそう呟き、斬魄刀を抜く。
「-----『弥勒丸』!」
解号すると、斬魄刀が先端に小さな刃がついた錫杖に変わる。
さらに、次の瞬間、彼女の足元、周りから竜巻が起こり、落ち葉を舞い上げる。
俺は・・・この光景を・・・見たことがある!
「はあっ!」
彼女は竜巻を操作し、欠魂たちを次々に蹴散らしていく。
す、すげえな・・・
生で見たが、これほどとはな・・・
「ん・・・?」
ふと、視界の端に人影が見えた。
半身しか見えなかったが、男だとわかり、黒いスーツのようなものを着ていた。
欠魂たちが集まる中で、隠れるようにそいつはいた。
「おい、お前-----っ!」
声をかけようとしたが、欠魂たちがサァーと退却していき、次第に消えていった。
もちらん、謎の男もいなかった。
「あいつ・・・劇場版で見たことがあるような・・・」
敵の服がそんなんだったような気が・・・ちっ、もうちょっと早く気が付いていれば、取り逃さなかったのによ・・・
「・・・・・・・・」
一方、彼女は用が済んだかのように、その場から去ろうとしたいた。
おいおい、一言もなしかっ!?
「あ、おい!ちょ、待てよ!」
「・・・・・・・・」
彼女は一瞥した後、再び去ろうとしていた。
彼女の後ろで突風が起こり、落ち葉が舞、彼女の姿が消え-----
「待てって言ってんだろうがっ!」
「あぐっ!?」
-----る前に俺が彼女の髪を引っ張ることで制止させる。
そのせいか、彼女の首がグキリと、くの字に曲がる。
・・・可哀相、だとかは思わない。
色々、聞きたいことがあるし、何より、俺に気づいてんのに何も話しないってのはないだろ!
「いった~~~!ちょっと、何すんのよ!今のは私が立ち去って、『今のは一体、誰なんだ・・・?』みたく、怪しいけど、気になる人物っぽくなる所でしょうが!」
「サスペンス物の見過ぎだ、お前・・・」
サスペンスは好きだが、現実にまで影響させないでほしい。
ちなみに、俺が好きなのは、『少年探偵小南』とか『AIBO』とかかな!
え?ネタ?
特命係にでも言ってくれ。
「で?あたしに何か用?」
「あ、ああ、お前、見たことない死神だからさ。誰だか聞いとこうと思って」
本当は知ってる。
だが、もしかしたら、俺がいるせいで原作に歪みが生じて、別人かもしんない。
確認のために聞いたんだ。
「人のことを聞くには、まずは自分からじゃな~い?」
「・・・確かに、そうだな。俺は鬼柳院京夜。十三番隊第四席だ」
「あれ、意外と素直なんだ。じゃあ、教えてくれたから私も。私は茜雫!よろしく~!☆」
「よろしくな。それで、お前はどこの隊に所属しているんだ?」
「知らな~い、そんなの忘れちゃったわよ」
本当、天真爛漫というか、お気楽というか・・・
だが、まあ、これで原作の茜雫、ということがわかった。
斬魄刀の名前も一致しているしな。
さてさて、今後、どうすっかな~・・・
絶対に茜雫は敵に狙われるだろう。
しかも、欠魂の記憶の集合体。
今は大丈夫だが、いつか自分のことがわかったら、どうなるか大変だ。
けど、原作だと、尸魂界の上空に現世の景色が映るはずだ。
だが、俺が出て行く時はそんなものなかった。
どういうことだ・・・?
もしや、そっちに歪みの影響が・・・
「ねえ、ちょっと、京夜だっけ?」
「ん?なんだ?」
どうやら考えすぎてたようだ。
茜雫に訝しげな眼で見られてる。
いけない、いけない。
我に戻ろう。
「いつまで死神の恰好してんのよ?」
「え?ああ、そういえば・・・」
茜雫はいつの間にか元の身体に戻っていた。
欠魂がいなくなり、とりあえず一段落したんだから、もうこのままでいる意味がねえな。
さて、キョウスケは、っと-----あれ?
「いないな・・・?」
「いない・・・?勝手に身体が動いたの?」
「そうじゃねえよ。義魂丸っていう・・・俺の分身みたいなものが元の身体に入ってるんだが・・・」
「確かに、この辺りにはいないわね」
俺と茜雫は辺りを見渡す。
ったく、どこに行ったんだよ・・・
確かに、どっか行け、とは言ったけどよ・・・
目につく所にいろって・・・
「キャアアアア!?」
「「っ!?」」
突然、どこからか悲鳴が聞こえた。
なんだ!?虚か!?
「今の悲鳴はっ!?」
「行ってみるわよ!」
「あ、コラ!待てよ!」
茜雫に続くような形で俺と茜雫は悲鳴をした場所へ向かった。
「ここよっ!」
「一体、なんだ-----!?」
俺と茜雫は唖然としてしまった。
俺たちの目の前に-----
「ヒャーハハハハ!俺と死の決闘をしようぜぇ~!」
「イヤーーー!変態、近寄らないでっ!」
-----女性を襲うとしているキョウスケがいた。
って、またかよ!
「うわー・・・」
「み、見るな!そんな目で俺-----じゃねえ!俺の身体を見るな!」
引いた目でキョウスケを見ている茜雫。
ちがう!誤解だ!
あれは俺であって、俺じゃないんだ!
「ああ、もう!なんで、こうなるのーーー!!!」
俺はキョウスケから身体を奪った。
「すみません、すみません、すみません・・・・・」
「もう私に近づかないで!この変態!」
そう言って、立ち去っていく女性。
ああ・・・さっきも同じことしていたな・・・
このまま続けていくと、空座町で有名になっちまうな・・・悪い意味で。
「京夜にそんな趣味があるとはね・・・。人は見かけによらないものね」
「待て、誤解だ。あれは俺じゃない」
茜雫に変に思われちったな・・・
くそぅ!普通に会いたかったし、普通の印象を残したかった!
なのに、出だしからこんなって・・・
茜雫は俺のお気に入りのキャラなのに・・・
「あ!」
茜雫は何かに気付くと、トテテテと店の方へ行ってしまう。
待て待て、お前は一応狙われてんだ。
1人でほっつき歩いたら、危ねえ。
「~♪~~♪」
「・・・何してんだ?」
「見てわかんない?身嗜み整えてんのよ」
「あっそ」
自分を窓ガラスに映しながら、髪をイジル茜雫。
やっぱり、年齢は高校生だからか、その姿は様になるな。
まあ、中身はアレだけど。
「あ!」
・・・次はなんだ?
「ジーーーッ」
「お前、何を見て-----ん?」
茜雫は窓に手を当て、店内のある物を見続ける。
その視線の先には赤いリボンがあった。
そういや、原作でも赤いリボンが好きだったよな。
「・・・アレが欲しいのか?」
「うん。なに、買ってくれるの?」
「俺はそこまでお人好しじゃない。自分で買え」
「生憎、私は無一文なのだ!」
「胸張って威張ることかよ・・・。大した胸もないくせに」
「な、なんですってー!!!」
そいうや、無一文だったな・・・忘れてたぜ。
おっと、失言だったな。
やはり、多弁は損をする。
全く、この口は・・・俺のせいだけど。
「悪かった。そのお詫びというか、さっき助けてくれた礼として買ってやるよ」
「本当!?ありがとう!」
満面な笑みを作る茜雫。
それを見て、一瞬ドキッ!てしてしまった。
反則だな、あの笑顔は・・・
「さあさあ!行きましょう!」
「あ、先に入るな!」
意気揚々として、茜雫は俺を店内に引っ張っていく。
一応、俺が買うんだぞ!
なに、自分で買う気になってんだ・・・
「いらっしゃいませ~」
店内はとても綺麗で、クラシックのような雰囲気だった。
到る所に小物や服が置いてある。
ただ、女性専門の服屋なので、男が俺くらいしかいない。
「はい、早速買ってきてね」
「はいはい、わかりましたよ・・・」
すぐさま、目的のものを手に取り、茜雫は俺に渡す。
玩具を貰う子供かよ・・・
そう急かさないでほしい。
俺は茜雫に言われた通り、他に目もくれず、レジに向かった。
その間、茜雫は小物を物色している。
「これください」
「はい、かしこまりました。もしかして、彼女さんにですか?」
「いえ、ちがいます」
キッパリと否定した。
フフ、原作では一護が照れていたが、俺はそうではない。
そのせいで、店員に煽られるのだから。
これなら、店員にバカにされな-----
「フフフ、照れなくていいんですよ」
「(゜o゜)」
・・・ここの店員は煽るのが好きなのか?
「よかったら、彼女さんにこちらもいかがですか?」
「へ?」
店員は俺の様子に脇目も振らず、マネキンへ移動する。
「最近、流行のファッションなんです。こちらもお買い上げどうでしょう?」
「ふむ・・・」
秋、ということもあってか、薄着を何着も重ね着するものだった。
白のシャツに赤のカーデガン、その上に茶色の薄いコート。
下は薄黄色のスカート。
そのスカートは生地が暖かそうで、モコモコフワフワしている感じだった。
靴は茶色のよくサンタが着ているような、暖かそうな靴だった。
確か、茜雫は制服1着しかなかったような・・・
「おーい、茜雫!」
「ん~?な~に?」
茜雫は俺に駆け寄ってきた。
確認しとかないとな。
「お前、その服1つしか持ってないか?」
「そうだけど?それがなに?」
「わかった。―――すみません、それ全部ください」
「かしこまりました」
「え?」
店員はいそいそと服を袋にしまう。
茜雫はキョトンとしていて、固まっていた。
「-----では、こちらをどうぞ」
「ありがとうございます」
「え?」
あっという間に会計を済ませ、商品を手に取る俺。
茜雫は状況に追いつかなくて、未だに固まっていた。
「きょ、京夜・・・。そ、それって・・・」
「ああ、お前にあげるよ」
「わ、私、リボンしか頼んでないのに・・・」
「一目見て、茜雫に似合うと思ったんだ。それに、制服だけじゃ、何かと不便だろ?」
可哀想だとか同情で買ったんじゃない。
こう、なんとなく、似合うと思ったんだ。
ピーンと来た!ってね。
「ほ、本当にいいの・・・?」
「嫌なら返品するが?」
「い、いや!全然!すごく嬉しい!」
茜雫は顔を横に振り、頬を赤らめながら、笑顔になる。
まるで、初めて何かをもらったみたいだな。
・・・そうだったな、確か、茜雫は原作では1人だったな。
恐らく、目の前にいる茜雫も・・・
「試着室で着て来いよ。茜雫の晴れ姿を見たいんだ」
「なによ、晴れ姿って。じゃ、着替えてくるね!」
茜雫は試着室に急いで入っていった。
そうだ、制服とあれだけじゃ、ちょっと可哀想だよな。
女の子は服が大好きな生き物って、父ちゃんが言ってたぞ。
俺はもう1着買い、レジに向かう。
「すみません、これもお願いします」
「はい、かしこまりました。随分と彼女さんを大切にしているんですね」
「いえ、全く。というか、彼女じゃありません」
再び、きっぱりと答えた。
まあ、ここの店員には効果なさそうだから、無意味だけどね。
「フフフ、仲良しなんですね。しかし、お客様、お目が高いんですね」
「どういうことですか?」
「先ほどの服は『空座クイーン』という雑誌に載ってる『今、1番流行のファッション』というコーナーで堂々の1位を決めた代物ですよ」
「へ~」
てか、そんな雑誌売ってんだな。
俺は服には疎いから正直知らん。
「他店でも在庫が売り切れていますが、当店ではまだ少しありましたので、運も兼ね備えているようですね」
「まあ、運はある方だと思いますけどね・・・」
非難の運な。
隊長たちに巻き込まれたりするという最悪な運だけどな。
「よかったら、当店の常連になりませんか?」
「・・・考えときます」
なぜ、男である俺が常連にならなくちゃいけない。
そうなってしまったら、また変態という名が・・・
そうして、店員からもう1着の服を受け取ると、すぐ後に茜雫が試着室から出てきた。
「ど、どうかな・・・?に、似合う・・・?」
「おお・・・!」
実際に見てみると、自分の目利きがいいことがわかる。
茜雫という名前通り、秋らしさが出ていて、性格と服の相性がピンポイントではまっている。
黄色から赤のリボンになっているのもまたいい。
うん、これはいいぞ!
「すげえ似合ってるな。驚いた」
「そ、そう・・・?エヘヘ・・・」
頬をピンク色にしながら、照れる様子を見せる茜雫。
なんだ、この小動物は!
すごく抱きしめたい!だが、そんなことすれば、茜雫からの鉄拳制裁は目に見えている。
だから、やらん。
「要は済んだし、店から出るぞ」
「うん!」
俺と茜雫は店へ出ようとする。
その際、先ほどの店員とすれ違う。
「フフ、羨ましい彼氏さんですね」
「なっ!?ち、ちがっ、彼氏じゃ-----」
「照れなくていいんですよ。幸せな1日をお過ごしください☆」
そう言い残し、鼻歌混じりながら、店の奥へ行ってしまった店員。
はあ、ここの店員は本当に・・・
「も、もう!誤解されちゃったじゃない!今後、入りにくいわよ~!」
「まあ、そう言うな。どうせお世辞だろう。気にすることはないさ」
「私が気にするの!」
そう言いながら、店に出る。
どうやら、夕暮れになっていたようだ。
入ったのは、昼過ぎだってのに、早いもんだ。
俺も誤解されて困ったんだぞ。
元はお前がここに入らなければよかったんだ。
あ、そうすると、入った俺も同罪か。
「で?京夜はこれからどうするの?」
「どうするって-----」
家に帰って、夕飯作って、風呂入って、寝る。
規則正しい生活スタイルは身体にいいからな。
「普通に家に帰るけど?」
「え~、何それ!つまんなっ!」
そんなことを言われてもな・・・
俺の予定だし、とやかく言われる筋合いねえぞ。
「あ!」
・・・お次はなんですか?
「私、あれ乗りたい!」
「あれ・・・?」
見ると、ここから少し離れた場所に、観覧者があった。
距離的に徒歩20分って所か。
「って、今からか?」
「もっちろん!」
今は夕方。
もう家に帰る時間でもおかしくないだろう。
それなのに、こいつは・・・
「あのな~、俺にもやることが-----」
「さ、行こう!京夜!」
俺の意見を碌に聞かず、茜雫は俺の手を引っ張り、観覧車へ向かった。
おい!俺の意見は無視か!
「ちょ、引っ張んな!てか、お前、無一文だろ!?まさか、俺にたかる気じゃ-----」
「最初からそのつもり!」
「お、俺はヒモじゃねえんだぞーーー!」
と、抵抗するが、どこにそんな力があるのか、どんどん引っ張っていく茜雫。
駅前で俺の木霊が虚しく響いた夕暮れ時だった・・・
「お、俺はヒモじゃねえんだぞーーー!」
京夜が茜雫に引っ張られていく様子を見ていた人物がいた。
彼は京夜と茜雫が欠魂との戦いを一部始終見ていた。
「・・・あいつ、ワイらと同じ匂いするな~」
彼は上空を逆さになりながら、立っていた。
帽子を被り、素顔は見えない。
白のシャツに茶色のベストを着ていて、黒のチノパンを履いていた。
「ワイらと同類なら・・・仲間になってくれそうやな~」
彼は帽子を深く被る。
「鬼柳院京夜。おもろい男、み~つけた」
おかっぱ頭の彼は不敵に笑っていた。
いかがでしたでしょうか?
茜雫が書きやすい!
いいキャラですよね~、茜雫。
京夜もお気に入りですが、作者もお気に入りです。
というか、作者のお気に入りと京夜のお気に入りは同じなんですけど(笑)
さて、みなさんにアンケートをとりたいと思います。
内容は活動報告に書きましたので、ご協力してくださると、嬉しいです。