またまたリアルが忙しかったもので!
一応、短い時間にチョコチョコと書いていたんですけど、気づけばこんなにも遅くなってしまって・・・
次からは早めに心がけます!
・・・何度目の心がけだろう?
さて、今回は決戦前ということです。
京夜が全然出てきません。
・・・それでいいのか?(笑)
しかも、またまたハチャメチャな行動を取るきょううん。
周りの皆が振り回されているのにご注目あれ!
場所は十三番隊隊舎。
陽が落ち始めてきた頃、ルキアは落ち着かずにいた。
原因は言わずもがな、空に映る現世の光景だ。
(朝から現れ、今も尚、映り続けている・・・。この原因を突き止めたい所だが、隊長たちが話し合っている。動くわけにはいかないか・・・)
早急にこの現象を終わらしたいルキアだったが、隊長からの命令が出なければ、一般隊士であるルキアは軽率な行動はできない。
故に、今はただ待機するしか他ならなかった。
その時、ガサガサと茂みから草を掻き分ける音が聞こえてきた。
「?」
訝しげに見るルキア。
そこから現れたのは、思いがけない人物だった。
「よう、ルキア」
「きょ、京夜!?」
京夜がルキアの前に現れた。
腕の中には茜雫が安らかに眠っていた。
「な、なぜ、お前がここにいる!?現世ではなかったのか!?」
混乱するルキアの言葉を無視し、京夜はルキアに近寄り、そっと茜雫を畳の上に寝かす。
「こいつを-----茜雫を、頼む」
「えっ、お、おい、どういう-----」
京夜はルキアの戸惑いに目を向けず、その場から立ち去ろうとする。
「ちょ、ちょっと待て!どこに行くつもりだ!?」
「・・・・・・・・」
ピタリと京夜の足が止まった。
暫し経った後、京夜が小さく口を開いた。
背を向けたまま。
「・・・敵を・・・今起きている、起こそうとしている元凶を叩き潰しに行く」
「敵、だと・・・」
「・・・・・・・・」
そう言い残し、京夜は今度こそ立ち去ってしまった。
残されたルキアは呆然としていた。
「京夜・・・一体現世で何が起きたのだ・・・。私に言えないことなのか・・・」
ルキアが困惑しながら、歯がゆい思いでそう呟くと、傍らから小さな声が聞こえてきた。
「う・・・ん・・・んん・・・?」
茜雫が起きた。
この後、ルキアは茜雫から現世の話を聞き、驚愕することになるのだが、今はまだ知る由もなかった。
同時刻、一番隊隊舎。
そこには、総隊長を含めた総勢13名の隊長たちが並んでいた。
隊首会を開いているのだ。
「由々しき事態である」
総隊長-----元柳斎から口を開いた。
「皆の者も認知しているであろうが、尸魂界の空に現世の光景が映し出された」
他の隊長たちはそれに答えるように頷いたり、目を瞑り話を聞いている。
「このようなこと、前例は1度もない。故に、今回のことは偶発的ではなく、何らかの企みによって仕組まれた可能性が高い」
『!』
隊長たちは驚いている者が多かった。
中には、思っていたことと一致していたのか、驚いていない者までいる。
「それは・・・一体誰がやったものなのですか?」
「不明じゃ。そのことも含め、今回の調査を十二番隊隊長、涅に一任しておる」
蜂砕がそう尋ねるが、元柳斎は首を振るう。
「涅よ、今回のことで判明してことを報告せよ」
「ハイハイ、わかりましたヨ」
マユリは1歩前に出て、面倒くさそうに説明をする。
「まず、今回のことは前々から違和感を感じとっていたヨ。断界に妙な霊圧をキャッチしたのだ」
断界とは尸魂界と現世の間にある無に近い空間である。
魂魄が輪廻の輪にのって尸魂界に向かうのだが、その輪廻の道が断界だ。
また、断界は時間軸が外界と大きく違う。
時間の流れが速いのだ。
よって、断界に長時間いれば、身体が追い付けず、朽ち果ててしまう。
その断界から妙な霊圧を感じ取ったという。
隊長たちは驚きを隠せないでいた。
「なぜ、それがわかっておきながら、なぜ対処しようとしなかった!」
「喧しいよ、下種が。私たち技術開発局だって、色々と事情があるのだヨ」
「ぐっ・・・」
再び、蜂砕が問い詰めたが、マユリは強気の言動で跳ね返す。
次に京楽が不敵に笑いながら、口を開く。
「しなかった、というより、できなかった、じゃないのかい?」
「・・・ふん、勘が鋭い奴はやりにくい他ならないネ」
あまり言いたくなさそうに、涅が続けた。
「その通り、対処できなかったのさ。違和感といっても、不規則的に、さらに小さな歪みのようなものだからネ。調査しようにも、情報が少なすぎたのだヨ」
「・・・それで終わりじゃねえだろ。そんなことで、てめえが諦めるようなタマじゃねえよな」
日番谷がマユリに問う。
マユリはそれを待っていたと言わんばかりに、笑顔で言い放つ。
「そうさ!日を追うごとにその違和感は明確になっていった!そして、調査を続けた結果、尻尾を捕まえられた。ただ、もうその時点では既に現世の光景が映っていたがネ・・・」
「おや、君にしては珍しいじゃないか。間に合わないなんて。手間取っていたのかい?」
藍染が冗談混じりにそう聞く。
「う、煩いよ!別に手間取っていたわけじゃない!私には君たちと違って、やらなくてはいけないことがたくさん-----」
ダン!
マユリが反論しようとしようとしている中、元柳斎が杖で床を叩きつけた。
「涅、さっさと報告を済ませよ。愛染よ、報告中に茶々を入れるのは止めるのじゃ」
「そうですね。邪魔をしてすみませんでした」
「・・・フン、続けるヨ」
マユリは藍染を睨んだ後、再び説明をする。
「なぜ、空に現世の光景が映し出されたか。それは、欠魂によるものダ」
「欠魂・・・ですか?」
「欠魂がどうやってあの規模の現象を起こせるのだ」
卯ノ花が疑問を抱き、浮竹が問う。
その答えはすぐに返ってきた。
「欠魂が一点に集まっているのだヨ。さらに、それはもう1つの世界を作り出す羽目となった。それがパイプの役回りになり、現世の光景を映し出しているのサ」
「断界に別の世界を作ったというのか!?」
浮竹が驚愕するのが引き金となり、ザワザワと話す隊長格。
しかし、元柳斎が再度、杖をダン!と打ち付け、全員を静かにさせる。
「静粛に!―――――して、なぜ、そのような事態に陥った」
「誰かが欠魂を操っているのだろうネ。欠魂とは違った霊圧を補足したからネ。ただ、どんな奴かは未だ調査中だヨ」
「ふむ・・・」
涅の報告を聞き終えた元柳斎は訝しげに悩んでいた。
「ああ、後、もう1つ大切なことがあった」
「なんじゃ、申せ」
涅は思い出したかのように、人差し指を立てる。
次に発した言葉は全員が耳を疑うことだった。
「現世の光景が映し出された、これはあることの前兆とも言える」
「もったいぶらずに早く話せよ」
剣八が涅を催促する。
「『世界崩壊』」
『!?』
全員が目を見開き、驚愕した。
それもそうだろう。
いきなり、世界崩壊と言われれば、誰だって驚く。
「なっ!?それはどういうことだ!?」
「欠魂が集まり断界に世界を作りあげている。そして、それはどんどん拡張されつつあるのだヨ」
「でかくなるのと、世界崩壊と、何が関係あるのだ!」
「まだわからないか、これだから下種は・・・。元々、存在できない場所に無理矢理作ったものだ。要はハリボテだヨ。拡張されていけば、やがて原型を留められなくなり、終いには大爆発を起こし、現世、尸魂界を巻き込み、破滅だ」
蜂砕の問いに涅は冷静に返す。
その顔は楽しんでいるかのように、不敵に笑っていた。
世界崩壊と言った人物とは思えない。
「なぜ、そのことを早く言わない!」
「君たちはこの現象が何なのか、どういう原因なのか、という質問をしただろう。その後のことは一切聞いていないからネ」
「ちっ!この、ひねくれ者が!」
蜂砕が代表して聞いてくれたおかげで、他の隊長たちは聞かず、現状がどのようなものか正確に理解できた。
次に元柳斎が聞いてきた。
「・・・涅よ、どのくらいの時間を有す」
「そうだネ・・・」
指で額を当てながら、時間を計算する。
「・・・何も障害や異変が起きない限り、後1時間ってところだネ」
「い、1時間だって!?」
浮竹が驚愕し、口を開ける。
他の隊長たちも同様だ。
元柳斎は対処法を聞いた。
「1時間・・・それまでに、食い止める方法はあるか」
「手っ取り早いのが鬼道砲をぶっ放して、世界ごと抹消させるのが早いけど、起動するのが間に合うかネ・・・」
「・・・他には」
「敵の陣地に踏み込んで、討伐する。欠魂を操っているからネ。大元さえ倒せば、終わる。ただ、敵の入り口がわからないし、これも時間との勝負だヨ。以上の2点が適切な対処法だヨ」
「そうか・・・」
元柳斎は涅から聞き終えると、押し黙る。
どう決断するか、思案しているようだ。
やがて、答えが出た。
「各隊長、全員に告ぐ!これより、世界崩壊を阻止するため、断界に向け、鬼道砲を発射する!尚、今作戦は時間との勝負じゃ!全死神、一丸となって、準備をするように!よいな!」
そう発表し、隊長たちが返事をする瞬間、突如、入り口付近から別の叫び声が聞こえてきた。
「「待ってください!」」
見ると、そこには-----
「何事じゃ!」
「清音!?仙太郎!?どうして、お前ら、ここに!?」
そこには十三番隊三席の清音と仙太郎がいた。
2人は門番に止められていた。
「今は隊首会中だぞ!」
「うっせえ!それどころじゃねえんだよ!早く隊長に報告しねえといけねえんだ!」
「総隊長に今回の件で、重大なご報告があります!」
清音のその言葉が効いたのか、2人の入室を許可する。
「構わん、通せ」
「はっ!」
門番は潔く、引き下がった。
2人は前に進み出ると、片膝をついた。
「このようなご無礼、お許しください!」
「しかし、どうしてもすぐにお伝えしなくてはいけないことがあります!」
「なんじゃ」
清音、仙太郎の順に口を開いた。
「はい!まず、敵の素性が明らかになりました!」
「敵はダークワンという、100年前に追放された龍堂寺という貴族の者です!」
「龍堂寺だとっ!?」
「へ~、彼ら、生きてたんだ」
浮竹が驚いているのに対し、京楽は余裕の表情だ。
「次に、敵勢力の入り口を見つけました!」
「場所は現世の川です!」
「現世、か・・・。成程、だから、欠魂ってわけか」
「現世でもこちらの光景が映し出されているはずだけど・・・川なら違和感がないか。やるね」
日番谷が眉間に皺を寄せ、愛染は敵に感心しているようだった。
「さらに、重要なことはここからです!」
「2日前、現世にて、任務で向かっていた十三番隊4席の鬼柳院京夜が,思念珠と接触!逸早く、事態の異変に感づき、敵の勢力へ先行しました!」
「な、なんだって!?」
「あのバカ!何をやっているのだ!」
「ハハハッ!そうこなくっちゃなあ、京夜!」
「・・・・・・・・」
浮竹が今日一番の驚きを表す。
蜂砕は頭を抱えていた。
日番谷も同様だ。
剣八は喜び、白哉は静かに目を瞑っていた。
しかし、これで終わりではない。
「さらに、鬼柳院の後を追いかけるように、志波副隊長、朽木女史、そして-----」
「―----思念珠、茜雫も共に向かいました!」
「か、海燕に朽木まで!?」
「ルキア・・・!」
浮竹はそのことを聞き、血が一気に下がった気がした。
フラッとよろめく。
一方、白哉は平静を装っているが、ルキアが向かったこと、無事なのかという困惑と心配が入り乱れていた。
「ちょっと待ちたまえ。思念珠は記憶の集合体のはず。なぜ、尸魂界に入れるのだ?そもそも、戦う力はなかったはずだ」
「茜雫は死神の力を有しております!」
「恐らく、記憶の中に死神のも混ざっていたからです!」
「ほほう・・・それは興味深いネ」
涅が茜雫に興味を抱いたのは置いといて、2人は元柳斎に頼み込んだ。
「お願いいたします!どうか、彼らに増援を!」
「鬼道砲を撃つのはお待ちください!せめて、あいつらが帰ってくるまでは!」
頭を下げ、一生懸命に頼み込む清音と仙太郎。
しかし、返ってきた答えはあまりにも残酷だった。
「ならぬ」
2人は固まった。
「彼奴らは独自で判断し、行動しおった。迅速に対処するのは、大いに結構。じゃが、こちらの指示なしでの身勝手な行動も事実。そして、鬼道砲を撃つことは決定しておる」
「そ、そんな・・・」
清音が絶望し始めた瞬間、元柳斎は立ち上がり、会議を締めた。
「これにて緊急隊首会を終了とする!皆の者、各定位置につき、鬼道砲の準備に取り掛かれよ!」
『はっ!』
各々、一番隊隊舎から離れていく。
そんな中、清音と仙太郎は諦めきれずにいた。
「ま、待ってください!」
「そうだぜ!こんなの、あんまりだ!」
「・・・やめろ、お前ら」
2人を制したのは浮竹だった。
2人は浮竹を見ると、抗議し始めた。
「う、浮竹隊長は京夜ちゃんたちを見捨てませんよね!?」
「・・・・・・・・」
浮竹は何も答えなかった。
「あ、あの・・・隊長・・・?」
「・・・隊舎へ・・・戻れ」
「う、嘘ですよね・・・?まさか、裏切るなんて・・・」
「隊舎に戻れと言っているだろう!」
「「っ!?」」
いきなりの浮竹の叫び。
2人はあまり怒鳴らない浮竹を見、歯がゆい気持ちのままその場を離れた。
「「・・・失礼します」」
2人が立ち去った後、浮竹は深いため息をつく。
「はぁ~~~・・・」
「おやおや、君が怒鳴るなんて珍しいね~。だけど、部下に八つ当たりはいけないよ?」
「京楽・・・。これが怒鳴らずにいられるか・・・」
いつもと変わらずに、飄々と近づいてきたのは、浮竹と長い付き合いのある京楽春水だった。
「全員が俺の隊の者たちなんだぞ・・・。何であいつら俺からの指示も待たずに・・・。頭が痛くなってきた・・・」
「ハハハ!いいじゃないか!積極的で活発な子たちで!ちょっと、羨ましいねぇ~」
「呑気なことを言ってる場合か!?」
京楽は一笑した後、少し真面目な顔つきになる。
「それで?君はどうするんだい?」
「え・・・」
「隊長としてはここに残るべきなんだろうけど・・・状況的に君はそんなタマじゃないでしょ」
「・・・・・・・・」
長年付き合いがわかるからこそ言える言葉。
京楽の言う通り、浮竹は心の中で葛藤していた。
隊長としての職務を果たすべきか、自分の信念に従うべきか。
すると、京楽が浮竹の後方に視線を移す。
「おっ!彼らは行くみたいだよ?」
「えっ・・・!?」
振り向くと、そこには2人の隊長がいた。
「蜂砕・・・日番谷・・・」
「あんたは行かねえのか、浮竹隊長」
「お、俺は・・・」
日番谷の問いに戸惑う浮竹。
それは気に留めず、日番谷は自分の意志を伝える。
「まっ、あんたがどう行動しようが好きにしな。ただ、俺は行くぜ。あいつをこんな所で死なせるつもりはねえからな」
そう一方的に言うと、すぐに去ってしまう日番谷。
浮竹は蜂砕に聞いた。
「・・・蜂砕は行くのか・・・?」
「無論だ。ただ、勘違いはするな。私はあのガキが言ったように助けることなど考えていない。ただ、私はライバルが戦果を上げることが嫌なだけだ」
そう言うと、立ち去る蜂砕。
京楽は再び、浮竹に話しかけた。
「で?どうすんの、色男?」
「・・・・・・・・」
浮竹は目を瞑り、考え込む。
皆、自分で行動した。
そう、自らの意志で。
そして、京夜は特にその意志が強かった。
頭に過ぎったのは、あの虚の事件。
虚に浸食され、あわや全滅かと思いきや、京夜は自力で難を逃れた。
それまで諦めていなかったのだ。
さらに、隊長からの指示に反し、海燕を救いに行った。
よって、海燕は今生きていられる。
もし、あのまま、自分たちが手出ししなかったら・・・
そして、今回。
自分が何もしなかったら・・・
3人は・・・
浮竹は目を開けた。
「・・・京楽」
「ん~?」
「俺は決めたぞ。俺は-----」
京楽は浮竹から感じ取る、強い眼差しと言葉を聞き、満足気に微笑んだ。
2人は足早に一番隊隊舎を出た。
各々の思いが交差し、一部の者たちは敵の勢力へ向かう。
その一部の者たちはこの2人も含まれていた。
「ったく、京夜の野郎・・・勝手に1人で楽しみやがって・・・」
「ヒャハハ!けんちゃん、悔しがってる~!」
「うっせえ、やちる」
1人は更木剣八。
戦いを好み、闘いを娯楽とし、死ぬことを疎まない。
正しく、戦闘狂。
「けんちゃん、きょううん、助けに行くの?」
「そんなんじゃねえよ。ただ、1人で楽しむなんてずりぃだろ?」
「あっ!確かに~!じゃあ、早速、行こう~~~!!!」
鬼が動き始めた。
一方、もう1人はというと-----
「君は行かないのかい?」
「・・・何用だ」
藍染は部下からも同僚からも親しみを受けている。
親しみやすい雰囲気と性格をしているからだ。
ただ、目の前の男はどうも自分を嫌っているのか、ただ単に無口なだけか、親しみずらかった。
「ほら、彼女向かったじゃないか。朽木ルキア、君の義妹だろう?」
「・・・それがなんだ」
「いや・・・ほら、心配とかしないのか、と思って。てっきり、行くと思ってたんだけど」
「・・・兄の気にすることではない。ルキアは自らの意志で向かった。私が向かう必要もない」
「・・・なんというか、冷たいというか、厳しいというか・・・。まあ、僕は兄弟間の関係はそこまで立ち入るつもりはないからね。ここらで失礼するよ」
そう言うと、白哉から離れる愛染。
少し離れると、再び口を開いた。
「ああ、1つ忠告するよ」
「・・・・・・・・」
「増援に向かう人たちの中で、彼女が一番戦闘能力が低い。それは君も承知のはずだ」
「・・・・・・・・」
「それはどういうことか。・・・死ぬ確率も高いということだ」
最後に言い残すと、今度こそ立ち去る藍染。
白哉は1人佇んでいた。
(・・・妹を心配しない兄がどこにいる)
口ではああは言ったものの、内心やはり気が気でなかった。
(・・・ルキア・・・今、向かうぞ)
白哉はすぐに行動に移った。
目指すは愛する義妹、ルキアの元へ。
・・・やはり、朽木家当主は兄バカであった。
なぜ、ルキア、海燕、茜雫が京夜の後を追うことになったか。
それは時を少し遡らなければならない。
そう、冒頭の茜雫が目覚める所まで。
「あれ・・・アキ・・・?」
「お、お前、アキを知っているのか・・・!?」
寝ぼけながらルキアを見た茜雫は、ルキアをアキと勘違いしてしまったらしい。
そして、今自分がいる場所を探るように周りを見渡す。
「・・・ここは、どこ・・・?」
「え・・・」
茜雫は死神の恰好をしている。
なら、ここが十三番隊隊舎だということは一死神なら分かるはずだ。
それが、わからないことで、さらにルキアは困惑する。
しかし、そこに拍車をかけるようにとある人物がやってきた。
「おい、ルキア、探したんだぞ!どこにいやがっ-----おい、誰だ、そいつは」
「あ、あの、その、わ、私もよく状況が・・・」
海燕がやって来たことにより、さらに戸惑ってしまう。
なぜ、こんなにも理解仕切れないことが多々重なるのだろうか。
その矛先は-----やはり、京夜だった。
(恨むぞ・・・京夜)
「ねえ、京夜はどこ・・・?」
「きょ、京夜か?あいつなら、先程いたが、どこかへ行ってしまった。敵を倒すとか、なんとか・・・」
海燕には説明のしようがないので、とりあえず、茜雫の質問に答えることにした。
まずは、どういう状況なのか。
手っ取り早い話が茜雫から情報を入手することだった。
ところが、ルキアがそう答えると、茜雫は大きく動揺した。
「敵!?敵を倒しに行くって言ってたの!?」
「あ、ああ、そうだが・・・。落ち着け、いきなりどうしたのだ?」
「そんな・・・まさか・・・いや、でも、京夜なら・・・」
茜雫はぶつぶつと呟き始めた。
未だ状況が読み込めないルキアと海燕。
「なんで、京夜がこっちに来てんだよ。あいつは現世で任務中だろ」
「わかりません、突然、現れたと思ったら、彼女を置いて立ち去ってしまいました」
「そうか・・・おい」
「・・・なに」
ルキアから一通り聞き終えると、海燕は茜雫に相手を変えた。
ぶっきらぼうに返事を返され、イラッときたが、冷静に言葉を綴らせる。
「(イラッ)・・・テメエ、何者だ」
「私は・・・」
言葉を詰まらせ、言うか言うまいか考える茜雫。
しかし、言わなければ先に進めないと結論を出した。
「・・・私は茜雫。元思念珠」
「し、思念珠だとっ!?」
「まさか・・・本当に実在していたとは・・・!?」
海燕とルキアは目の前にいる人物に驚愕した。
教科書でも稀にしかお目にかかれず、伝説的となっている存在だ。
2人が唖然としている中、茜雫が聞いてきた。
「あんたたちは誰?京夜の知り合いみたいだけど・・・」
「あ、ああ、俺は十三番隊副隊長、志波海燕だ。京夜の上司みてえもんだな」
「私は海燕殿の部下である朽木ルキアだ。京夜とは・・・幼馴染で同僚だ」
「そっか・・・上司に幼馴染・・・」
茜雫の中で2人の信頼感が高まった。
京夜とそこそこ深い関係だということで安心した。
「お前は・・・いや、茜雫。京夜とはどういう・・・」
「京夜はね・・・現世で私を救ってくれた、大切な存在なんだ」
茜雫は微笑みながら、そう告げる。
その笑顔は天使のように可憐だった。
「・・・・・・・・」
「・・・現世で何があった。ここまでの経由を話せ」
「・・・わかった。現世で京夜と出会ったんだけど・・・-----」
茜雫は現世で起きたこと、敵のこと、そして、自分のこと。
最後に、なぜ、尸魂界にいるのか、そのことをかいつまんで話した。
「・・・そうか、そんなことが・・・」
「・・・にわかには信じられません・・・」
「でも、事実だよ」
茜雫は自身満々にそう答える。
海燕とルキアは真相を聞き、驚いていた。
と、ここで海燕がはっと、気づいた。
「ちょっと待て、ってことは、京夜が言い残した敵つうのは・・・」
「恐らく、ダークワン、厳龍の所だと思う」
「だーもう!何であいつは勝手に行動してんだっ!俺たちに情報を言えってんだっ!」
海燕は頭を掻き毟り、声を荒げる。
事後処理が1つ増えた。
そこに、ルキアが口を挟む。
「もしや・・・京夜は他の者に傷ついてほしくないから、1人で向かわれたのだと思います」
「え・・・?どうして、わかるの?」
「それは・・・幼馴染だからな・・・」
茜雫に向け、ルキアは微笑む。
その笑顔は自信があるように、読み取れる。
流石は、長年付き添っている仲、お互いのことは十中八九だ。
「まあ、確かに、あいつらしいっちゃ、らしいわな」
「短い期間しかいないけど、あの京夜だったらそう思うかも」
海燕も茜雫も納得してしまう。
京夜の謎の行動、茜雫の存在、そして、今起きている現象、それぞれのピースが繋がった所で、海燕はある2人を読んだ。
「そうとわかったら、ちんたらしていられねえな。おーい、近くにいんだろ!清音、仙太郎!」
「「お呼びでしょうか!!!」」
「うわぁ!?」
どこからか現れた十三番隊三席の2人。
茜雫は気配がなかったのに、近くに2人がいたため、尻餅をついてしまう。
「ど、どこから現れたの!?」
「茜雫、この方たちにそれを聞いても無駄だ。隠密能力は二番隊に匹敵するからな・・・」
ルキアが茜雫に捕捉説明をした所で、海燕が2人に伝言を伝える。
「2人共、今の話は聞いてたか?」
「「はい、もちろんです!」」
会話的に犯罪並だが、それが自然になってしまっている。
流石は十三番隊。
「俺は京夜の後を追う。今の話とそのことを各隊長たちに伝えろ」
「「かしこまりました!!!」」
「ちょっと、待ってください!」
ルキアが口を挟んだ。
「海淵殿、私も行きます!どうか、許可を!」
「・・・いいのか、今までとは違う大規模な戦いになるかもしれねえんだぞ」
「構いません!覚悟はできています!大切な仲間を、京夜を見過ごせません!」
「そうか・・・。なら、許可する!」
「あ、ありがとうございます!」
海燕はそうルキアに告げる。
ルキアは笑顔になり、頭を下げる。
次に海燕は茜雫を見る。
「テメエはどうすんだ?」
「・・・・・・・・」
「別に来なくてもいい。こっからは俺たち死神の仕事だ。無理強いはしない」
「・・・行く」
茜雫は小さく答えた。
「私も行く。私も無関係なんかじゃない。私にだって戦える力がある。私も死神だ!それに-----」
「?」
「それに、私を置き去りにしたからね、一発殴ってやろうかと思うから!」
「ハハッ!中々、肝が据わってんな!」
茜雫と海燕は笑った。
ルキアは京夜がフルボッコになる所を想像し、そこに私が優しくすれば・・・などと、企んでいた。
海燕は清音と仙太郎に再び伝達する。
「ってことだ。ルキアと茜雫も向かう。よろしく頼むぜ」
「「了解しました!!!」」
ザッと消える2人。
「さ~て、バカを追いかけるとするか!お前ら!」
「はい!」
「うん!」
3人は京夜の後をおうように、現世へ向かった。
既に空は暗くなっていた。
世界崩壊まで、残り1時間。
いかがでしたでしょうか?
日数空いたから変な文章になってないかな・・・?
さて、次回は京夜殴られます(笑)
もちろん、それだけではなく、ダークワンとの決戦です。
あと数話でこの茜雫の話も終わりますね。
クライマックスまで、卍解!