BLEACHへの転生者   作:黒崎月牙

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大変遅くなってすみません!
またまたリアルが忙しかったもので!
一応、短い時間にチョコチョコと書いていたんですけど、気づけばこんなにも遅くなってしまって・・・

次からは早めに心がけます!
・・・何度目の心がけだろう?

さて、今回は決戦前ということです。
京夜が全然出てきません。
・・・それでいいのか?(笑)
しかも、またまたハチャメチャな行動を取るきょううん。
周りの皆が振り回されているのにご注目あれ!


現世に行くことに意味がある~世界崩壊まで残り1時間~

場所は十三番隊隊舎。

陽が落ち始めてきた頃、ルキアは落ち着かずにいた。

 

原因は言わずもがな、空に映る現世の光景だ。

 

(朝から現れ、今も尚、映り続けている・・・。この原因を突き止めたい所だが、隊長たちが話し合っている。動くわけにはいかないか・・・)

 

早急にこの現象を終わらしたいルキアだったが、隊長からの命令が出なければ、一般隊士であるルキアは軽率な行動はできない。

故に、今はただ待機するしか他ならなかった。

 

その時、ガサガサと茂みから草を掻き分ける音が聞こえてきた。

 

「?」

 

訝しげに見るルキア。

 

そこから現れたのは、思いがけない人物だった。

 

「よう、ルキア」

 

「きょ、京夜!?」

 

京夜がルキアの前に現れた。

腕の中には茜雫が安らかに眠っていた。

 

「な、なぜ、お前がここにいる!?現世ではなかったのか!?」

 

混乱するルキアの言葉を無視し、京夜はルキアに近寄り、そっと茜雫を畳の上に寝かす。

 

「こいつを-----茜雫を、頼む」

 

「えっ、お、おい、どういう-----」

 

京夜はルキアの戸惑いに目を向けず、その場から立ち去ろうとする。

 

「ちょ、ちょっと待て!どこに行くつもりだ!?」

 

「・・・・・・・・」

 

ピタリと京夜の足が止まった。

暫し経った後、京夜が小さく口を開いた。

背を向けたまま。

 

「・・・敵を・・・今起きている、起こそうとしている元凶を叩き潰しに行く」

 

「敵、だと・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

そう言い残し、京夜は今度こそ立ち去ってしまった。

 

残されたルキアは呆然としていた。

 

「京夜・・・一体現世で何が起きたのだ・・・。私に言えないことなのか・・・」

 

ルキアが困惑しながら、歯がゆい思いでそう呟くと、傍らから小さな声が聞こえてきた。

 

「う・・・ん・・・んん・・・?」

 

茜雫が起きた。

 

この後、ルキアは茜雫から現世の話を聞き、驚愕することになるのだが、今はまだ知る由もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、一番隊隊舎。

そこには、総隊長を含めた総勢13名の隊長たちが並んでいた。

隊首会を開いているのだ。

 

「由々しき事態である」

 

総隊長-----元柳斎から口を開いた。

 

「皆の者も認知しているであろうが、尸魂界の空に現世の光景が映し出された」

 

他の隊長たちはそれに答えるように頷いたり、目を瞑り話を聞いている。

 

「このようなこと、前例は1度もない。故に、今回のことは偶発的ではなく、何らかの企みによって仕組まれた可能性が高い」

 

『!』

 

隊長たちは驚いている者が多かった。

中には、思っていたことと一致していたのか、驚いていない者までいる。

 

「それは・・・一体誰がやったものなのですか?」

 

「不明じゃ。そのことも含め、今回の調査を十二番隊隊長、涅に一任しておる」

 

蜂砕がそう尋ねるが、元柳斎は首を振るう。

 

「涅よ、今回のことで判明してことを報告せよ」

 

「ハイハイ、わかりましたヨ」

 

マユリは1歩前に出て、面倒くさそうに説明をする。

 

「まず、今回のことは前々から違和感を感じとっていたヨ。断界に妙な霊圧をキャッチしたのだ」

 

断界とは尸魂界と現世の間にある無に近い空間である。

魂魄が輪廻の輪にのって尸魂界に向かうのだが、その輪廻の道が断界だ。

また、断界は時間軸が外界と大きく違う。

時間の流れが速いのだ。

よって、断界に長時間いれば、身体が追い付けず、朽ち果ててしまう。

 

その断界から妙な霊圧を感じ取ったという。

隊長たちは驚きを隠せないでいた。

 

「なぜ、それがわかっておきながら、なぜ対処しようとしなかった!」

 

「喧しいよ、下種が。私たち技術開発局だって、色々と事情があるのだヨ」

 

「ぐっ・・・」

 

再び、蜂砕が問い詰めたが、マユリは強気の言動で跳ね返す。

次に京楽が不敵に笑いながら、口を開く。

 

「しなかった、というより、できなかった、じゃないのかい?」

 

「・・・ふん、勘が鋭い奴はやりにくい他ならないネ」

 

あまり言いたくなさそうに、涅が続けた。

 

「その通り、対処できなかったのさ。違和感といっても、不規則的に、さらに小さな歪みのようなものだからネ。調査しようにも、情報が少なすぎたのだヨ」

 

「・・・それで終わりじゃねえだろ。そんなことで、てめえが諦めるようなタマじゃねえよな」

 

日番谷がマユリに問う。

マユリはそれを待っていたと言わんばかりに、笑顔で言い放つ。

 

「そうさ!日を追うごとにその違和感は明確になっていった!そして、調査を続けた結果、尻尾を捕まえられた。ただ、もうその時点では既に現世の光景が映っていたがネ・・・」

 

「おや、君にしては珍しいじゃないか。間に合わないなんて。手間取っていたのかい?」

 

藍染が冗談混じりにそう聞く。

 

「う、煩いよ!別に手間取っていたわけじゃない!私には君たちと違って、やらなくてはいけないことがたくさん-----」

 

ダン!

 

マユリが反論しようとしようとしている中、元柳斎が杖で床を叩きつけた。

 

「涅、さっさと報告を済ませよ。愛染よ、報告中に茶々を入れるのは止めるのじゃ」

 

「そうですね。邪魔をしてすみませんでした」

 

「・・・フン、続けるヨ」

 

マユリは藍染を睨んだ後、再び説明をする。

 

「なぜ、空に現世の光景が映し出されたか。それは、欠魂によるものダ」

 

「欠魂・・・ですか?」

 

「欠魂がどうやってあの規模の現象を起こせるのだ」

 

卯ノ花が疑問を抱き、浮竹が問う。

その答えはすぐに返ってきた。

 

「欠魂が一点に集まっているのだヨ。さらに、それはもう1つの世界を作り出す羽目となった。それがパイプの役回りになり、現世の光景を映し出しているのサ」

 

「断界に別の世界を作ったというのか!?」

 

浮竹が驚愕するのが引き金となり、ザワザワと話す隊長格。

しかし、元柳斎が再度、杖をダン!と打ち付け、全員を静かにさせる。

 

「静粛に!―――――して、なぜ、そのような事態に陥った」

 

「誰かが欠魂を操っているのだろうネ。欠魂とは違った霊圧を補足したからネ。ただ、どんな奴かは未だ調査中だヨ」

 

「ふむ・・・」

 

涅の報告を聞き終えた元柳斎は訝しげに悩んでいた。

 

「ああ、後、もう1つ大切なことがあった」

 

「なんじゃ、申せ」

 

涅は思い出したかのように、人差し指を立てる。

次に発した言葉は全員が耳を疑うことだった。

 

「現世の光景が映し出された、これはあることの前兆とも言える」

 

「もったいぶらずに早く話せよ」

 

剣八が涅を催促する。

 

「『世界崩壊』」

 

『!?』

 

全員が目を見開き、驚愕した。

それもそうだろう。

いきなり、世界崩壊と言われれば、誰だって驚く。

 

「なっ!?それはどういうことだ!?」

 

「欠魂が集まり断界に世界を作りあげている。そして、それはどんどん拡張されつつあるのだヨ」

 

「でかくなるのと、世界崩壊と、何が関係あるのだ!」

 

「まだわからないか、これだから下種は・・・。元々、存在できない場所に無理矢理作ったものだ。要はハリボテだヨ。拡張されていけば、やがて原型を留められなくなり、終いには大爆発を起こし、現世、尸魂界を巻き込み、破滅だ」

 

蜂砕の問いに涅は冷静に返す。

その顔は楽しんでいるかのように、不敵に笑っていた。

世界崩壊と言った人物とは思えない。

 

「なぜ、そのことを早く言わない!」

 

「君たちはこの現象が何なのか、どういう原因なのか、という質問をしただろう。その後のことは一切聞いていないからネ」

 

「ちっ!この、ひねくれ者が!」

 

蜂砕が代表して聞いてくれたおかげで、他の隊長たちは聞かず、現状がどのようなものか正確に理解できた。

次に元柳斎が聞いてきた。

 

「・・・涅よ、どのくらいの時間を有す」

 

「そうだネ・・・」

 

指で額を当てながら、時間を計算する。

 

「・・・何も障害や異変が起きない限り、後1時間ってところだネ」

 

「い、1時間だって!?」

 

浮竹が驚愕し、口を開ける。

他の隊長たちも同様だ。

 

元柳斎は対処法を聞いた。

 

「1時間・・・それまでに、食い止める方法はあるか」

 

「手っ取り早いのが鬼道砲をぶっ放して、世界ごと抹消させるのが早いけど、起動するのが間に合うかネ・・・」

 

「・・・他には」

 

「敵の陣地に踏み込んで、討伐する。欠魂を操っているからネ。大元さえ倒せば、終わる。ただ、敵の入り口がわからないし、これも時間との勝負だヨ。以上の2点が適切な対処法だヨ」

 

「そうか・・・」

 

元柳斎は涅から聞き終えると、押し黙る。

どう決断するか、思案しているようだ。

 

やがて、答えが出た。

 

「各隊長、全員に告ぐ!これより、世界崩壊を阻止するため、断界に向け、鬼道砲を発射する!尚、今作戦は時間との勝負じゃ!全死神、一丸となって、準備をするように!よいな!」

 

そう発表し、隊長たちが返事をする瞬間、突如、入り口付近から別の叫び声が聞こえてきた。

 

「「待ってください!」」

 

見ると、そこには-----

 

「何事じゃ!」

 

「清音!?仙太郎!?どうして、お前ら、ここに!?」

 

そこには十三番隊三席の清音と仙太郎がいた。

2人は門番に止められていた。

 

「今は隊首会中だぞ!」

 

「うっせえ!それどころじゃねえんだよ!早く隊長に報告しねえといけねえんだ!」

 

「総隊長に今回の件で、重大なご報告があります!」

 

清音のその言葉が効いたのか、2人の入室を許可する。

 

「構わん、通せ」

 

「はっ!」

 

門番は潔く、引き下がった。

2人は前に進み出ると、片膝をついた。

 

「このようなご無礼、お許しください!」

 

「しかし、どうしてもすぐにお伝えしなくてはいけないことがあります!」

 

「なんじゃ」

 

清音、仙太郎の順に口を開いた。

 

「はい!まず、敵の素性が明らかになりました!」

 

「敵はダークワンという、100年前に追放された龍堂寺という貴族の者です!」

 

「龍堂寺だとっ!?」

 

「へ~、彼ら、生きてたんだ」

 

浮竹が驚いているのに対し、京楽は余裕の表情だ。

 

「次に、敵勢力の入り口を見つけました!」

 

「場所は現世の川です!」

 

「現世、か・・・。成程、だから、欠魂ってわけか」

 

「現世でもこちらの光景が映し出されているはずだけど・・・川なら違和感がないか。やるね」

 

日番谷が眉間に皺を寄せ、愛染は敵に感心しているようだった。

 

「さらに、重要なことはここからです!」

 

「2日前、現世にて、任務で向かっていた十三番隊4席の鬼柳院京夜が,思念珠と接触!逸早く、事態の異変に感づき、敵の勢力へ先行しました!」

 

「な、なんだって!?」

 

「あのバカ!何をやっているのだ!」

 

「ハハハッ!そうこなくっちゃなあ、京夜!」

 

「・・・・・・・・」

 

浮竹が今日一番の驚きを表す。

蜂砕は頭を抱えていた。

日番谷も同様だ。

剣八は喜び、白哉は静かに目を瞑っていた。

 

しかし、これで終わりではない。

 

「さらに、鬼柳院の後を追いかけるように、志波副隊長、朽木女史、そして-----」

 

「―----思念珠、茜雫も共に向かいました!」

 

「か、海燕に朽木まで!?」

 

「ルキア・・・!」

 

浮竹はそのことを聞き、血が一気に下がった気がした。

フラッとよろめく。

一方、白哉は平静を装っているが、ルキアが向かったこと、無事なのかという困惑と心配が入り乱れていた。

 

「ちょっと待ちたまえ。思念珠は記憶の集合体のはず。なぜ、尸魂界に入れるのだ?そもそも、戦う力はなかったはずだ」

 

「茜雫は死神の力を有しております!」

 

「恐らく、記憶の中に死神のも混ざっていたからです!」

 

「ほほう・・・それは興味深いネ」

 

涅が茜雫に興味を抱いたのは置いといて、2人は元柳斎に頼み込んだ。

 

「お願いいたします!どうか、彼らに増援を!」

 

「鬼道砲を撃つのはお待ちください!せめて、あいつらが帰ってくるまでは!」

 

頭を下げ、一生懸命に頼み込む清音と仙太郎。

しかし、返ってきた答えはあまりにも残酷だった。

 

「ならぬ」

 

2人は固まった。

 

「彼奴らは独自で判断し、行動しおった。迅速に対処するのは、大いに結構。じゃが、こちらの指示なしでの身勝手な行動も事実。そして、鬼道砲を撃つことは決定しておる」

 

「そ、そんな・・・」

 

清音が絶望し始めた瞬間、元柳斎は立ち上がり、会議を締めた。

 

「これにて緊急隊首会を終了とする!皆の者、各定位置につき、鬼道砲の準備に取り掛かれよ!」

 

『はっ!』

 

各々、一番隊隊舎から離れていく。

そんな中、清音と仙太郎は諦めきれずにいた。

 

「ま、待ってください!」

 

「そうだぜ!こんなの、あんまりだ!」

 

「・・・やめろ、お前ら」

 

2人を制したのは浮竹だった。

2人は浮竹を見ると、抗議し始めた。

 

「う、浮竹隊長は京夜ちゃんたちを見捨てませんよね!?」

 

「・・・・・・・・」

 

浮竹は何も答えなかった。

 

「あ、あの・・・隊長・・・?」

 

「・・・隊舎へ・・・戻れ」

 

「う、嘘ですよね・・・?まさか、裏切るなんて・・・」

 

「隊舎に戻れと言っているだろう!」

 

「「っ!?」」

 

いきなりの浮竹の叫び。

2人はあまり怒鳴らない浮竹を見、歯がゆい気持ちのままその場を離れた。

 

「「・・・失礼します」」

 

2人が立ち去った後、浮竹は深いため息をつく。

 

「はぁ~~~・・・」

 

「おやおや、君が怒鳴るなんて珍しいね~。だけど、部下に八つ当たりはいけないよ?」

 

「京楽・・・。これが怒鳴らずにいられるか・・・」

 

いつもと変わらずに、飄々と近づいてきたのは、浮竹と長い付き合いのある京楽春水だった。

 

「全員が俺の隊の者たちなんだぞ・・・。何であいつら俺からの指示も待たずに・・・。頭が痛くなってきた・・・」

 

「ハハハ!いいじゃないか!積極的で活発な子たちで!ちょっと、羨ましいねぇ~」

 

「呑気なことを言ってる場合か!?」

 

京楽は一笑した後、少し真面目な顔つきになる。

 

「それで?君はどうするんだい?」

 

「え・・・」

 

「隊長としてはここに残るべきなんだろうけど・・・状況的に君はそんなタマじゃないでしょ」

 

「・・・・・・・・」

 

長年付き合いがわかるからこそ言える言葉。

京楽の言う通り、浮竹は心の中で葛藤していた。

隊長としての職務を果たすべきか、自分の信念に従うべきか。

 

すると、京楽が浮竹の後方に視線を移す。

 

「おっ!彼らは行くみたいだよ?」

 

「えっ・・・!?」

 

振り向くと、そこには2人の隊長がいた。

 

「蜂砕・・・日番谷・・・」

 

「あんたは行かねえのか、浮竹隊長」

 

「お、俺は・・・」

 

日番谷の問いに戸惑う浮竹。

それは気に留めず、日番谷は自分の意志を伝える。

 

「まっ、あんたがどう行動しようが好きにしな。ただ、俺は行くぜ。あいつをこんな所で死なせるつもりはねえからな」

 

そう一方的に言うと、すぐに去ってしまう日番谷。

浮竹は蜂砕に聞いた。

 

「・・・蜂砕は行くのか・・・?」

 

「無論だ。ただ、勘違いはするな。私はあのガキが言ったように助けることなど考えていない。ただ、私はライバルが戦果を上げることが嫌なだけだ」

 

そう言うと、立ち去る蜂砕。

京楽は再び、浮竹に話しかけた。

 

「で?どうすんの、色男?」

 

「・・・・・・・・」

 

浮竹は目を瞑り、考え込む。

 

皆、自分で行動した。

そう、自らの意志で。

そして、京夜は特にその意志が強かった。

 

頭に過ぎったのは、あの虚の事件。

虚に浸食され、あわや全滅かと思いきや、京夜は自力で難を逃れた。

それまで諦めていなかったのだ。

 

さらに、隊長からの指示に反し、海燕を救いに行った。

よって、海燕は今生きていられる。

もし、あのまま、自分たちが手出ししなかったら・・・

 

そして、今回。

自分が何もしなかったら・・・

3人は・・・

 

浮竹は目を開けた。

 

「・・・京楽」

 

「ん~?」

 

「俺は決めたぞ。俺は-----」

 

京楽は浮竹から感じ取る、強い眼差しと言葉を聞き、満足気に微笑んだ。

 

2人は足早に一番隊隊舎を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

各々の思いが交差し、一部の者たちは敵の勢力へ向かう。

その一部の者たちはこの2人も含まれていた。

 

「ったく、京夜の野郎・・・勝手に1人で楽しみやがって・・・」

 

「ヒャハハ!けんちゃん、悔しがってる~!」

 

「うっせえ、やちる」

 

1人は更木剣八。

戦いを好み、闘いを娯楽とし、死ぬことを疎まない。

正しく、戦闘狂。

 

「けんちゃん、きょううん、助けに行くの?」

 

「そんなんじゃねえよ。ただ、1人で楽しむなんてずりぃだろ?」

 

「あっ!確かに~!じゃあ、早速、行こう~~~!!!」

 

鬼が動き始めた。

 

一方、もう1人はというと-----

 

「君は行かないのかい?」

 

「・・・何用だ」

 

藍染は部下からも同僚からも親しみを受けている。

親しみやすい雰囲気と性格をしているからだ。

ただ、目の前の男はどうも自分を嫌っているのか、ただ単に無口なだけか、親しみずらかった。

 

「ほら、彼女向かったじゃないか。朽木ルキア、君の義妹だろう?」

 

「・・・それがなんだ」

 

「いや・・・ほら、心配とかしないのか、と思って。てっきり、行くと思ってたんだけど」

 

「・・・兄の気にすることではない。ルキアは自らの意志で向かった。私が向かう必要もない」

 

「・・・なんというか、冷たいというか、厳しいというか・・・。まあ、僕は兄弟間の関係はそこまで立ち入るつもりはないからね。ここらで失礼するよ」

 

そう言うと、白哉から離れる愛染。

少し離れると、再び口を開いた。

 

「ああ、1つ忠告するよ」

 

「・・・・・・・・」

 

「増援に向かう人たちの中で、彼女が一番戦闘能力が低い。それは君も承知のはずだ」

 

「・・・・・・・・」

 

「それはどういうことか。・・・死ぬ確率も高いということだ」

 

最後に言い残すと、今度こそ立ち去る藍染。

白哉は1人佇んでいた。

 

(・・・妹を心配しない兄がどこにいる)

 

口ではああは言ったものの、内心やはり気が気でなかった。

 

(・・・ルキア・・・今、向かうぞ)

 

白哉はすぐに行動に移った。

目指すは愛する義妹、ルキアの元へ。

 

・・・やはり、朽木家当主は兄バカであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜ、ルキア、海燕、茜雫が京夜の後を追うことになったか。

それは時を少し遡らなければならない。

そう、冒頭の茜雫が目覚める所まで。

 

「あれ・・・アキ・・・?」

 

「お、お前、アキを知っているのか・・・!?」

 

寝ぼけながらルキアを見た茜雫は、ルキアをアキと勘違いしてしまったらしい。

そして、今自分がいる場所を探るように周りを見渡す。

 

「・・・ここは、どこ・・・?」

 

「え・・・」

 

茜雫は死神の恰好をしている。

なら、ここが十三番隊隊舎だということは一死神なら分かるはずだ。

それが、わからないことで、さらにルキアは困惑する。

しかし、そこに拍車をかけるようにとある人物がやってきた。

 

「おい、ルキア、探したんだぞ!どこにいやがっ-----おい、誰だ、そいつは」

 

「あ、あの、その、わ、私もよく状況が・・・」

 

海燕がやって来たことにより、さらに戸惑ってしまう。

なぜ、こんなにも理解仕切れないことが多々重なるのだろうか。

その矛先は-----やはり、京夜だった。

 

(恨むぞ・・・京夜)

 

「ねえ、京夜はどこ・・・?」

 

「きょ、京夜か?あいつなら、先程いたが、どこかへ行ってしまった。敵を倒すとか、なんとか・・・」

 

海燕には説明のしようがないので、とりあえず、茜雫の質問に答えることにした。

まずは、どういう状況なのか。

手っ取り早い話が茜雫から情報を入手することだった。

 

ところが、ルキアがそう答えると、茜雫は大きく動揺した。

 

「敵!?敵を倒しに行くって言ってたの!?」

 

「あ、ああ、そうだが・・・。落ち着け、いきなりどうしたのだ?」

 

「そんな・・・まさか・・・いや、でも、京夜なら・・・」

 

茜雫はぶつぶつと呟き始めた。

 

未だ状況が読み込めないルキアと海燕。

 

「なんで、京夜がこっちに来てんだよ。あいつは現世で任務中だろ」

 

「わかりません、突然、現れたと思ったら、彼女を置いて立ち去ってしまいました」

 

「そうか・・・おい」

 

「・・・なに」

 

ルキアから一通り聞き終えると、海燕は茜雫に相手を変えた。

ぶっきらぼうに返事を返され、イラッときたが、冷静に言葉を綴らせる。

 

「(イラッ)・・・テメエ、何者だ」

 

「私は・・・」

 

言葉を詰まらせ、言うか言うまいか考える茜雫。

しかし、言わなければ先に進めないと結論を出した。

 

「・・・私は茜雫。元思念珠」

 

「し、思念珠だとっ!?」

 

「まさか・・・本当に実在していたとは・・・!?」

 

海燕とルキアは目の前にいる人物に驚愕した。

教科書でも稀にしかお目にかかれず、伝説的となっている存在だ。

 

2人が唖然としている中、茜雫が聞いてきた。

 

「あんたたちは誰?京夜の知り合いみたいだけど・・・」

 

「あ、ああ、俺は十三番隊副隊長、志波海燕だ。京夜の上司みてえもんだな」

 

「私は海燕殿の部下である朽木ルキアだ。京夜とは・・・幼馴染で同僚だ」

 

「そっか・・・上司に幼馴染・・・」

 

茜雫の中で2人の信頼感が高まった。

京夜とそこそこ深い関係だということで安心した。

 

「お前は・・・いや、茜雫。京夜とはどういう・・・」

 

「京夜はね・・・現世で私を救ってくれた、大切な存在なんだ」

 

茜雫は微笑みながら、そう告げる。

その笑顔は天使のように可憐だった。

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・現世で何があった。ここまでの経由を話せ」

 

「・・・わかった。現世で京夜と出会ったんだけど・・・-----」

 

茜雫は現世で起きたこと、敵のこと、そして、自分のこと。

最後に、なぜ、尸魂界にいるのか、そのことをかいつまんで話した。

 

「・・・そうか、そんなことが・・・」

 

「・・・にわかには信じられません・・・」

 

「でも、事実だよ」

 

茜雫は自身満々にそう答える。

海燕とルキアは真相を聞き、驚いていた。

 

と、ここで海燕がはっと、気づいた。

 

「ちょっと待て、ってことは、京夜が言い残した敵つうのは・・・」

 

「恐らく、ダークワン、厳龍の所だと思う」

 

「だーもう!何であいつは勝手に行動してんだっ!俺たちに情報を言えってんだっ!」

 

海燕は頭を掻き毟り、声を荒げる。

事後処理が1つ増えた。

 

そこに、ルキアが口を挟む。

 

「もしや・・・京夜は他の者に傷ついてほしくないから、1人で向かわれたのだと思います」

 

「え・・・?どうして、わかるの?」

 

「それは・・・幼馴染だからな・・・」

 

茜雫に向け、ルキアは微笑む。

その笑顔は自信があるように、読み取れる。

流石は、長年付き添っている仲、お互いのことは十中八九だ。

 

「まあ、確かに、あいつらしいっちゃ、らしいわな」

 

「短い期間しかいないけど、あの京夜だったらそう思うかも」

 

海燕も茜雫も納得してしまう。

京夜の謎の行動、茜雫の存在、そして、今起きている現象、それぞれのピースが繋がった所で、海燕はある2人を読んだ。

 

「そうとわかったら、ちんたらしていられねえな。おーい、近くにいんだろ!清音、仙太郎!」

 

「「お呼びでしょうか!!!」」

 

「うわぁ!?」

 

どこからか現れた十三番隊三席の2人。

茜雫は気配がなかったのに、近くに2人がいたため、尻餅をついてしまう。

 

「ど、どこから現れたの!?」

 

「茜雫、この方たちにそれを聞いても無駄だ。隠密能力は二番隊に匹敵するからな・・・」

 

ルキアが茜雫に捕捉説明をした所で、海燕が2人に伝言を伝える。

 

「2人共、今の話は聞いてたか?」

 

「「はい、もちろんです!」」

 

会話的に犯罪並だが、それが自然になってしまっている。

流石は十三番隊。

 

「俺は京夜の後を追う。今の話とそのことを各隊長たちに伝えろ」

 

「「かしこまりました!!!」」

 

「ちょっと、待ってください!」

 

ルキアが口を挟んだ。

 

「海淵殿、私も行きます!どうか、許可を!」

 

「・・・いいのか、今までとは違う大規模な戦いになるかもしれねえんだぞ」

 

「構いません!覚悟はできています!大切な仲間を、京夜を見過ごせません!」

 

「そうか・・・。なら、許可する!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

海燕はそうルキアに告げる。

ルキアは笑顔になり、頭を下げる。

 

次に海燕は茜雫を見る。

 

「テメエはどうすんだ?」

 

「・・・・・・・・」

 

「別に来なくてもいい。こっからは俺たち死神の仕事だ。無理強いはしない」

 

「・・・行く」

 

茜雫は小さく答えた。

 

「私も行く。私も無関係なんかじゃない。私にだって戦える力がある。私も死神だ!それに-----」

 

「?」

 

「それに、私を置き去りにしたからね、一発殴ってやろうかと思うから!」

 

「ハハッ!中々、肝が据わってんな!」

 

茜雫と海燕は笑った。

ルキアは京夜がフルボッコになる所を想像し、そこに私が優しくすれば・・・などと、企んでいた。

 

海燕は清音と仙太郎に再び伝達する。

 

「ってことだ。ルキアと茜雫も向かう。よろしく頼むぜ」

 

「「了解しました!!!」」

 

ザッと消える2人。

 

「さ~て、バカを追いかけるとするか!お前ら!」

 

「はい!」

 

「うん!」

 

3人は京夜の後をおうように、現世へ向かった。

既に空は暗くなっていた。

 

 

世界崩壊まで、残り1時間。




いかがでしたでしょうか?

日数空いたから変な文章になってないかな・・・?

さて、次回は京夜殴られます(笑)
もちろん、それだけではなく、ダークワンとの決戦です。
あと数話でこの茜雫の話も終わりますね。
クライマックスまで、卍解!
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