Grand Theft Auto : One Cent Assassin 作:Dolenon
<10 Years old 〜十年前〜>
「ついたぞ奏、夏希。ここが新しい地だ」
「おとーさん、ついたのー?」
「あなた、ようやく来たって感じだね」
ある日本人の一家がフランシス国際空港の到着ロビーで眼前に広がるアメリカの光景を目の当たりにする。
「ああ、ついに来たのさ。リバティーシティ、新しい日々を過ごす地だ!」
父親は誇らしげに胸を張りながら堂々と宣言する。少年は時差で眠気がまだ残っているのか目をこすっていた。母親は、そんな夫を優しく見守っている。
リバティーシティ、夢を叶えるには最適な街。そんな噂を聞いて世界中からあらゆる人間が集う。ここフランシス国際空港には毎日世界中からあらゆる人々が集う。
だが、平穏とは突如として破られる。
□
『仕事だ、派手にやれ』
中国語での合図で黒のトレンチコートを着た男は、コートの中から巨大なマシンガンを取り出し、腰だめに構え、引き金を引く。銃口から放たれる五・五六ミリ弾が次々と人々を貫き、命を奪う。空港は一瞬のうちに恐怖と混乱のどん底へと突き落とされた。むせ返るほどの血のにおい、散らばる空の薬莢、吠える銃声。
「な、なんだ」
「あ、あなた……」
「おとーさん、おかーさん……」
そして、銃弾は幸せな日々をこれから暮らそうとしていた家族にすら無慈悲に、壊す。
□
「ああ、聞いた。フランシス国際空港での銃乱射事件。実行犯はトライアドの構成員、
リバティーシティ市警、略してLCPDの刑事であるビージ・ウェインスは無線で警察署本部に応援を要請していた。昼休憩の際、フランシス国際空港内のクラッキン・ベルでお気に入りのフライドチキンのセットを買って署へ戻るため駐車場へ来たときに銃声を聞いた。
刑事として、状況を把握すべく窓ガラス越しに犯人を見た。かつて、FIBの捜査官として一通りの犯罪者のリストに目を通しており、ほとんどの情報はビージの頭の中にインプットされている。李王、
「ああ、くそっ。肝心なときに来ない連中だな」
訂正、ビージは怒りに震えていた。いつまでたってもこない応援を待つ余裕はなかった。弾を込め終えると同時にビージは素早くロビーへ向かう。
「覚悟を決めろよビージ、一発頭にぶち込むだけだ」
自分に言い聞かせるように、ゆっくりと呼吸を整えて、それから素早く物陰から飛び出す。
「LCPDだ! 両手を挙げてひざまづけ!」
コルトパイソンを両手で構えて、ウォンに狙いを付ける。ウォンは、ビージの声に反応すると同時に銃口をビージに向ける。
「Fxxk!」
ウォンの手にしているマシンガンが火を噴くと同時にビージは素早く物陰に隠れる……が、その際に弾の一つがコルトパイソンのバレルをかすめ、ビージの手から弾き飛ばされる。
「くそっ!」
□
「お……とーさん……おかー……さん……」
少年は途方に暮れていた。つい先ほどまで笑顔を見せていた両親が、亡くなった。あまりにもあっけない出来事だった。音がしたと同時に両親の頭が弾けた。一瞬、何が起きたのか少年にはすぐに理解することが出来なかった。途切れることのない悲鳴、止むことを知らない銃声、むせ返る血の臭い。そんな少年のそばにカツンと音を立てて何かが落ちてきた。少年はふと、音のした方へ顔を向ける。そこには銀色に鈍く光を反射するコルトパイソン。少年の本能が感じ取っていた。そしてコルトパイソンを手に取った。両親を殺した男に銃口を向けた。
「おとーさんを、おかーさんを、かえしてよー!」
涙を流しながら、怒りに震えながら、少年はがむしゃらに引き金を引いた。爆発したかのような銃声と共に放たれた銃弾は、回転しながら真っすぐに男の頭部を貫く。それと同時に、少年は事が切れたかのようにその場に倒れる。
□
「な、なんだぁ?」
ビージはマシンガンとは異なる銃声と、それにともなって倒れるウォンを見て驚く。何が起きたのかビージはすぐに理解する事は出来なかった。よく辺りを見渡すと、ビージのコルトパイソンを手にした日本人の少年が倒れているのを見た。鼻につく硝煙の臭いで理解した。この少年が、ビージのコルトパイソンで、ウォンを撃ち殺した。
そして、その少年の近くで死んでいる日本人を見て愕然とした。この事件で、この少年は、両親を亡くした。かつて、幼い頃にビージも両親が凶悪な犯罪によって奪われた。自分と同じ境遇の子供を出さないために警察官になったビージ、だが現実は腐敗と汚職に見舞われ、自身の信じる正義、理想すら存在しない事にあきれ、あきらめ、そして怠惰な毎日を過ごしていた。だが、その結果が目の前の光景だった。
「なにやってんだ俺は……」
ビージは両膝を床について嘆く。遠くから鳴るサイレンの音が、ビージの耳に入る。
「遅い」
□
<10 years later. Present day. 〜十年後、現在〜>
「リーパー、仕事だ」
十年の時が流れ、ビージはLCPDを退職した。今ではフリーの情報屋をやっている。そして、かつての少年は……。
「ああ、一セントもらった」
事件後、少年を日本に送還しようとしたが、もはや肉親、親戚はなく、天涯孤独と化していたという事実を日本大使館経由で知ったビージが引き取り、育てた。そして少年はかつての自分を捨て、リーパーと名乗った。
「道具はいつも通りリトル・ジェイコブズからのお下がりだ」
「ああ、あいつか」
鍵を受け取ると同時に、ビージが乗り付けてきたKURUMAに乗り込む。ダッシュボードの中にはグロックが入っていた。
「行ってくる」
「ああ」
それだけを行ってリーパーは車を発進させる。それを見ていたビージは物思いに耽るようにつぶやく。
「十年か……短かったな」
□
二年前からリバティーシティには、ある噂が流れるようになった。情報さえあれば一セントで殺しを引き受けてくれる暗殺者の噂。その暗殺者は、最低限のルールさえ守れば必ず仕事をやり遂げる。そんな噂がリバティーシティ中で広がった。表の日常も、裏社会も、そんな暗殺者の噂で持ち切りだった。
かつて田中奏と名乗った少年、彼の今の名前は「リーパー」、そしてまたの名を「ワンセントアサシン」と呼ぶ。
全ては自分の人生を変えた事件を起こした張本人を殺すために。
以前「にじファン」にて「グランドセフトオート ワンセントアサシン」を連載していましたが、それの大幅リメイク版です。
という訳で初めての方は初めまして、知っている方はこんにちは。
本作はGTAIVの二次創作ですが、完全にオリジナル展開です。原作に沿う気ゼロです。ですが、GTAIVらしさを出せればいいかなと考えています。
自分自身、未だにGTAIVをクリアしていないのですが「にじファン」版のときに「そういえばGTAの二次創作ってあまり見かけないよな。よしやってみるか!」とノリで初めて見たのですが……だめだ、全然ストーリーが浮かばない。
そんな感じで、途中で放棄したのですが……まあ「にじファン」閉鎖にともなって完全に放棄した物の……「だめだ、なんか続きが作りたい」と思ったのでハーメルンに場所を移して、ストーリーもゼロから作り直して、そして未完で終わりそうな予感。
ちなみに、たまにGTAIVでマルチプレイのフリープレイを覗き込むとまだまだ人いますね。俺も久しぶりにやろうかなと考えています。ちなみに箱○版なので見かけたときは、まあそんときはよろしく。
ところで、続きどうしようか?