「「「・・・・・・」」」
沈黙、今この空間を支配しているのはなんともいえない沈黙である。理由はノノが居るから?いや違うその件は次の日には解消している。この辺は付き合いの長い幼馴染み、互いの距離感を理解しあっているからである。ではこの沈黙何かと問われれば・・
「俺の機体、未だ来てないなよな?」
「「・・・」」
イッチーのつぶやきに反応できない俺とノノ。そりゃそうだ決戦当日しかも放課後になってもイッチ-の機体が届いていない。そりゃこんなお通夜状態にもなる。
「まぁ、それでも、この一週間ISの扱いについては慣れたから最悪量産機で何とかすればいいだろ?」
「「・・・・」」
えっと何ですか?この沈黙。
「箒」
「・・・」
「目・を・そ・ら・す・な・」
「・・・」
「まさか、お前ら・・・」
「「・・・」」
なんてこった。こいつらIS訓練せずにずっと剣道してたの?
「ノノ?一応聞くけど、ISの基本動作は教えてあるよな?」
「・・・」
「め・を・そ・ら・す・な!」
「仕方ないだろ。そもそも一夏がISに乗る以前の問題なのがいけないんだ!ならば実戦方式で勘などを取り戻す方が断然良いに決まっている!」
まぁ、ノノの言っている事もあながち間違いではないからな、しかし来ないな。
「「「はぁ」」」
溜め息が重なる。
「織斑君織斑君織斑君!」
山田先生そんなに慌ててくると転びますよ貴方の場合。しかし揺れがすごい!思わずごくりと生唾を飲んでしt・・・・・・プギャ!!
「将平!貴様何処を見ている?破廉恥だぞ」
「ええ!如月君、先生の体に興味があるんですか?困ります。先生も初めだから、その・・・きゃ」
おいおい、なにラブコメ状態になっているの?
「いやいや、山田先生イッチーに用があったと思うのですが」
「そ、そうですね。あははは、織斑君着ましたよ。織斑君の専用機」
そこに我らが担任も遅れながら登場、どこぞの宮元武蔵?
「織斑、早速準備しろ。アリーナの使用時間は限られている。ぶっつけ本番で物にしろ」
「えっでも」
「一夏!男ならこれくらいの障害など越えて見せろ」
「織斑君、頑張ってください」
「あ、あの・・・」
「「「はやく」」」
ほんと、あいつはいつも押しに弱いね。
「貴様も似たようなものだろ」
ちょ!師匠、読心術はやめて下さい。・・・コンテナのハッチが開いていく。そこには一機の白きISが鎮座していた。
「これが織斑君の専用機『白式』(びゃくしき)です」
「体を動かせ。すぐに装着しろ。時間が無いからフォーマットとフィッティングは実戦でやれ。できなければ負けるだけだ。分かったな」
せかされISを装着するイッチー。へぇ、チョットは様になっているじゃないか。
「背中を預けるように、ああそうだ。座る感じでいい。後はシステムが最適化する」
着々と準備が進む中、ノノの顔がどんどん不安になっていく
「ノノ、何か声をかけてやれよ」
「えっ、しかし・・・」
「なぁ箒、アイツは、一夏は誰かの声援で何倍も強くなるやつだろ?ならかけてやれよ、お前の想いであいつを守ってやれ」
その言葉に思うこともあったのだろう。一呼吸ついてイッチーのほうを向くノノ。
「一夏!」
「なんだ?」
「そ、その・・・勝って来い」
「応」
不器用な応援だね。見てて微笑ましいよ。
「一夏」
「将平?」
俺が名前で呼んだ事がとても大切な事だと分かりこっちを向く。
「いいか?今のお前の機体は、初期設定の真っ最中だ。そのままでは絶対にセシリア・オルコットに勝てない。勝ちたいのなら先ずは守りに徹しながら機体になれろ。時間がたてば初期化が終わり、ファーストフェイズにはいる。そこからが勝負だ。後はそこまでどれだけシールドエネルギーが残っているかにかかっている、わかったな」
「応、貴重なアドバイス有難うな。それじゃ、千冬姉、箒、将平、行ってくる」
といい、イッチーは白式を纏い飛びたった。
「あれ?織斑女史、イッチーの奴を殴らなくていいんですかい?」
「ふっ、あんな顔をしている奴を殴るほど、耄碌はしてないさ。さて質問だ如月。織斑の勝つ確率は?」
その言葉にノノと山田先生も気になったのか俺の言葉をまっている。
「その前に、その質問は教師としてですか?それとも姉として?」
「両方と言っておこうか、それ以上茶化すのならば、容赦しないぞ。私はからかわれるのは嫌いだからな」
「了解。・・・彼女が本気で戦う今の状態の一夏の勝率は、一割も無いですよ」
「そんなに低いのか将平?」
「今言った筈だよノノ?今の状態と、不確定要素としてファーストフェイズが完了したとしても三割いくかいかないか」
「そうかすまんなへんなことを聞いて。」
「なぁ将平?」
「どうしたノノ」
「一夏は・・・その・・」
「信じてやれ」
「え?」
「俺や師匠はこの手の勝負にどうしても都合よく、奇跡や偶然がおこるなんて思ってない。だから箒、お前が信じてやれ、あいつの勝利を」
「・・・わかった」
管制室に向かいながら、ノノに語りかける。その時の顔はいつもの毅然とした顔ではなく、一人の女の顔をしていた。
SIDE 一夏
皆の声援を受けてオレは空へと翔け上がった。二度目の起動だけど、なんか体になじむなこの機体。そしておれの前には青いISを身に纏った、セシリアが居た。
「あら?よく逃げずに来ましたわね。褒めて差し上げますわ」
「そりゃどうも」
そう言いながらハイパーセンサーがアイツのISの情報を教えてくれる。―戦闘待機状態のISを感知。操縦者セシリア・オルコット。ISネーム『ブルー・ティアーズ』戦闘タイプ中距離射撃型、特殊装備あり―それらを確認しているとセシリアが話しかけてくる。
「最後のチャンスをあげますわ」
「チャンスって?」
「このまま戦えばわたくしが勝つのは自明の理。そして何よりわたくしの獲物は貴方ではなく、如月将平唯一人。なのであなたがないて誤ったら許してあげないこともなっくってよ」
「そういうのは、チャンスっていわないんだよ」
「そう、残念ですわ。それではお別れですわ」
そう言いながら。セシリアは右手に持っていたビームライフル『スターライトMK3』を構え撃ってきた。しかしその行動に反応できないオレは左肩にモロにくらいシールドエネルギーが減ってしまった。ここは将平の言うとうりに、動く事にしよう。
「さぁ、踊りなさい。わたくしセシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でるワルツで!」
降り注ぐビームの雨霰。これを凌げなんて将平の奴無茶言うぜ。取りあえず武器は無いのか武器は・・・て、刀一振りのみってどんな機体だよ全く。だが何も無いよりかはましと思い、刀を呼び出す。さあ、これで何処まで持つかどうかだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・27分。持った方ですわね。褒めて差し上げますわ」
「そりゃどうも」
といいながらシールドエネルギーを見るとのこり67しかない。これが代表候補生の実力か。正直見誤ってた、何とかなると心の何処かに甘えた感情もあった。将平の言葉道理このままではオレはアイツに勝てない。勝つための手段はまだかかる。ならやることは唯一つだけ。たえることだけだ。
「初見でこのブルー・ティアーズを前にこうまで耐えたのは貴方が初めてですわね・・・この後にはメインディッシュもあることですし、そろそろオードブルは終わりにいたしましょう。・・・それではこれでフィナーレです。おい来なさい!ブルーティアーズ」
そうしてまた、四つの自立兵器が襲ってくる。ブルー・ティアーズ簡単に言えば、ビットであるが、確実におれの回避先に回りこみオレの機動が止まった瞬間にスターライトMK3で狙い撃ちさっきからこのパターンを何回も繰り返している。ならダメージは最小に抑えてセシリアに突っ込む。
「そのような、攻撃に当たるほど、甘くはありませんわよ」
あれ?何で今ビットで攻撃されなかったんだ?もしかするとアイツ・・・
「行きなさい」
そうして又動き出すブルーティアーズ。それとは対象に止まっているセシリア。間違いない、ならやることは決まっている。先ずは動き回りセシリアが動きだすのを待つ、案の定さっきと同じくビットで足止めをして、ビームライフルで狙おうとした瞬間オレはバーニアを吹かせ、止まっているビットに近ずいて・・・
「おりゃ」
そうして一つ目のビットを切り捨てる。
「なっ!」
そして、アイツが驚いている隙にさらにもう一つ落とせた。
「やっぱり思ったとおり、この兵器は毎回お前が命令を送らないと動かない!しかもその時、お前はそれ以外の攻撃をできない。制御に意識を集中させているからだ。そうだろ?」
顔には出していないように見えるが動揺を隠しきれて居ないぜ、ならこのまま決めさせてもらう。今一度アイツに斬りつけようとした瞬間
「かかりましたわ」
その瞬間、ガコン、と腰の部分から砲身が現れミサイルが発射された。
「おあいにくさま、ブルティアーズは六機あってよ」
駄目だ、まにあw・・・・・
SIDR OUT
「おあいにくさま、ブルティアーズは六機あってよ」
ミス、オルコットが勝ち誇りながらミサイルを発射した。データを見るとあれは弾頭型のビットなのか。あれじゃ、油断した馬鹿は避けれないか。・・・・そろそろ俺も準備をするか。
「いいのか?最後まで見なくて」
「ええ、準備をそろそろ始めないと」
「ふん、まるでこの後に戦う奴がわかっている物言いだな」
「まさか。誰が相手でもやることは変わりませんよ、では」
管制室からでて更衣室に入りISスーツに着替えながら、俺の相棒たる、ISのシステムだけを起動する。
「よう。どうだ調子は?」
《システムは問題ない。いつでも行ける、で今回の相手は?》
「イギリスの第三世代型だ」
《ほう、遂に三世代型か。だが所詮は未完の兵器だろうな》
「そこはな」
その時試合の終了を告げるブザーが響き、予想道理の勝者の名を聞く。
『勝者。セシリア・オルコット』
やはりな。イッチーがビットの弱点に気づいた時点で勝敗は五分と五分。だがしかしあの突込みで確実に勝ちを無したからな。どう足掻いても変わらない。着替えが終わり、アリーナに向かう。
「よう、馬鹿者♪」
「うぐ、出会い頭にそれかよ」
「俺の忠告を無視したからだろ、当然だ。さてちょっくらあいさつしてくるよ」
そういいカタパルトの先に行き、空で待機している彼女に声をかける。
「おめでとうミス、オルコット」
「世辞は要りませんわ。ですがこれで貴方と戦えます。さあ今すぐにISを展開なさい」
「戦いたい気持ちはわかるけど落ち着きなよ。先ずは弾薬やエネルギー補充をしなよ。そんなじょうたいで戦っても、誰も納得しないものになるだけだよ?」
「そのとうりだ、オルコット。お前と如月の試合は今から三十分後に行う」
師匠のことばを聴き、反対側のピットに戻る彼女を見送り、俺も自分のピットに戻った。
「どうした?二人揃って」
「なぁ将平。本当にアイツにてるのか?実際に戦ったから解るけど、射撃の精度とか機体の扱いも上手かった。ファーストフェイズに移行してからは何とかついて行けたけどさ」
「ファーストフェイズに移行はしたのか?じゃあ何でお前負けたの?」
「いやそれがオレもよく解らないんだよ。雪片弐型で斬りつける瞬間に負けたんだ?」
「はっ?雪片だって?おいイッチーお前とんでもない武装を持ってんな」
「一夏が負けた理由が解るのか、将平」
「多分、『零落白夜』だろな」
「「零落白夜?」」
「そう。平たく言えば、バリアー無効化攻撃。相手のバリアー残量に関係なく本体にダイレクトアタック、そして強制的に絶対防御が発動して大ダメージを与えるのだ」
「・・・武装に関しては理解した。だがそれだけではなぜ一夏は負けたのか説明になっていないぞ将平」
「それは、今から来る世界最強に聞けば?」
そういうと、まうまるでタイミングを計ったように師匠がやってきた。
「何でも、私を頼りにするな如月」
「俺が言うよりも、使い手がゆったほうがわかりやすいじゃないですか」
「やれやれ。織斑が負けた理由は簡単だ。雪片は自分のシールドエネルギーを攻撃に転化しているからな。使いどころを誤れば今回のようなことは何度も起きる」
「・・・まじかよ」
「大方、拡張領域も殆ど使っているだろうからな。他の武器は使えんぞ」
「どこぞの侍だよ・・・」
「安心しろ織斑、貴様は一度に幾つものことはこなせん。たった一つのこと極める方がお前には向いている。―――――なにせ私の弟だ」
確かに、素人に銃火器なんぞ渡しても、使いこなすには時間がかかるし、それなら接近戦しかなくても一日の長がある剣の方が可能性はあるか。
「まもなく第二試合、セシリア・オルコット対如月将平の試合をはじめます。両者アリーナに」
おっともう時間か、では行きますか。
「じゃ、行って来る」
「がんばれよ将平」
「負けたらしょうちしないぞ」
「如月、あまりやり過ぎるなよ」
「りょーかーい」
そして再び彼女とあいたいす。
「あら?遅かったから逃げ出したのかと思いましたわ」
「それは失礼。それじゃ始めますか」
そう言いながらISを起動させる。刹那、手にもっていた待機状態のISが光だし全身を包む。
「そ、そのISは・・・まさか」
「へぇ、コイツの事を知っているのかい?」
目の前の彼女の顔が驚愕の表情を表している。
「亡霊」
「残念。こいつはそんな陳腐な名前じゃない。コイツの名は凰呀(オーガ)。共に戦う友さ」
凰呀・・それが俺のIS。黒い全身装甲でその身を纏い彼女と向き合う。彼女が驚いている間もサンバイザー型のセンサーが次々と情報をあらわしている。
「ミス、オルコット?何時まで呆けているつもりだい?そろそろ始めようか」
「・・・どの経緯で、貴方がそのISを所持しているのかはあえて問いません。・・・しかし解っていますね?その機体を持っているという事は・・・」
「ああ、これまで何回もコイツを奪いに来た奴がいたからな。そんなに欲しいのかい?こんな第一型世代のIS。たかが篠ノ之束以外が初めて創りあげた機体が」
「その機体をめぐる、逸話は数知れずありますが、世界各国が貴方のISを何が何でも手に入れるために、超法規的な条約まで結ばれているとまで聞いた事があります。・・・わたくしが貴方に勝利した暁には、無礼は承知でそのISをいただいていきますわ」
「好きにすればいいさ。君もイギリスの代表候補生、色々しがらみもあるからね。但し勝てればね」
『それでは、試合開始!』
こうして決戦の火蓋が降ろされた。
第五話 了