はい、どうも。ほんの数時間前にギルとエルに再会できた時雨です。その後は再会できたテンションのままに宴会しようぜ!!といってギルやエルと一緒にウェイバーやケイネス、ライダーを誘ったのだが…………
「シグレ…………ジグレェェェェェェェ!!!!!!!」
「アハハハ…………モウ離サナイヨ…………」
「あらあら、凄い乱れっぷりですね」
「なぁリニス、ギルガメッシュはともかくエルキドゥの方は離した方が良いと思うのはオレだけか?」
泥酔したギルとエルにメッチャ絡まれてます。いやね、ギルは良いんだよ、ガチ泣きだけでそれだけのことをしたっていう自覚はあるから。だけどエルがヤバイ。どのくらいヤバイのかってエルの目からハイライトが消えて瞳孔がガン開きしてるくらいにヤバイ。ギルが酔うと泣きやすくなることは初めて知ったけどエルが病んでるなんて知りたくなかったよぉ!!
「いやぁ!!時雨の不幸で酒が美味い!!」
「リニスてめぇ!!お前俺のこと惚れてるなら助けてくれよぉ!!」
「ハッ、何をおっしゃるやら…………確かに私は時雨のことを心の底から愛しておりますとも…………もちろん!!不幸に陥っている時雨のこともね!!」
「ガッティム!!」
あかん、リニスからの助けが期待できない。だったら…………だったらモードなら…………!!
「助けてモードォ!!」
「…………ごめん、二人の気持ち分かるからオレは手を出せないや」
「オゥフ」
救いは無いのね…………いや、ウルグ時代とオルレアン時代の経験から神が助けてくれないのは知ってたがここまでとは…………
「シグレェ…………どうして我らを置いて逝ったのだ…………」
「神に呪われたから逝くしか無いだろ」
「戯けが!!我が至高であるならそのくらいの死をはね除けて見せろ!!」
「ハッハッ、無茶をおっしゃる」
神の呪いをはね除けるとかそれなんて無理ゲー?全盛期なら出来なくも無かっただろうがあの時はそれだけの力は無かったからな、死ぬしか無かった。
「…………」
「ギル?」
泣いていたギルが急に静かになって俺のことを抱き締める力を強めた。
「…………貴様が逝ってから我の心には穴が空いた。優れた財を集めようとも、神々の酒を飲み干そうとも、この穴は埋まることはなかった…………そしてある日、我は気がついた。この穴は貴様を失ったから出来たものだと…………なぁシグレ、貴様は間違いなくここにいるよな?我の思い違いなどではなく、確かにここにいるよな?もう嫌なのだ…………あの時のような喪失感を味わうのは…………」
「ギル…………」
「離すな、抱き締めろ。これは命令だ」
「この程度の命令なら喜んでやらせてもらうさ」
ギルに言われた通りに、抱き付いているギルを抱き締めてやる。ギル…………ギルガメッシュは神の血を引きながら人として初めての世界の王となった存在。だけど俺から言わせたらどんな肩書きが付いているようがギルはギルである。
人と神の間に生まれた存在、そして誰よりも人間の可能性を信じた女性。だからギルは神の支配から人を解放するために自ら人としての王となり、人々を導いた。ギルの本質故かその王政は暴君だとしか言えなかったが、それでも人は神の支配から逃れ、神に頼らずに自分の足で立ち上がって今日という日まで発展することができた。
それが、俺がギルと向き合って知ったギルの根幹。だからこそ、俺はギルがどんな道を歩くのかを見届けたかった。まぁ、途中で死んじゃったけど。
「シグレ…………シグレェ…………」
「エルさん怖いっす」
ギルは俺の腕の中で満足してくれているみたいだがエルがヤバイ。俺の後ろから寄り掛かってきてなんか服の隙間から手を入れてきている。こら、腹を撫でるな。
「…………僕もね、君が居なくなって寂しかったんだよ?」
ハイライトが消えていたはずのエルの目に光が戻る。だけどその顔にあるのは哀…………悲しみの表情だった。
「僕、気づいてたんだよ?僕が役目を果たそうとしなかったから神々が僕のことを消そうとしていたこと…………シグレは僕と、口説かれていたギルのことを守る為にあの神を殺したんだよね?神々の目を僕らから自分に向けるために」
「いけなかったか?まぁいけなかったと言われたとしてもやってただろうけど」
「馬鹿だよ君は…………王として成長しつつあるギルを守る為になら分かる、だけど神々に作られた存在でしかない僕のことも守ろうとするだなんて…………」
エル…………エルキドゥは人ではない。だからといって神でもない。もっと言ってしまえば生物ですらなかった。エルキドゥの正体は神に逆らって人の世を築こうとしていたギルを諌めるために神々が作り出した土人形だった。知能も持たずに世界に降りたエルキドゥは聖娼と呼ばれる女性と出会い、与えられた権現のいくつかを捨てて人の姿と知性を得て、ギルと邂逅した…………そして戦い、ギルの朋友となる。その時に俺が乱入したわけだな。
ギルがどの様な考えで神に逆らったのかを知ったエルは本来の役目を果すことをせず、ギルを支えることを決めた。そして神々から批判を買い、エルは死ぬことを予定させられていた。とある事情から俺はその事を知り、ギルを口説いていたどこぞの端の神を虐殺してから神々の目を自分に向けることを思い付いた。その結果、エルは死なずに生き残った。その代わりに俺が死んだのだが。
「俺の性格を知ってるだろ?俺はどうしようもない馬鹿だからな、だからエルが死ぬかもしれないと知ったときに自分を犠牲にしてでも守ろうと思ってしまったんだ」
「うん、知ってるよ…………勝手に僕のことを守って、残された僕らの気持ちも考えないで逝ってしまった身勝手な人…………だから、一つ約束して…………もう、自分を犠牲にして僕らを守ろうだなんて考えないで…………」
「悪いがそれは無理な相談だ。俺が大切だと思ってる奴らを見殺しにしてまで生きたとしてもそれはもう俺じゃない。『時雨』という名前をしたただの肉袋でしかない。だから俺はお前たちを命に代えても守ろうとしているんだよ」
「はぁ…………分かってたけど、やっぱり君はそう言うんだね」
「これが俺だからな…………だから、代わりに別の約束ならしてやるよ」
「…………え?」
「約束だ、もう俺はお前たちを置いて勝手に逝ったりしないから。もし別れの時が来るとしても俺がお前たちを看取ってやるよ」
「…………あぁ、君は、本当に馬鹿だね」
「知ってるよ」
俺がエルたちを看取ってやる…………それはつまり、エルたちよりも先には死ぬつもりはないということ。例え死別する時が来ても、決して一人では逝かせるつもりはないという意思表示だ。
俺の考えてることが分かったのかエルは俺の肩に顔を埋めて小さな嗚咽をあげながら泣き出した。
さて、前にはギルで後ろにはエルという状況だが…………リニスとモード、ついでにウェイバー君はこれを見て来るものがあったのかハンカチで目元を拭っている。そしてライダーは泣いてはいないもののしんみりとした顔で酒を飲んでいる…………そして雁夜とケイネスは何故か知らんがカメラを回している。おい、サムズアップすんな。その指へし折るぞ。
ッチ……………………なんかこの空気気に食わんな。
「よっと」
「むぅ!?」
「へっ!?」
俺に張り付いていたギルとエルを抱き抱えて立ち上がり、屋敷に戻る。
「こんな空気は嫌いだから俺たちは俺たちで交遊暖めるわ。部屋の用意もしてあるから飲み潰れても良いぞ」
「おい、シグレ!!」
「これが聖杯から教えられたお持ち帰りってやつなのかな?」
俺の言葉を聞き、これからどうなるのかを考えたのかギルは顔を赤くし、エルは更に体を密着させてきた。ギルは反対しているようにも思えるが抵抗は一切してこないことからギルも期待しているのだろう。
後ろから囃し立ててくる馬鹿共の声が聞こえるがその一切を無視して二人を抱えたまま、俺は部屋に向かっていった。
「雁夜!!蟲の目は!?」
「待てケイネス!!今視覚の共有を……………………んぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「雁夜が発狂しただと!?ならば透視の魔術で……………………んぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「ふっ、甘いですね二人とも!!私くらいになればその場面に堂々と乱入して……………………んぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「…………カリヤ、ケイネス、リニス撃沈か。シグレの奴、いったい何をしたんだ?」
「ライダー、お前は反応しないのか?こういうの悪のりしそうなんだが」
「流石に再会できた者たちの情事を覗こうなぞとは思わんわい。ウェイバーよ、貴様は余のことをどういう目で見ているのだ?」
時雨がギルガメッシュとエルキドゥを持ち帰った後の宴会場ではそんな会話が繰り広げられていたとかなんとか……………………
ここではないどこか
「メルクリウスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!!!!」
「またかね甘粕」
「
「やれやれ…………Acta est Fabula.」
「くはぁ…………」
「うん…………」
「シグレ…………」
二人をお持ち帰りしてヤることヤったら夜が明けていた。時計を見れば昼前、疲れたのか俺を挟むように寝ているギルとエルの寝顔は柔らかい物になっていた。
「起こすのは悪いな」
幸せそうに寝ている二人を起こさないようにベットから降りて、乾いて大変なことになっている体をシャワーで洗い流す。
そして空いた腹を見たそうと台所に来たときに、書き置きがあることに気がついた。
「えっと…………『夜の宴会のせいで食料が無くなりそうなので買いに行ってきます。鶴夜君に桜と慎二、モードちゃんやリニスさんと雁夜君、他にも宴会に参加した人たちが着いて来てくれるので家には時雨君たちだけですby馴染』…………面子がカオス過ぎるだろ」
聖杯戦争に参加しているサーヴァントとマスターの大半を連れての買い物とか…………まぁ安全かと聞かれれば安全ではあるけども。炊飯器の中にご飯と冷蔵庫の中に漬け物があったのでそれを食べる。ギルとエルが起きた時の為に何か用意しておくか。
そんなことを考えながら食後の茶を啜っている時に、家の中にチャイムが鳴り響いた。残っているのが俺たちだけなら俺が出なくてはならない。
「今行きますよ~っと」
間延びした声で適当に返事しながら玄関に向かい、扉を開ける。するとそこにいたのはーーーーーーーーーー
「おぉ…………おぉ…………!!我が友よ…………!!」
「えっと…………お久しぶり、ですかね?時雨さん」
「……………………ファッ!?」
なんかオルレアン時代の頃の友人と、茶髪になってる御門がそこにいた。
ギル様
時雨との再会の喜びでアルコールが回った結果号泣しました。これは泣いても仕方がない。
エルちゃん
時雨との再会の喜びでアルコールが回った結果、病んでる状態になりました。これはアルコールは関係無いのかもしれない。
ギルガメッシュ
捏造設定かもしれないギルガメッシュが神々の支配に逆らった理由。人間たちの可能性を信じたからこそ神々の支配に逆らい、人々を導く王となった。その結果、人間は神から離れて一人立ちしたが神々からすれば面白くないことである。どこかの超魔王系勇者みたいな理由に似ているかもしれないがあれのように試練を与えるようなことはしていない。
エルキドゥ
捏造設定かもしれないエルキドゥが神々からの指示に逆らった理由。人間の可能性を信じたギルガメッシュを知ったからこそ神々に逆らってギルガメッシュの朋友となった。
時雨の計略
ある情報からエルの命が危なくなっていることを知った時雨はギルを口説いていた端の神を虐殺したときに神々の目を自分に向けることを思い付く。そして色々と煽りまくった結果、煽り耐性の無かった神々は時雨にプッツンしてエルのことを忘れて時雨の思惑通りに時雨に呪いを与えた。
約束
時雨が一方的に交わした約束。少なくとも全員を看取るまで死ぬつもりはないという意思表示。身勝手ではあるが大切な者たちを守り、悲しませたくないと本気で思っている時雨が出した答えでもある。
お持ち帰り
どこかの村の可愛い物を持ち帰ろうとする少女を思い描いてしまった貴方、今夜彼女が鉈を持って訪れるそうですよ?
んぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?
覗き見しようとした者たちは時雨の怒りを買ったようです。何があったかといえばSAN値直葬。
超魔王系勇者VSメルクリウス
はいはい、いつものいつもの。
買い物
馴染、鶴夜、雁夜、桜、慎二、ウェイバー、ケイネス、リニス、モードレッド、ライダーが行っている…………なんだこの面子は…………たまげたなぁ…………
オルレアン時代の友人と茶髪になってる御門
ようやく登場の彼ら。次回は彼らについてですね。
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