現在の時刻は3時、再会できたことが余程嬉しかったのかずっと泣いていたモードを落ち着かせていたらこの時間になってしまった。
「じゃ、まずは自己紹介でもしようか」
「ずぴ…………あぁ…………オレはバーサーカーのクラスで召喚されたモードレッドだ」
「俺は間桐雁夜、時雨の弟だ。で、そこで転げ回ってるのが…………」
「あ~…………目が焼かれて浄化するかと思うたわい…………間桐臓硯、時雨と雁夜の父じゃ」
「にしても…………モードレッドは女、なのか?伝承を聞く限り男だと思っていたんだが…………」
「それはあれだ、時代的な背景とかあるんだよ。男が立ってた時代だからな、女が騎士になると色々と言われるからオレは男のフリをしてたんだ。まぁ、シグレには一発でバレたけど」
「いやねぇ、声の高さとか歩き方とか足音から推定される体重が丸っと女の物だったから鎌かけてみたら当たってた」
「逆によく分かったな…………」
「流石にそれは引くぞ…………」
「デスヨネ~」
骨格とか見れば早かったんだけどモードは全身鎧だからそこら辺で判断するしか無かったのよ。
「…………ん?兄貴が転生してるってのは知ってるけどバーサーカーの言い方だと円卓の騎士に入ってたのか?兄貴は忠義を誓うとかそんなタイプじゃ無いと思ってたけど」
「そだよ~?あの時は金が無くて仕官しただけだし。それに円卓には出席してたけど大半のメンバーと王様からは嫌われてたから記録には残らなかったし。仲良かったのはモードとランスロットと…………円卓じゃないけどマーリン位だったな」
「だけど民からの支持は凄かったぞ。敵が迫ると気づけば誰も連れずに一騎駆け、そして傷一つ無く首級を掲げて帰ってくる様はまさしく英雄と呼ぶに相応しかったからな」
「…………想像出来ないんだが?」
「ヒント、あの頃は手柄を上げれば上げるほど給料が高くなりました」
「成る程、その為の一騎駆けじゃな」
「ってかそれが答えじゃねぇかよ」
だって兵士引き連れて戦場に出るとか柄じゃないし、一人で殺った方が速いし、周り気にしなくていいから思いっきり暴れられたし。
「そうだ、なんで俺にバーサーカーで喚ぶように指示したんだ?モードレッドならバーサーカーじゃなくてもセイバーのクラスで喚べば良かったのに」
「クハハッ!!並ば教えてしんぜよう、名も無き民よ!!」
「なんだよ、その三流のRPGで出てきそうな王様の台詞は」
「セイバーのクラスで喚ばなかった理由だが…………アインツベルンがセイバーのクラスを喚び出そうとしてるのを知っていたからだ」
「…………マジ?」
「マジマジ。俺が宛もなく世界フラフラ歩いてた時の話だけどな、アインツベルン製のホムンクルスたちがどこか忘れたけど遺跡を発掘してる現場に出会したのよ。で、気になった俺はそこを強襲してホムンクルスたちが採掘したものを確認したんだ」
「呵呵っ!!アインツベルンに喧嘩を売ったか!!」
「笑い話じゃねぇぞ爺!!アインツベルンに喧嘩を売るとか正気か!?」
「あぁ、大丈夫大丈夫。強襲したとは言ってもホムンクルスは一人も殺してないし、その採掘品にも手を出していない。適当な塵屑持って帰ったからアインツベルンは頭のおかしな奴がチョッカイかけてきた程度の認識だろうし。喚び出してくれるのならそれはそれで都合が良かったからな」
「それならいい…………のか?」
「良いんじゃないかのう、結果として時雨がやったとバレた訳では無さそうじゃしのぅ。それで、アインツベルンめは何を採掘していたのじゃ」
爺さんに言われて、俺はアインツベルンが見つけ出してあの時確認した採掘品を思い出す。
青と金の装飾が施され、
長年あったと言うのに風化劣化した様子は一切見られず、
その輝きを放っていた聖遺物。
「あれは…………エクスカリバーの鞘、
俺がアインツベルンの喚び出そうとしてるサーヴァントの正体を告げると暴風が吹き荒れた。原因なんて見ないでもわかる。俺の近くにいるモードだ。狂化は解いたというのに魔力を吹き出し、全身に赤黒い雷を放っている。
「あ、あの…………モードレッドさん?少し抑えてもらえると助かるのですが…………」
「ーーーーーーーーーコロス」
「…………ハイ?」
「コロス、コロス、コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
「ひ、ひぃっ!?」
「バ、バーサーカーが狂化を解いたというのにバーサーカーになっておるぞ!?」
「アーサー王コロス、円卓ランスロット以外コロス」
「俺のせいでモードがアーサー&円卓絶対コロスマンになったな…………そこまで思われるとは男冥利に尽きると言うものだ、うんうん」
「これを見て喜べるじゃと!?」
「兄貴懐広すぎるだろ!?」
嫌だってねぇ…………?相手を殺して自分も死ぬとかいうヤンデレなら全力で拒絶するけどモードは俺の為に怒ってこうなってるんだぞ?こういう一途な奴ってさ…………
「可愛いじゃん?」
「すげぇ…………」
「迷い無く言い切ったぞ…………」
「~~~~~~~~~~~~!!!!」
「あ、戻った」
「時雨に可愛いと言われて照れたか…………
モードって猫みたいなタイプだと思うんだよね。見慣れない奴には警戒しまくりで威嚇したり逃げたりするけど、一旦慣れたら姿を見かける度に近づいてきてすりよってきて構ってもらえ無かったら構って~じゃれついてきて…………うん、猫だわ。
「…………ん?でもそれだと兄貴がアインツベルンにセイバーの召喚を許した理由にはならないよな?だってそうだろ?セイバー枠を空けるためにわざわざバーサーカーで召喚したんだから…………」
「そう言えばそうじゃのぅ…………何か企んでおるのか?」
「俺さ、アーサー王のこと嫌いなんだよね」
「「…………は?」」
それだけ?とでも言いたそうな雁夜と爺さんだが俺の理由としてはこれで十分だから。
「円卓時代だと色々と面倒だから殺らなかったけどさ…………アーサー王ってばどんなことをしても自分のしたことは間違ってない~とか、王のクセに騎士道がどうのこうの~とか…………王様なのか騎士なのかハッキリしろよ。それと殺し合いの場に
あ~…………思い出しただけでイラついてきた…………ルール無用の場に騎士道なんぞ持ち込むなよ、そんなものは邪魔でしかない。何故間違ってることを認めない?自分は正しいんだって言い訳しながら間違ったことをしているあの姿がイライラする。
「あぁ…………やべぇ…………思い出してたらイラついてきた…………あの澄ました綺麗なお顔を踏みにじって汚して!!あの力強いお目目を抉って潰して!!あの清廉潔白であろうとする魂を侮辱して汚して!!俺はそうしてやりたかった……………………!!」
あの時の憤りを思い出すだけで体が火照り、俺の血が滾り、髪が変色し出す……………………はぁ、一旦落ち着こう。どうせ半年後には嫌でも殺し合うことになるのだから。
「…………悪い、興奮しすぎた。続きはまた朝でいいか?雁夜も召喚で疲れてるだろうし、モードはまだ不馴れだろうし」
「あ、あぁ…………俺はそれで良いぞ」
「儂も特に言うことは無いのぅ」
「…………」
「んじゃ、続きは朝にだな」
そうして、俺が我を忘れかけたことが原因で一旦中断することになった。
「…………ッチ、寝れねぇなぁ」
長らく放置されていた(馴染ちゃんが掃除をしているのか綺麗)自分の部屋で、鶴夜から奪ってきた度数の高い酒をラッパ飲みで飲んでいるが全然酔うことが出来ない。『変成』しかけたせいか血が滾ってしまい眠気も無くなっている。どうにかして治めないと眠れ無いぞ…………
コン、コン
「あぁん?」
どうしようか悩んでいると扉がノックされた。こんな時間にとなると…………雁夜か爺さんか?でも何のようだ?
コン、コン
「ハイハイ、開けるよ」
催促するように扉がまたノックされたので適当な返事を返しながら扉を開ける。
「……………………よぉ」
「……………………」
そこにいたのはモードだった。いや、モードがいること自体はそんなに問題じゃないんだ。問題はその格好だ。
「その格好…………どうした?」
モードの今の格好…………ワ イ シャ ツ 一 枚 。しかも下には何もはいておらず、健康的な肉付きの白い肌が丸見えである。
これは…………裸ワイシャツ!?
「あの爺さんがこれを着てシグレのところに行けって……………………」
「爺さんぇ……………………」
何がしたいんだろうかあの妖怪は…………俺が『変成』しかけたことは現場にいた爺さんなら分かっているはず…………それなのにモードを送らせるって腹空かせた狼に子羊与えるくらいにヤバイぞ?
「…………兎に角、何か着てくれ。着るものが無いなら貸してやるから。でないと、少しヤバイ」
「オ、オレじゃ…………」
「ん?」
「オレじゃ、やっぱり興奮しないのか!?」
「うぉぅ!?」
モードに押されて床に倒される。そしてモードは涙目になりながら俺の上に股がってきた。
「やっぱり、グネヴィアみたいに胸が無いと興奮しないのか!?」
「えーっと…………つまり、俺とそういうことしたいって事なのか?」
「うん…………でも、駄目だよ?オレはグネヴィアみたいに大きくないし…………言葉遣いも乱暴だし…………女らしく無いし…………」
最後の方は尻窄みして聞こえにくかったが少なくとも、モードが悲しんでることは感じられた。
はぁ…………なんか…………もう…………ねぇ…………
「んなわけねぇだろうが」
「うわっ!?」
上半身を力任せに起こし、体制を崩したモードを横抱きで持ち上げる。
「世間一般論からしたら胸が大きい方が良いとか言われてるかもしれないけど俺は気にしてねぇよ。つうかなんだよ、折角人が我慢してたっていうのに好き勝手やりやがって、なんか抑えてたのが馬鹿らしくなってきた」
「えっ!?ちょ!?シグレ!?」
ベットの上にモードを投げ、その上に覆い被さる。
「あ…………」
「できる限りは優しくするが、もしかすると抑えが効かなくなるかもしれねぇ…………それでもいいか?」
「…………っ!!うん…………それでも、シグレと一つになれるなら、良い」
『ぬぁぜぇだ!!何故見せぬ!!メルクリウス!!この先に
『この先は女神によろしくない光景なのでね、カットさせてもらったよ、甘粕』
『この俺にぃぃぃぃぃぃぃい!!!
『正直、荒事は苦手なのだがねぇ…………』
「っあ…………」
窓から射し込む日の光で目が覚める。どうやら寝落ちしたらしい…………これが噂の朝チュンか…………いや、時間的には昼チュンなのかも。
「うん…………シグレ…………」
俺の左隣にはしあわせそうな顔をして眠っているモードの姿があった…………随分と可愛らしい寝顔で。
そして、モードの顔にかかっている髪を退けてあげようとした時に、俺はそれに気がついた。
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーはぁ?」
俺の手首から肩にかけての腕に鎖のような紋様の赤い刺青が刻み込まれていた。
モードレッド
時雨と交流を持ったことでマイルドになったモードレッド。女と指摘されても怒りはしません。
ステータスは筋力B、耐久B+、敏捷B、魔力C、幸運D、宝具Aと、本来に比べると多少弱体化している物の悪くはない物になっている。宝具スキルは原作のまま。
アインツベルンのサーヴァント
ホムンクルスに探させていた聖遺物から時雨に喚び出そうとしてるサーヴァントとクラスがバレた模様。しかしホムンクルスの報告にアハト翁は時雨の狙い通りに頭のおかしな奴がやったことと判断した。
アーサー&円卓絶対コロスマン
バーサーカーとして喚ばれたモードレッドがバーサーカーたる由縁。アーサー王とランスロット以外の円卓の騎士を見ると我を忘れて特効する。アーサー&円卓死すべし、慈悲はない。
時雨は王様嫌い
時雨はアーサー王が嫌いです。まるで王様の手本の王様であろうとしているところとか自分のやったことを間違っていないと後悔しているところとか。生理的に嫌いレベル。円卓時代では我慢していたが今だと見たら間違いなく殺しにかかるか、精神的にいたぶろうとする。今回のアンチ成分。
変成
雁夜と鶴夜とは腹違いの兄弟だと言っていた伏線。体質的な物らしいが、まだバラさない。
時雨とモードレッド
ブリテン時代だとモードレッドは想いを告げて時雨が死んでしまったので、作者によるご褒美タイム。モードレッドはグネヴィアと比べて胸が無いと言っていたがそれはグネヴィアが対象だったから。少なくとも騎士王よりもある。R指定には…………かからないよね?
甘粕VSメルクリウス
濡れ場の見たい勇者と女神によろしくない光景を見せないように頑張る水銀との衝突。時雨がこの事を知ったら甘粕ボコした後でよくやったメルクリウスとさけんでいただろう。ニートが働いて結果良かった。
時雨の左腕
礼呪現る。詳しくは次回に期待。
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