バトルシップイレブン ~艦娘とサッカー少年達の出会い~ 作:ヒビキ7991
~稲妻町 木枯らし荘~
ある日の午後、天馬・剣城・神童の3人は
稲妻町にいた。
3人は大きな何かを木枯らし荘の庭へと運んでいた。
天馬「よし、そこの塀に立て掛けてください。」
神童「了解だ。」
剣城「おう。」
3人は運んでいた大きな何かを塀に立て掛けた。
運んでいたのは、稲妻町と鎮守府を繋ぐ魔法のドア。
どうやら廃ビルから運んで来たようだ。
天馬「あとは、このドアを固定すれば完了です。」
神童「これで安心して、鎮守府に行けるな。」
剣城「もうあんな気味悪い廃ビルを通るのは
勘弁ですよ。」
天馬「そうだ!
いっそのこと、吹雪さん達を稲妻町に
招待しませんか?」
剣城「いいんじゃないか?」
神童「そうだな、それは良さそうだ。」
かれこれ話していると・・・
「じゃあね、バイバーイ。」
3人の前を一人の女性が歩いていた。
女性は3人に気付かず素通りしていったが、
3人はその姿に見覚えがあった・・・
天馬「あれって、如月さん?」
神童「まさか、如月さんはこの間のW島攻略の時
轟沈したはずだ。
だいいち、俺達の世界にはいないはずだ・・・」
剣城「ですが、あの顔つき・瞳・髪の長さ
髪の色・雰囲気まで如月さんとよく
似ていました。」
天馬「そんなばかな・・・」
神童「とにかく、今は鎮守府に戻ろう。
いつ出撃命令があるかわからんからな。」
3人はドアを潜って鎮守府に向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~鎮守府 第三水雷戦隊 寝室A~
その後、天馬は寝室で考え事をしていた。
天馬「さっきの女の人、ホント如月さんに
そっくりだったなぁ。
いや、瓜二つって言ってもいいくらいだ。
・・・ん? そういえば・・・」
その時、天馬は思い出した。
鎮守府の提督と自分も似ていることに。
天馬「もしかして、この世界の人間と
吹雪さん達の世界の人間って、何か
繋がりがあるのかな?」
かれこれ考えていると・・・
ガチャッ
部屋の扉が開き、吹雪が入ってきた。
吹雪「いた!
天馬君、一緒に指令室に来て!」
天馬「吹雪さん、急にどうしたんですか?」
吹雪「うん、何でも長門秘書艦から私達三水戦に
大事な話があるんだって。」
天馬「三水戦に?」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
~指令室~
数分後、指令室に第三水雷戦隊のメンバー
全員が集まった。
そして、長門から聞かされたのは・・・
神通「再編成?」
長門「ああ、提督から正式に通達があった。
第三水雷戦隊は現時刻をもって解散。
他の艦と共に、新たな艦隊を編成する。」
神童「艦隊を全てですか?」
吹雪「そんな~!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
~第三水雷戦隊 寝室A~
その日の夜、吹雪達は寝室で荷造りをしていた。
吹雪「これで全部だね。」
睦月「うん!」
天馬「でも、変ですよ。
どうして急に再編成なんて・・・」
吹雪「もしかして、私のせい?」
睦月「ううん!
他の艦隊にも解散が通達されたらしいし。」
夕立「はぁ……次は誰と一緒になるッポイかな~?」
吹雪「怖い人とだったらどうしよう・・・」
睦月「大丈夫だよ!
また一緒の艦隊になるかも知れないし。」
吹雪「そっか、そうだよね!」
睦月「それどころか、赤城先輩と一緒の艦隊に
なったりとか?」
吹雪「赤城先輩と?
エヘヘ・・・」
どうやら既に妄想の中に入ってしまったようだ……
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
赤城『よく頑張りましたね。
助かったわ、吹雪さん。』
吹雪『あ、ありがとうございます!』
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
吹雪「それほどでもぉ~………」
すると・・・
ジャーン!!!
吹雪・睦月・夕立「うわあああ!」
部屋中に物凄い音が響いた。
見渡してみると、何故か天馬の手にはシンバルが。
天馬「目が覚めましたか?」
吹雪「そのシンバル、どうしたの?」
天馬「ちょっとね・・・」
睦月「フフッ
じゃあ、明日も早いからそろそろ寝よ。」
吹雪「そ、そうだね・・・」
天馬「俺、ちょっと散歩してきます。」
天馬はシンバルを置くと、部屋を後にした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
~波止場~
天馬は波止場の周辺を散歩していた。
すると、前方の桟橋に見覚えのある人影が見えた。
天馬「あれ、ヲ級だ。
ちょうどいいや、ちょっと聞いてみよう。」
天馬はヲ級のところへと駆け寄った。
気配に気付いたのか、ヲ級は体をこちらに向けた。
ヲ級「アラ、マタアッタワネ。」
天馬「やあヲ級。」
ヲ級「ソノ様子ダト、私ニ何カ用?」
天馬「うん、君に聞きたいことがあるんだ。」
ヲ級「私ニ聞キタイコト?」
天馬「実は今朝、自分の世界にいたとき
如月さんに物凄くそっくりな人が歩いて
くるのを見たんだ。
それで思い出した、俺と提督も何処と無く
似ていることに。
だからもしかしたら、この世界と俺達の世界は
何か関係があるんじゃないかって思ったんだ。」
ヲ級「鋭イ読ミネ、天馬。」
天馬「ねえヲ級、教えてよ。
この世界の人間と俺達の世界の人間って、
何か関係があるの?」
ヲ級「アルワ。
コノ世界ハアナタタチノ世界トハ別ノ世界、
イワユル"ぱられるわーるど"ト言ッタトコロ。
コノ世界ニ生キル人間ハ艦娘モ含メ全テ、
アナタタチノ世界ノ人間ト"魂"ヲ共有シテ
生キテイル。
魂ヲ共有シテイル者同士ハ、見タ目ヤ
性格、声ノ音程ニ話シ方モ似テシマウノ。
魂ヲ共有シテイル者同士ノ片方ガ死ネバ
モウ片方モ死ンデシマウ。」
天馬「でも、俺達は俺達の世界で如月さんに
そっくりな人が歩いて行くのを見た。
てことは・・・」
ヲ級「ソウ、魂ノ繋ガリガマダ切レテイナイ証拠。
ツマリ、ソノ如月トイウ艦娘ハマダ生キテイル
可能性ハアルワネ。」
天馬「まだ希望はあるってこと?」
ヲ級「ソウイウコトヨ。」
ヲ級はそう言うと、何処かへ消えていった。
天馬「如月さん、まだ生きてるのか・・・
でも、もし生きていたとしても
あの深海からどうやって地上に
上がってくるんだろう?
それか、海の底で眠っているのかな?」
かれこれ考えていると・・・
吹雪「いた!
天馬くーん!」
天馬「吹雪さん、睦月さん。
どうしたんですか?」
睦月「天馬君と同じだよ。」
天馬「そうですか。」
3人は、桟橋から海を見た。
空には満月が輝き、その光で海はキラキラと光る。
吹雪「綺麗だね。」
睦月「月が明るいからかな?」
天馬「川内さんが見たらきっと大喜びしますよ。
"夜戦だー!!"って。」
3人で話していると・・・
夕立「2人だけズルいッポーイ!」
吹雪「あれ?夕立ちゃん!」
睦月「寝てたんじゃなかったの?」
夕立「・・・最後だと思うと、ちょっと
寝れなかったッポイ。」
天馬「そうなんですか?
夕立さんって、あまりそういうのは
気にしてないと思ってましたけど。」
夕立「ひ、酷いッポイ!
吹雪ちゃんと睦月ちゃんが寂しそうに
してたから言えなかっただけッポイ!
ねっ!」
夕立の後ろには、神童と川内三姉妹がいた。
天馬「神童さん、剣城。」
睦月「川内さん達に、夕張さんまで。」
川内は桟橋の先に立ち、海に向かって叫んだ。
川内「おお、夜だ!!
やっぱり夜はいいね!血が騒ぐよ!」
神通「姉さん、夜戦に来たわけじゃないでしょ?」
川内「わかってるって!」
川内は、吹雪の左手を右手と繋ぎ、
神通が川内の左手を、那賀が神通の左手を、
夕立が那賀の左手を、睦月が夕立の左手を、
神童が夕立の左手を、天馬が神童の左手を、
そして吹雪が天馬の左手を右手と繋ぐ。
そして、いつしか大きな輪ができた。
神通「別々の艦隊になっても、この
第三水雷戦隊で培った水雷魂は
ずっと持ち続けていきましょう。」
剣城「私達よりも先に散っていった
如月さんの思いも。」
吹雪「神通さん、剣城君・・・」
川内「なんかシックリ来ないなぁ。
神通と剣城は真面目すぎるんだよねぇ。
天馬!」
天馬「はい!
じゃあみんな、新たな艦隊になっても、
水雷魂で、頑張って行こうぜええ!!」
『おおーー!!』
こうして、第三水雷戦隊は最後の夜を終えた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~提督室前~
次の日、天馬と吹雪は提督室の前の行列に並んでいた。
吹雪「ど、どうしよう・・・」
天馬「き、緊張しますね・・・」
大淀「次、駆逐艦 吹雪
及び宇宙戦艦ヤマト 松風天馬。」
天馬・吹雪「は、はい!」
天馬と吹雪は、二人一緒に提督室へと入った。
室内では提督が二人の履歴書を見て待っていた。
吹雪「駆逐艦 吹雪、参りました!」
天馬「宇宙戦艦ヤマト 松風天馬、参りました!」
提督「よし、では二人の所属する艦隊を伝える。
艦隊の名は・・・」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
~廊下~
数分後、天馬と吹雪は資料を貰って部屋から出てきた。
だが二人とも、心配なのか不満な表情を浮かべている。
するとそこへ、剣城と睦月がやって来た。
睦月「吹雪ちゃん、天馬君。」
吹雪「睦月ちゃん、剣城君。」
剣城「それで、二人は何処の艦隊になったんだ?」
天馬「俺達は、"第五遊撃部隊"だって。」
睦月「凄い!
新しく結成された特別艦隊だよ、それ!」
吹雪「そうなの?」
天馬「剣城と睦月さんは?」
剣城「俺は"第三艦隊"。
別名、"MO攻略支援隊"だ。」
睦月「私は"第四艦隊"・・・」
吹雪「そっか・・・」
睦月「しょうがないよ、演習の時はこれからも
一緒なんだし頑張ろう!」
吹雪「うん・・・」
睦月「じゃあ私たち、こっちだから。」
剣城「またな。」
睦月と剣城はその場を後にした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
~鎮守府僚 二階~
睦月達と別れた後、天馬と吹雪は第五遊撃部隊の
寝室を探していた。
吹雪「えーっと、第五・・・第五・・・」
天馬「あ、ありましたよ。」
二人は部屋の扉を見つけ、前に立つ。
そして、緊張しながらもノックして部屋に入った。
コンコンコン ガチャッ
天馬・吹雪「あの~、こんにちは・・・」
寝室には雷巡の大井と北上がいた。
だが、二人には全く気づいていない。
大井「それでね、ここにお花を置いたら
いいと思うの。
それで、この壁に私と北上さんの写真を
沢山貼って・・・」
北上「いいんじゃない?
でもまさか大井ッチと一緒の艦隊に
なれるなんて思っても見なかったよ。」
大井「運命です!
何があっても、二人は離れられない
運命なのよ!」
天馬・吹雪「あの~……」
大井・北上「ん?」
やっと気づいたようだ。
天馬・吹雪「こんにちは……」
北上「ああ、アナタ達確か第三水雷戦隊の・・・」
大井「部屋を間違えてるみたいね。
ちょっと案内してくるわ。」
大井は北上の手を離れると、吹雪と天馬を強引に
部屋の外に引っ張り出した。
大井からは怒りの赤黒いオーラが出ている。
大井「何の用かしら?」
吹雪「えーっと、その・・・」
天馬「俺たち、今日からこの艦隊に・・・」
大井「あなた達の部屋はそっちよ。
わかったら、邪魔しないでもらえます?」
そう言い残すと、大井は部屋へと戻っていった。
ドタン!
『大丈夫だった?』
『ええ、親切に案内してあげたわ!』
何処がじゃ・・・
天馬「大井さんの場合、シスコンって
言うんでしょうか?」
吹雪「うん、多分ね・・・」
二人は、今度は隣の部屋に入った。
ガチャッ
天馬・吹雪「あの~……」
部屋の中には、鎮守府一仲が悪いと噂の一航戦の加賀と
五航戦の瑞鶴が背中を向けあって口喧嘩をしていた。
加賀は相変わらずクールだが・・・
瑞鶴「つまり、提督の編成が気に入らないってこと?」
加賀「いいえ、私はただ五航戦の子なんかと
一緒になりたくないだけ。」
瑞鶴「ほう、随分ハッキリ言ってくれるじゃない?」
加賀「嘘はつきたくないから。」
瑞鶴「嘘?!
つまり一航戦の方が上だから五航戦の私と
一緒になりたくないってこと?!」
加賀「そうよ、それで?」
瑞鶴「ほう・・・」
怒りがヒートアップしたのか、瑞鶴は立ち上がると
加賀に殴りかかろうとする。
が、咄嗟に天馬が後方から瑞鶴を止めに入る。
天馬「瑞鶴さん、落ち着いてください!」
瑞鶴「放しなさい天馬!
というか、アンタいつから・・・」
すると、今度は翔鶴がやって来た。
翔鶴「瑞鶴、やめなさい。」
天馬「翔鶴さん。」
瑞鶴「翔鶴姉・・・」
翔鶴「加賀さんは一航戦の正規空母。
私達よりも、艦隊にとって重要で
力も上なのですよ。」
瑞鶴「でも!」
翔鶴「いい?
この前の戦いで私達が活躍できたのも、
全て"随伴艦"の皆さんが頑張ってくれた
お陰なのよ。」
加賀「随伴?」
天馬「どういう意味なんですか?」
瑞鶴「文字通り随伴する艦、要はお供って意味よ。」
翔鶴「無礼、申し訳ありませんでした。
今後とも瑞鶴をよろしくお願いします。」
そう言うと、翔鶴は部屋を出ていった。
瑞鶴は天馬を振り払うと、椅子の背もたれを
前にして、若干怒りぎみの加賀の後ろに座った。
瑞鶴「よろしくお願いします、随伴艦さん。」
加賀「少し、腹が立ちました。
それであなた達は?」
天馬「俺たち、実は今日から・・・」
吹雪「部屋を間違えました!!
失礼します!!」
吹雪は慌てて部屋を出ていった。
天馬「あれ、吹雪さん?」
加賀「あなた、確か天馬とか言ったわね。
五航戦の子達に弓矢の扱いを
教えてもらったそうね。」
天馬「えっ? はい・・・」
加賀「なるほど、じゃああなたも五航戦の子達と
同類ってことね。」
瑞鶴「ちょっと加賀!!
アンタ、私達はともかく天馬まで
侮辱する気!?」
加賀「侮辱はしてないわ。
ただ教えてもらった相手が悪かったわねって
言っただけ。」
瑞鶴「それが侮辱してるって言ってるのよ!!
というか、天馬は全く関係ないでしょ!!」
かれこれ喧嘩していると・・・
大井「うるさいですよ!
もうちょっと静かにしてください!」
隣の部屋から大井と北上が、廊下から吹雪と
金剛がやって来た。
どうやら全員揃ったようだ。
金剛「ワーオ、これが
ナンバーファイブ遊撃部隊ですカー?」
部屋の中は、加賀と瑞鶴のせいもあってか
ピリピリしている。
金剛「ティータイムにしますカー?」
・・・。
大井「早く終わらせてもらえます?
そろそろ北上さんと食事に行きたいので。」
北上「でも、先ずはちゃんと部屋割り決めないと。」
加賀「私は、五航戦の子とは別の部屋にして。」
瑞鶴「私も、一航戦と一緒はお断りよ。」
大井「言っときますけど、私と北上さんが同じ
部屋じゃなかった場合、61cm四連装魚雷が
黙ってませんけどいいですか?」
吹雪「い、いや・・・でも・・・」
金剛「これは中々ファニーな艦隊デース!
こうなったらみんな、相撲でウィナーを
決めるといいですね!!」
吹雪「面白がってる場合じゃないですよ!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
~駆逐級~
その後、何とか部屋割りは決まり、天馬と吹雪は
教室にいたが、吹雪はグッタリしている・・・
教室には、剣城と睦月と夕立の姿があった。
吹雪「ダメだぁ~……」
睦月「そんなことがあったんだ・・・
大変だったね・・・」
吹雪「うん、部屋にいても落ち着かないし
なんかみんなピリピリしてるし・・・」
剣城「金剛さんは何て言ってたんだ?」
天馬「えーっと・・・」
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
金剛『何とかなるネー!
暑さ寒さも彼岸までネー!』
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
天馬「って、言ってた。」
吹雪「意味わかんないよ~!」
夕立「それで、睦月ちゃんの艦隊は
どんな感じッポイ?」
睦月「うん、睦月の艦隊には最上さんがいて・・・」
天馬「最上さん?
ああ、あの男の子口調の!」
睦月「そうそう!」
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
最上『僕で良ければ、いつでも教えるよ?』
睦月『はい!』
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
吹雪「いいないいな!
いいなぁ~……」
睦月「夕立ちゃんは?」
夕立「夕立は那賀ちゃんと一緒だったッポクて・・・」
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
リズムに乗って~♪
那賀・夕立『ホイホイホイホイッ!』
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
吹雪「いいないいな!
いいなぁ~……」
睦月「楽しそうだね。」
天馬「剣城はどうだったの?」
剣城「俺は夕張さんとまた一緒だった。
同時に、夕張さんの開発アシスタントに
任命されたんだ。」
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
夕張『今後の戦いに備えて、新装備の開発をするから
剣城君も手伝ってね。』
剣城『はい!』
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
天馬「また同じ艦隊になれてよかったね。」
剣城「ああ。」
吹雪「はぁ~…
それに比べて私は……」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
~甘味処 間宮~
その後、天馬と吹雪は間宮の店にいた。
間宮「あら、いつもの二人は?」
吹雪「新しい艦隊の親睦会があるとかで・・・」
間宮「そっか、まあ元気出しなさい。」
吹雪が間宮と話をしていると、二人のお客がやって来た。
ガラガラガラ
間宮「いらっしゃい!」
天馬「あ、神童先輩!」
吹雪「赤城先輩!」
赤城と神童も二人に気づき、二人と同じ席に座った。
赤城「間宮さん、いつものをお願いします。」
間宮「はーい。」
天馬「神童先輩、もしかして赤城さんと同じ艦隊に?」
神童「ああ、そう言う天馬は吹雪さんと
また同じ艦隊か?」
赤城「そういえば聞きましたよ。
お二人とも、加賀さんと同じ艦隊に
なったんですって?」
吹雪「は、はい!
そうなんです!
正規空母の先輩と一緒の艦隊なんて
私、光栄です!」
赤城「大丈夫?
加賀さん、五航戦の子と一緒になって
侵害だとか言ってましたけど・・・」
吹雪「あはは・・・
実は、その・・・」
吹雪は第五遊撃部隊での出来事を話した。
赤城「そうですか、そんなことが・・・」
吹雪「私、あの艦隊が上手くいくなんて
とても思えないんです・・・
司令官は、どうしてあんな編成に
したんだろう?」
赤城「私にもわからないけど、恐らく
"FS作戦"が影響してるんじゃないかと。」
天馬「FS作戦?」
神童「この前開始された、反攻作戦の正式名だ。
南方に存在が確認されている2つの巨大な
深海棲艦の棲地。
その2つを結ぶ海路を分断し無力化する。
そうすれば、今まで謎に包まれていた
深海棲艦が何処から現れ何を目的としているか
わかるかもしれないらしい。」
赤城「ただ、作戦を成功させるためには
私達自身の練度を高め、あらゆる状況に
対応できる力を身に付けなくてはならない。」
吹雪「だから、司令官は・・・」
赤城「あくまで推測ですけど、提供が何の意図も無しに
艦隊を編成するはずが無いと思うんです。
きっと、何か意味があるのよ。」
神童「それに吹雪さん、あなたはあの艦隊が
上手くいくとは思えないようだが
それは間違いですよ。」
吹雪「そうなの、神童君?」
神童「ええ、そのことは天馬が誰よりも
よく分かっています。」
天馬「俺と神童さんと剣城は以前、少年サッカー
世界大会の日本代表になったことがあります。
あの時のチームは、みんなサッカー未経験で
得意な分野もバラバラで、しかもある出来事が
引き金となって、チームでの連携が出来なく
なってしまったんです・・・」
吹雪「ある出来事?」
天馬「試合の直前、あるチームメートの財布が
無くなるという事件がありました。
そして、財布を無くしたチームメートは
メンバーの一人に疑いをかけたんです。」
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
真名部『盗むなんてことするの、君しか
いないんですよね、瞬木君。』
ーーそして俺達は、その彼に犯罪歴が
あることを知りました。
真名部『瞬木君は、以前盗みをして捕まった
ことがあるそうです。
だから、この中で財布を取るとしたら、
君しかいないわけです。』
瞬木『俺はやってない・・・』
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
赤城「そんなことが・・・」
天馬「でも、実際には彼の弟が盗みを働き
彼がそれを庇ったからなんです。
それからというもの、チームはバラバラに
なってしまって、彼は他のチームメートに
パスを貰えず、フォローしてもらえず、
一人フィールドに取り残されて
しまったんです・・・」
吹雪「そんな・・・」
神童「ですが、その時の天馬の言葉で、
チームは変わりました。
"何故、彼にパスを出さない。
同じフィールドにいる以上、仲間じゃないか。
仲間のことが信用できなくてどうするんだ。"
この天馬の言葉で、メンバーは彼に
パスを繋ぎ、無事に試合に勝つことが
出来ました。」
天馬「相手にどんな事情があったとしても、
チームとして大切なのは信じあうこと。
第五遊撃部隊だって今はあんな感じですけど
お互いを理解することが出来れば、
艦隊としてきっと上手くいくと思うんです。」
吹雪「そっか・・・
そうだね!」
赤城「ところで、財布の件は
結局どうなったんですか?」
神童「メンバーから聞いた話だと、ジャージの
ポケットに入ってたそうです。
それがメンバーの前で公になり、後で
攻め立てられたそうですよ。」
赤城「あらら…」
吹雪「私、艦隊に戻ります!
天馬君のお陰で、やる気出て来ました!」
赤城「そう、それは良かった。」
吹雪「天馬君、一緒に行こ!」
天馬「はい!」
天馬と吹雪は、同時に席を立つと店を後にし
大急ぎで第五遊撃部隊の部屋へと向かった。
赤城「彼、凄い人ですね。
誰よりも他人のことを気にかけ、
そしてやる気を奮い立たせる。」
神童「それが、"松風 天馬"という男ですよ。」