バトルシップイレブン ~艦娘とサッカー少年達の出会い~   作:ヒビキ7991

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Episode13/加賀と瑞鶴とヲ級と

~鎮守府 指令室外~

 

 

ある日、指令室では大淀が別の鎮守府からの

暗号の解読を行っていた。

だがこの時、大淀は自分以外の者が建物の外で

暗号を盗み聞きしているとは思ってはいなかった。

 

 

如月「なるほど、次の作戦目標は棲地MO。

   本鎮守府からは空母機動部隊と攻略支援部隊の

   出撃命令ね・・・

   空母ヲ級2隻を珊瑚諸島海域に向かわせて、

   しぶとい空母達を叩いてもらいましょう。

   その前に、ちょっとしたサプライズを用意

   しておきましょう。」

 

 

如月は暗号を聞き終えると、その場を後にした。

近くの木の影から剣城が、建物の影からヲ級が

見ていたとも知らずに。

 

 

剣城「如月さん、いったい何を?」

 

 

ヲ級(やっぱり、彼女は如月じゃない。

   彼女はきっと・・・)

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~鎮守府近海~

 

 

その日の午後、第五遊撃部隊が鎮守府近海で

深海棲艦と交戦していた。

 

 

金剛「バーニング・ラーブ!!」

 

 

ズドーン

 

 

天馬「撃ち方始め!」

 

 

バシューン!

 

 

金剛は敵艦隊に向け徹甲弾を放ち、天馬は

ショックカノンを放ち攻撃する。

 

 

ドカーン!

 

 

金剛「ヒット!」

 

天馬「よしっ!」

 

 

大井「北上さん!」

 

北上「ほーい。」

 

 

大井と北上は手を取り合い、水上を踊るように

敵の魚雷を避ける。

 

 

天馬「お見事です!」

 

吹雪「お二人共、あまり無茶しないでくださいね。

   明日はMO攻略に出撃しなければ

   なりませんから。」

 

北上「わかってるよ。」

 

大井「そうそう、明日はもっと素敵な北上さんを

   見せてあげるわ。」

 

吹雪「あはは…

   楽しみですねぇ…」

 

天馬「でも、結構いい感じじゃないですか?」

 

吹雪「うん。

   装備の調整に出て、バッタリ遭遇戦に

   なっちゃった時はどうしようかと思ったけど

   これならきっと・・・」

 

 

だが、安心したのもつかの間。

すぐ後ろでは、あの二人がもめていた。

 

 

瑞鶴「邪魔よ、そこの元戦艦!!」

 

吹雪「えっ?」

 

加賀「五航戦ごときに譲る進路はありません。」

 

瑞鶴「いいから退いて!!」

 

天馬「もう、またですか……」

 

吹雪「あはは……」

 

 

瑞鶴は加賀を押し退けると、敵艦に向けて

九九式艦攻を複数放つ。

 

 

瑞鶴「よしっ!

   そのまま魚雷を!」

 

 

瑞鶴の九九式艦攻は敵深海棲艦に向け魚雷を投下。

 

 

瑞鶴「貰った!」

 

 

だが・・・

 

 

ドカーン!

 

 

魚雷が到達する前に、別の九九式艦爆が

爆撃によって敵深海棲艦を倒した。

瑞鶴は突然の出来事に唖然としている。

 

 

瑞鶴「わ、私の獲物が・・・」

 

 

瑞鶴が唖然とするということは、九九式艦爆を

飛ばしたのは、艦隊の中ではもう1隻ということ。

 

 

吹雪「うわぁ、凄いですね!」

 

加賀「みんな優秀な子達ですから。」

 

瑞鶴「もう、アンタのその言い方、いっつも

   勘に触るのよねぇ。」

 

加賀「事実だからでしょ?」

 

瑞鶴「(カチン)んぎぎぎぎぎ・・・!!」

 

吹雪「ていうか、空母の御二人は下がってください!

   こんな接近戦は・・・」

 

瑞鶴「大丈夫よこれくらい!」

 

 

瑞鶴は吹雪の指示を無視し前に出る。

そして弓を構える。

 

 

瑞鶴(見てなさい、私の艦載機だって!)

 

 

だが、瑞鶴は敵の魚雷が自分に向かっていることに

気づいていなかった。

 

 

天馬「瑞鶴さん、魚雷です!」

 

瑞鶴「えっ?」

 

加賀「ちっ!」

 

 

加賀は瑞鶴の元へと急いで向かう。

そして到達すると魚雷が爆発し、加賀と瑞鶴は

水しぶきの中へと消えた。

水しぶきはおさまり、辛うじて瑞鶴は無傷だったが

加賀は・・・

 

 

天馬・吹雪「加賀さん!!」

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~鎮守府 提督室~

 

 

提督室では、長門と提督がある話をしていた。

 

 

提督「・・・と、私は思うのだが、

   長門、お前はどう思う?」

 

長門「それなら確かにW島の奇襲が失敗したのも

   納得がいきます。

   ですが・・・」

 

 

すると・・・

 

 

コンッコンッ

 

 

長門「なんだ?

   取り込み中だぞ。」

 

 

ガチャッ

 

 

ドアが開き、陸奥が入ってきた。

 

 

陸奥「鎮守府沖に出ていた第五遊撃部隊より、

   緊急の打電です。」

 

長門「なにっ!?」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~港~

 

 

長門・陸奥・提督の3人は港へとやって来た。

そこでは利根と多数の艦娘達が群がっていた。

目線の先には、第五遊撃部隊のメンバー

吹雪・天馬・金剛・瑞鶴の四人と、北上と大井に

運ばれる傷だらけの加賀の姿があった。

 

 

暁「加賀さん……」

 

電「痛そうなのです……」

 

 

提督「これは、また随分と派手にヤられたな…」

 

吹雪「私のミスです……

   旗艦なのに、みんなに的確な指示を

   出せなくて……

   本当にすみません!」

 

天馬「吹雪さんのせいじゃありません。

   予想外の事態が起きたとき、艦隊に指示を

   出すのが現場指揮艦である俺の役目です。

   しかし、今回の遭遇戦で俺は艦隊に的確な

   指示を出すことができませんでした。

   責任は俺にあります……」

 

加賀「いいえ、遭遇戦になったのは事故のようなもの。

   そこで出過ぎて被弾したのは、私の失態です。

   面目次第もありません。」

 

瑞鶴「格好つけないでよ!

   アンタは私の代わりに被弾したんじゃない!

   一番悪いのは、油断して前に出すぎた

   私なのに・・・

   どうして私を責めないのよ!?」

 

加賀「勘違いしないで。

   あなたがあの無防備な状態で被弾したら、

   恐らく轟沈していたわ。

   でも、私は被弾箇所を選べたし、沈まずに

   耐える自信もあった。

   それがたとえ五航戦でも、提督の大事な

   戦力を失う訳にはいかない。

   私はあの絶望的な瞬間に見えた、僅かな

   希望に掛けただけ。

   そして勝ったわ。」

 

瑞鶴「なによアンタ!

   そんなボロボロのくせして、どうして

   そこまで偉そうに・・・!!」

 

金剛「ヘイヘイエヴリバディ、落ち着きましょう。

   被弾したのはバッドラックだけど、

   高速修復剤を使えば、お湯を沸かす前に

   ティータイムは終わりネー。」

 

長門「すまないが、それは無理だ・・・」

 

 

途中で長門が口を挟む。

 

 

天馬「何故ですか?」

 

陸奥「FS作戦の発動以来、こちらの勢力範囲

   そのものが拡大しているのだけれど・・・」

 

提督「同時に補給線も延びているだろ?

   燃料や鋼材はまだ余裕があるが、出撃が

   多いこともあって、高速修復剤が底を

   ついているんだ。

   先日被弾した赤城も、おかげで未だに

   入渠してる状態だしなぁ……」

 

金剛「サプライは大切なのにー!」

 

長門「加賀もこの様子ではとても間に合いません。

   どうされますか?

   MO攻略本隊は、今頃出撃しているはずです。」

 

提督「最悪の場合、艦載機を所持している天馬に

   加賀の代理を頼むしかない。

   だが、それでは天馬への負担が大きすぎる。

   どうすれば・・・」

 

 

悩む提督。

すると・・・

 

 

「私が参ります。」

 

一同「・・・?」

 

 

一同が顔を向けると、そこには瑞鶴の姉妹艦

翔鶴がいた。

 

 

天馬・瑞鶴「翔鶴さん(姉)!」

 

翔鶴「加賀さん、瑞鶴を守っていただいたこと

   本当に感謝しています。」

 

加賀「さっきも言いましたが、別にお礼を言われる様な

   ことではございません。」

 

翔鶴「提督、どうかお願いです。

   この翔鶴を、加賀さんの代わりに

   出撃させてください。」

 

提督「・・・わかった。

   ただ、少しばかり時間をくれ。

   今日の日没までには決定しておく。」

 

翔鶴「わかりました。」

 

提督「他の皆は、明日の作戦に備えて

   体力を十分に回復させておけ。

   私からは以上だ。」

 

 

吹雪「・・・。」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

~グラウンド~

 

 

その後、天馬・吹雪・睦月・剣城・夕立・神童の6人は

グラウンドの端にいた。

だが、今の吹雪は物凄く悩んでいた。

 

 

神童「・・・なるほど。

   それで悩んでるのか、吹雪さんは。」

 

天馬「ええ……

   最近、第五遊撃部隊がやっとチームとして

   機能し始めたと思ったら、初めての作戦前に

   これですからね……」

 

吹雪「なんかね、加賀さんと瑞鶴さんって

   いつも口喧嘩ばかりしてるけど、いつか

   凄く良いコンビになるんじゃないかって

   勝手に思ってたんだけどなぁ……

   はぁ~、やっぱり私に旗艦なんて

   無理だったのかなぁ……」

 

夕立「それは無いッポイ?」

 

剣城「そうですよ、吹雪さんは吹雪さんなりに

   頑張ってたじゃないんですか?」

 

睦月「吹雪ちゃんが頑張ってたのは、

   私も夕立ちゃんも、神童君や剣城君も

   みんな知ってるし、きっと天馬君や

   第五遊撃部隊のみんなの方がもっと

   いっぱい気づいてるよ。」

 

吹雪「そう、なのかな・・・?」

 

天馬「そうですよ。

   じゃなかったら、あの第五遊撃部隊なんて

   とっくに解散してますよ。」

 

睦月「うん!」

 

吹雪「・・・ありがとう、みんな。

   やっぱり、友達がいるのって嬉しいね!」

 

神童「同感だ。」

 

剣城「ですね。」

 

天馬「俺、ちょっと瑞鶴さんの様子

   見に行ってきます!」

 

吹雪「私も行く!」

 

 

天馬と吹雪は急いで第五遊撃部隊の寝室へ向かった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~第五遊撃部隊 寝室A~

 

 

寝室では、瑞鶴が加賀に習ったのか

手拭いウサギを作って鑑賞していた。

すると・・・

 

 

ガチャッ

 

 

天馬・吹雪「あの~・・・」

 

瑞鶴「うわっ!

   な、何!?」

 

 

瑞鶴は咄嗟にウサギを隠す。

 

 

天馬・吹雪「いや、その、どうしてるかなって……」

 

瑞鶴「私は誰かさんのお節介で無傷だもの!

   全っ然大丈夫だけど!」

 

 

 

吹雪「あの、ずいか・・・」

 

 

すると・・・

 

 

大淀『通達です。

   第五遊撃部隊、駆逐艦吹雪、及び松風天馬

   提督室に出頭してください。』

 

 

天馬・吹雪「えっ!?」

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

数分後

 

 

~提督室~

 

 

提督室には、提督と長門がいた。

 

 

トンットンッ

 

 

提督「どうぞ。」

 

吹雪「駆逐艦吹雪、入ります!」

 

天馬「松風天馬、入ります!」

 

 

ガチャッ

 

 

扉が開き、吹雪と天馬が入ってきた。

が、二人とも緊張しているのか・・・

 

 

 

ギギギギ・・・ドンッ ギギギギ・・・ドンッ

 

 

 

長門「手と足が一緒に出てるいぞ・・・」

 

天馬・吹雪「あっ・・・」

 

 

二人は慌ててビシッと立つ。

 

 

長門「そう緊張するな。

   提督はお前達を譴責するために

   呼ばれたのではない。

   むしろ、あの面子を上手く纏めていると

   褒めておいでだ。」

 

吹雪「ほ、本当ですか!?」

 

長門「ああ。

   だからこそ吹雪、お前に聞く。

   明日の作戦、加賀の代わりに翔鶴を

   入れるかいなかをお前の判断に任せるそうだ。

   どうだ? やれるか?」

 

吹雪「それは・・・」

 

 

 

吹雪は少し考えた。

そして・・・

 

 

 

吹雪「・・・やれます!」

 

長門「わかった。

   よろしいですか、提督。」

 

提督「私は吹雪の判断に任せると言った。

   だから吹雪がやれると言うのなら

   構わない。」

 

長門「わかりました。

   では改めて出撃が決まったところでもう一点

   提督が二人に話しておきたいことが

   あるそうだ。」

 

天馬「話しておきたいこと・・・ですか?」

 

提督「実は、明日の作戦について・・・いや

   昨今の深海棲艦との戦闘において、

   とても深刻な懸念を抱いているんだ。

   吹雪、天馬、これは艦隊の仕切を取る

   お前達にだけ話しておくが・・・」

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

~波止場~

 

 

その日の夜、天馬は波止場にいた。

 

 

天馬「ついに明日出撃するんだな。

   MO攻略に・・・」

 

ヲ級「・・・怖い?」

 

天馬「そりゃあ、怖くないって言ったら

   嘘になる・・・って、どわあ!?」

 

 

いつの間にか隣には空母ヲ級がいた。

 

 

天馬「なんだヲ級か、ビックリさせないでよ・・・」

 

ヲ級「なによ?

   あなたが勝手にビックリしたんじゃない。」

 

天馬「いやそうだけどって・・・あれ?

   ヲ級、なんか性格変わった?」

 

ヲ級「まあね。

   そろそろ、本当の自分を表に出さないと

   面倒くさくなるから。」

 

天馬「どういうこと?」

 

ヲ級「明日、あなたは私と同じ

   深海棲艦ヲ級型正規空母に遭遇するわ。

   攻撃をためらって負けてほしくないから

   もう作り物の自分を表に出すのは

   やめようと思ったのよ。」

 

天馬「そうなんだ・・・

   ところで、前から気になってるんだけど

   なんでヲ級は俺にこうやって接触しては

   情報提供をしてくれるの?

   君達が負けるかもしれないのに。」

 

ヲ級「それについては、まだ言えないわ。

   次に会ったときに全部話すわね。」

 

 

ヲ級はその場を後にした。

だがこの時、天馬の頭の中に新たな謎が生まれた。

 

 

天馬(なんだろう・・・

   今日のヲ級、何処か懐かしい感じがしたな。

   まるで、前に会ったことがあるような・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

~地下ドック~

 

 

次の日、ついにMO攻略作戦が始まった。

 

 

夕張「第三艦隊旗艦 夕張、出撃します!」

 

剣城「剣城京介

   メガルーダ、出る!」

 

 

地下ドックから、先ずは夕張率いる第三艦隊が

大海原へと出撃した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~指令室~

 

 

大淀「MO攻略支援隊が出撃しました。」

 

睦月「他の鎮守府からは?」

 

大淀「はい。

   予定通り、MO攻略本隊として、

   軽空母祥鳳と青羽、古鷹、加古、衣笠

   また、援護部隊の天龍、龍田らも

   既に先行しているとのことです。」

 

長門「よし、続いて第五遊撃部隊に出撃命令!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~地下ドック~

 

 

その頃地下ドックでは、既に第五遊撃部隊が

スタンバイしていた。

 

 

大淀『第五遊撃部隊、出撃準備!』

 

吹雪「皆さん、頑張りましょう!」

 

天馬「うう……緊張するなぁ……」

 

瑞鶴「ごめんね、翔鶴姉・・・」

 

翔鶴「もう、何を言っているの?

   私は瑞鶴と出撃出来て、本当に嬉しいのよ。」

 

瑞鶴「えっ?」

 

翔鶴「一航戦の方々が出られない今こそ、

   私たち五航戦が頑張らないとね・・・。

   さあ、行くわよ瑞鶴!」

 

瑞鶴「・・・はい、翔鶴姉!」

 

吹雪「さあ、いきますよ!

   第五遊撃部隊、出撃します!」

 

 

吹雪率いる第五遊撃部隊は艤装を装備し

大海原へと出撃していった。

 

 

 

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