バトルシップイレブン ~艦娘とサッカー少年達の出会い~   作:ヒビキ7991

20 / 40
Episode18/幽霊を探せ!

~本館 2階廊下~

 

 

神童達と剣城達が閉じ込められている頃、天馬達は

発電施設と指令室を除く、本館にある全ての部屋の

捜索に動いていた。

 

 

 

天馬「実験室に提督室に仮眠室に入渠ドックに

   ダイニングルームに作戦室、その他怪しい部屋は

   徹底的に捜索したのに、何も変化なしですね。」

 

吹雪「もしかして、この建物にいないのかな?」

 

大和「あと見ていない建物は、別館と工廠と

   出撃用ドックです。」

 

赤城「本館には何も異常は無いようですし、

   ちょっと見に行ってみましょうか。」

 

天馬「そうですね、それじゃ・・・っ!?」

 

 

突然、天馬の言葉が止まった。

 

 

吹雪「どうした・・・っ!?」

 

 

吹雪・大和・赤城は天馬の見ている方向と

同じ方向を見る。

その先には、謎の人影が見えた。

 

 

天馬「あれって、幽霊ですか?」

 

 

謎の人影は突然、その場から逃げるように走り出す。

天馬達は後を追い、階段を上り、3階へと移動した。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~3階廊下 指令室前~

 

 

3階にたどり着いた天馬達。

だが、そこに謎の人影はなかった。

 

 

吹雪「あれ、見失ったかなぁ?」

 

大和「確かに上へと上がった様に

   見えたんですけど。」

 

赤城「下りますか?」

 

天馬「そうですね、特に異変は・・・。」

 

 

ドンッ!ドンッ!ドンッ!

 

 

一同「っ!?」

 

 

突然、何処かからドアをノックするような音が

聞こえてきた。

 

 

『くそっ!

 誰かいないか!?』

 

 

扉の向こうから聞き覚えのある少年の声がする。

 

 

天馬「その声、神童先輩ですか?」

 

神童『その声は天馬か!

   すまないが、この扉を開けてくれないか!

   どういう訳か閉じ込められてしまった!

   カギを開けたのに開かないんだ!』

 

天馬「わかりました!

   ちょっと待っててください!」

 

 

天馬は3階を後にし外に出ると、工廠に向かって

一直線に走り出した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~工廠 倉庫~

 

 

工廠に着いた天馬は、倉庫の中であるものを

探していた。

そして工具箱の中を見たとき、あるものを発見した。

 

 

天馬「あったあった!」

 

 

天馬が発見したのは、解体工事で板を剥がす時や

泥棒が扉をこじ開ける時に用いられる鋼鉄製のバール。

天馬はバールを手に取ると、急いで神童達のいる

指令室の前へと向かった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~3階廊下 指令室前~

 

 

指令室前では、吹雪達がどうにか扉を開けれないかと

色々やっていた。

そこへ・・・

 

 

天馬「皆さん、お待たせしました!」

 

吹雪「天馬君!

   ・・・なにそれ?」

 

天馬「見ての通り、バールです。」

 

赤城「もしかして、これで扉をこじ開ける

   つもりでは・・・。」

 

大和「まあ、現状況では有力な手段ですね・・・。」

 

 

天馬は、バールの先端を壁と扉の間に差し込み

そして強引にこじ開けようとする。

 

 

ギシッ! ギシッ!

 

 

一同が冷や汗を流しながら見守った。

そして・・・

 

 

バタンッ!

 

 

開かずの扉が開き、神童達は無事解放された。

 

 

神童「助かった、ありがとう天馬。」

 

天馬「どういたしまして。」

 

長門「しかし、なぜ扉が急に?」

 

赤城「やはり、他に誰かいるのでしょうか?」

 

夕立「ひょっとして、剣城君達も私達みたいに

   閉じ込められてるッポイ!?」

 

天馬「大変だ!

   今すぐ地下の発電室に向かわないと!」

 

 

一同は剣城達のいる地下発電施設へと向かった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

~地下 発電室前~

 

 

発電室の前に来た一同。

すると、ゴンゴンと扉を叩く音と人の声がする。

 

 

剣城『おい!誰かいないか!』

 

天馬「剣城!」

 

剣城『天馬か!?

   すまない、どうやら発電室に閉じ込められて

   しまったようだ!』

 

天馬「待ってて!

   今、扉を開けるから!」

 

 

天馬は先程と同様に、壁と扉の間にバールの

先端を差し込む。

 

 

ギシッ! ギシッ!

 

 

そして・・・

 

 

ギギギギギギ・・・   バタンッ!

 

 

強引に扉をこじ開けた。

剣城達は無事に発電室から解放された。

 

 

剣城「助かった、ありがとう天馬。」

 

天馬「どういたしまして。」

 

長門「ところで、発電室の中はどうなっていた?」

 

夕張「発電機から配電盤へと繋がるケーブルが

   強引に引きちぎられていました。」

 

加賀「剣城君の言う通り、何かいるようね。」

 

金剛「これからどうするデース?」

 

天馬「これ以上、分散して別々に行動するのは

   危ないですね。

   ここから先は全員一緒にトラック島内を

   散策しましょう。」

 

長門「そうだな。」

 

睦月「ちょっと!

   みんな、あそこに誰かいる!」

 

一同「!?」

 

 

突然の睦月の発言に、一同は慌てて睦月の示す

方向を見た。

その先には、何やら人の影が見える。

 

 

天馬「お前は誰だ!?

   そんな暗闇に姿を隠していないで出てこい!!」

 

 

謎の人影は天馬の呼び掛けに答えず、そのまま

その場から逃げ出した。

 

 

天馬「あっ、待てっ!!」

 

 

一同は天馬を先頭に、謎の人影を追いかける。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~ビーチ~

 

 

一方その頃、ビーチでは足柄と暁がカレーの

辛さでもめていた。

 

 

足柄「カレーは辛口よ!

   辛口じゃないと美味しくないわ!」

 

暁「辛口カレーなんて食べれたものじゃないわ!

  レディーには甘口カレーで丁度いいのよ!」

 

足柄「辛口!!」

 

暁「甘口!!」

 

そんな二人を尻目に、比叡・瑞鶴・翔鶴・羽黒は

カレー鍋の番を、霧島・響・雷・電は飯盒でご飯を

炊いていた。

 

 

電「お腹、空いたのです……」

 

響「ヤーハチューイェースチ……」

 

雷「ねえ、ご飯まだ炊けないの?」

 

霧島「私の計算では、あと3分で炊き上がるかと。」

 

瑞鶴「まったく、いつまで言い争ってるのやら……」

 

羽黒「早くカレー粉を入れないと、野菜が溶けて

   スープになっちゃいます……」

 

翔鶴「いっそのこと、メニュー変えましょうか?

   ボルシチとかビーフストロガノフとか・・・。」

 

比叡「そうですね、最終手段に取っておきましょう。」

 

 

すると・・・。

 

 

天馬「待てえええ!!」

 

一同「ん?」

 

 

砂浜の向こうから人影を追いかける天馬達が

やって来た。

 

 

足柄「あれって、天馬達?」

 

暁「どうしたのかしら?」

 

 

天馬「足柄さん!

   そいつを捕まえてください!」

 

 

足柄は天馬の言う通り、謎の人影を捕まえにかかる。

だが、謎の人影はまるでスタントマンの様に

足柄の頭上をジャンプで通過した。

 

 

足柄「なっ!?」

 

 

人影は着地して再び走り出すが、今度は比叡と霧島が

行く手を塞ぐ。

 

 

霧島「何処へ行かれるのですか、幽霊さん?」

 

比叡「さっきはよくも!」

 

 

人影は、今度は進行方向を90度左に変え

砂浜から階段の方へと走る。

 

 

天馬「逃がすか!」

 

 

天馬は急停止し、その場で右手を握り、拳を

勢いよく突き出し、突き出したと同時に右手の

ロケットアンカーを地面スレスレで勢いよく発射。

 

 

ガシャン!

 

 

アンカーは階段の直ぐ隣にあるコンクリートの

堤防に突き刺さる。

天馬はアンカーが突き刺さったことを確認すると

チェーンをピンと張った。

人影は逃げるのに必死で目の前のチェーンに

気づいていない。

 

 

???「きゃっ!?」

 

 

ズテーン!

 

 

人影は足にチェーンが引っ掛かり、そして

前のめりに転んだ。

一同は倒れた人影のところに集まる。

 

 

長門「見事だ、天馬。」

 

 

すると突然、人影はその場で立ち上がり

額を擦り始めた。

 

 

???「いったぁ~……」

 

長門「お前、いったい何者だ?」

 

 

すると突然、基地に灯りが戻り辺りを照らす。

そして人影の正体があらわになった。

 

 

天馬「あっ! ヲ級!」

 

 

謎の人影の正体は、天馬とよく接触する深海棲艦

空母ヲ級だった。

 

 

ヲ級「もう、何するのよ天馬!」

 

天馬「ごめん、まさか幽霊の正体が君だとは

   思わなかったよ…」

 

 

天馬は人影の正体がヲ級だとわかって安心したが、

他の艦娘達は酷く慌てていた。

 

 

吹雪「くく空母ヲ級、空母ヲ級ですよ!!」

 

長門「なぜ深海棲艦がトラック島内にいるのだ!?」

 

天馬「落ち着いてください。

   彼女は深海棲艦ですけど、敵じゃありません。」

 

大和「敵じゃないって根拠はあるんですか?」

 

天馬「はい。

   俺と剣城と神童さんは、稲妻町で彼女と

   遭遇して、この世界に来たんです。」

 

 

天馬は稲妻町から鎮守府に来るまでの経路を話した。

 

 

睦月「・・・なるほど。

   じゃあ、前に剣城君と神童君が私達に

   言ってた女の子って、この子のこと?」

 

神童「そういうことになりますね。」

 

瑞鶴「ちょっと待った!

   天馬が鎮守府で度々コイツに会ってるって

   ことはさ、コイツは鎮守府の中にいたって

   ことだよね?」

 

翔鶴「そうなるけど、それがどうしたの?」

 

瑞鶴「最近、作戦内容の外部流出が頻繁に起きてる

   らしいけど、その原因がコイツじゃないかって

   誰も思わないわけ!?」

 

一同「!!」

 

 

一同は思い出した。

剣城の堪では、深海棲艦のスパイが夜間に作戦の

情報を盗み、それを外部へ流出していると考えていた。

現状況では、空母ヲ級が一番に疑われても

不思議ではない。

 

 

天馬「ちょっと待ってください!

   さっき言ったじゃないですか!

   彼女は敵じゃないって!」

 

瑞鶴「そうやって敵をフォローして敵じゃないって

   信じこませよいとする!

   あんた、もしかして深海棲艦とグルだったんじゃ

   ないでしょうね!?」

 

吹雪「ちょっと瑞鶴さん!

   彼女を疑う気持ちはわかりますけど、

   天馬君はグルなんかじゃないですよ!」

 

大和「それに、天馬君が敵ではないと言うのなら

   その言葉に掛けてみませんか?」

 

赤城「確かに、掛けてみる価値はありますけど……」

 

 

ヲ級との遭遇でパニック状態の一同。

すると・・・。

 

 

如月「みんな、幽霊の探索はどうだったの?」

 

 

基地の方から懐中電灯を持った如月がやって来た。

 

 

睦月「如月ちゃん。

   それがね、幽霊の正体は深海棲艦の空母ヲ級

   だったんだけど、そのヲ級が天馬君と面識が

   あるみたいで、敵か敵じゃないかで

   言い争ってるの。」

 

如月「そうなんだ~。」

 

夕立「というか如月ちゃん、何で幽霊探索のこと

   知ってるッポイ?」

 

剣城「なるほど、そういうことか。」

 

 

突然、剣城が口を開いた。

 

 

剣城「みんな聞いてくれ。

   作戦内容流出の犯人が誰なのかわかった。」

 

一同「えっ!?」

 

剣城「みんなは、そこにいる空母ヲ級が犯人だと

   疑っているようだが、犯人は彼女じゃない。

   犯人は俺達の身近にいた人物に成り済まし、

   FS作戦の内容を外部に流していた。

   しかも好都合なことに、その犯人は今、俺達の

   近くにいる。」

 

天馬「犯人が、俺達の近くに!?」

 

 

ゾロッ!

 

 

瑞鶴「えっ?」

 

 

何故か天馬と剣城以外の一同は瑞鶴に目を向けた。

 

 

瑞鶴「ちょっと待ってよ!

   確かに私はソイツが犯人だって疑ってるけど、

   だからって犯人は私じゃないからね!」

 

剣城「安心してください、瑞鶴さん。

   瑞鶴さんは犯人じゃない。

   犯人は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   元第四水雷戦隊、睦月型駆逐艦の二番艦

   如月さん。

   アンタだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同「ええっ!?」

 

如月「・・・。」

 

 

 

睦月「如月ちゃんが・・・犯人!?」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。