バトルシップイレブン ~艦娘とサッカー少年達の出会い~ 作:ヒビキ7991
~トラック島 ビーチ~
吹雪と別れて約10分後、天馬はトラック島を
半周して小休止をしていた。
天馬「満天の星空に青白く輝く満月、そして
その光でキラキラと輝く海・・・。
これに勝る景色があるかなぁ?」
雪菜「天馬にしては、ロマンチックなこと言うわね?」
そこへ雪菜がやって来た。
雪菜「沖縄じゃ、こんな景色は見られないの?」
天馬「俺の知る限りじゃ、今の沖縄じゃこんな
景色は見れないよ。
今思ったんだけど、俺、この世界の海が
気に入ったみたい。」
雪菜「・・・私もよ。」
すると突然、天馬の右側に何かが勢いよくぶつかった。
天馬はぶつかった拍子でバランスを崩し、その場で
砂に尻餅をついた。
そして、目の前には同じく尻餅をついた吹雪がいた。
だが、今の吹雪は泣いていた。
天馬「吹雪さん、大丈夫ですか?」
吹雪「天馬君………うぅ………
うわあああああああああ!!」
吹雪は激しく泣き叫びながら、天馬に抱きついた。
天馬「吹雪さん!?
どうしたんですか!?」
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~トラック島 ビーチ~
その頃、夕立はビーチを走り吹雪を追いかけていた。
すると前方に、天馬に抱きつく吹雪と、それを
優しく見守る雪菜の姿があった。
夕立「いた、吹雪ちゃん!」
夕立は急いで駆け寄った。
雪菜「あら、夕立さん。」
夕立「はぁ……はぁ……ふ、吹雪ちゃんは?」
天馬「泣き疲れて、寝ちゃいました。」
吹雪「スピー・・・クゥー・・・」
吹雪は頬に涙を流しながら眠っていた。
雪菜「夕立さん、いったい何があったの?」
夕立「実は、その・・・。」
天馬「話は後です。
先ずは吹雪さんを基地に連れていかないと。」
天馬は吹雪を抱き上げると、そのまま
基地の方へと向かった。
夕立「あれって、お姫さま抱っこッポイ?」
雪菜「ととにかく、私達も行きましょう!」
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~前進基地 本館1階/廊下~
基地に着くと、天馬は大和から基地内にある
和室を借りて布団を敷き、吹雪を寝かせた。
その後、天馬は夕立に何があったのか尋ねた。
天馬「長門秘書艦に呼ばれたとき、
何かあったんですか?」
夕立「うん、実は長門秘書艦から提督からの
辞令を伝えられて・・・。」
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
~指令室~
それは数分前、吹雪と夕立が長門に
呼び出されたときだった。
長門「こんな時間に悪いな。」
吹雪「いえ、トレーニングの途中だったので。」
夕立「夕立はもう眠いッポイ……」
長門「二人を呼んだのは、先ほど提督から二人に
辞令が下ったからだ。
先ずは、駆逐艦夕立。」
夕立「はぁい?」
長門「明日から第一機動部隊へ転属を命ずる。」
夕立「えっ?
ゆ、夕立が?」
長門「ああ、提督がお前に頼みたいそうだ。」
夕立「でも、本当に夕立でいいの?
どうしよう・・・夕立、主力艦隊に
なっちゃった!」
長門「FS作戦成就に向けて、今後戦いは
激化していくだろう。
常に準備を怠るな。」
夕立「了解!
深海棲艦に悪夢、見せてあげる!」
長門「・・・続いて、駆逐艦吹雪。」
吹雪「はい!」
長門「・・・明日中に、鎮守府に帰艦せよ
とのことだ。」
吹雪「・・・えっ?
でも、作戦の方は、第五遊撃部隊のみんなは
どうなるんですか!?」
長門「皆と出撃する必要は無いと仰っている。
第五遊撃部隊は解散、旗艦の任を解くと
次いでに連絡があった。
信じられないかも知れないが、受け入れて
ほしい・・・。」
吹雪「そんな・・・。」
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
天馬「そんな・・・どうしてだよ!?
どうして吹雪さんがこんなことに
なるんだよ!?
この前の戦いでも活躍したし、みんな
すごいって言ってたのに、何故だ!?」
夕立「夕立にも、分からないッポイ……」
雪菜「でも、きっと提督にも考えがあってのことよ。
提督は吹雪さんが頑張っているのを
知らないはずないもの。 」
天馬「くっ・・・!」
天馬は突然、和室の扉を開けるとそのまま中に入り
内側から鍵を閉めた。
夕立「天馬君、相当怒ってるッポイ……」
雪菜「それもそうよ。
天馬は第三水雷戦隊でも南西方面艦隊でも
第五遊撃部隊でも、吹雪さんと一緒に
海に出ていた。
鎮守府の中では吹雪さんのことを一番よく知る
人物は天馬と言っても過言じゃない。
吹雪さんと一緒にいる時間が長い分
彼女の頑張りをよく知っている。
天馬は何故、吹雪さんが提督に呼び戻された
のか納得がいかない。
きっと、それで怒ってるのよ。」
夕立「天馬君・・・。」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~和室~
和室では、吹雪が布団の中でスヤスヤと眠っている。
天馬は吹雪の横で胡座をし、腕を前で組んだ。
天馬(なんで、吹雪さんがこんなことに・・・。
ユキッペの言う通り、吹雪さんが
頑張ってたことは提督だって分かってる
はずなのに、なんで・・・。)
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~次の日 早朝~
天馬「すぴ~・・・くぅ~・・・。」
いつの間にか胡座で座ったまま寝ている天馬。
天馬「・・・ん?」
どうやら起きたようだ。
天馬「ふあああぁぁ~・・・。
いつの間にか寝ちゃってたのかな?」
吹雪が寝ていたハズの布団の中に吹雪はいない。
天馬は部屋一帯を見回したが、部屋には自分以外に
誰も居ないとわかった。
天馬「・・・吹雪さん。」
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~トラック島 演習場~
天馬は演習場にやって来た。
するとそこには、一人で夜明けの海を眺める
吹雪がいた。
天馬「吹雪さん、おはようございます。」
吹雪「天馬君、おはよう。」
天馬「少しは落ち着きましたか?」
吹雪「うん。
でも、寝てるとき嫌な夢を見たんだ。
私は一人で海の上を走ってたんだけど、
後から赤城さんと夕立ちゃんが追い越してきて、
私がどんなに頑張って走っても二人には
追い付けなくて、離されるばかりで・・・。
ダメだなぁ、あんな夢を見るなんて・・・。」
天馬「吹雪さん・・・。」
すると・・・。
夕立「ハンモックを張ってでも、戦うよ!」
天馬・吹雪「ん?」
港の入り江で朝練をする夕立の姿が見えた。
夕立は海面を移動しながら次々と的を
撃ち抜いていく。
桟橋の先には、夕立に指導をする神通の姿も。
神通「夕立ちゃん、今度はもう少しスピードを
上げてやってみましょう。」
夕立「はい!」
吹雪「夕立ちゃん・・・。」
川内「ここに来る随分前なんだけどさ。」
いつの間にかその場には川内がいた。
天馬「川内さん。」
川内「特型駆逐艦が第五遊撃部隊の旗艦になった
頃から、 アイツ、練度を上げたいって
朝練するようになってさ。
がんばっている姿を見て、自分も努力
しなきゃって思ったんだって。
同じ駆逐艦として、水雷魂を忘れちゃ
だめだって。」
吹雪「水雷魂・・・。」
天馬「そういえば俺達、任務に気を取られて
水雷魂を忘れてましたね・・・。」
吹雪「・・・。」
突然、吹雪が顔を下に向けうつむいた。
天馬「吹雪さん?」
吹雪「バカだな・・・。
みんな頑張ってる、みんなみんな頑張ってる。
自分の為に、みんなの為に・・・。」
吹雪は思いきって顔を上げ、そして笑顔で
手を大きく振りながら叫ぶ。
吹雪「おーい!おーい!」
吹雪の声に気づき、神通と夕立はこちらに
顔を向けた。
天馬「どうやら、吹っ切れたみたいですね。
吹雪さん。」
吹雪「おーい!」
夕立も、海上を走りながら左手を高く上げ・・・。
夕立「ポーイ!」
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~港~
その日の午後、吹雪は鎮守府に戻るため
港で準備をしていた。
そこには天馬・雪菜・睦月・最上・長門・陸奥
さらに第二航空戦隊、蒼龍と飛龍の姿もある。
長門「蒼龍、飛龍も追って鎮守府に向かう。
その先行隊として偵察と護衛、頼んだぞ。」
一同「はい!」
吹雪「睦月ちゃん、本当にいいの?
一緒に来てもらっちゃって。」
睦月「うん!」
最上「睦月ちゃんは、本当に吹雪ちゃんが
好きなんだね?
自分から志願するなんて。」
天馬「如月さんが聞いたら、物凄く焼きもち
妬いちゃいそうですね。」
雪菜「如月さんは今は居ないでしょ?」
天馬「居たらの話だよ。」
吹雪「フフッ。
そういえば、最上さんは睦月ちゃんと同じ
艦隊だったんですよね?
よろしくお願いいたします!」
最上「こちらこそ。」
蒼龍「じゃあ、よろしく頼んだわよ?」
五人「はい!」
天馬・吹雪・雪菜・睦月・最上の五人は
鎮守府に向かって元気よく出港した。
陸奥「大丈夫そうね。」
長門「ああ。」
すると、天馬達の出港を見送る長門の耳に
大淀から情報が入った。
大淀「長門秘書艦、提督から入電です。
”直ちにMO作戦を中止し、鎮守府へ
帰還せよ。”と。」
長門「中止だと!?
間違い無いのか?」
大淀「はい。」
長門「大淀、もう一度提督に伝えてほしい。
今ならMO攻略は可能だと。」
大淀「はい。」
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~棲地MI~
同時刻、深海棲艦の棲地MIには、以前
如月に化けて情報の漏洩をしていた飛行場姫がいた。
飛行場姫「今ナラ敵ノ防衛線モ薄イ。
奴ラノ鎮守府ヲ破壊スルニハ、マサニ
絶好ノ機会ダ。
を級、聞コエルカ?」
『ハイ、姫様。』
飛行場姫「爆撃機ヲ発進サセ、敵ノ鎮守府ヘ
爆撃ヲ仕掛ケロ。」
『了解。』
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~南西海域~
南西海域には、以前の珊瑚諸島海域で吹雪に
左目を撃たれ大破した空母ヲ級がいた。
空母ヲ級「コノ前ノ借リ、返シテヤルワ。」
ヲ級は頭部の帽子から爆撃機を数機発艦させ
鎮守府に向かわせた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~鎮守府近海~
その頃、鎮守府近海を航行していた天馬達は
敵の艦載機がこちらに向かっていることに
気づいていた。
吹雪「対空電探に感あり!
12時の方向、上空です!」
最上「何っ!?」
一同が気付いた頃には、敵の艦載機は一同の
遥か上空を飛行していた。
天馬「くそっ!
この距離じゃ三式弾でも届かない!」
雪菜「もうすぐ鎮守府よ!
こんな近くに敵がいるなんて……」
吹雪「最上さん、直ちに鎮守府とトラック島に
打電を!」
最上「了解!」
睦月「みんな、あれ!」
睦月が何かを見て突然叫んだ。
一同は睦月が示す方向を見ると、鎮守府の
あちらこちらから炎と黒煙が上がっていた。
一同「鎮守府!?」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~トラック島 指令室~
その情報は、大淀を通して長門に伝えられた。
長門「なんだって!?」
大淀「はい、ヒトフタヒトゴーより爆撃を
うけた様です。」
長門「手薄になった防衛線を突破されたか…
深海棲艦の機動部隊がそこまでするとは…
まさか、提督はこの動きを察知して戻れと…?」
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~鎮守府 港~
天馬達は鎮守府の港へ着いた。
寮などの建物は倒壊して瓦礫と化し、ところに
よっては火事が起きている。
最上「被害の状況を確認しよう!
僕はドックの方を見てくる!」
雪菜「私は灯台の方を見てくるわ!」
吹雪「私、本館の方に行ってみる!」
睦月「私は寮を見てくる!」
天馬「俺は工廠の方を!」
一同はその場から散開し、天馬は途中
コスモファルコン数機を放ち消火作業に向かわせた。
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~甘味処 間宮~
吹雪は間宮の店へとやって来た。
店は半壊し、店内は滅茶苦茶になっている。
吹雪「間宮さん!」
間宮「吹雪ちゃん!
戻ってきてくれたのね!」
吹雪「他のみんなは?」
間宮「無事よ。
間一髪だったけど、提督が皆を避難させてね。」
吹雪「司令官は?」
提督「ここにいるよ。」
突然、吹雪の後ろに提督が現れた。
真っ白だった軍服も、煤と埃で汚れている。
吹雪「司令官!」
提督「さて、長門達には帰ったら総手で
働いてもらわないとな。」
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数時間後、長門達が鎮守府に戻ると、艦娘達総手で
鎮守府の修復作業が行われた。
利根「吾輩は何度も言っとるぞー!
工廠とドックの修理が最優先じゃとー!」
一同「はい!」
神童は修理に必要な資材を上空から運んでいた。
神童「この鉄骨はどうします?」
利根「ドックの方へと頼む!」
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~工廠~
工廠では、剣城と夕張が壊れたところの
修理に当たっていた。
剣城「思ったより建物の被害が小さくて
助かりました。」
夕張「これなら直ぐに終わっちゃいそうね。」
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~甘味処 間宮~
夕方、間宮の店では吹雪・天馬・間宮がみんなに
豚汁をふるまっていた。
吹雪「豚汁ですよー。
はい、響ちゃん。」
響「スパスィーバ。」
天馬「おにぎりもありますよー。」
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~グラウンド~
夜、提督はみんなをグラウンドに集めた。
提督「みんなの働きによって、鎮守府復旧の
目処もたった。
このあと工廠・港などが使用可能になり次第、
敵機動部隊への攻撃を開始する!」
加賀「反攻作戦。」
提督「夕張・剣城、君達には引き続き、
次元波動エンジンの量産を頼む。」
夕張・剣城「はい!」
提督「そして、駆逐艦吹雪!」
吹雪「はい!」
提督「君に命令を与える。
《改》になれ!!」