バトルシップイレブン ~艦娘とサッカー少年達の出会い~ 作:ヒビキ7991
神童「何だ、あれは・・・。」
雪菜「ついに復活した・・・。
最強の姫クラス深海棲艦・・・戦艦棲姫が。」
天馬「あれが、戦艦棲姫・・・。」
戦艦棲姫「・・・。」
戦艦棲姫の後方の猛獣は、両肩に仕組まれた
三連装砲を吹雪に向けた。
猛獣「グルルルル……」
吹雪・天馬「ッ!?」
ズドーン!
猛獣は多数の砲弾を吹雪に向けて放った。
天馬は慌てて吹雪の前に立ち、両腕をクロスして
構えた。
吹雪「天馬君!!」
天馬「波動防壁、出力最大!!」
ピカーン!
天馬と吹雪の目の前に、今まで誰も目にした事の
無い程の輝きを放つ波動防壁が展開された。
ドカーン!
猛獣の砲弾は波動防壁に激突し爆発。
天馬と吹雪は爆煙の中へと消えた。
煙がおさまると、そこには中破し海面に膝を着く吹雪。
そして大破したものの、辛うじて海面に立つ天馬の
姿があった。
吹雪「くぅぅ・・・!」
天馬「くっ・・・!」
睦月「吹雪ちゃん!」
雪菜「天馬!」
バトルシップイレブン一同は直ぐ様二人の元へ
駆け寄った。
夕立「吹雪ちゃん!」
赤城「大丈夫ですか!?」
吹雪「私は平気です。
でも天馬君は・・・。」
剣城「さっきの砲撃で、波動砲以外の全ての
武器が破壊されてしまいました。」
長門「波動防壁を出力最大で展開していたにも関わらず
大破まで追い込むとは、なんて破壊力だ・・・。」
天馬「こうなったら、波動砲で・・・。」
天馬は唯一生き残った艦首型艤装を正面で合体させ
波動砲の発射体制に入った。
剣城「やめろ天馬!
艤装が大破した状態で波動砲を撃つなど、
言わば自殺行為だぞ!
やめるんだ!!」
剣城の忠告を他所に、波動砲発射口辺りに
エネルギーが集まりだした。
バトルシップイレブン一同は天馬の遥か後方へと
避難した。
天馬「波動砲フルパワー!
いっけえええええええええ!!」
バッシュウウウウウウゥゥゥ!!
天馬は渾身の波動砲を戦艦棲姫に向けて放った。
戦艦棲姫はバリアを展開し波動砲を防いだが、
勢いに負け少しずつだが後ろへと下がっていた。
天馬「よし、このまま!!」
天馬はエンジンが焼き切れるまで波動砲を戦艦棲姫に
放ち続けるつもりでいた。
だが・・・
ピキンッ!
天馬「っ!?」
突然、艦首艤装にヒビが入り始めた。
ヒビは数秒で全体に広がり、一部のヒビから炎が
吹き出し始めた。
剣城「まずいっ!
天馬!
波動砲を切り離して後退しろ!!」
だが、剣城が叫んだ頃には時既に遅し。
ドカアアアアアアン!!
天馬の波動砲は大爆発を起こし、巨大な爆音を
辺りに響かせた。
爆風は棲地MIの地面を抉り、海上は荒波をたてる。
艦娘達は爆風と荒波に耐え、爆風が止むと、
前方には火山の高さを遥かに超える黒煙が上がっていた。
大和「・・・天馬君、どうなっちゃったんでしょう?」
神童「微弱だが、波動エンジンの反応はあります。
沈んではいません。」
すると、黒煙の中から天馬が姿を現した。
吹雪「天馬君!!」
吹雪と雪菜は慌てて天馬の元へと駆け寄る。
だが・・・
ザバーン!
天馬は力尽き、その場でうつ伏せに倒れ気を失った。
吹雪「えっ・・・?」
雪菜「天馬・・・。」
天馬の身体は傷だらけになり、血が出ている
所もあった。
波動砲は爆発で前部二分の一が無くなっていた。
吹雪と雪菜は共に天馬を担ぎ、急いで長門の元へ
向かった。
吹雪「長門さん、天馬君が!」
長門「全艦娘に通達!
現時刻をもってMI作戦は中止!
直ちに現海域より離脱し鎮守府へ帰還せよ!
繰り返す、鎮守府へ帰還せよ!!」
長門の指示で、棲地MI周辺にいる艦娘達は
その場を離れ鎮守府へと向かった。
戦艦棲姫「・・・ツマラナイワ。
モット歯応エノアル連中ダト
思ッテタノニ。」
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~鎮守府 指令室~
その日の夜、長門と陸奥は指令室にいた。
そこには夕張と大和の姿も。
長門「夕張、天馬の艤装の修復状況は?」
夕張「波動砲を除く武装は全て応急修理を終え、
これから本格的な修復作業に入ります。
ですが、艤装本体と波動砲は損傷が激しすぎる
ので、応急修理だけでも難航しています。
波動エンジンは冷却装置とコンデンサの一つが
やられましたが、機材を交換すれば問題
ありません。
完全修復までの期間は早くて1週間と
見ればよろしいかと。」
長門「大和、天馬の容態は?」
大和「意識は無事に回復しました。
ですが戦闘で受けたダメージが酷く、等分は
まともに動けないかも知れません。
今、吹雪ちゃんと雪菜ちゃんが看病を
してくれています。」
長門「そうか・・・。」
夕張「それと、長門秘書艦。」
長門「何だ?」
夕張「天馬君の艤装を修理していて、分かった事が
あるんです。」
長門「分かった事?」
夕張「天馬君の艤装には、次元波動エンジンの要
ともなる重要部品・・・
波動コアが無かったんです!!」
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~104病室~
その頃、104病室では吹雪と雪菜が天馬の
看病をしていた。
天馬は手足に包帯やシップをした状態で眠っている。
吹雪「まさか、天馬君が負けるなんて・・・。」
雪菜「大丈夫。
天馬は今まで数えきれないくらいの修羅場を
潜り抜けて来たんだから。
それは一番近くにいたあなたがよく知ってる
はずよ?」
吹雪「うん・・・。」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
~甘味処 間宮~
次の日の午後、バトルシップイレブン一同は
間宮の店にいた。
赤城「まさか天馬君が負けるだなんて、思って
ませんでしたね・・・。」
加賀「戦場では何が起こるかは分からないと
言いますが、あそこまでなるとは正直
予想外でした。」
瑞鶴「天馬が復帰するまで、私達正規空母が
頑張らないとね。」
翔鶴「そうね・・・。」
大和「空母の皆さんだけではありません。
我々戦艦も天馬君の穴を埋めなければ
なりません。」
金剛「マッツーの宇宙戦艦ヤマトは、私達戦艦
数人分の戦力となってました。
だから、マッツーの戦力をカバーするには
今のメンバーでは足りないデス・・・。」
霧島「その通りですね・・・。」
吹雪「前から思ってたんだけど、天馬君が戦闘で
怪我するのって私が悪いのかな・・・?」
睦月「どういうこと?」
吹雪「天馬君は私達を守るために戦ってくれてた
けど、私なんか毎回の様に戦闘の度に負傷して、
その度に天馬君は身体をはって守ってくれて
その度に怪我もしてる。
今回だって天馬君は私を戦艦棲姫の攻撃から
守ろうとしたせいで大怪我を負う
結果になった・・・。
だから、天馬君が傷を負うには、私が
一緒にいるのが原因なんじゃないかって
思っちゃうの・・・。」
夕立「それは、少し考えすぎじゃない?」
吹雪「えっ?」
神童「天馬は自らの意思で吹雪さん達を守るため
戦うと決心しました。
例えは悪いですけど、仮に吹雪さんが自分を
守るように天馬に指示を出して守らせて
いたとすれば、それは吹雪さんの責任と
なるでしょう。
ですが今までは、天馬自らの意思で吹雪さんを
守っていました。
ですから、吹雪さんの責任ではありません。」
吹雪「そうだけど、でも・・・。」
吹雪は首飾りに付いている小さなオレンジ色の
カプセルを見つめていた。
雪菜「その首飾り、どうしたの?」
吹雪「MI作戦の前に天馬君が預けてくれたんです。
ヤマトのエンジンから出てきた知らない
部品だって。」
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~工廠~
MI作戦が発動する少し前、天馬は誰もいない
工廠で艤装の修理をしていた。
すると・・・。
天馬「ん?」
波動エンジンを修理をしていた際、見知らぬ部品を
発見した。
長さ1・2センチあるかどうか分からないくらい
小さなオレンジ色の楕円形のカプセルだ。
天馬「何だろう、これ?」
すると・・・。
吹雪「天馬君、何してるの?」
突然、吹雪がやって来た。
天馬「吹雪さん。
作戦前に自分の艤装の修理をしているんです。
万が一故障なんかのトラブルがあっては
いけませんから。」
吹雪「なるほど。」
天馬「あ、そうだ。」
天馬は先程発見したカプセルを吹雪に渡した。
吹雪「何これ?」
天馬「俺にも分からないんですけど、波動エンジンを
見ているときに出てきたんです。
重要部品って可能性もありますから、
吹雪さんに預かってほしいんです。」
吹雪「えっ?私に?」
天馬「今俺にとって安心して預ける事が出来る
人物は吹雪さんしかいないんです。
お願いします。」
吹雪「う~ん・・・わかった!
私が預かってあげる!」
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吹雪「というわけで、なくしたらいけないと思って
首飾りにして持ってるんです。」
雪菜「なるほどねぇ。」
すると・・・
『鎮守府ノ提督、及ビ艦娘達ニ告グ。
我ハ深海棲艦、戦艦棲姫デアル。』
一同「っ!?」
突然、鎮守府中のスピーカーから戦艦棲姫の声が
聞こえてきた。
『現在、オ前達ノ鎮守府ハ我ノ射程圏内ニアル。
今カラ三十分後、鎮守府ヘノ砲撃ヲ開始スル。
命ガ欲シイ者ハ今カラ退避スルコトヲ
オススメシヨウ。』
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~提督室~
提督「大変な事態だな……」
長門「どうされますか?
このまま待っても、全滅するだけです。
直ちに鎮守府から退避するべきかと・・・。」
提督「しかし・・・。」
すると・・・
大淀「長門秘書艦、大変です!」
長門「どうした?」
大淀「たった今、工廠の夕張から連絡が入りました!
天馬君が宇宙戦艦ヤマトの艤装を装備して
海へ出たそうです!
それも怪我が治っていないうえに、艤装の
修理が完了していない状態でです!」
長門「な、なんだと!?」