バトルシップイレブン ~艦娘とサッカー少年達の出会い~ 作:ヒビキ7991
~ショートランド泊地 居住区 103号室~
次の日の朝、吹雪・夕立・天馬・剣城・神童は睦月と如月のいる103号室を訪れていた。
睦月
「フフッ。」
睦月はスヤスヤと眠る如月の寝顔を見て、何やら幸せそうだ。
剣城
「もうすぐ起床時間ですよ?」
神童
「そろそろ起こさないと・・・。」
睦月
「もうちょっとだけ。可愛いなぁ~。」
夕立
「睦月ちゃん、すっかり如月ちゃんに夢中ッポイ。」
・・・と、如月が目を覚ました様だ。
如月
「・・・ん?」
睦月
「おはよう、如月ちゃん!」
如月
「睦月・・・ちゃん?」
睦月
「具合はどう?」
如月
「うん、大丈夫。」
如月はゆっくりと身体を起こす。
吹雪
「おはよう、如月ちゃん。」
天馬
「おはようございます!」
夕立
「ッポイ?」
剣城
「調子良さそうですね?」
吹雪・天馬・夕立・剣城は如月に声をかける。すると、如月は何やら不思議そうな表情を浮かべた。
如月
「・・・あなた達は?」
吹雪・天馬・夕立・剣城
「えっ?」
吹雪達は一瞬キョトンとした。
吹雪
「ふ、吹雪だよ?」
天馬
「天馬です・・・けど?」
剣城
「剣城ですよ!もしかして、覚えて無いんですか?」
睦月
「違うよ!きっと疲れてるだけだよ!」
夕立
「そ、そうだよね・・・きっとそうッポイ。」
吹雪達は睦月の言葉を信じ、取り敢えず疲れによる一時的な記憶障害だという事にした。
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~指令所~
それから約二時間後、指令所では大和が長門と陸奥に昨晩の声について話していた。
陸奥
「それで、その声はそれっきり?」
大和
「はい。ただ、何だか吸い寄せられる様な声で。」
長門
「実際、似たような報告が他の艦娘からも上がっている。本海峡での何らかの自然現象とも考えられるが・・・大淀、そっちはどうだ?」
大淀
「はい、水上偵察機及び同海域作戦中の艦娘によって、声が確認された場所を纏めてみました。」
大淀はテーブルにソロモン諸島の海図を広げ、声が確認された範囲を丸で囲んだ。
大淀
「ココです。」
陸奥
「完全に同心円上ね。となると、円の中心が声の発生源。」
長門
「・・・《アイアンボトム・サウンド》か。」
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~ビーチ~
同じ頃、天馬は雪菜とマーズと話をしていた。
雪菜
「アイアンボトム・サウンド?」
天馬
「別名"鉄底海峡"。ソロモン諸島のサボ島、フロリダ諸島の南方、ガダルカナル島の北方に存在する海域の通称だよ。太平洋戦争中、日本とアメリカの大消耗戦となった場所で、第一次・第三次ソロモン海戦やサボ島沖海戦等の海戦によって、多数の艦船や航空機がその海域に沈み、その残骸が海底を埋め尽くしていることからその名が付いたんだ。」
マーズ
「もしかして、例の声にはそのアイアンボトム・サウンドが関係してるって事?」
天馬
「そこまでは分からない。でも、謎の声と赤く変色した海の原因には、きっとアイアンボトム・サウンドが大きく関わってる気がするんだ。」
ドカーン!
突然、何処からか激しい爆発音が聞こえた。
天馬
「な、何だ!?」
マーズ
「今の音、港の方からみたいよ。」
雪菜
「行ってみましょう。」
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~港~
天馬・雪菜・マーズは爆発音がしたと思われる港へと向かった。
天馬
「なっ!?何だコレ・・・。」
港へと着き目に入ったのは、大破したクレーンと酷く怯え身体を震わせる如月の姿だった。
天馬
「吹雪さん!」
天馬達は如月の近くに居た吹雪・睦月・夕立のところへ向かう。
吹雪
「天馬君。それに、雪菜さんにマーズさんも。」
雪菜
「いったい何があったの?」
吹雪
「それが・・・。」
「いったいどうしたんだ?」
そこへ、長門と加賀が様子を見にやって来た。
天馬
「長門さん!加賀さん!」
夕立
「あの、如月ちゃんが急に・・・。」
長門・加賀
「・・・!」
如月は何かに怯えてるかの様に身体を震わせ、睦月が如月を落ち着かせようと後ろから優しく抱き締めた。
如月
「私・・・私は・・・。」
睦月
「大丈夫。きっと混乱してるだけだよ。」
如月
「でも…」
天馬
「・・・何があったんですか?」
天馬は吹雪と夕立に声をかけた。
吹雪
「実は、みんなで如月ちゃんのリハビリを兼ねて演習をしてたんだけど・・・。」
夕立
「如月ちゃん、急に目の色を変えて私達に攻撃してきたッポイ。私達は演習用の魚雷で何とか如月を大人しくさせたッポイんだけど・・・。」
加賀
「・・・。」
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~ビーチ~
その後、加賀と長門は場所を変え、加賀はある事を長門に提案した。
長門
「いいのか?仮に伝えるのであれば、私が・・・。」
加賀
「いえ、私からあの子達に伝えます。それが最善かと・・・。」
長門
「・・・分かった。」
加賀
「ありがとう。」
加賀は一礼をし、その場を離れる。すると、ジャングルを抜けて直ぐ、瑞鶴に会った。
瑞鶴
「あのさ、昔聞いたことがある。艦娘の中に、轟沈した後の記憶を持っている空母が居るんじゃないかって。」
加賀
「・・・。」
加賀は何も言わず、瑞鶴の横を通り過ぎる。
瑞鶴
「ねえ、何で何も言わないの?」
加賀
「・・・。」
加賀は足を止め、小さくため息を吐くと、瑞鶴に顔を向けた。
加賀
「・・・そうね、貴女にも話しておこうかしら。」
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~居住区 103号室~
夕方、如月は103号室に居た。だが身体の震えはまだ治まっていない様だ。
如月
「私は・・・私は・・・。」
コンッコンッコンッ・・・ガチャ
そこへ、吹雪・睦月・夕立・天馬・雪菜・マーズが様子を見にやって来た。
睦月
「気分はどう?」
如月
「睦月ちゃん・・・。」
睦月は如月にお粥の入った茶碗とスプーンの載ったお盆を渡した。
睦月
「はい、ご飯持ってきたよ。昨日はちゃんと食べてないでしょ?」
如月
「ありがとう・・・。」
如月は睦月からお盆を受けとる。その左腕にはうっすらだが、セーラー服の袖の辺りから青紫色の痣らしきモノが見えていた。
夕立
「ボソッ・・・あんなところに痣なんてあったッポイ?」
吹雪
「う~ん・・・。」
吹雪達は心配と不安で一杯だった。
如月
「・・・私、ここに居ても良いのかな?」
天馬
「如月さん・・・。」
睦月
「何言ってるの!?良いに決まってるよ!だって、今まで一緒に居たじゃない!」
如月
「でもね・・・なんだか私、タマに意識が無くなるの。」
雪菜
「意識が、無くなる?」
如月
「うん。帰りたいって思いながら・・・でも、どんどん離れていって、暗いところに落ちて行くの・・・沈んで行くの。怖いんだけど、嫌なんだけど、でも行かなきゃって思うの・・・。」
睦月
「何言ってるの!?そんな事ある訳無いでしょ!?何度も怖い夢を見たから、そう思ってるだけだよきっと!」
如月
「私もそう思ってた!でも私、気付いたら撃ってた!私恐いの!このままじゃ私、いつかみんなの事も・・・!」
マーズ
「如月さん・・・。」
如月は泣いた。悲しいのか、恐いのか、とにかくひたすら泣き続けた。そして夜になり、如月は泣き疲れたのか静かに眠りについた。
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~廊下~
如月が眠りについたのを確認した天馬達は、剣城と神童を部屋の外に呼び、昼間の事を話した。
神童
「そうか、そんな事が・・・。」
剣城
「如月さん・・・。」
「吹雪さん、皆さん。」
するとそこへ、赤城と加賀がやって来た。
吹雪
「赤城先輩。」
赤城
「如月さんは、どう?」
吹雪
「少し前に、眠ったところです。」
赤城
「そう。」
加賀
「・・・。」
ガチャ
加賀は何も言わず、如月の居る部屋のドアを開けて部屋に入った。
天馬
「加賀さん?」
そして如月が眠っているのを確認すると、部屋を離れ、静かにドアを閉めた。
加賀
「・・・みんな、少し宜しいかしら?」
雪菜
「加賀さん?」
加賀
「貴方達に、話しておきたい事があるの。」
天馬
「・・・?」