大地を駆ける~疾走する地竜~   作:アンゴラチャーハン

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ちょっとキャラ付けの為に台詞にカタカナが多くなってます。
これからこの子が出てくるシーンはこんな感じの文章が多いです。


番外 ロストテクノロジー

ここはハルケギニアではなく、地球。

我々の住む世界住む星の地球である。

 

その中の日本、東京にその人とその一体はいた。

 

「助かったよ。お前がいなかったら、わざわざ修理に出さなくちゃいけないところだった。」

 

自宅の一室で満足そうにパソコンの画面を眺めている少年、彼の名は平賀才人。

才人のパソコンは本来は修理に出されてしばらくは手元に帰って来ない筈だった。

しかし、才人の目の前にいる〈彼〉はそれを物の数時間で万全な状態に修理してしまった。

 

「問題無イ。コノ環境なら必要な物は直ぐに集められル。」

 

どこか無機質な雰囲気の、男性風だが音の高い声が才人の礼に返答をする。

 

「しかし、ホントにすごいよなお前。何でもかんでもできちゃうんだもんな。」

 

「私は超古代文明の技術の最高峰。機械の修理は技術形態が多少違おうとも自己学習し簡単にやってのけるのサ。」

 

「はー…。本当に溜め息が出ちゃうぐらいできちゃう子だなお前は。」

 

才人は本当に溜め息をつきながら、彼を褒め称えた。

 

「機械やその他諸々修復できて、家事もできて、防犯もしてくれル。自己修復機能までついて必要なのは1ヶ月に一度のオイル補給、燃料も一人で調達してきちゃウ。我ながら万能ロボットダ。」

 

「ははは…やっぱ結構お調子者だな…お前。」

 

才人は苦笑しながらも、このロボットのどこか人間味のあるところが面白くて、一緒にいて楽しいと感じていた。

 

「家政婦紹介所に行って、求職してみようカ。一家に一体、未来の家政夫。……ン?私は超古代文明のロボットだから何だか不思議な感じだナ。」

 

彼、そのロボットはひっくり返したラーメンどんぶりに四本の円筒形の脚がついたような形態、飛行形態に変形し深夜放送でやっている海外通販番組のようなbgmをスピーカーから鳴らして左右にふよふよと漂っている。

 

「おいおい、マスターの所に戻るのはどうしたんだよ。」

 

才人がそういうと彼はスピーカーの音楽を止め、四本脚で着地した。

 

「その通りダ。私はマスターの所へ帰らなくてはならなイ。」

 

彼は体をほんの少し床から浮かして窓際へホバー移動する。

 

「だが何らかの帰還の手段を探そうにも奇妙な事が多すぎル。この世界がそもそも自分の元居た世界とは思えないほどニ。」

 

「というと?それは一体どういう……?」

 

才人が彼に問うと、彼は才人の方へ向き直った。

 

「さっきも言ったが技術形態が違いすぎル。それに歴史がはっきりと記録され、尚且つ超古代文明の機械的な遺物が発見された様な記録はなイ。」

 

「ああ、少なくとも今ですらお前はオーバーテクノロジーだ。ロストテクノロジーなんて言われても俺が習った歴史の中にお前が造れるような時代がある訳ねえ。」

 

「私の世界の未来なのかもと思ったが、超古代文明の歴史が完全に消え去ったとしても、円盤石発掘などの再生文明の痕跡すら無いというのはどう考えてもおかしイ。」

 

「じゃあここはお前の元居た所から見て何なんだ?」

 

「……あまり非科学的な事は言いたくないが、恐らく此処は私の居た場所から見て異世界のような場所なのだと思ウ。」

 

「異世界!?」

 

「私自身かなり可笑しな事を言ってるのは承知の上ダ。」

 

「…信じるよ。おちゃらけてるけどお前は変な嘘はつかないから。」

 

「ありがとう、才人。」

 

「でもならどうやって帰りゃいいんだよ。そもそも過去とか未来とかでも訳わかんねーのに、異世界なんて無茶苦茶だ。」

 

「……逆に言えば状況は別に悪い方向には転んではいなイ。これからも私達が初めて会った場所を地道に調べる、先ずはそこからダ。」

 

「どうにも近道とか、ぱっと解決できる方法は無いみたいだな……。さてと…」

 

才人が立ち上がり時計をみると、針はもう夕方の時間をさしていた。

 

「とりあえず今日は腹ごしらえして寝ないか?時間がかかるってんなら、今はしっかり休んでおいてさ、てがかりは明日探そう。」

 

「そうだな、私もオイルを補給して、スリープモードに入るとしよウ。」

 

ロボットも再び浮遊し、部屋を出ようとする才人について行こうとしたその時だった。

 

「!?、なんだこれ!?」

 

才人の目の前に鏡のような物が突然現れた。

そして何の気なしに歩こうとしていた才人の手が触れてしまっていた。

 

「……私は…これを…見た事が…」

 

その一瞬の間にロボットはこの鏡をかつて見たことがあることに気づいた。

そう、自分はこの鏡に吸い込まれてこの世界に来てしまった事を。

 

「!……いけない!才人!」

 

もう右腕が鏡の中に吸い込まれてしまった才人の左腕をロボットが掴む。

 

「うわ!す、吸い込まる!」

 

「な、なんてパワーで吸い込んでいるんだこれハ……!」

 

ロボットと才人がしっかりと手をつなぎあっているのに鏡はどんどん才人を吸いこみ、才人の頬が鏡にふれてしまっている。

 

「い、いかン…!これ以上パワーをあげたら才人ガ…!」

 

「……手を離してくれ!お前までのみこまれちまうぞ!」

 

「な、何を……!」

 

だがどうだろう?

このまま引っ張り続けたら才人は無事ではすまないだろう。

それにこの鏡は十中八九何らかの異世界への扉だ。

もし飲み込まれたらこの場所ですら何も分からない場所なのに他の世界へ行って私はマスターの元へ帰れるのか?

この鏡が運良くマスターの世界に続いてる保証など無い。

 

「……才人、どうやら私では引っ張り戻せないようダ。」

 

「…おう。」

 

才人の顔は既に半分引きずり込まれているが、少し悲しそうな表情をしているのがわかる。

 

「だが安心しロ。」

 

「え?」

 

 

「私は目の前で困ってる友達を見捨てるほど薄情では無イ……!」

 

ロボットはむしろ才人と一緒に鏡に飛び込んだ。

 

「お、お前…!」

 

「大丈夫ダ。才人、この先に何が待ち受けていようと私がお前を守ル。お前が私を助けてくれたよう二。」

 

 

「このヘンガーがお前を守ろウ。」




というわけでヘンガーハルケギニアへ。
これにて一章が終わり………まさか書き始めて一年以上かけて一章とは……。
一章とりあえず書いてみて公開しようと思っていたらとんでもないことになってしまった。

これからも気まぐれ不定期更新ですが改めてよろしくお願いします。
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