魔法科高校の優等生〜鳴上悠編〜(仮)   作:枯葉183

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更新は亀になります。
1日1回を目標にしたいですが、果たしてそんな時間はあるのか…
ですが、初投稿頑張っていきます!

2015.5.12 更新


prologue

「…はぁーー……」

 

開始早々の溜息だが、勘弁して貰いたい。

なにせ、大量のSP消費で大分足元がフラフラで、借りてるマンションに入るのも億劫なんだ。

…誰にはなしているか?

…そっとしといてくれ。此方に渡って来てホームシックにかかってるだけだから平気だ、多分。

リビングのソファーへダイブすると、漸く力が抜けた気がした。

うつ伏せのまま、利き手を前に出すと俺の手から、透明のタロットカードが出て宙に浮き、やがて割れる様に弾け、宙に四散する。

すると、まるでタイミングを見計らった様に、リビングからコツンとヒールがフローリングを叩く音がした。

 

「…マーガレット」

 

「こんにちは、お客様。体調は平気かしら?」

 

彼女の言葉に俺は苦笑い混じりに笑うと、片手をヒラヒラとうごかす。

 

「…この状態を見て、平気って思える?」

 

「大丈夫には、見えなさそうね…」

 

「まぁ、両手以上はこうなってるから、さほどは調整が取れてるよ」

 

なら良かったわ。と、どこからともなく現れた女性…マーガレットは懐から飴玉の入ったパックと、炭酸ジュースを取り出すと、カップの包みを開け中から包装された飴玉を取り出すと、俺の口の中に放り込んだ。

…珍しい事をするな。まぁ、断る理由も無いしと素直に口の中でコロコロと飴玉を転がす。

 

「それで、入学試験はどうだったの?」

 

「ああ、今日はそれを聞きに来たのか。…まぁ、それなりに。実技は何とかなったけど、筆記試験がこの世界(・・・・)に来てから三年しかたってないから、良いとは言えないな」

 

飴玉を舐めた事で大分体調が良くなった。

ソファーに座り直し、机の上に置いてあった炭酸ジュース…リボンシトロンの缶を開け一口飲む。

飲んでから苦笑いしたのは、ちょっとした理由があるから。

 

「本当これがないと霊子(プシオン)の検査する時に引っかかるよ。…まさかのSP回復ドリンクが栄養ドリンクになるなんて…」

 

そう今日は国立魔法大学付属第一高校の試験日。

入学希望者は魔法技能他、筆記試験等様々な項目をクリアして行き、推定基準を合格する事で初めて入学する事を許される。

しかし、別の世界から渡って来た俺にとってはこの世界に存在する霊子が元々無いので、とある方法で入学試験に挑んだ結果が先程、ソファーにぐったりと倒れこんだ原因な訳だ。

 

「だが、やっぱり自分とペルソナを直接合体させるのは辛いものがある…」

 

「では、私の方でも考えておくわ。それから大事な事が一つ。…この世界で眼鏡を掛けてる人は殆どいないから、そういう人を見かけた場合、なるべく近づかないようにした方が良いわ」

 

「ああ、確か霊子放射光過敏症(りょうしほうしゃこうかびんしょう)…だっけ?」

 

「そう。魔法科高校に入ったとして、それが無いとバレたら大変な事になるから気をつけて頂戴」

 

「了解だ」

 

俺の言葉を最後に、マーガレットは瞬きをしてる間に消えていた。

机には置き手紙と、ベルベットルームの鍵。

そして俺が愛用していた眼鏡と、専用のカードケースの様なCADが置かれていた。

カードケースの前と後ろにはタロットカードの模様が描かれていて、とてもスタイリッシュだ。

大方、置き手紙に使い方の説明等が書かれているんだろう。

 

この世界に来て早三年。

元の世界と比べてこの世界は殺伐としていて、神経をすり減らす。

普通に殺しが身近に起こっているこの世界だが、俺が壊れないのは一重に、元の世界にいる仲間の繋がりが消えていない事と、とある兄妹に触発されたのが原因といえる。

 

そして一番の理由が、ベルベットルームの住人であるイゴールと、マーガレットに依頼されたとても大きなお仕事だ。

 

「・・・・。」

 

無意識に胸元に入った鈍色の小型銃を触る。

今回、俺が異世界へと渡ったのはそれにあった。

 

 

 

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