珀夜side
私はもう死ぬのだろうか。
目の前には、青い大型アラガミがこちらに近づいてくるのが見える。
走っても走っても追ってくる。
ゴッドイーターでもない私が戦えるハズがない。
だからといって、グレネードなんて貴重なもの、私は持ってない。
「(どうしよう……はやく知らせなきゃ……!!)」
足に全力をそそいだ。
感覚はもうマヒしてわけがわからない。
無我夢中で走った。
「っうわぁ!」
目の前に小型のアラガミがとびだしてきた。
どうしよう、囲まれた……
兄さんや父さん、母さんみたいに神器もない無力な私は、ただその場で死を待つだけだった。
‘‘あの事件''で死ななかっただけ、私は幸せだった。
私はアラガミを見て、その場に立つしかなかった。
ああ、兄さんは元気なのかな。
声くらい聞きたかったな。
その刹那、目の前に人影があらわれた。
深海のような髪に、大きな神器を軽々ふりまわす。
その姿がとてもかっこよくてキレイだった。
「大丈夫か?」
私が気づいた時には周りのアラガミは全て死んでいた。
「だ、だ、大丈夫です!」
やっと答えられた。
唖然としていた私には、言葉を発するのでやっとだ。
「ならよかった。もうアラガミはいない、気をつけて帰れよ。」
青い髪の人はそう言うと、くるりと背を向けた。
青いアラガミに神器を向け‘‘ホショク''とやらをしていた。
「あの、すいません、名前……」
「…秋人」
かすかに響くその名前は、私にとってとても輝かしかった。
その人に再び合うことは、まだ、知らずに。
同時刻、秋人side
「っと……これで最後か。」
本日のミッションはコンゴウ2体の討伐だった。
……コンゴウってさ、耳良いから困るんだよな。
おかげさまで2体同時に相手にしたから……まぁ、な。
輝いているような青空の下。
帰ったら久々にお昼寝でもしようか、そんなことを考えていると
《秋人さん、東の方角に新たなアラガミ反応です。お願いできますか?》
あらら、まだお仕事からは開放されないみたいだ。
「了解、今から向かう。」
そして俺はまたアラガミを倒すために指定された場所へ向かう。
________………
おそらくこのあたりなんだが……お、発見。
青い大型のアラガミが遠くに見える。
さて、どうするか。
作戦でも練ろうと思いもうすこし近づく。
ん?アラガミの近くになにか白い……
「…あれ……人か!?」
気づいた時には俺はアラガミに向かって走りだしていた。
無意識に。
とてつもない速さで。
たぶん、俺はまたあの時のように目の前で人を失いたくなかったんだと思う。
アラガミのもとへ着くと、まず周りの小型を一掃する。
てめえら邪魔なんだよ!!
そして最後に大物を、
全てのアラガミを討伐し終えた俺はさっきアラガミに襲われてた人の安否を確認するために振り返る。
アラガミに襲われてた人……彼女はまるで雪のように綺麗で真っ白な髪の色を持っていた。
とても……かわいいと思った。
……って、違う違う。
俺はハッとして‘‘大丈夫か?''と声をかけた。
「だ、だ、大丈夫です!」
良かった。
俺はこの子を守ることができたようだ。
「ならよかったアラガミはいない。気をつけて帰れよ。」
背を向け、捕食をしてヘリとの合流地点へと向かう。
その時に名前を聞かれとっさに名乗り去ってきたが、ヘリに乗ってから彼女の名前も聞けばよかったと後悔した。
また、会えるかな。
そう、呟いて俺はフライアに帰った。
この時、俺はこんなに近い未来にまた彼女と再開できるなんて思ってもいなかった。