珀夜side
「気を楽になさい。」
台の上の私に落ち着いた声が語りかけてくる。
だが、決してそれが私を楽にするものじゃなかった。
あのドリルみたいなの、絶対あぶない。
絶対いたい。
あれを見てから気を楽にするなんて、絶対無理だ。
ああ、動き出したどうしよう。
死んだらどうしよう。
「あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ッ!!!」
痛い痛い痛い!!!
体の骨を砕かれてる感覚だ。
意識が……遠く……。
あの時、会った人にあこがれて、ゴッドイーターになろうとここまで来たのに、
あの人に救ってもらった命、あの人の、秋人さんのために使いたい!!
だから……まだ………!!
「死ねない……!!」
私は力一杯おきあがった。
すると、目のまえには笑顔のラケルさんとブラッドの隊長さんが私を見ていた。
「おめでとう、今日からあなたは…切り込み部隊、''クラルテ‘‘に配属されます。」
「……切り込み…部隊?」
「今は体力の回復につとめなさい。」
そうして私は、ゴッドイーターとして''クラルテ‘‘というところに配属された。
……少したってから、私はフライアの中を見て回っていた。
あの人はここのゴッドイーターなのかな、
いや、Ⓥもしかしたら……別の支部……?
だとしたらすぐに会えないのかな……。
「だったらどうしよう……」
考えながらとりあえずエレベーターに乗った。
「…うわぁ……!!」
いろとりどりの花がたくさん咲いていた。
この船に、こんなところが会ったんだ。
あたりを見ながらあるいていると、木の下に人がいるのが見えた。
逆光で………よく見えない………。
「あの……!」
「あぁ…何……?どうかしたの?新人さ……」
「……あ、」
やっと見つけた、といっても、そんなに長い時はたっていない。
けれど、私には長く感じた。
あの時と同じキレイな深海色の髪、まっすぐした瞳、間違いない、あの時の人、
「秋人さん……!!」
運命なのか、偶然なのかわからない。
ただ、もう一度会えたことが何よりも嬉しかった。
たとえそれが、残酷な運命でも。
秋人side
まさかこんなことってありえるのだろうか。
彼女と出会った日から数十日がたった。
何度も、また会えるようにと願った。
ただ、彼女と出会った日のあと、俺は会議やらなんやらで本部の方へ行っていた。
そして、ちょうど昨日ここへ帰ってきたところだった。
だから俺は今日、またあの場所へ行ってみようと思っていた。
だけど、15分前かな…。
俺はミッションを受けるため、フランのいるロビーに向かう途中で……。
「あぁ、秋人。いいところに…」
「ラケル博士、どうしましたか?」
「ふふ…今日ね、新人がクラルテに配属されるわ。」
「…え、」
「仲良くしてあげてね?」
「ちょっ、えっ!?まっ……あ、行っちゃった……。」
せめて昨日言って欲しかった。
……しょうがない、か。
ミッションは明日受けよう。
新人が来るまでの間、庭園にでも居るか。
そして、今に至る。
「秋人さん……!!」
目の前にいる彼女は、俺がずっと会いたいと思ってたあの子だった。
「君が……今日配属された新人…。」
こんな偶然、あるのだろうか。
「また、会ったな。改めて、俺は秋人。……一応、クラルテの隊長をやってる。」
「たっ…た、隊長ッ!?」
「……まぁ、数ヶ月前になったばかりだがな。気軽に接してくれて構わない。」
……この再開の時にはすでに、俺たちの運命の歯車は動き始めていたのかもしれない。