Fate/blood arthur   作:枝豆畑

8 / 9
二月末と言いました










あれは嘘だ。







今回はテンポが早いです。ご了承を。









それでは、どうぞ(本当にすみませんでした)










再会と

 

 

 

 

 

 

 

「…おい、どういう意味だ?」

 

サーヴァントを側に控えさせていないにも関わらず、バゼットと名乗るこの女は、セイバーを前にしてもなお涼しげな表情を崩さない。

 

「どうも何も、そのままの意味ですよセイバー。ランサーは単身キャスターの陣営に乗り込み、そしてそこにいた貴女のマスターと合流したと、そう聞いています。ご安心を。貴女のマスターは無事なようです」

 

「…!!」

 

流石のセイバーもその言葉を聞き、剣は構えたままであるが少しは冷静さを取り戻したようだ。凛もはぁ、と息を吐く。

 

しかしそれも束の間。冷静になった反面、今のバゼットの発言により二人の体に再び緊張が走る。

 

 

「キャスターですって?…それに貴女のサーヴァントって…」

 

「ランサー…そうか、お前のサーヴァントはあのランサーってか」

 

凛が言い切る前に、セイバーが口を挟む。そして同時に、その表情も一層険しくなった。

 

「ええ…聞けば、彼(ランサー)とあなた方は既に面識があるようで」

 

「面識も糞もあるか。マスターがオレを召喚し損ねてたら、お前のサーヴァントにオレのマスターは聖杯戦争の"せ"の字も知らぬまま殺されてただろうよ」

 

「それも聞いています。ランサーは、貴方のマスターの突然の召喚には肝を冷やしたと言っていましたが…」

 

「?」

 

「過程はともあれ、貴方のマスターが一般人でなくて良かった。こちらとしても、無関係の市民を巻き込むのは好ましくはありませんから」

 

「…」

 

凛はそれを聞き、

 

「へえ、意外ね。協会から派遣された魔術師だって聞いてたけど、少しは協会には融通が効くヤツもいるのかしら?」

 

しかしバゼットは首を横にふる。

 

「勘違いしないで頂きたい。好ましくないと言っただけです。必要とあれば然るべき処置はします」

 

それを聞いたセイバーも、やはりその表情は険しいままであった。

 

それもそうだ。バゼットの話が正しいならば、ランサーと士郎が今、キャスターーー恐らくは士郎を拐ったサーヴァントの陣地にいる、と。

それはつまり、彼女のマスターである士郎の命は、良い意味でも悪い意味でも、ランサーのマスターであるバゼットの手中にあるということではないだろうか。

 

「そうかよ。綺麗事言ってるだけで、結局魔術師のやることってのは変わらねえってことだ」

 

セイバーは吐き捨てるように言う。

 

「話を戻せ。オレは今お前にも青タイツ野郎にも構ってやるほど暇じゃないんだ。…だが」

 

セイバーが剣先をバゼットに向けると、辺りが濃密な殺気に包まれた。

 

「オレのマスターに手を出すってんなら話は別だ。さっさと要件を言え。生憎オレは気が短くてな、お前の出方次第じゃ首斬りじゃすまねえぞ」

 

「…」

 

セイバーのその言葉には、偽りは無い。このサーヴァントに、冗談を言っていられるほどの余裕が無いのは分かりきったことだ。

 

 

しかし士郎の生死が敵陣営に委ねられている今、この執行者を刺激するような今のセイバーの発言は、本来ならば避けたいところである。

 

ーーーまぁ、こういう性分なんでしょうけど。

 

冬の真夜中、凛の頬に額から汗が伝う。たしかに今、セイバーがバゼットを殺すことは容易なことだろう。如何に魔術戦闘のプロと言えども、相手は世界にその名を刻み、後世に伝説として語り継がれてきた英雄…サーヴァントだ。だがその一方で、ランサーが士郎共にいるということは、すなわちその気になればランサーが士郎を殺すことも可能だということを意味している。

 

ーーーマスターたる士郎が殺されてしまっては、意味がない。それだけは何としても避けなければ。

 

 

「ーーーならば、ここは魔術師らしく等価交換としましょう」

 

 

しばらくして、バゼットが口を開いた。

 

「セイバーのサーヴァント、あなたが私を殺すことが容易だということはわかります。…無論、ただで殺られるつもりもありませんが」

 

「…御託はいい。さっさと続けろ」

 

「…セイバー、今は抑えて」

 

嗜めるように凛は言うが、セイバーはそれを一蹴する。

しかしそれに構わず、バゼットは口を開く。

 

「あなたが今私に手を出さなければ、ランサーにあなたのマスターをキャスターより救出させ、その命を保証する、というのはいかかでしょう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どういうこと…!?なぜ貴方(ランサー)がここに…!?」

 

突然姿を現したランサーを見て、キャスターのその表情に明かな焦りが生じる。

 

「それはこっちの台詞だ。キャスター、てめえ何でまだ生きてんだ?」

 

ランサーはそう言うと振り返り、俺の方を見て何ともばつの悪そうな表情を浮かべる。

 

「生きてるか、なんて聞いたけどよ。お前もだぜ坊主。どうしてどいつもこいつも、殺したと思ったヤツがピンピンしてるのかねえ」

 

「…!!」

 

 

「聞いてないわ!アーチャーだけでなく、貴方までセイバーのマスターと手を組んだというの!?」

 

声を震わせながら叫ぶキャスター。しかしランサーはそれを聞くとニヤリと笑う。

 

「ま、そうだったら面白いかもな。…しかしまあねぇ…坊主があの嬢ちゃんと手を組んだってか。やるじゃねえか、坊主」

 

からかわれているのは分かっているが、今のこの状況ではとても反応していられない。俺だけではない。キャスターも俺も、このランサーという男の放つ気に完全に呑まれている。

 

「じゃあ、なぜ貴方が…」

 

「聞くけどよ、お前」

 

ランサーはキャスターの言葉を遮ると再び彼女へと視線を移し、その槍を構えた。

 

 

 

ーーー瞬間、ランサーの放つ殺気がズシリ、と空間を包み込む。

 

 

「なぜなぜって、俺がお前を()()()()()のにそんなに理由が必要か?こうしてサーヴァント同士が鉢合わせちまってんだ。だったらお前、俺たちが戦う理由としちゃこれだけで充分だろ」

 

呪いの朱槍が風を切る音と共に、その刃を魔術師へと向けられる。それはすなわち、ランサーによるキャスターへの宣戦布告。

 

「ランサー…!!」

 

目深に被ったフードの下からでも、怒りに顔を歪ませているキャスターの表情が容易に想像できた。

 

そしてその瞬間、キャスターの手元には身の丈ほどはあろうという杖が出現した。これがおそらく、魔術師のサーヴァントたるキャスターの武装なのだろう。

 

「おう、ようやくその気になったか。わりいけどよ、お前を殺し損ねちまった俺のツケきっちり耳揃えて…」

 

 

 

ーーー次の瞬間

 

 

「返させて貰うぜ…!!」

 

「…ッ!!」

 

 

 

ーーー蒼い風が、柳洞寺に吹き荒れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや…これは不味い。大失敗にも程があろう。やはり仕掛けるべきは今夜では無かったようだぞマスター」

 

アサシンは一人言のようにそう呟くと、やれやれと苦い笑みを浮かべたままアーチャーへと意識を移した。

 

「なあアーチャー、そんな訳で今宵はここまでにして、引いてくれたりはしないか?」

 

しかしアーチャーは、そんなアサシンの言葉を一蹴する。

 

「戯け。元より君に用があって来たわけではないと言ったはずだ。都合が悪いのならば、君だけがここから去れば良い」

 

「おぉ…なんということだ。交渉は失敗か」

 

アサシンは参ったな、とため息をつく。

 

ーーーそもそも、こんな一方的な都合の良い交渉が成立する訳などないのだが。

 

だというのに、アサシンは本当に残念そうな表情を浮かべる。

 

「残念だが、ここから離れる訳にはいかない。だって君、 俺がこの門守らなかったらここを通るだろう」

 

アーチャーはアサシンの問いかけに無言で応じる。

 

「それはいけない。サーヴァントとして、俺にも与えられた任務を果たす責任がある」

 

アサシンがそういうと、アーチャーはフッと笑った。

 

「だがアサシン、君はその責任とやらを果たせなかった訳だ?」

 

 

ーーーその通り。事実として第三者たるランサーの柳桐寺への侵入を、つい先刻アサシンは許してしまった。

 

 

「然り。だからせめて君だけでも通さないってのは、俺の最後のプライド、もといマスターへの言い訳のためだ。本当に、聖杯戦争ってのは油断も隙もあったもんじゃないな」

 

アサシンは言葉を続ける。

 

「一番に君がここに来ることも、セイバーが来ないということも想定外。これだけ想定外のことが起きてる中で、まさかランサーが来るなんて誰が予想できる?」

 

「さして興味は無いが…まるでセイバーだけならばどうにかなっていたような言い方だな」

 

それを聞いたアサシンは、ニヤリと笑う。

 

「そのつもりだった…しかしこの状況では何を言っても、君には負け惜しみに聞こえるだろうさ。負けたつもりなど毛頭ないが」

 

「…」

 

「それにしてもだ。あの男(ランサー)は君たちの味方という訳ではあるまい?セイバーのマスターの危機的状況には変わってはいないと思うのだが、それは間違いなのか?」

 

アサシンの言葉は、衛宮士郎が未だに囚われの身であり救出の余地は無いのでは、という意図によるものであった。しかしアーチャーはフン、とつまらなそうに溜め息をついたあと、やれやれと笑みを浮かべる。

 

「さて、どうだかな…彼は血の気が多い。何かの拍子にあの愚かな小僧を殺してしまう、なんてこともありえるだろう」

 

「…おいおい、そりゃないぜ」

 

アサシンは彼の先程とは打って変わった様子が意味することを察したのか、大きな溜め息をつく。

 

「何があったか知らないが、()()()なんて、それはあんまりだろ」

 

アサシンがそう言うと、アーチャーが顔を向けた。

 

「二と言ったな。やはり協力者がいたか」

 

「おっと…」

 

アサシンはわざとらしく口を押さえる。

 

「ライダーかキャスター…己は表に出ず、本来ならば陰に徹するべきアサシンのサーヴァントに前衛を任するあたり、おそらくは後者なのだろうが」

 

「…君もなかなかキレ者だな」

 

しかしそう考えるのも当然か、とアサシンは付け足しす。

 

「だからきっと、向こうも今頃はランサーと…ね。ランサーがどれだけ強いかは知らないが…果たしてキャスター(彼女)は勝てるのだろうか」

 

そんなことを言っておきながら、アサシンはただただ苦笑いをするばかりである。

 

「…随分と余裕だな、アサシン。協力者といえども、所詮は…」

 

「おっと、それは違うな」

 

「…?」

 

アーチャーがなにかを言い出す前にアサシンはそれを遮り、尚且つ否定した。

 

「君はきっと"いずれは敵になる"とか、"その場限りの仲間"とか、そんなことを言うのだろうが…それは違う。そりゃたしかに向こうは俺を利用してるだけかもしれないが…まあ、それもまた良し」

 

「…」

 

「なんだその顔は」

 

アーチャーは黙って聞いている。相変わらずこのアサシンという男の思考は読めたものではないが、それでもその言葉には何か裏がある…ようにも思えない。

 

「…まあいいさ。それに、キャスターは死なない」

 

「?」

 

一人言のように、アサシンはそんなことを言った。

 

「ランサーに負けても、きっと上手いことやってくれる。そんでもってランサーは今夜は撤退する、と」

 

突然のその言葉に、流石のアーチャーも眉をひそめる。

 

「何を言い出すかと思えば…ランサーが勝ち、それでいてキャスターに止めを刺さないだと?なんだねそれは、君の希望的観測か?」

 

それを聞くとアサシンは首を僅かに傾ける。

 

「どうだかな。言うなれば、確定された未来の予測というべきだろう」

 

「…?」

 

「ま、そんな難しい顔するな」

 

そして自身のこめかみを指で軽く突きながら、アサシンは言う。

 

「要するに、俺の勘だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そらそらぁっ!!」

 

ランサーの朱槍がキャスターへと襲いかかる。キャスターがいかにランサーから距離をとろうとも、それ以上の速度でランサーは距離を詰める。

 

「速い…」

 

俺にはこの男の姿をまともに視界に収めることができない。きっと俺だけじゃない。常人なら誰だって…もしかしたらサーヴァントですら、この槍兵の動きについてこれる者はいないかもしれない。

 

「…ッ!!」

 

キャスターが幾つもの魔力弾を放つ。鈍くも、それでいて美しく輝くそれらは、素人魔術師の俺でも分かるくらいに濃密な魔力の籠められた一級の魔術であった。

 

「ハッ…!!」

 

…しかしランサーはいとも簡単に、放たれた魔弾を一つ一つ撃ち落としていく。その槍捌きは確実に、昨晩セイバーと交えた時のものよりも速く、そして強力なものだ。

 

「…同調(トレース)開始(オン)

 

気が付けば、衛宮士郎という魔術師が扱える唯一の魔術ーーー 強化を行うための詠唱をしていた。

 

対象は俺の目だ。回路より魔力を視神経へと流す。

 

ーーーこの二人のサーヴァントの戦闘を、もっとよく見たい。

 

セイバーは言っていた。才能の無い俺が強くなるには、戦場で強者のあらゆる技術を盗み、己で磨くしかないと。

 

ーーーだったら…!!

 

 

「あッ…!?」

 

 

瞬間、俺の眼球に激痛が走る。それもそうだ、なんせ目に強化を使うなど初めてやったことなのだから。

 

ーーー構うものか。今はただ…!!

 

痛みをこらえ、戦闘中のランサーとキャスターへと視線を映す。見れば、完全とまではいかないが先程より鮮明に彼らの動きが見てとれた。

普段の鍛練では、唯一使えるこの強化の魔術ですら安定させて成功することなど滅多になく、これまで何度も失敗を繰り返してきた。だとすれば、今宵の出来は俺にしては中々上出来じゃないだろうか。痛みこそあるものの、一発で成功させたのだから。

 

「…!!」

 

…なんてことを考えている場合ではない。本来ならばできて当然なのだ。こんなことで喜んでいたら、きっとまたセイバーや遠坂にヘッポコ呼ばわりされてしまう。

 

そう自身に言い聞かせると、俺の意識はランサーとキャスターの戦闘へと戻っていく。

 

 

 

 

 

ランサーの槍が、再びキャスターの姿を捉える。戦況はほぼ常にランサーが攻め、キャスターがそれから逃げる。それの繰り返しだ。

 

しかし、それでもランサーがキャスターに止めを刺せずにいるのは、キャスターの扱う魔術によるものだろう。

 

「チッ…!!」

 

キャスターへとランサーが突き出したはずの槍が空を切る。そして気が付けば、ランサーの目前にいたはずのキャスターは彼の背後で魔術を放とうとしていた。

 

ーーーこれは空間転移。現代では実現不可能と言われる神代の魔術…言うなれば魔法の真似事をキャスターは自身の神殿たるこの柳洞寺にて自在に扱うことを可能としている。

 

「…なるほどな。だったらお前の魔術と俺の槍、どっちが速いかで勝負って訳だ」

 

ニヤリとランサーは笑う。そして放たれた幾つもの魔弾の間を縫うようにしてすり抜けると、再びキャスターへと距離を詰めた。

 

「…!!」

 

しかしその時、キャスターの放った魔術が強い光を放つ。俺も、戦っているランサーも一瞬だがその眩しさに視界を奪われる。

 

ーーー数秒後、俺はゆっくりとその目を開く。

 

「な…」

 

それは異様な光景であった。

 

キャスターは、その身を包んでいたローブを翼のよう広げると、ランサーを上空より見下ろして…そう、飛んでいたのだ。 しかしランサーはためらうことなく、それを追うように跳躍し再びキャスターへと槍を振るう。

 

「よう、そんなに高いところが好きか…!」

 

ーーーランサーか一閃。しかし…

 

「しつこいのよ…!」

 

一瞬にして展開される幾重もの魔術障壁。その一つ一つが、神代から蘇った奇跡の結晶。それでもランサーは、自由の効かない空中にも関わらず、その軽い身のこなしでキャスターへと飛び掛かると、目前の障壁を破壊する。

 

「墜ちなさい…!」

 

瞬間、破壊された魔術障壁のその向こうから、キャスターの放った魔術の炎がランサーへと飛来してきた。

 

「うぉっ…!?」

 

槍を盾にするが勢いに呑まれ、キャスターの言うがまま地上へと振り落とされる。キャスターはさらに魔力弾を放ち、ランサーへと追撃する手を止めない。

 

本来ならば、これ程の大魔術を連続で行使することなど

、魔術師のサーヴァントであるキャスターにしてみても決して容易なことではない。無論、彼女自身の魔術の腕は、おそらくはキャスターとしては一流に属されるものだ。しかし、やはりそれを可能とさせているのは、この柳洞寺という彼女が作り上げた魔術工房ーーーいわば神殿の為す彼女の異界によるものだろう。

 

 

さながら雨のように地上へと降り注がれるキャスターの魔術から、ランサーは攻めの体勢へと立て直すことが中々できないでいる。

 

「…」

 

柳洞寺の境内を風のように駆けるランサー。そして彼の駆けた後には、キャスターの放つ魔術により地面は抉れ、境内に設置された木々や建造物は次々と微塵となっていった。

 

 

 

 

「…!!」

 

そのあまりの凄まじさと勢いに、俺も体勢を保てず思わず後退りしてしまう。ランサーが踏み込む度に地面には衝撃が走り、キャスターが魔術を放てば空気が軋む音がする。彼らの戦いを前にして俺の足は、見れば震えていた。

 

しかしそれは、同じく英霊たちの戦いであっても、昨晩のバーサーカーの様な無秩序な暴力からくる、恐怖故によるものではない。きっと俺は彼らの振るう槍に、魔術にきっと興奮していたのだ。

 

ーーー後退りする。しかし同時に、もう片方の足が前に出る。

 

どうして…と聞かれると、俺自身にも分からなかった。

 

俺はその時、ふとセイバーを思い出した。

バーサーカーと戦う彼女の姿に俺は昨晩、今と同じような感覚をおぼえた。嵐のように、獣のように剣を振るう彼女の姿には、猛々しくも不思議と美しさを感じた。

 

 

 

 

ーーー俺は、彼女の剣に魅了されていたのだ。

ーーー強くなりたいから…かもしれない。でも、それ以上に、俺は…

 

 

 

 

 

 

 

『ーーー何れかその時が来る。そしたら貴方は…』

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーえ?

 

 

 

 

 

 

 

意識の焦点が、再びランサーとキャスターへと振り戻される。

 

「…ッ!!」

 

強化した眼で追うことすらままならなかったランサーの動きが、停止していた。ランサーの足元には、キャスターによるものと思われる魔法陣が浮かび上がっている。

 

「…さて、どうしたもんかね」

 

ランサーは体勢はそのまま、自身を上空より見下ろしているキャスターへと視線を移した。

 

「ようやく捕まえたわよ、ランサー…!!」

 

クスクスと笑うとキャスターの表情には、再び余裕が産まれていた。

 

どうやらランサーは、キャスターの仕掛けた足元に広がる魔法陣により、その身の自由を奪われてしまったようだ。

 

「なるほどね。魔術師の陣地に乗り込もうってんだから警戒はしていたつもりだったが…」

 

「そう。ここにいる限り、貴方は常に私の手のひらの上

。どれほど貴方が速くても、私が手のひらを握れば潰されてしまうわ…!!」

 

「そうかよ。…で?俺をどうするってんだ?」

 

ランサーはその身の自由を奪われてもなお、その飄々とした態度を崩さなかった。

それを見たキャスターは、不愉快げにランサーを睨み付ける。

 

「…余裕を気取っている場合かしら?ここであなたをどうするかなんて私の自由だけど…どうやら一度、痛い目を見たほうがいいようね」

 

「…ハッ、その細い腕で殴ったりでもするのか?」

 

「ランサーッ…!!」

 

 

思わず俺は声をあげる。キャスターを挑発し続けるランサーが何を考えているのか俺には分かったものではないが、俺だって仮にもアイツに危ないところを救われた身だ。なにしろキャスターは本気だ。このままやられるところを…

 

 

「うるせえ、坊主はすっこんでろ」

 

「…!?」

 

ランサーが俺を睨み付ける。

 

「素人魔術師が、サーヴァントの戦いに水を差す真似するんじゃねえよ」

 

「なっ…!!」

 

 

 

 

 

「あらあら、仲間割れしている場合?」

 

その様子を見たキャスターがクスリ、と愉快げに笑う。

 

「でも良いわ。ランサーを仕留めたら、次は貴方の番よ坊や。そうしたら二人まとめて仲良く私の道具にしてあげましょう…!!」

 

するとキャスターは、魔術の詠唱の言葉を紡ぐ。俺には彼女が何と発音しているのかわからず、聞き取ることすらままならない。しかしそれは、不思議と俺自身の脳に直接響いてきた。

 

ーーー神代に生きた魔女にのみ扱うことの許された、詠唱を越える魔術工程(高速神言)

 

刹那、彼女の羽のように広げられたローブに次々と魔法陣が、浮かび上がる。そして彼女の上空には、さらに一際大きな魔法陣が姿を現した。それらはまるで見開かれた巨大な眼のようで、そして一つ一つが標的である槍兵の姿を捉えていた。彼女の手に握られた杖は、紫色の鈍い光を纏い始めると、それに続くように魔法陣らも同様に光を放ち始めた。

 

「…!!」

 

目の前のそれが、キャスターの扱ってきた今までのどの魔術よりも強力なものだということは、俺にもわかる。

 

 

 

ーーーあんなものを喰らったら、ランサーだって…!!

 

 

 

ランサーへと視線を移す。そして同時に、俺は己の目を疑った。

 

 

「あいつ…!!」

 

強化したその眼で、俺はランサーの表情を見た。

タラリと額から頬へ、その光景を前にして汗が伝う。

 

 

 

ーーー笑ってやがる…!!

 

 

 

気が触れた…とは思いたくない。

しかし、この状況下でのランサーのその笑みには、恐怖すら感じた。

 

 

 

「ーーー終わりよ…!!」

 

「まずい…!!」

 

 

しかし俺にはどうすることもできず、そしてついにキャスターが杖を振るった。すると彼女の周囲の魔法陣からランサーへと一斉に、紫色の魔力弾が放たれる。

 

「くっ…!!」

 

放たれる一つ一つの光線の持つ熱量が、柳洞寺を包み込む。その勢いで生じた熱風に、俺の体は吹き飛ばされた。

 

 

 

「ーーー灰一つ、残さない…!!」

 

 

 

ーーーそして巨大な魔法陣から、最後の一撃が放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ……」

 

頭を強く打ったのか、一瞬意識が飛んでしまっていたようだ。

体を起こすと、砂利が熱風と共に俺へと吹き付けてきた。硝煙と吹き付ける熱風が、俺の視界を遮ろうとする。

 

それでも瞳をゆっくりと開くと、辺りは未だに硝煙で包まれていて、状況を掴むには難しかった。

 

 

「馬鹿な…!?」

 

 

煙がたちこめる中、キャスターの震える声が聞こえてきた。乾燥しきった目を擦り、彼女の声の聞こえてきた前方へと意識を集中させる。

 

 

「そうだ、ランサーっ…!!」

 

 

次第に硝煙も落ち着き始め、まず最初に俺の視界に入ったのは上空にいるキャスターであった。そして彼女の下には彼女の放った魔術の影響か、巨大なクレーターができている。

 

 

ーーーランサーが立っていた場所……!!

 

 

クレーターの中心は土煙が立ち込め、どうなっているのかは不明であった。

 

 

 

ーーーしかしあれ程の大魔術の一斉攻撃の中心地に立っていたとなれば、ランサーは…

 

 

 

ふと、視線をキャスターへと移す。

 

 

 

「…?」

 

 

 

ーーーその表情は、フードの下からでも分かるほどに青ざめ、彼女は再び恐怖へと染まりきっていた。

 

 

 

 

 

 

「ーーーおう。今のがさしずめてめぇのご自慢の一撃ってとこか、キャスター?」

 

 

「!?」

 

 

 

 

ーーー聞き覚えのある声が、境内に響いた。

 

俺はその声の主の姿を捉えようと、辺りを見回す。前方、右、左。あるいは最初のように後ろに?

 

しかしどこを見渡しても、その姿は視界に入ってこない。

 

俺は再びキャスターへと視線を移した。よく見るとキャスターは、じっと一点を見つめ続け、この距離からでもわかるほどにその体を震わせていた。

 

 

 

ーーーその視線の先を追うように、俺も目を移す。

 

 

 

「…え?」

 

 

 

ーーークレーターの中心。

 

 

 

「どういうこと…」

 

キャスターが、声を漏らす。

 

すると、クレーターの中心に立ち込めていた土煙が、()()()にいた者により一瞬にして払われた。

 

 

「…大したもんだ。下手してりゃ持ち合わせじゃ間に合わなかったろうよ」

 

 

ーーーそこには、朱槍を手にする男が

 

 

「そんな…!?」

 

 

ーーー無傷で立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

こればかりにはキャスターだけでなく、俺も驚愕していたし、己の目を疑っていた。ランサーに外傷らしいそれは見当たらず、精々鎧の所々に傷がついているぐらいである。

しかしランサーは、間違えなくあの猛攻の中心にいた。

 

ーーーどうやって凌いだというのか?

 

 

 

「いつまで間抜けな面してんだ。もし俺が生きてるのが珍しいってんなら、そりゃこっちの台詞だぜ」

 

ランサーが挑発じみた笑みを浮かべる。

 

対魔力(アンチマジック)…いえ違うわ。そんなもので今の一撃は防げない…!!」

 

キャスターが振り絞るようにして声をあげる。

 

「だろうな。今のは下準備なしだったらちと不味かった」

 

 

「下準備…ですって…?」

 

 

すると、ランサーの足元に張り巡らされていた魔法陣が、ガラスのように砕け散った。

 

 

「…これでようやく自由に動けるぜ」

 

ランサーは首をカクリと回すと、その視線をキャスターへと移した。

 

「言ったはずだ。"魔術師の陣地に乗り込もうってんだから、警戒はしていた"ってな」

 

するとランサーはいきなり歩き出すとある場所で止まり、地面の一点を見つめる。

 

「…ここか」

 

ランサーはそう言うと、槍の先端で地面の上に何やら文字のようなものを刻んだ。

その瞬間、突然その場に先程のキャスターと同様と思われる魔法陣が光を放ちながら姿を現しーーーそしてすぐに砕け散った。

 

今の魔法陣ははキャスターがこの境内に仕掛けていた罠だろうか。しかしどうしてーーー

 

 

「魔術ですって…?」

 

ポツリとキャスターが言う。

 

ーーー魔術?ランサーが?

 

俺はランサーへと振り返る。するとランサーはキャスターへと、肯定を意味する不敵な笑みを浮かべていた。

 

 

「嘘よ…魔術を扱う槍兵があるものですか!!それどころか、この私の魔術が敗れるだなんて…!!」

 

「違えよ。万が一に備えて持っていた俺の手持ちの()()()全部と、てめえのご自慢の魔術の相討ちだ。それに、双剣を使う弓兵がいるんだ。俺が魔術使ったってもう可笑しくねえだろ」

 

ーーールーン?何の話かよくわからないが、ランサーはそれを使ってキャスターの魔術を防いだのか?

 

 

「ーーーま、種明かしは互いにここまでとしようや」

 

 

ランサーがそういうと、辺りは一瞬にして殺気に包まれた。

 

ーーー俺は覚えている。

 

ーーー全身を槍で突き刺すようなこの感覚を。

 

 

「ーーー折角だからよ。俺の自慢の一撃も貰っていけ。それでお相子だ、キャスター」

 

 

ランサーはそういうと、手にしているその朱槍を独特に構える。槍先を下に、それは上空にいるキャスターを標的とするにはあまりに不自然な構えだ。

 

「ーーーッ!?」

 

しかしそのような疑問は、一瞬にして払われた。

 

ランサーが槍を構えた瞬間、目に見える程の魔力が朱槍を覆い尽くす。

 

 

「なんだよ…あれ…」

 

俺は気が付けば声を漏らしていた。

その様子は、まさにランサーの放つこの柳洞寺全体を包み込むほどの膨大な殺気が、あの朱槍の先へと集まってきているようだ。

朱色の魔力は濃密な殺気と入り交じり、それを見ているだけで死を連想させてくる。膨らみ続ける魔力と殺気はーーーやがてランサー自身をも包み込み、辺りは緊張が走った。

 

キャスターはそのあまりの禍々しさに意識を奪われていたのか、暫く硬直していた。

ふと我に帰ると、彼女は咄嗟にランサーから距離をとろうとする。

 

 

 

 

 

「ハッ…!!」

 

その様子を見たランサーは、ニヤリと笑う。

ランサーはその朱槍を中腰に構えーーー次の瞬間、ランサーは跳躍しキャスターへと接近した。

 

 

「…ッ!?」

 

ーーーランサーのその一連の動作はあまりにも素早く、キャスターとの距離は一瞬にして縮まった。

 

通常なら、この距離ならばランサーの槍は確実にキャスターへと届く。

 

「!!」

 

しかしキャスターは再び、空間転移の魔術により姿を眩ました。彼女の扱うこの魔術によって、彼女は最速の英霊たるランサーから何度も逃れることができたのだ。

 

 

 

ーーー刹那、キャスターはランサーの背後に姿を現した。

 

 

「あれは…!!」

 

 

ーーーその手に、歪な刃の短剣を持って。

 

 

 

 

「ーーーその心臓、」

 

 

 

 

ーーーそれでもランサーは、キャスターが背後にいるにも関わらず、

 

 

「貰い受ける…!!」

 

 

ーーー手にした槍をそのまま突き放つ。

 

 

 

「ーーー刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルグ)

 

 

 

轟、と音をたて、集約された魔力と殺気は一気に解き放たれた。赤黒い魔力は風を纏い、そのままキャスターとは真逆の方向へと振るわれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アーチャーッ!!」

 

アーチャーはその声に振り返る。

 

「…遅いぞ凛。今更来たところで、君にできることなど何も無いが」

 

「冗談じゃないわよ!アンタとは連絡つかないし、こっちだって苦労してたんだから…!!」

 

アーチャーはそれを聞くとふむ、と首を傾げた。

 

「こちらもたて込んでいてな。生憎君に応えているほど余裕も無かった。…まぁ、どうやら君には」

 

 

ーーー瞬間、凛の隣にいたソレは、アーチャーの言葉を遮りながら駆け出し、

 

 

「…()()の称号を持つサーヴァントがついていたようだが…そうか、それでも苦労しているようでは、やはり肩書きは宛にならんな」

 

 

ーーーアーチャーの奥にいる、黒のマントを羽織ったその男(アサシン)へと斬りかかった。

 

 

「…全部てめえの仕業か、クソ野郎…!!」

 

「おおセイバー、君が来るのをどれ程待ちわびたことか!」

 

アサシンはセイバーの一撃を小剣で防ぎながら、笑みを浮かべていた。それでもセイバーはその防御ごとアサシンを押しきると、言葉を続ける。

 

「マスターを何処へやったって、言ってんだ!!」

 

銀剣をフルスイングで振るわれ、アサシンは大きく吹っ飛ばされる。しかしアサシンは空中で体勢をくるりと立て直し、山門の階段の中腹あたりで着地した。

 

「何なの貴方…サーヴァント…?」

 

凛が口を開く。何せ目の前に立つその男からは、サーヴァントの持つ特有の魔力の波長が感じられない…いやそれどころか、その目で確かに男の姿を捉えているにも関わらず、まるで存在していないかのようにすら錯覚してしまっていた。

 

「おお。初めましてになるのかな、アーチャーのマスターのお嬢さん。君は素晴らしいサーヴァントを従えているようだ、おめでとう!」

 

凛はそれを聞くと思わずは?と声を漏らす。

 

「キャスター…ではありませんね。察するに、ライダーといったところでしょうか」

 

凛の後ろに控えていたバゼットが口を開いた。

 

「君は…知らないな。察するにランサーのマスターだとお見受けするが」

 

アサシンはどうだ?とバゼットに聞いた。しかしバゼットはそれに構わず、沈黙を続ける。

 

「失礼、名乗るならばまずは己からだったな。俺はアサシン。そこの弓兵にバレている以上、隠す意味などないから教えよう」

 

「アサシン…!?」

 

凛が驚愕のあまり声を漏らしたが、それも無理はない。なぜなら冬木の聖杯戦争では、本来ならばアサシンのクラスにはハサンが召喚されるからだ。にもかかわらず、目の前の男の姿は、ハサンの特徴には当てはまらない。

 

そう思うのも束の間、セイバーが再度アサシンへと斬りかかる。しかし再び、アサシンは流れるような動作でそれを凌いだ。

 

「オレの質問に答えろ…!!」

 

セイバーの身体を、赤雷の魔力が覆い始める。

 

「そうだったな。あまりにも君が来るのが遅いものだから、少年のことなどすっかり忘れていたよ」

 

「てめえ…!!」

 

アサシンはセイバーの連激を全て受け流すと、ほう、と感心したように息を漏らす。

 

「…流石にやるな。まあ安心しろ、セイバー。少年は無事だ。その証拠に、ほら」

 

パチン、とアサシンが指を鳴らした。

 

「…!!マスター!?」

 

アサシンが指を鳴らしたその瞬間、セイバーに失われていた士郎との感覚が元に戻る。

 

「どうなってやがる…!!」

 

「ふむ…その様子じゃ、大分寂しい思いをさせてしまったようだ。すまんな、セイバー…おっと」

 

しかし直ぐ様、セイバーによりアサシンは再び斬り込まれる。

 

「…話を聞かないか、剣の英霊よ」

 

一撃、二撃。それでもセイバーの剣はアサシンには届かず、三撃目を振るおうとしたその時ーーー

 

「…!?」

 

セイバーの剣を防いだアサシンの小剣は、セイバーの首元へと滑り込んだ。

 

「チッ…!!」

 

セイバーは咄嗟に体を反らせ、その刃を避けた。アサシンはその隙に再び彼女から距離をとる。

 

「まあまずは謝ろう。君達の思っている通り少年を拐ったのは俺だし、あわよくば利用するつもりだった」

 

アサシンはふう、と息を吐くとその場に座り込んだ。

 

「…しかしながらそこにいるアーチャーと飛び入り参加のランサーの活躍により、この作戦は失敗。今宵我々は敗北してしまった。うん…残念だが、少年は君たちに返すことになりそうだ」

 

「…だったらさっさとそこを退け」

 

セイバーが唸るように言うと、アサシンを睨み付ける。その目に宿るのは怒りと、明確な殺意だ。

 

「そう急かすな。俺が退かなくとも、直にランサーあたりが少年を連れてくるはずさ。向こうもどうやら、決着がついたようだしな」

 

「なに…?」

 

セイバーが口を開こうとしたが、アサシンはそのまま言葉を続ける。

 

「そうであるならば、もうじき夜明けでもあるし今宵はお互いに引こうじゃないか。どうだ、悪い話ではあるまい?」

 

アサシンは自信満々の表情でセイバーに訪ねる。

 

「好き勝手やってやがるくせに、調子こいたこと言ってんじゃねえよ…!!」

 

そう言うセイバーの剣は既に禍々しい色を放つ魔力に包まれており、今にでもアサシンへと斬り刻もうという勢いである。

 

「君には落ち着きが足りないな。早いとこ少年に戻ってきてもらわねば、俺の身ももたない。…そうだ、良いことを思い付いた」

 

アサシンは笑みを浮かべる。

 

「…?」

 

「ランサーが戻らねば少年も戻らないだろう。ならばランサーに早く戻ってきてもらえばいいじゃないか!」

 

 

 

 

ーーー瞬間、アサシンが立ち上がると、そのマントの下から弓が姿を現した。

 

 

 

「ーーーこんな風にしてさ!」

 

 

 

ーーー素早い動作で矢をつがえ、そして放つ。

 

ーーー標的はバゼットだ。

 

 

「ッ!!」

 

 

しかしその矢はセイバーの剣により叩き落とされ、バゼットに届く前に地面へと落下した。

 

「てめえ…!?」

 

セイバーは振り返り、アサシンへと斬りかかろうとした…しかしそこには既にアサシンの姿は無く、剣は振るわれる直前で止められた。

 

 

 

『ーーー冗談。俺も悪人だけど、そこまで頭が悪いことをするような小者でもない』

 

 

 

すると姿は見えないにも関わらず、アサシンの声だけが響いてきた。

 

「逃げるつもりか、暗殺者…!!」

 

セイバーが憎悪を込めた言葉を放った。

 

『ーーーまあな。見逃してくれたまえ。それにほら、もう…』

 

 

 

アサシンは最後まで言葉を言い終わる前に、完全に気配を消した。

 

「クソっ…!!」

 

セイバーが悪態をつく。しかしその時ーーー

 

「衛宮くん…!!」

 

後ろにいた凛が、己のマスターの名を叫んだ。

 

「ーーー!!」

 

振り返り、前方を見る。

 

山門が月明かりに照らされ、そしてそこには人影があった。

 

 

 

 

 

「すっかり遅くなっちまった。無事か、マスター」

 

ーーーそこにいたのは、自身のマスターにヒラヒラと手を振る蒼い槍兵と

 

 

「ーーーマスター!!」

 

 

ーーー槍兵に担がれたまま気を失っている、我がマスターだった。

 

 

 

 

 




お久し振りです。枝豆畑です。


文字数と区切り、どっちを優先しようか葛藤てましたが。

選ばれたのは区切りでした(というより更新速度)



予定ではもうちょっとだけ先まで書くつもりでしたが、相変わらずの遅筆故に今回はここまでとさせていただきます。

本編に関してです。

ランサーはバゼットがマスターということもあり、ちょいと(?)強めに設定してるつもりです。キャスター好き、あるいはそうではない皆さんも少し疑問があると思います。あるでしょう。

でも本当ならランサーだって強いじゃないか、英霊だもの。




てな感じで、士郎誘拐編は終わりです。

次回はそれぞれのその後からスタートです。更新は早めに、意識をします。

これからも本作をよろしくお願いいたします。







以下、本作関係無し。


fgoでらっきょが出た。

ガチャを回したら「」でた。

叫んだ。







普段、配布などの石は12個たまったらガチャを回しているのですが
なんか気が付けば孔明の宝具レベルが3になっていた。


まだ75で止めてるけど、そろそろ最後まで強化します。
フレンド設定も変わりますしね。



これからも本作をよろしくお願いいたします。


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