魔法少女リリカルなのは 天使とスケベの輪舞   作:ロシアよ永遠に

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久々にこちらを更新です。各話毎に勢力を順繰りしていきますので、読み辛くて混乱してないか心配です。
ここをこうした方が良い、て言う人は感想までお願いしますね。


Mission3『舞い戻る苦労人』

私のパラメイル。そのテストを終えた瞬間、開いたシンギュラーから現れたDRAGONによって私は落とされた。

薄れ行く意識。その中で私は一重に幼馴染みの二人を思い出していた。

 

ココ…。

 

ミランダ…。

 

同じ第一中隊に配属された私達三人。

さっきまで何のことは無く、昔のように話していただけなのに、私の人生って、いきなり、それもこんなにも呆気なく終わってしまうものなのかな?

 

『私の許可無く死ぬな。』

 

ゾーラ隊長…。

 

あれから一時間も経っていないのに命令違反しちゃいましたね…ハハハ…。

 

『君はどうしたい?どこに行きたい?』

 

あわわっ!びっくりした…突如頭に声が響くんだもん。

 

『何、気にすることは無い。私とて君と同じさ。死に体なのだよ。』

 

はぁ…、そうなんですか?

 

『君が望むのなら…そうだね。一つの可能性にかけるのもいい。』

 

そう男の声が呟くと、真っ暗な視界を断つように、一筋の光が真横に走る。それは…まるで明け方の水平線にも似たように、宵闇のような世界に光を灯すようだった。

 

『世界は無限の可能性に満ちている。それはこうしてキミが死ぬことにも、そしてこうして目覚めることにも。…そしてキミに私が斃されることにも、ね。』

 

言っている意味がわからない。

 

『安心したまえ。キミが行き着く先は冥土では無い。

 

 

 

 

…地球、だ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ん…。」

 

少女は目を覚ました。青く、前と後ろが大きく開いたライダースーツ。頭部に取り付けられた透明なバイザーは、何かしらの衝撃を受けたのか、ひび割れている。

…冷たい。

頬と、開けた腹部に接する地面の土が、ひんやりと心地良くも感じた。

 

「…えっと……私は…たしか…。」

 

ふらりと身を起こした彼女は、現状と経緯を整理しようと思考を巡らせる。

しかし、思い出そうとすれば、脳に走る激痛が顔をしかめさせた。

 

「私は…どうしてたんだっけ?」

 

誰かに呼ばれた?…男の人の声が脳裏に余韻として残っている。

断片的に、しかし鮮明に覚えている言葉…。

地球…?

たしか…自分の住んでいた星も地球なのに、わざわざどうして…。

 

「…と、こうしてても始まらないよね。…まずは辺りを調べないと。」

 

右腰のホルスターに収まったナイフを抜き取り、これまた左脇のホルスターに収まっているハンドガンを取り出して構える。

地球、とは言うが、本当にそうとは限らないのだ。男の虚言である可能性もあるし、逆に真実であったとしても、記憶にある中でアルゼナルから出たことの無い彼女にとっては未知の世界である。どんな危険な原生生物がいるかもわからない。

銃にナイフ、どちらも瞬時に使用できるように、ナイフを逆手に、柄をハンドガンのグリップに沿わせて同時に握る。

某蛇を知るなら知っているであろう、CQC、クロースクオーターズコンバットの構えだ。訓練では銃剣を模した物での近接戦や、ライフルを使っての中距離を主とした物が多かった。しかし、今あるのはナイフとハンドガン。この二つで乗り切らなければならない。いわば、『実戦』だ。右も左もわからないこの状況で、現状を把握できる所へ持っていかなければならない。

一歩踏み出す。

その一歩がとてつもなく大きく、そして距離は短く感じた。

脚が震える。

照準も手が震えて定まらない。

銃を、ナイフを握る手の平にジワリと汗が滲む。

 

(落ち着かなきゃ…!ゾーラ隊長の命令通り…生き残らないと…!)

 

足下にある小枝を踏んで、ぱきりと折れる音すら敏感に反応してしまう。

 

(悔しい…でも感じ…ってなんでこんな台詞が!?)

 

何やら電波受信していると、突如として彼女を巨大な陰が日を遮る。

条件反射、と言う物があるように、つられてそちらに視線が自然と向いた。

 

巨大で

 

雄々しく

 

そしてそれは見るも恐ろしく、そして猛々しい

 

「あ…ぁ…!!」

 

彼女の顔から、血の気が引いていく。身を包んだ青いライダースーツの色に近付くように青ざめているのだろう。目の焦点はどこかしら合わず、それは対象に恐怖を抱いている証。

 

「DRA…GON……!」

 

 

 

 

 

気付けば駆けだしていた。森をひたすら、ただひたすらに走り抜ける。向かうのはDRAGONの向かった先。もしかしたら、向かった先に仲間が居るかも知れない。行く先で出会したならば、アルゼナルの周波数で呼びかけると応えてくれる可能性もある!

 

「皆…!無事でいて…!」

 

息が切れるのも、足音がするのも気にしない。ただただ全力疾走。不安と恐怖もある中で、やはりDRAGONが居る区画で仲間と会える可能性に期待してしまう。

鬱蒼と、そして陰りのある森。その視線の先に、陰の切れ目が見え始めた。

森を抜けれる。

大きくなるのは期待だ。森を抜けて、その先が開けた場所ならば、周辺状況を把握できる。万一合流出来なくても、サバイバルするうえで周囲を見渡せる場所というのはとても大切な物だ。河川の位置や雨風を凌げる洞窟が見えれば儲けもの。兎に角今の立ち位置を…!

…森を駆けて抜け出した。その先で、彼女は慌て手足を止めた。

 

「わっ!とっと…!あ、危ない…。」

 

抜け出した先。それは切り立った断崖絶壁であった。眼前に広がるのは蒼天の空と、水平線を隔てて広がる深い青の大海原。きらきらと太陽の光を水面が反射して眩しく、遠くを見れば海猫たちが餌を求めて魚の群れが居るのであろう付近を固まって飛行している。

しかし眼下を見れば、ゴツゴツとせり出した岩面に打ち寄せる波がたたきつけられ、大きな飛沫を散らせている。恐らくは走り抜けていたらと思うと、身の毛もよだってくる。証拠に蹴り出してしまった石ころが、崖に打ち付けられ、強い衝撃に身をさらしながら目下の海原へと消えていった。

ごくりと思わず固唾を飲み込んでしまった。

 

「う、海沿いを歩けば何か手掛かりがある、かな?」

 

右手を向いたその時。鋭角的なフォルムをした何かが眼前を瞬時に駆け抜けた。

鳥!?

いや、それにしては巨大だ。

DRAGON!?

いや、座学でしか知らないけれども、あそこまで高速に動くDRAGONは確認されていないはずだ。

…となれば…。

 

「パラメイル!!」

 

追って見れば、青いスラスターの輝きを噴かせつつ大空を飛翔するパラメイル。ピンクのフォルムで圧倒的な速度を叩き出しながら上空へと高度を上げていく。あれほどの速度を出せる機体は…

 

「レイザー!じゃあ…!!」

 

崖の向きが右へと変わる場所まで進む。

そこには灰色に、そして数十メートル突き出た長い滑走路。それを飲み込まんと切り立った崖を抉り抜いたように備えられたカタパルト。ある程度そちらの面を見渡せる立ち位置にいる彼女に、パラメイルが出て来るその施設。細部は違うが、それでも知っているであろう場所。二歳の時から今までずっと暮らして、そして何故か解らないけど、長く帰っていないと思うように懐かしい我が家。

 

「アルゼナル…!」

 

そう呟いた声に涙が混じっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どういうこった!!」

 

ガンッ!と金属をぶっ叩いた音がカタパルトを支配した。赤く変貌したラグナメイル・テオドーラの装甲はその程度では壊れはしなかったが、それでもその物々しい雰囲気を生み出すには充分すぎる物だった。

 

「アンジュと…オマケにタスクも行方不明だって!?」

 

「おい!落ち着けよヒルダ!」

 

「そ、そうだよ。ラグナメイルに当たったって仕方ないって…!」

 

赤髪のヒルダと呼ばれた少女を宥めるのは、長年の付き合いであるロザリーとクリスだ。ぎりっと食いしばる歯と、射貫かんとするその目は鋭く、怒気がありありと溢れている。

 

「畜生っ!やっぱあの穴に吸い込まれたのが原因なのかよ!」

 

「そうね、そう考えるのが一番自然かしら。」

 

テオドーラと平行して並ぶ、青いカラーリングに変貌したクレオパトラ。その整備をしていたサリアはヒルダに応えた。

 

「あの穴。エンブリヲが次元の狭間と呼んでた空間に出来た物だとしたら…。それは恐らく別次元の地球に繋がっている…と考えるのが妥当でしょうね。」

 

「だったら早いとこ助けに行ってやんねぇと!お前のラグナメイルだったら、アンジュのヴィルキスと同じ、空間跳躍が使えんだろ?」

 

「それが出来たら苦労はしないわよ。…貴女、平行世界って…どれだけあるのか知ってるの?」

 

「え…いや…。」

 

やっぱりね、とサリアは一つ溜息を漏らす。

 

「大雑把に言えば……無限。」

 

「はぁっ!?無限って……あの無限か!?」

 

「ヒルダ落ち着けって!無限にあの無限もこの無限もねぇだろ!?」

 

「で?無限ってあの無限なの?」

 

やはり三バカなのか、と目の前で繰り広げられる元…いや今もか、第一中隊の問題トリオのコントに呆れる。一時とはいえ、自分も含めて敵対したものの、こうしてこの馬鹿馬鹿しいやりとりが出来るのも中々ながら感慨深い。

 

「数に限りない無限、これで解るかしら?」

 

「お、おう。」

 

それでも呆れの方が強かったのか、身体の力が抜けてしまう。

 

「話を戻しましょ。平行世界っていうのは、…例えばヒルダ、貴女の昨日の夕飯は?」

 

「え?…エルシャのカレー、だけど?」

 

「そう。この世界ではその選択をした。でも平行世界の中の一つには、もしかしたらノーマ飯を食べていた世界もある可能性もあるのよ。更に言えば、そのあとデザートとしてアップルパイを食べていたこともあるかもしれない。」

 

「「「つ、つまり?」」」

 

「アンタの選択だけじゃなくて、ありとあらゆる人の選択、それらが特定の組み合わされる世界なんて、探してるウチに人の一生なんて軽く終わっちゃうって位なのよ。その中からアンジュを探そうって言うのは、実質的に無理よ。」

 

「ちっ…!八方ふさがりって訳かよ。…そうだ!」

 

ふと思いついたようにロザリーが顔を上げる。

 

「そうだよ!最後の戦いの…次元の狭間…だっけか?そこに行った時みたいに引き合う物があれば…!」

 

「それは難しい…としか言えませんね。」

 

奥に格納し、本国へ帰るための推進剤を愛機である龍神機・焔龍號に補給していた黒髪の女性―サラマンディーネ―が話しに割って入る。

 

「ドラ姫さん…」

 

「あら、私達はこれから同じ星で住まうのですよ?親しみを込めてサラ子とでも呼んでくださいな、ヒル子にロザ子、クリ子に…サリ子。」

 

「「「「何でもかんでも子を付ければ良いってもんじゃねぇ!」」ない!」」

 

どうやらアンジュが付けたサラ子というニックネームのセンスに感化されたのか、同じような変換をしてしまったようである。

 

「おかしいですね、こちらの地球では子を付けるのがあだ名の風習と思いましたのに…。」

 

「アンジュ…帰ってきたら怖いよ?私は何かお菓子メーカーみたいなのに…。」

 

「アタシなんか血を吸うみたいじゃねぇかよ。」

 

「じゃ、アンジュにもイタ姫以外のあだ名を付けようぜ!」

 

今日のロザリーは発案に定評があるのだろうか。三バカのうち、他の2人も賛成の色を示す。

 

「あぁ、因みに。」

 

それを制すかのようにサラマンディーネが口を挟む。

 

「アン子という、甘くて美味しそうなあだ名は既に次回予告で既出、いわゆる二番煎じでしかも却下されていますので悪しからず。」

 

「な、なんでアタシの考えてるニックネームがバレた!?」

 

「更に同じ次回予告で、キナ子、と言う物も却下されましたので。」

 

「じ、次回予告って何なのよ…?」

 

サラマンディーネの理解に苦しむ説明に、突っ込みを入れる三バカと、困惑するサリ子…否、サリア。

 

「話を戻しましょう。」

 

話題を逸らした本人がブーメランのごとく本線に戻し始めた。

 

「そういえばエンブリヲとの決戦の時みたいな事は難しい。そう言ったわね。あれの意味は何なの?」

 

「あの時、アンジュが調律者にさらわれ、ヴィルキスによって我々は転移した。それは覚えていますね?」

 

「ん、そうだったね。」

 

「タスク殿とアンジュ。2人の想いをヴィルキスが繋ぎ止め、結果としてアンジュの元へ向かうことが出来た。しかし…。」

 

「そうか。アンジュもヴィルキスも、オマケにタスクの野郎も居ない。繋ぐモンが全然ねぇのか。」

 

導き出された結論に落胆の色を示すヒルダ。せっかく戦いの日々が終わりを迎えたのに、愛すべき人が居ないのはいたたまれない。

 

「だ、大丈夫だよヒルダ。アイツのことだもん。殺したって死んだりしないよ。」

 

「そうそう。墜落したってピンピンしてたんだしな。」

 

「…そうだな。アイツの強さは折り紙付きだし、ま、帰ってくるまでにいっちょイタ姫に代わる喜びと驚きの愛称を考えといてやるとするか。」

 

どうやら三バカは前向きに捉えるとしたようで、表情には明るさが戻る。対してサリアはというと、

 

「やれやれね。念の為最悪の事態を想定しておくのも重要と思うんだけど?」

 

「何だよサリア。気持ちを切り替えたのに水を差すのかよ。」

 

「そうじゃないわ。ポジティブに考えることは重要よ。けど、もし思い通りにいかなかったら、という懸念を…。」

 

「言うねぇサリア。隊長っぽい台詞が板についてるじゃないか。ダイコン騎士団のバイトリーダー、だっけか?それでハクでも付いたのかい?」

 

「まぁ。ダイコン騎士団ですか。なにを目的に設立された物なのか、とても興味がありますね。」

 

「ア・ン・タ・た・ちぃ~……!」

 

あれほどいがみ合っていた第一中隊が、こうやって和気藹々?と、冗談半分で互いを弄り合えるなどと思いもしなかっただろう。良くも悪くも始まりはアンジュだった。彼女のせいで一度バラバラになった隊が、再びこうして集まれたこと。それは皮肉にもアンジュによる功績が大きい。

 

「さて、一応イタ姫さんが周囲にいないか、DRAGONと一緒に捜索に出たヴィヴィアンだが、実際気休め程度にしかならないだろうね。」

 

「仕方ねーよ、アイツ結構アンジュに懐いてたしな。」

 

「一応、エルシャに付いていってもらったけど、望み薄でしょうね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほうほう!この世界ではあの串に刺した肉を焼くことを焼き肉ではなく『ばーべきぅ』というのか!さんこーになるにゃ。」

 

『がうがう。』

 

「タレを付けるのも良いけど、塩で食べるのが通とな?アタシとしては両方食べて、比べてみたいのが本心なり!」

 

比較的小型であるスクーナー級DRAGONと平行して飛びながら、ヴィヴィアンは食べ物の話で盛り上がっていた。

 

「ヴィヴィちゃん、その子の言葉わかるの?」

 

後方を修理した自身のハウザーで追いながら、エルシャは前方の一人と一匹から飛んでくる涎の付いたバイザーを、ハンカチで拭きながら尋ねる。

 

「ん~…、何となく~。段々と解るようになってきたっつーか…、多分前にこっちの地球に来た時に、なんちゃら遺伝子をどうこうしたときから…かな。」

 

『がうがう。』

 

「そーそー!D型遺伝子!!アンタけっこー百式だねぇ。」

 

『がうがう。』

 

「それを言うなら博識?なる程そうとも言う!」

 

元々DRAGONの一族のヴィヴィアンが、彼らの言葉を理解できる、と言うことは自然なことなのに、エルシャは改めて驚かされる。

 

「…あら?」

 

「どーしたのエルシャ。」

 

ふと巡航形態のハウザー。そのレーダーにビーコン反応があり、エルシャがふと呟いた。

 

「メイルライダーの反応を検知したのよ。誰か私達以外に偵察に出ていたかしら?」

 

「んにゃ、そんな話、聞いてないけど?」

 

因みにレイザーのレーダーに映らないのは、エルシャのカスタマイズにもよるところが多いが、遠距離型のハウザーならではの基本索敵能力の高さと、ヴィヴィアンがレイザーを機動戦寄りにカスタマイズしている所が決定的な物となっている。

 

「もしかしたらアンジュちゃん…とか。」

 

「…ふんふん。…でもアンジュの匂い、しないよ?…でも。」

 

「でも…?」

 

「この匂い…どこかで覚えがあるような……ないような。」

 

すんすんと鼻を鳴らし、匂いで索敵するヴィヴィアンもなかなかスゴい物ではあるが、アンジュである可能性が低いと考えて落胆する。しかし、ヴィヴィアンの鼻の良さは、以前アンジュの救出に大きく役立っているので、バカには出来ない。

彼女の言葉もあるが、エルシャ自身もこの反応は気になる。

 

「念の為、調べてみましょ?杞憂ならそれで良いんだし。」

 

「それもそーだね。キミもOK?」

 

『がうがう。』

 

話も纏まったところでハウザーを先導に、先程とは逆の飛行陣形で反応の場所に向かう。

 

「…にしても、誰の匂いだったかな~?この辺(喉元)まで出て来てるんだけど、思い出せない!あー!スッゴいもどかしいというか、くすぐったいというか!」

 

「まぁまぁ、念の為警戒だけは…」

 

しかし、そのエルシャの警告は少し遅かった。

 

風切り音。それとともに発砲音。

 

「おわっ!危なっ!」

 

『がうっ!』

 

遠くから狙撃しようとしたのか、レイザーとDRAGONの間を弾丸であろう、それは通過していた。

命中はしなかった物の、それでも当たればただでは済まない。

 

「こらー!いきなり撃つな~!こっちも撃つぞ~!」

 

ヴィヴィアンはレイザーの下部に懸架されたマシンガンの発砲信号を発するボタンに指をかけようとする。

 

「待ってヴィヴィちゃん。」

 

「なんで止めるのさエルシャ!喰われる前に喰わなきゃ!」

 

「食べるかどうかは別にして、一応呼びかけてみましょう?通信範囲に入ったんだし。」

 

それを言われてヴィヴィアンは渋々と言った様子で、ボタンに掛けていた指を離す。それを確認したエルシャはヴィヴィアンに微笑みつつ、バイザーに取り付けられたボタンで公共周波数に合わせて声を飛ばす。

 

『こちら、アルゼナル第一中隊エルシャ。発砲はしないで。貴女の身元確認をしたいだけなんです。』

 

『そーだそーだ!これ以上撃ったら、ジャスミンモール特製グレネードをプレゼントするぞ~!』

 

ヴィヴィアンもエルシャに習い、同じく声を飛ばす。

返答はあるか?

一応ビーコン反応があると言うことは、アルゼナル所属のライダーとしか考えられない。

しかし、現在確認されているライダーの所在はアルゼナルにあるし、アンジュやタスクであったとするならば発砲はしない。

…だったら誰だ…?

先程から渦巻く疑問に、相手は応えるのか?その返答は間もなく、そして以外な結果となった。

 

『エルシャ?それに…ジャスミンモールって…しかもその声ってヴィヴィアン!?』

 

『応えた!?っておろ?なんでアタシの名前知ってんの?』

 

『貴女の所属と名前は?』

 

『え?私、もう忘れられてる?配属してすぐだから仕方ないのかなぁ…。』

 

どことなくしょんぼりした声がバイザー越しに伝わる。

 

『配属してすぐ…?』

 

『お!お!なんか思い出せそう…!』

 

興奮気味のヴィヴィアンとそれを知らずか何かか、相手は名乗る。

 

『第一中隊所属、ナオミです。』

 

それは、かつて配属初日に戦死したはずのライダーの名だった。




次回予告

サリア「思うんだけど。」

ヒルダ「なんだよ。」

サリア「アンタ達3人仲直りできたんだし、記念にフォーメーションでも考えてみたら?スリーマンセルの。」

ロザリー「いいじゃねぇか?」

クリス「具体的にはどうするの?」

サリア「そうね、例えばヒルダの機体を先頭に、ロザリー、クリスがその陰に隠れて突撃。順番に波状攻撃するのよ。」


ヒルダ『ロザリー!クリス!あの白い奴にジェットストリームアタックを掛けるよ!』

ロザリー『おう!』

クリス『了解だよヒルダ。』


なのは『なの!!』

ヒルダ『ア、アタシを踏み台にしたぁっ!?』


ヒルダ「…誰だよ、アタシを踏み台にした奴って…。」






こんな感じで。クロスアンジュ組の口調とか性格、こんな感じだったかな。難しい。とくにヴィヴィアン。
文字数を見たら、今回短めです。
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