魔法少女リリカルなのは 天使とスケベの輪舞   作:ロシアよ永遠に

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こちらを一年近く放置してました。すいません。しかしそれはさておき、



まさかまさかのクロスアンジュがスパロボV参戦に歓喜歓喜!テンションが上がりまくりだし、ハーケンもOG参戦!やべぇ!スパロボ熱が止まらない!


Mission5『召喚、そして背負うもの』

食事も終わり、隊舎の外にある訓練区画。

最新鋭のシミュレーター装置によって、実物と大差ないまでにリアリティを誇る廃墟にて、桃色の光弾が飛び交う。空に浮かぶは、まさに貫禄という言葉が相応しくもある程に堂々とした佇まいで純白のバリアジャケットを纏うなのはだ。デバイスを介さず、己のマルチタスクのみでアクセルシューターを操作し、相対するフォワードの四人を追い詰めていく。が、半年以上この訓練(シュート・イベーション)を熟してきた4人には慣れたもので、ここ一ヶ月の成功率は九割越えだ。これも指揮者たるティアナの指示もさることながら、それを的確にこなす皆のチームワークが高いからこそでもある。

 

「ふぅん…確かに見たところ、この魔法とマナとは別物みたいね。」

 

「アンジュの言うマナって、そこまで違う物なの?」

 

「ぜぇんぜん。私の侍女が使っていたマナの使い方は、『障壁』とか、そんな掛け声一つで発動できるものなのよ。あんな複雑な魔法陣とか術式なんてなかったわ。」

 

六課預かりとなったアンジュとしては、扱いは客人となっているために手持ち無沙汰だった。その為、訓練をするというなのはやフォワードに興味を持ち、フェイト付き添いで見学をしている。目の前で繰り広げられる魔法の応酬に、アンジュは感慨深い視線を向けていた。

 

「アンジュって侍女がいたの?」

 

「まぁね。…侍女でもあり…幼い頃から一緒に居た幼なじみ、でもあるのかしら?」

 

モモカ・荻野目

幼少の頃より自分の筆頭侍女として共に過ごした女性だ。ノーマとしてアルゼナルに投獄されても忍び込み、突き放してもなお尽くそうとし、結局こっちが根負けする事になったような物だ。

 

「で、私はアンジュリーゼじゃない、アンジュだーって言っても聞かず仕舞いで、結局最後までアンジュって呼ばなかったわ、あの子は。」

 

「アンジュって、愛称だったの?もしかして、アンジュリーゼが正しい名前だった、とか?」

 

ともすれば、初対面の自分達が愛称で呼ぶなどと、馴れ馴れしい物である。

 

「別に。アンジュリーゼなんて名前はもう捨てたわ。ノーマとして生きるって決めたときからね。」

 

自分のせいで死んでいった者達の墓前で、ケジメとして髪を切り、それと共に『アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギ』として生きてきた自分と決別したのだ。生きるために。

 

「それに、愛称で呼ばれたくないなら、そもそもアンジュって名乗らないし。変なとこに気を遣わなくて良いわよ。」

 

「そっか。」

 

「ま、そう言った意味合いじゃ、元の世界に戻るまでだけど、仲良くしてあげなくもないわ。」

 

客人であるが故に上からの物言いだ。

ここでサリアが居ようものなら、『アンタの方は客人らしく、普段からだけどもう少し慎みを持ちなさい。』等と皮肉を込めてお小言を言いそうなものだ。

そう言えば皆は無事だろうか。

あの時空の流れに飲み込まれたのを確認したのは、少なくもタスクと自分とだ。他のメンバーがどうなったのかはわからない。…まぁ、サラマンディーネもそうだが、サリアもヒルダも、殺しても死ぬようなヤワな連中じゃない。タスクも自爆テロ染みた爆発から、何故か五体満足だったし。モモカも同じような事が出来たのはマナのお陰だと納得できるが、タスクはマナが使えない古代人だ。無事を喜ぶと共に、夜を共にしたあの後、どうやって生き延びたのかを尋ねた。

 

『昔、嗜んでいたカラテとユニーク・ジツのちょっとした応用だよ。スリケンもその一つなんだ。』

 

…訳が分からない解答が返ってきた。

今となって気になるものだが、カラテ…というのは、空手のことだろうか?自分の知る空手は格闘技の一種であって、あんな爆発をどうこうできるような術はないはずだ。ユニーク・ジツ、と言うのも気に掛かるが、あの時はとにかく無事を喜んで気にしなかった。…スリケン?

 

「ん、私としても、一緒に過ごすからには仲良くしたいと思ってる。勿論皆も。改めて宜しくねアンジュ。」

 

「えぇ、よろしく。フェイト。」

 

横目に見ながらも微笑むアンジュに、思わずフェイトも頬を綻ばせる。自身の方が三つほど年が上なので呼び捨てと言うのも端から見れば失礼だろうが、不思議と嫌悪感は抱かず、むしろ呼び捨ての方が親近感が湧いて有り難く感じた。

そして改めて訓練に目をやるために、柵を枕のように腕を組んで寄り掛かった際、ふと目に入ったものが気に掛かった。

 

「…ヴィルキス…。」

 

左手の中指にはめられた翠の宝石の指輪。母から受け継いだ形見であり、皆と…そして大切な愛機であるヴィルキスを繋ぐ指輪。

 

「アンジュ、ヴィルキスって?」

 

「あぁ…言ってなかったかしら。…でもなんて言ったものかしら。…まぁクサい言い方をすれば…

 

 

 

 

 

 

相棒、みたいなモノかしら。」

 

白い騎士の様な装甲に包まれ、蒼い翼をはためかせたラグナメイル。エンブリヲによって作り出されたが、彼を倒すまで幾度となく自分を助け、守ってくれた大切な相棒だ。

 

「ヴィルキスと一緒に戦って、全てに決着がついて。ハッピーエンドかと思えば、飛ばされて。ホントに退屈しないわ。」

 

「相棒、か。デバイスみたいなものなのかな。」

 

「そっちからしたら、そう言うことになるのかしら。ま、勝手に喋ったりはしないけど、勝手に動くっていう、使う私からしてもまだ把握し切れていない部分もあるわけだけど。」

 

誰も乗っていないのに、発砲することもあれば、呼び出しに応じて転移してくるロボット。更には空間転移にバリア発生。そして実体験からのエネルギーによる刃を生成等々…。思えば切りがないほどに驚かせられてきた。

 

「呼んだら来てくれるの?…カムヒアっ!とか?」

 

「そうね。そんなこともあったかしら。」

 

「呼んでみたら?」

 

「来るかしら?別世界なのに?」

 

「ダメで元々だよ?もしかしたら、帰れる手掛かりになるかも知れないんだし。」

 

「そうね。」

 

元の世界に帰る可能性があるのならば、それが例え僅かでも試してみたい。その思いが、アンジュの気持ちを固めた。

しかし、

フェイトは知らない。

これからこの場で引き起こされる悲劇。その口火を切ってしまったことに。

 

「来なさい!ヴィルキス!!」

 

声高々に、左手を天空にかざし、苦楽を共にした愛機の名を叫ぶ。突然のことに、インターバルを入れていたフォワードとなのはも、アンジュの方へと視線を向ける。

 

しかし、

 

「…やっぱり、無理よね。」

 

乾いた笑みを浮かべるアンジュ。可能性が低いのだから、当然だろう。

注目していた五人も、いきなりのアンジュの奇行に互いの顔を見合わせて首を傾げるばかり。

 

「アンジュさんて、いきなり叫ぶんだね。」

 

「そうね、ちょっと今のは痛かったかしら。」

 

「て、ティアナさん、それは流石に言いすぎかと。」

 

「でもでも、何だか戦隊とかアニメのヒーローみたいでした。その、ロボットか何かを呼び出すシーンみたいで。」

 

「あはは…流石にそれは…」

 

「ちょっとそこ!!聞こえてるわよ!!」

 

なのはが苦笑いを浮かべ、アンジュがツッコミを入れた時だった。

 

まるで笛の音が高い音程を鳴らすかのように周囲の空気を振るわせる。それはその場に居た皆が聞こえているようで、キョロキョロと発生源を探すが、見あたらない。

ふっ…と周囲に陰りが射したのを皮切りに、皆は誰からともなく空を見上げた。曇ってきたのだろうか?いや、天気予報では今日一日雲一つない快晴で、絶好の訓練日和だとなのはは歓喜していたのを覚えている。しかし現に日光は遮られ、訓練区画にその影を落としているのもまた事実だ。そして例の音も、その高さを増していくばかり。

 

「あ…」

 

誰かが言葉を発した。

日の光を遮っていたもの。それは雲ではない、巨大な何か。鋭利な三角形のように見えるそのフォルム。刺々しさもありながら、形だけでその均衡の取れた造形は美しいと想像できるほどに。

そしてそれは、

 

 

 

 

訓練区画のど真ん中に、

 

巨大な轟音と共に、

 

 

 

 

 

 

 

落下した。

 

まるで爆発でも起きたのかという衝撃と、巻き上げられる砂埃。落下の衝撃でシミュレーターが解除されたのか周囲は元の森林に戻っていた。朦々と立ち込める砂塵に視界を奪われ、何が墜ちてきたのかまるで見当がつかない。

 

「けほっけほっ…!い、一体何が?」

 

砂塵から目を庇いつつ、砂塵が晴れるのを待つ。

少し離れたところからも咳が聞こえるのを察するに、なのはやフォワードも無事のようだ。

 

「アンジュ、大丈…」

 

「ほ、ホントに呼んでみるもの、なのね。」

 

アンジュの安否を確認しようと声をかけるが、彼女によってそれは遮られる。そのアンジュの声は若干くぐもり声であり、自分から離れていく足音が聞こえる。…恐らくは落下してきたものに近付いているのだろうか。

 

ややあって、ようやく晴れてきた砂埃。

うっすらと、そしてゆっくりと開いた目の先にあったものに、思わずフェイトは息を呑んだ。

 

それは白い戦闘機のようだった。

青と黒の主翼。太陽に照らされて金色に輝く剥き出しの内部機関。所々白いボディに走る紅いラインがその純白を一層引き立てており、神秘的にも感じる。

そして…コクピットと思しき場所。その後方で白銀に輝く女神像が神々しい。

 

「少し前に別れたばかりなのに、随分懐かしく感じるのね。」

 

そしてアンジュは、この機体の傍らに立ち、慈しむようにそのボディに触れて呟いた。

 

「お帰り、ヴィルキス。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時間後。

機動六課部隊長室にて。

 

「ちょっ!!どういうことなのよこの書類!!」

 

憤慨するアンジュの声がビリビリと響き渡り、バンッ!と隊長席の机を叩く。その声色と同じくして、眼からはありありと怒気が感じられ、目の前に居る茶髪の女性を睨む。

 

「それな、アンジュの…えっと~、ディープキス?やったか?」

 

「ヴィルキスよ!ヴィ・ル・キ・ス!!」

 

「そうそう、それな。それが墜ちてきたときの被害、それの修繕費やねん。」

 

見れば、ざっと見積もった修繕の請求書だった。

価格にして…

 

「なんなのよ!この一億クレジットっていうのは!?」

 

「や、それでも安くした方やで?ある程度は本部からも降りたけど、全額負担して貰うわけにもいかへんやろ?」

 

「だから私に払えって言うの!?」

 

「そりゃまぁ…カルピスの所有者やし?」

 

「ヴィルキスっつってんでしょうがこの狸!」

 

現在ヴィルキスはヘリが収容されている格納庫に鎮座している。ヘリとくらべればかなり巨大ではあるものの、格納庫に収容スペースに余裕があったのが不幸中の幸いだろうか。

 

「あ、あのはやて?」

 

「ん?」

 

怖ず怖ずと話を聞いていたフェイトは、恐縮気味に手を上げる。

 

「その…呼び出してみるように提案したのは私なんだ。だから…」

 

「甘いで…!その話の流れやと、『私が全額払うから』とでも言うんやろ?」

 

「うっ…!」

 

「そりゃ執務官してたら一億クレジットくらいは払えんことないやろ。せやかてハラオウン執務官。それは甘やかしや。」

 

執務官という職種は、その試験が狭き門だけに、見返りがとんでもない。2~3年働けば、郊外に小さな一戸建てが建てられるほどに稼げる。普段から特に使うこともないフェイトにとって、彼女の口座には数億貯まっていたりするわけで…。

 

「まぁそれはおいといて…あの落下の衝撃でシミュレーター装置も破損してな。その修理もせんなんのや。」

 

「何よ、訓練区画に置くんだからもうちょっと頑丈に造りなさいよね!」

 

「あんな数トンもするようなもんが墜ちてくるなんて、誰も想定でけへんやろ。そもそも魔法戦用のシミュレーター装置や。物理的な衝撃は常識の範疇までしか耐えられへんわ!」

 

ぐうの音も出ない、とはこのことだろうか。

 

「…大体、一億クレジットもどうやって払うのよ。そんなの返済できるのはアイツくらいしか………アイツ?うっ……頭が…。」

 

「ま、地道になるけど、六課で雑用として働いて貰おうかな?掃除洗濯…あとはフォワードの訓練とか。」

 

「は?訓練?」

 

思いもしなかった単語に、素っ頓狂な声を挙げるアンジュ。声こそ出さないが、それはフェイトも、そしてなのはも同じだった。

 

「訓練て…アンジュが?魔法って使えたっけ?」

 

「私はノーマよ?って…マナとは違ったのよね。…でも私は魔法のマの字も使用したことないのよ?」

 

「別に魔法だけが訓練と違うよ?…身のこなし方とか、近接格闘戦とか、そう言ったことを鍛えるのも訓練やと思うで?」

 

成る程、となのはも納得できる。シミュレーター装置が壊れたとは言え、魔法戦以外に身体の鍛練も大事な事だ。魔法ばかりに頼るのではなく、肉体的な強さを身に着けるのもまた肝要。さらにアンジュは、アルゼナルに配属されて間もなくして、部隊でトップクラスの戦闘能力を発揮するに至っていただけに、この話も決して悪いものではない。

 

「そうね、掃除洗濯はともかく訓練なら、少しはやれるかも知れないし。」

 

「なら決まりやね。…ま、一億クレジットはともかくとして、帰るまでしっかり働いたらええんよ。残ったらまぁ、こっちで工面したる。」

 

「へぇ…金の勘定に厳しい守銭奴かと思えば、結構気を遣ってくれるのね。」

 

「…丸々負担させてもえぇんやけど?」

 

「じょ、冗談よ。」

 

「まぁえぇわ。仕事については追って連絡するから。退室良し。」

 

「えぇ、それじゃあ。」

 

踵を返して隊長室を後にするアンジュを見送り、はやてはふぅ、と一息つく。

 

「…問題は山積みやな。」

 

「あはは…はやてちゃん、お疲れ様。まぁ訓練はしばらく控えめになるけど、その間アンジュに手伝って貰おうかな?」

 

「そうして貰うわ。…あとは…」

 

「ヴィルキスの報告、だね?」

 

「そうなんよ…どう誤魔…ゲフンゲフン、報告したものか。」

 

「今誤魔化すとか言いそうだったよね?」

 

かくして、アンジュは機動六課にて雑用係として籍を置くことになった。これは後に、彼女がアルゼナルのメンバーに今回のことを知られ、『雑用姫』などという不名誉な称号を与えられることになるが、それはまた別のお話である。




アンジュ「ふむぅ……」

なのは「ど、どうしたの?アンジュ」

アンジュ「いやね、アンタといい、フェイトといい、なんか親近感湧くのよね。」

フェイト「それ、結構他でもネタで挙がっていると思うよ。」

アンジュ「ね、今度カラオケにでも行かない?」

フェイト「ん?良いけど…何歌うの?」

アンジュ「ふふん、分かってるくせに!」

アンジュ・フェイト「恋の桶狭間!」
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