今回、書きたいことを詰め込んでたらいつものに比べ5倍くらいになっちゃいました(−_−;)
少し長いと思いますがよろしくお願いしますm(_ _)m
それでは、今回もだーっ!と頑張りましょう!
ある日の休日、今日も今日とて千冬は龍美の家に来ていた。
「千冬ちゃん一人だなんて珍しいね」
龍美は、自作のチョコチップクッキーと紅茶を用意しながら千冬に聞いた。
「持っていくものがあるから少し遅れるだそうだ。 それより兄さん、私と束がセットみたいな言い方はやめてほしい」
千冬は、頬杖をつき少し拗ねるように言った。 龍美は、ごめんごめんと、少し笑いながら千冬にクッキーと紅茶を渡す。
「そういえば、今日は一夏くんと箒ちゃんも来るんだよね?」
「ああ。 だが二人とも買い物から帰って来てからだから遅くなると思うぞ」
報告が終わると千冬は、龍美が作ったクッキーを嬉しそうに頬張っていると、
ドゴォーーーン
「な、なんの音!?」 「な、なんだ!?」
庭の方で大きな音がなった。 龍美と千冬は急いで庭に通じる窓を開ける。 そこには、
「「に・・・人参?」」
巨大な人参がそびえ立っていた。
「おっまたせー!」
束が人参の横から顔をひょこっと覗かせた。
「あ、いらっしゃい束ちゃん」
龍美は呑気に手を振る。
「で、これはなんだ束」
「ふっふっふっ・・・この人参はとってもすっご〜い機能があるのさ! 名付けて、【ニンジンメイデン 試作型】」
「ネーミングセンスが皆無だな」
千冬はニンジンメイデンを見上げながら言った。
「ところでどんな機能があるの?」
聞かれた束は待ってましたといわんばかりに目を輝かせる。
「なんとなんと、このニンジンメイデンを使うと・・・十年後の自分と五分だけ入れ替わることができるのだ!」
束は両手を腰に当てえっへんと胸を張る。
「本当にできるのか?」
千冬は訝しげにだけを見る。
「もっちろん! やり方は簡単、ニンジンメイデンの中に入ってこのボタンを押すだけ! 遠隔操作だから外からでも大丈夫! それじゃ、ちーちゃんいってみよー!」
束は千冬の背中を押そうと走ってくるが、千冬がひょいっとそれを避ける。
「えっ?」
束はそのままニンジンメイデンの中に駆け込んで行った。
「せっかく造ったんだから束、お前が一番に試すのがいいだろう?」
千冬はにやりと笑いドアを閉めていく。
「ま、待ってちーちゃん! もう一人ならぎりぎり入るから一緒に「気をつけてね? 束ちゃん」 た、たつ兄!? あ! たつ兄一緒に行かな」
千冬はドアを閉めると躊躇なくボタンを押した。 ドアの隙間から煙が噴出する。
「こ、これって大丈夫なの?」
龍美は千冬の方を見る。 千冬はいつも通りの凛とした顔で、
「お茶の続きをしよう兄さん」
全力で現実逃避をしていた。 千冬が家の中に入ろうとしたとき、ニンジンメイデンのドアがゆっくりと開いた。
「た、束ちゃん?」
龍美が恐る恐る中を覗くと突然、目の前が真っ暗になった。 そして柔らかい感触が・・・
「たつ兄〜! 久しぶりぃ〜!」
まるで不思議の国に迷い込んだ少女の様な服装をし、メカメカしいうさ耳を着けた束が龍美を胸に押し当てる形で抱きしめていた。
「ん〜!!」
龍美が必死に束の腕をタップする。
『い、息が!』
「ふん!」
千冬が龍美と束を引き剥がす。 龍美はぎりぎりのところで意識を失わずに済んだ。
千冬は腕を組み、
「十年経っても相変わらずだな、束」
ため息を吐きながら言う。
「むむ! ちーちゃん! 私とたつ兄の再会を邪魔するとは!」
束が手をわきわきさせ始める。
「ふっふっふっ、ちーちゃん! 束さんとはぐはぐしよう!」
束が千冬に飛びかかる。
「ふん!」
千冬がアイアンクローを決めようと手を伸ばすが、
「甘いねぇ〜ちーちゃん!」
束はひらりと躱し千冬に抱きつく。
「ちーちゃんは可愛いなぁ〜」
束は抱きつきながら千冬を撫でまわす。
「くっ! 離せ!」
千冬はなんとか抜け出そうと抵抗するが束ががっちり掴んでいるため抜け出すことは不可能だった。
「元気そうでよかった」
いつのまにか、束の背後にまわっていた龍美が束の頭を撫でる。
「ん〜、相変わらずたつ兄のなでなでは格別だねぇ〜」
束がなでなでを堪能していると、ニンジンメイデンから声が・・・
「やっほー! あと三十秒で五分経つよ〜! 優しい優しい束さんからのアナウンスでした〜以上!」
「あと三十秒かぁ〜」
十年後の束がしばらく何かを考えていると突然、龍美と千冬を抱きしめ二人の間に顔を埋める。
「先に行ってるね、ちーちゃん。 たつ兄」
束は最後にとびっきりの笑顔を見せると、
「ふぇ?」
ぽんと気の抜けた音とともに元の束に戻った。 戻った束は抱きついたままの状態しばらく固まっていると、
「いつまでくっついているんだ!」
千冬におもいっきりアイアンクローを決められる。
「うぎゃぁぁぁ! ち、ちーちゃん! 私じゃないよー! 十年後の私だよ!」
必死に腕をタップする。
「どっちにしろ束だろ?」
千冬は力を強くしていき、束から、なってはならない音がしたと思ったら束の腕が力なく垂れる。 その後、束が復活するまで数十分かかり龍美と千冬はお昼に何を食べるか話し合うのだった。
「次はどっちがやる〜?」
束はさっきのダメージが嘘のように完璧に復活していた。
「私が行こう」
千冬が中に入って行く。
「気をつけてね」
龍美がゆっくりとドアを閉める。
「それじゃあいっくよ〜、ポチッとな」
束がボタンを押すと、先ほどと同じように煙が噴出する。 しばらくして、ゆっくりとドアが開いた。
「まったく、今も昔も束には頭を悩まされる」
そこには、黒を基調としたスーツを完璧に着こなした千冬が立っていた。 ちなみに、パンツスーツではなくタイトスカートだったり。
千冬がきょろきょろと周りを見回していると、龍美と目が合った。 千冬は顎に手をあて、しばらく龍美を見ていると静かに龍美の頭の上に手を乗せ撫で始めた。
「ち、千冬ちゃん?」
龍美が戸惑っていると、
「いつもは撫でられているからな、たまには私が撫でようと思っただけだ。 それに、」
「それに?」
「背丈的にも撫でやす・・・はっ!」
千冬は無意識に言ってしまった。 この時代の龍美が背丈に関してそこそこ気にしているのを忘れていたのだ。 龍美は乾いた笑みを浮かべ、
「そうだよね・・・今の千冬ちゃんからしたらいい腕乗せだよね・・・」
と柄にもなくブルーになっていた。
「べ、別にそういう訳では!?」
千冬も珍しくあたふたと慌てる。 そこに、
「ち〜ちゃ〜ん! 私も頭を撫でて欲しいんだよ〜!」
束が頭を突き出し突進してくる。
「ふん」
千冬は問答無用で束の頭を鷲掴みにする。
「ぬわぁぁぁぁ! ちーちゃん! 頭の耐久度的にまずいよぉ!」
束は必死に抜け出そうとするがもちろん逃れられるはずもなく・・・
またもやなってはいけない音が聞こえ、束から力が抜ける。 それに合わせるかのようにアナウンスが鳴る。 千冬は束を適当にその辺に寝かせ、改めて龍美と向き合う。
「兄さん」
龍美が顔を上げると千冬と目が合う。 千冬の目はいつになく真剣でそれでいて少し哀しそうだった。
「・・・忘れないで欲しい・・・兄さんは一人じゃないことを」
何も言わずに聞いていた龍美は、少し背伸びをして千冬の頭を撫でる。
「わかってる。 僕はみんなに支えられてるよ」
龍美は微笑みながら言う。 千冬は「そうか」と優しく微笑み寝かしている束のところへ行くと軽く頭を撫でる。
「今回だけだ」
そっぽを向きながら言った。 しばらく撫でているとまた、ぽんと気の抜けた音が鳴り元の千冬に戻った。 千冬が今の状況に固まっていると、
「千冬姉〜たつ兄〜来たよ!」
一夏と箒が庭に入ってくる。 束が気絶しているため龍美と千冬が状況を軽く説明し、お昼ご飯を食べながら束が復活するのを待った。
「よぉ〜し! 次はいっくんと箒ちゃん! いってみよぅ!」
束は二人の背中を押し中に入るように促す。 中に入ってから、一夏は特に怖がる様子もなかったが箒は少し震えていた。 一夏は箒が震えていることに気づくとぎゅっと手を握った。
「箒、俺が着いてるぞ」
箒は何も言わず手を強く握り返す。 いつのまにか、箒の震えは止まっていた。
「それじゃあ! ポチッとな」
束がボタンを押し煙が噴出。 しばらくして、ドアが開く・・・はずなのだが一向に開く気配がない。 代わりに中らから微かに声が聞こえた。
「どこを触って・・・! ・・・変態!」
「俺のせいじゃ・・・って箒さん!?」
束が中を確認しようとドアに手をかけようとした瞬間、
「ぶべっ!」
勢いよく開いたドアに、束は顔面をぶつけドアの勢いと共に吹っ飛ばされる。 それに合わせて何かが勢いよく飛び出てくる。
「うぉぉぉ!」
「えっ!?」
正面にいた龍美と思いっきり衝突した。
「まったく! いきなり手を握るとは不埒だぞ! 一夏!」
後から腕を組みゆっくりと出てきたのは箒だった。
「いきなり蹴り飛ばすことないだろ! 箒!」
一夏が体を起こしながら言う。 箒はふんとそっぽを向いてしまう。 一夏がはぁとため息を吐いていると、
「そ、そろそろ退いてもらってもいいかな・・・ い、息ができなくて・・・」
龍美が苦しそうに声をあげる。
「うおっ!? す、すまん! たつ兄!」
一夏が急いで龍美の上から退く。 一夏が申し訳なさそうに頬を掻く。 そんなとき千冬と目が合った。
「おぉ! 千冬姉がまだ小さい!」
それに感動したのか一夏は千冬の頭にぽんぽんと手を乗せる。
「うぐっ!?」
一夏は胸のあたりを押さえながら膝をついた。 千冬の強烈な一撃が鳩尾に入ったのだ。
「姉の頭に手を乗せるとは、偉くなったものだな一夏」
千冬は腕を組み一夏を睨む。
「ち、千冬姉は既に千冬姉だったか・・・」
一夏はそう言い残して倒れた。 一方その後ろでは、
「箒ちゃ〜ん! 美人さんになっちゃって〜 お姉ちゃん嬉しいぞ〜!」
束は箒に抱きつきながら言う。
「ね、姉さん!」
箒は照れながらもまんざらでもない様子だったが、
「ぬへへへへ、よいではないか よいではないか〜」
その一言で箒は束に制裁という名のげんこつをお見舞いする。
「いったぁ! 酷いよ箒ちゃ〜ん、お姉ちゃんはただ妹の成長を確認してただけなのにぃ」
束は頭をさすりながら箒を見る。
「自業自得です」
箒は腕を組み、ふんとそっぽを向く。
「うわ〜ん、たつ兄ぃ〜箒ちゃんがいじめるよぉ〜」
束は龍美に泣きつき頭を撫でられる。
「あまり姉さんを甘やかさないでください・・・たつ兄」
「そうだね、少し甘やかし過ぎたかも。 でも、束ちゃんの言う通り箒ちゃんすっごく美人さんになったね」
「なっ!? たつ兄までからかわないでください!」
箒は顔を真っ赤にさせながら言う。
「いやいや、束さんやたつ兄の言う通り箒は美人だと思うぞ?」
「い、一夏!?」
いつのまにか復活していた一夏も腕を組みうんうんと頷いていた。 箒はさらに顔を真っ赤にさせ一夏をぽかぽかと叩く。 それを見ていた龍美たちは、
「青春だね」 「青春だな」 「青春だよね」
揃って言うのだった。
龍美たちが見ていると、また聞きなれたアナウンスが流れる。
「一夏くん、箒ちゃん」
龍美は二人の頭を撫でる。 ちなみに、全力で背伸びをしながら。 二人は少し恥ずかしそうにするが、しっかりと撫でられる。 しばらくすると、龍美と入れ替わるように千冬と束が二人の前に立つ。 一夏と箒が頭にハテナを浮かべていると、千冬は一夏の頭をわしゃわしゃと撫で、束は箒を抱きしめ優しく撫でる。
「ち、千冬姉!?」 「ね、姉さん!?」
「姉の頭を触ったんだ。 黙って撫でられろ。それと・・・頑張れよ」
最後に千冬はそっぽを向きながら言った。
「箒ちゃんも頑張ってね! それと、ちゃ〜んといっくんのハートを射止めるんだよ?」
「なっ!?」
束はにやにやと笑いながら箒に言う。 箒が束に何かを言おうとした瞬間、また例の音がなり二人が元に戻る。 戻った一夏の口の周りには、なぜかミートソースがべったりとついていた。
「さてさて〜最後にぃ〜たつ兄! いってみよう!」
束に言われ龍美が中に入って行く。
「それじゃあ行ってくるね〜」
龍美は手を振りながらドアを閉める。
「それじゃあ! ポチっとな!」
束がボタンを押し煙が噴出するが・・・ さっきまでは白い煙が真っ黒に染まっていた。
「束! どうなっている!」
「も、もしかして!」
束はまだ煙が出ているニンジンメイデンのドアを開ける。 さらに、黒い煙が噴出する。
「・・・やっぱり、冷却装置が壊れてる」
束が顔を青くして言う。 千冬は一夏と箒に家の中に入るように言い駆け寄ってくる。
「兄さんは無事なのか!?」
「中には何も残っていなかったから未来には行けたんだと思う・・・」
「なら未来の兄さんは何処に行ったんだ?」
束はパソコンを起動し凄い勢いでキーボードを叩きながら言う。
「たぶん、時間軸に閉じ込められたんだと思う」
「ということは二人とも無事なんだな?」
束はこくりと頷く。 千冬はほっと息を吐く。
「さっき、冷却装置がなんとかと言っていたがあれは?」
「いっくんと箒ちゃんが来たときに、おもいっきり蹴り開けたでしょ? あれの衝撃で冷却装置が圧迫されたんだと思う」
束はパソコンの画面を見ながら言う。
「普通、蹴りで圧迫されるものなのか?」
束は首を振る。
「ちーちゃんならあり得るけど、っていたたたた! 痛いよちーちゃん!」
千冬は束のこめかみをぐりぐりする。
「まあ、相当強い衝撃を受けたと言うことだな。 ならどうやって元に戻すんだ?」
千冬は束を離しながら聞く。
束はこめかみをさすりながら、
「残念だけど、こっちからじゃ何もできないね〜 あっちの束さんがこっちに送り返さないとたつ兄は元の場所に戻ってこれないよ」
「どれくらいかかるんだ?」
千冬はため息を吐きながら聞く。
「それもあっちの束さん次第かなぁ〜」
束は頭の後ろで手を組み空を見上げる。 千冬もため息を吐き束と同じように空を見上げる。
千冬と束はただ龍美の帰りを待つのだった。
作「なんか大変なことになってるな」
束「それより投票はどうなの?」
作「そ、それが・・・心優しい人が一人来てくれたんだ」
束「一人!? なんでさ!?」
明里「きっと作者が投稿遅いからだよ」
作「うっ!」
束「いや誤字脱字が多いからでしょ」
作「うぐっ!」
明里「足が臭いからだね」
作「う、って関係ないだろ!」
束&明里「まだまだお待ちしてます!」
作「活動報告にてお願いします!」
感想、質問、応援メッセージお待ちしてます( ´ ▽ ` )ノ