ゾイド After War   作:西川の兄貴

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第10話 それぞれの作戦

戦いから2ヶ月後・・・

ネオゼネバス軍が占拠したニューへリックシティは戦闘による破壊の跡も片付けられ、先の戦闘で大佐に昇進したハンナ・ハンナの部隊が統治していた。

 

次の作戦を担当する部隊がトライアングルダラスの本部からぞくぞくと送りこまれてくる。

 

ハンナの部隊はその補給や整備などの戦闘準備支援に追われていた・・・

 

 

「貴官がハンナハンナ大佐か?

此度の戦闘は誠に大義であった。

そして、我が隊への戦闘準備支援感謝する。」

 

年齢は60代後半と言ったところだろうか・・・

白髪混じりの、しかし只者ではない雰囲気を醸し出す将校が歩み寄ってくる。

 

「はっ!

ありがたきお言葉!

・・・貴官は?」

 

「これはこれは申し遅れてすまない。

本隊に遅れて先ほど到着したばかりでね・・・

今回の作戦部隊の指揮官を務めるゲイル准将だ。

よろしく頼む。」

 

ゲイル准将と名乗った士官がハンナに敬礼を返す・・・

 

「こちらこそ!

ゲイル准将・・・

今回の作戦というのは・・・」

 

「あぁ・・・

次の標的はガイガロスだ・・・

両国の頭を潰すのが一番早く戦いが終わるとの陛下のお考えだ・・・」

 

 

 

一方、帝都ガイガロス・・・

ミレノス城、帝都守備軍作戦室・・・

 

 

「ニューへリックシティを占拠したネオゼネバス軍は恐らくこのガイガロスを攻めてくるだろう・・・」

 

シュバルツがネオゼネバスの予想される動きと今後の作戦を説明する・・・

 

 

シュバルツの作戦はこうだ・・・

 

ニューへリックシティに集結したネオゼネバス軍はガイガロスに攻めてくることが予想される。

あらかじめ市民と主力部隊を脱出させ、脚の速いゾイドを中心とした部隊で敵部隊の数を削りつつ市街地に引き込み、離脱と同時に軍施設を爆破。

その後都市の占領で数が減ったネオゼネバス軍をゲリラ戦法で撃破というものだ・・・

 

 

「私にはその作戦は賛同しかねます。

そのような民衆を巻き込む作戦など・・・」

 

ルドルフが苦い顔をする・・・

 

「しかし陛下・・・

敵軍は確かに規模も大きくはない。ガーディアンフォースの援助があれば勝利を収めることもできましょう。

しかし、それではこちらの犠牲は兵だけでなく市民にも及びます。

さらにここでいたずらに戦力を損失すればトライアングルダラス内の本隊には決して勝利することはできません。

これが市民と兵の人命を守るための最良の策です・・・

どうかご理解ください・・・」

 

「仕方ありません・・・

しかし、僕にも戦わせてください。

それがこの作戦の実行条件です。」

 

「陛下・・・

しかし、それは・・・」

 

「シュバルツ、諦めろ。

ルドルフはこうなったら聞かん・・・」

 

「ロッソ!

しかし、こんなところで陛下を・・・」

 

「安心して!

ルドルフにはあたしがつくわ!」

 

「ヴィオーラ!

よろしくお願いします!」

 

ルドルフが目を輝かせる。

 

帝国軍司令部の面々のため息ともに軍会議は終了する・・・

 

格納庫・・・

各々が自分の機体に取り付き調整に勤しむ・・・

 

 

バーサークフューラー、ライガーゼロの前でドクターDが歩み寄る・・・

「バン!レイヴン!

お前さんらの戦闘データの解析が終わったぞい!

ちょっと来てくれ!」

 

2人が降りてくる・・・

手近なモニターにディスクを入れて説明を始める・・・

 

 

「お前さんらが戦ったダークスパイナーというゾイドだが・・・

こいつは背ビレから出すジャミングウェーブで他のゾイドの操縦系を混乱させ、自分の意のままに操る・・・

ネオゼネバス軍はこいつとジャミングウェーブ増幅装置をつけたゾイドを使って大量のゾイドを操っておる。

じゃが、お前さんらのゾイドは野生体のゾイドの闘争本能をオーガノイドシステムと呼ばれる自己学習システムで増幅させてある。

すでに体験したと思うが野生体に近い素体の状態ならブレードライガーとジェノブレイカーのメモリーバンクとリンクしてるおかげでお前さん達の精神とリンクして高い戦闘力が得られる。

お前さんらはその特性を活かしてダークスパイナーを無力化することが今回の任務だ。

そして、今回はバーサークフューラーがスピードと格闘能力重視のシュトルムユニットで、ライガーゼロが射撃能力と重装甲のパンツァーユニットで連携をとってくれ。」

 

 

「なるほど・・・

まあ、バンが失敗しなければ大丈夫さ。」

 

「へっ!・・・

俺がレイヴンの援護ってが気に入らねえけどな・・・

しっかりやってやるぜ!」

 

 

「アーバイン!トーマ!

次はお前さんらじゃ!

それとリーゼも来てくれ!」

 

ドクターDが3人を呼び集める・・・

 

「まずはワイツウルフじゃが・・・

修理と調整は完了した。

前回の戦闘で機能が停止した後に再起動し、さらにお前さんと精神のリンクをし、本来のスペック以上の戦闘力を発揮したことじゃが・・・

ワイツウルフは古代遺跡で発見した3つの伝説の虎型ゾイドのコアのうちの1つを2つに分裂させたものを使っている・・・

これは余りにもパワーがありすぎて、暴走の危険があるために行った措置じゃ・・・

そしてこの前の戦闘での現象じゃが、多大なダメージが引き金となって本来の虎の力の一部が解放され、使っていたフレームがコマンドウルフだったためにオーガノイドシステムが搭載されてないにも関わらず、精神的にリンクを果たし、なんとか制御できたというわけじゃ・・・

しかし、ワイツウルフのままでは莫大なパワーに機体が耐えられん・・・

そこで分裂したもう1つのコアをブロックスシステムによりザビンガとし、そいつと合体することで、ワイツタイガーとなり、本来の力が出せるはずじゃ!」

 

「なるほどな・・・

そんで、そのザビンガってのはいつ使える?」

 

「まだ調整中じゃ・・・

現時点でも合体できないことはないが、パワーの制御システムが完全ではないのでな・・・」

 

「わかった・・・

完成の前に敵さんがこなきゃいいがな・・・」

 

「リーゼ・・・

お前さんの新しいゾイドはこいつじゃ・・・」

 

格納庫のワイツウルフの隣に並ぶ蒼色の虎型ゾイドをドクターDが示す・・・

 

「これがボクの・・・」

 

「レイズタイガー・・・

こいつも古代遺跡で発見した伝説の虎型ゾイドのコアの1つじゃ・・・

ワイツタイガーが高速戦闘型に対し、こいつは格闘戦闘型じゃ!

全身に装備された集光パネルによってビームによる射撃を吸収し、格闘戦で敵にそのエネルギーを直接叩き込む・・・

さらにブロックスとの合体機能も追加されておるゆえ、ディスペロウ等のブロックスにより射撃能力を付与することも可能じゃ。

そして、こいつはスペキュラーと合体することにより暴走させずに制御できるはずじゃ!」

 

「ただ、不安事項もあるの・・・」

 

フィーネが言葉を続ける・・・

 

「本来虎型のゾイドは3体いるはずなの・・・

だけど遺跡からは2体しか発見できなかった・・・」

 

「お嬢ちゃんのいう通りじゃ・・・

こいつらは3体でデスザウラーに対抗するために造られたゾイドじゃ・・・

それだけ強大な力を持つゾイドのうちの1つが消えたとなると・・・」

 

「敵の手にまわったと考えるのが妥当だろうね・・・

バンとレイヴンの話だとヒルツも復活したらしい・・・

ヒルツならそれだけの戦力を見逃すはずがない・・・」

 

リーゼも不安気に言葉を続ける・・・

 

 

「シュバルツ大尉!」

 

「兄さん!」

 

「トーマ・・・

シュバルツ大佐だ。」

 

格納庫にシュバルツが入ってくる・・・

 

「ドクターD・・・

シュバルツ大尉への説明はお済みですか?」

 

「いや、まだじゃ。

じゃが、ディスペロウの整備は終わっておるわい。

いつでも出られる。」

 

「よかった。

ありがとうございます。

シュバルツ大尉・・・

お前の任務は攻め入る敵に対して街の中からの砲撃により陣形を乱し、高速戦闘部隊の援護をする部隊の指揮をとってもらう。

その際にどこに対して砲撃するかをビークの演算機能を使って適確に指示を出すんだ。

やれるな?」

 

部隊の準備も整いもはやネオゼネバスとの激突も時間の問題と思われ、兵士の緊張も募ったまま時が過ぎる・・・

 

 

 

しかし、事態は突如として動き出す・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は短めです。
次回はバトストのあの名シーンのオマージュです。
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