ゾイド After War   作:西川の兄貴

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第11話 激突

基地の休憩所・・・

 

「しかし、新しいゾイドを届けるためにわざわざガイガロスまでって・・・

じいさんも大変だなぁ・・・」

 

「なぁに・・・

わしのゾイドは完璧じゃが、お前さんらが無茶をして壊すからな・・・」

 

「要するにゾイドのためならどこへでもってことだろ・・・

この物好きじいさんは・・・

お嬢ちゃんも気をつけた方がいいぜ・・・

あんまこき使われねぇようにな。」

 

「ふふっ・・・

私は大丈夫よ・・・

はい。コーヒー。」

 

「うむ・・・いい塩加減じゃ・・・

お前さんは少しは感謝せんかい!

お前さんのワイツウルフが1番ひどかったんじゃぞ!

 

なんじゃ?・・・」

 

 

 

突如として、爆音に続いて激しい衝撃が走る・・・

 

 

「ちっ・・・一体何がおきやがった・・・

襲撃か?・・・」

 

各々は対応するべく格納庫と司令室に向かう・・

 

 

 

「シュバルツ!

何があった?」

 

すでにフューラーに搭乗したレイヴンが対応に追われる司令室に通信を入れる・・・

 

「爆撃だ!

奴らはレーダーでも写らないほどの高度から無人爆撃機を大量に降下させてきた・・・

高速戦闘用のゾイドの装備では速すぎて迎撃できない・・・

現在トーマが特科部隊の指揮をとって迎撃している・・・

君達も応援に向かってくれ!」

 

「ちっ・・・

役立たずが・・・」

 

「わかった。

なんとかする・・・

高速戦闘部隊は無駄にできねぇから俺とレイヴンで行く。」

 

悪態をつくレイヴンをよそにバンが通信に割り込み、発進して行く・・・

 

「えぇぇぇい!

これではキリがない・・・

母艦を叩かねば・・・」

 

1人指揮をとり、ガイガロス上空の爆撃戦闘機型ゾイドを砲撃部隊で迎撃するトーマ・・・

 

ビークによる演算で叩き出された目標を転送して砲撃させているので攻撃効率自体はいい・・・

しかし、空を覆うばかりの敵と投下された爆弾に対処するには装備も頭数も足りなさ過ぎる・・・

次第に数に押されて1機、また1機と爆弾の雨の、敵の砲塔の餌食となってゆく・・・

 

「くそ・・・このままでは・・・」

 

突如空を覆い尽くす敵の中を2筋の光条が突き抜ける。

 

「だらしねぇぞ!トーマ!」

 

背に背負う2本の砲塔から煙を上げながらバンの駆るライガーゼロパンツァーがディスペロウに歩み寄る・・・

 

 

突如ドクターDから通信が入る・・・

 

「バン、トーマ!

聞くんじゃ!

こいつらはザバットと言って、ネオゼネバスの連中がガイロスから持ち去ったデータで作られたゾイドじゃ。

無人機ゆえにパイロットが耐えられぬ空中戦をこなす上に中型ゾイドクラスなら一撃で大破させるほどの爆弾を持っておる。

絶対に基地に落とさせてはならんぞ。」

 

「ったく・・・

無茶ばかり言いやがって・・・

全部撃ち落とすぞ!

トーマ!」

 

「待て!

ディスペロウじゃ爆撃を避け切るのは無理だ。

ディスペロウをレイズタイガーに合体させろ!

敵の攻撃は僕が避けてやるから君は射撃に集中するんだ。」

 

レイズタイガーが空中のザバットを叩き落としながら駆け寄る・・・

 

「無茶だ!

シミュレーションすらしてないことをいきなり・・・」

 

トーマが抗議の声をあげる。

 

「大丈夫さ。

ブロックスは他のゾイドと合体して出力をあげるとこができるゾイドだ。

それに・・・

合体はスペキュラーがサポートしてくれる。」

 

「2人とも迷ってる時間はねえぜ!

早くやれ!」

 

「ちぃ・・・

行くぞ!ビーク!」

 

 

トーマの気合とともにディスペロウが空中で分解しレイズタイガーを取り囲む・・・

 

「スペキュラー!」

 

リーゼの声に反応してスペキュラーがレイズタイガーに合体すると同時に分解したディスペロウがレイズタイガーの装甲に、武装になる・・・

 

「よし!

成功だ!

射撃は任せたぞ!」

 

2体のコアが共鳴し、出力が上昇する。

 

 

 

そこには、ディスペロウの角を前脚に、砲門を背中を中心にまとったレイズタイガーが佇んでいた・・・

 

 

武装した蒼き虎が咆哮をあげ走り出す・・・

 

 

「スペキュラーでもこいつを制御しきれるのは5分が限界だ・・・

一気に蹴散らすぞ!」

 

「ビーク!

こっちの動きと敵の動きから予想射撃目標を出せ!

うぉぉぉお!

ファイヤーぁぁぁ!」

 

レイズタイガーが低空のザバットを撃ち落とし、着地と同時に砲門が開かれて空を爆煙に染める・・・

 

突如空に荷電粒子砲の光が走る・・・

 

「この程度の敵に一体なにをやっている。」

 

シュトルムフューラーが歩み寄る・・・

 

通信が入る・・・

 

「現在、敵の降下用ホエールキング迎撃の為の準備をしとるとこじゃ・・・

敵の本体との戦闘を考えれば、ここで戦力を割く訳にはいかん。

今、シュバルツとアーバインがそっちに向かった。

なんとか持ちこたえてくれ・・・」

 

「へっ・・・

なにいってんだ?じいさん!

持ちこたえるどころかこれくらい俺達で片付けてやるぜ!

行くぜ!

ハイブリッドキャノン!

ファイヤー!」

 

ゼロパンツァーの背部の砲塔からエネルギーの光が吐き出される・・・

 

「ふん・・・

だいたいこんな無人ゾイド如きでここを落とせるとでも・・・

こっちの力は先刻ニューへリックで見せたばかりだろう?

ナメるなぁぁ!」

 

シュトルムフューラーの口腔から荷電粒子の光が放たれる・・・

 

「よし!

行けるぞ!

バンとレイヴンは基地の周りに集結し、上空のザバットを撃ち落せ!

アーバイン、リーゼ、トーマは私と共に低空で飛ぶザバットを叩き落とせ!」

 

到着したシュバルツが適確な指示を出す・・・

 

 

バンのハイブリッドキャノンが、レイヴンの荷電粒子砲が上空のザバットを薙ぎ払い、

トーマ、シュバルツ、リーゼ、アーバインの高速戦闘ゾイドが低空で飛ぶザバットを叩き落としてゆく・・・

 

見事な連携により、いつしかザバットの数も数える程になってゆく・・・

 

「もう少しだ・・・

トーマ!」

 

「なにぃ?

ビーク!

弾切れだとぉ?」

 

「なにをやっている!

どうして考えなしに打ちまくるんだ?」

 

「どうした?

リーゼ!トーマ!

弾切れでも爪も牙もあるだろうが!」

 

「そういうことだ!

この程度の数なら全員弾切れでも格闘戦でなんとかなる!

連携をとって1体ずつ潰すぞ!」

 

言い争うトーマとリーゼ、それを茶化すアーバインと指揮を取り続けるシュバルツ・・・

 

「撃てないならいても仕方ない!

さっさと撤退しろ!

ここは俺とバンでなんとかする!」

 

「いや、レイヴン!

お前もさがっていいぜ!

まだパンツァーには奥の手があるからよ!」

 

突如ライガーゼロのコックピット内から数多のモニターが迫り出し、機体各所の装甲のハッチが開く。

次々とザバットをロックオンする・・・

 

「行くぜ!

バーニングビックバン!」

 

ゼロパンツァーの身体中から無数のミサイルが放たれ、ザバットを1体残らず追尾し、ガイガロスの上空を爆炎に染める・・・

 

「馬鹿野郎!

そんなもんがあるなら最初から使いやがれ!」

 

呆れ果てるアーバイン・・・

 

「いずれにしてもこの場は凌いだ・・・

次に備えよう・・・」

 

各々は基地内へと戻ってゆく・・・

 

ブリーフィングルーム・・・

 

「先ほど、説明した通り、あの飛行ゾイドはザバットといって無人機で超高高度から降下し、爆撃を行ったのちに戦闘機として行動する。

恐らく敵は此奴らを使って、本体との戦闘の前にこちらに大打撃を与えることが目的じゃった。

そして、それが失敗した今でも有効性は健在じゃ。次の戦闘でも使用するじゃろう・・・

そこで此奴らの降下方法じゃが、ホエールキングを2倍近く大型化し、補助ブースターを追加し、航続距離、艦載数、限界高度を強化したもので大気圏ギリギリから降下してくる。

当然降下される前にこのホエールキングを叩くのがベストじゃが、デススティンガーの時よりも高度が高い上にそれなりの量の弾薬が欲しい為、ストームソーダでさえ迎撃は困難じゃ・・・

そこでじゃ・・・ハーマンが共和国からの支援として送ってくれたもののなかにサラマンダーが2体ほどある・・・」

 

「ここからの説明は俺がしよう・・・

このサラマンダーだが、旧大戦時代に使われた大型爆撃機で、マグネッサーウィングが強力な為、ある程度は宇宙空間までいける。

こいつに帝国製の大型ミサイルを背負わせて迎撃に出る。

しかし、なにぶん旧大戦時代のゾイドで資料も少なく、稼働可能にできたのは2体だけだ。

ミサイルの重量も考えてドクターDによってチューンアップがされている。

そのため、ストームソーダの様に補助ブースターや打ち上げ設備は要らない。

パイロットはデススティンガーの時の経験も考えてアーバインとトーマにやってもらう・・・」

 

 

ドクターDの説明にハーマンが付け加える・・・

 

「それがこちらが取りうる作戦としてのベストだな・・・

ならばこちらはゼロパンツァーのバンが砲撃ゾイドによる特科部隊の指揮を・・・

私がセイバータイガーで高速戦闘部隊の指揮を・・・

レイヴンはリーゼ、三銃士とともに先陣を、

陛下はロイヤルセイバーで全体の指揮を・・・

アーラバローネは陛下の護衛を頼む・・・」

 

 

戦闘準備と整え、待機する中で、突如警報が鳴り響く・・・

 

 

 

「敵部隊が動き出しました。

各人配置についてください。

この闘いの目的はネオゼネバス軍にできる限りの打撃を加えて次の闘いに繋げることです。

決して無理はせずに落ち着いて市内に引き込んで数機で囲んで撃破してください。

勇敢なガイロス兵の健闘を期待します。」

 

 

ルドルフの凛とした指示のもとゾイド部隊が出撃してゆく・・・

 

 

 

「エールキングを補足した。

サラマンダーは発進じゃ!」

 

「俺たちにかかってるな・・・」

 

「どうした?

トーマ!

ヒビってんのか?

ただミサイルを届けに行くだけだぜ!」

 

「バカを言うな!

軽口を叩く暇があったら任務に集中しろ!」

 

「へっ・・・

なにムキになってんだ?

先行くぜ?」

 

「なっ・・・

おいてくな!」

 

 

背に身の丈を越えるミサイルを背負ったサラマンダーが2体飛び立ってゆく・・・・

 

 

「ふぅ・・・

あいつらで大丈夫かのう?・・・」

 

 

 

 

 

 

「ガイガロス東方からネオゼネバスが侵攻してくる・・・

レイヴン、リーゼ頼んだぞ!

ある程度敵の戦列を乱したら撤退し、市内に誘い込んでくれ。

敵が射程内に入ったら砲撃部隊で打撃を与える。

くれぐれも味方の砲に当たるなよ。」

 

「ふん・・・

シュバルツ。

君は一体誰にものを言ってるんだい?

いくぞ!

リーゼ!」

 

フューラーとレイズタイガーが歩き出す・・・

 

「レイヴン、ちょっと待て。

こいつを連れてけ!」

 

ドクターDの隣をシャドーが歩いてくる・・・

 

「お前さんらのゾイドの改良にはこいつらの能力の解析が必要での・・・

なんとかシャドーは終わった。

ジークも程なく終わる・・・

これでお前さんも存分に戦えるじゃろ。」

 

「ふん・・・

どいつもこいつも余計な心配ばかりしてくれる。

いくぞ!

シャドー!」

 

「グルゥ・・・」

 

シャドーがフューラーの元に飛び立つ。

2人が出撃してゆく・・・

 

 

 

 

疾走するレイズタイガーとフューラーの横に3体の金と銀のセイバータイガーが並走してくる・・・

 

「陛下の命により我等も切り込む!

よろしく頼む。」

 

帝国の伝説のゾイド乗り・・・三銃士だ・・・

 

「ふん・・・

なんでもいいけどそんな機体で俺たちに着いてこれるのかい?

せいぜい足手纏いにならないでくれよ。」

 

「若僧が言ってくれるわい・・・

本物のゾイドの戦い方を教えてくれるわ・・・」

 

「好きにすればいいさ・・・

射程距離に入った!

俺が荷電粒子砲を放ったら戦列が崩れた部分から切り崩せ!」

 

 

言うが早いかレイヴンがフューラーを荷電粒子砲発射体勢に移行させる・・・

フューラーの口腔部から迸る光の柱・・・

最大出力で放たれた荷電粒子砲の奔流がネオゼネバスの正面から中心に突き刺さる・・・

 

 

荷電粒子砲をまともに受けたゾイドは蒸発し、かろうじて直撃を免れたゾイドももはや戦う力は残されていない・・・

しかし、ネオゼネバスの軍勢を突き抜けるはずの荷電粒子砲は途中で打ち消された・・・

 

「なんだ?・・・」

 

「レイヴン!

ブレードライガーだ!

奴ら、部隊にブレードライガーの編隊を組み込んでいる・・・」

 

「バカな・・・

ブレードライガーはバンのもの以外存在しないはずだ・・・」

 

 

しかし、確かにリーゼの言うとおり20近い数のブレードライガーがシールドとブレードを展開し荷電粒子砲を消し去っていた・・・

 

「いや、ブレードライガーはシールドライガーが長い年月をかけて進化した姿だ・・・

おそらく奴らは強奪したシールドライガーをアンビエントの力で強制的に進化させたんだ・・・

その証拠に全部赤いブレードライガーだ・・・」

 

「つまり、こっちの作戦はお見通しで、荷電粒子砲の対策をしたということか・・・

けど、大事なことを忘れてるみたいだね・・・

俺の敵になりうるのはバンのブレードライガーだけだ!」

 

 

一気にスラスターを全開にしてレイヴンが先行してゆく・・・

 

スピードと機動力が強化されたシュトゥルムフューラーにはレイズタイガーですら追いつけない・・・

 

「なんて、スピードだ・・・

ともかく僕たちも行こう・・・

スペキュラー!」

 

主人の声に答え、スペキュラーがレイズタイガーに合体し、速度をあげる・・・

 

続いて三銃士が戦列に突っ込んでゆく・・・

 

 

大型ミサイルが装備されていることを感じさせぬ勢いで高度を上げるサラマンダー・・・

 

 

「もう少しで目標が目視できるはずだ・・・

気をつけろよ・・・

アーバイン」

 

「もう少しねぇ・・・

っ・・・なんだ?」

 

突如コックピットに警報が鳴り響く。

 

ホエールキングが迎撃されることを防ぐために送り込まれたレドラー部隊だ・・・

 

「ちぃ、こんな時に・・・

しかもなんて数だ・・・」

 

軽く20機はいるだろう・・・

 

「おい!トーマ!

1人10機の割り当てでさっさと片付けるぞ!」

 

「なっ・・・

無茶をいうな!

爆撃機で戦闘機部隊と戦える訳がない!

このまま一気に高度を上げて振り切るぞ!」

 

「ばかやろう!

こちとら重いもん背負ってるんだぞ!

上昇速度上げたりしたらマグネッサーウィングがイカレちまう!」

 

 

言い争ってるうちにレドラーの1機からミサイルが放たれる・・・

 

 

コックピット内に鳴り響く警告音・・・

 

「くそったれッ・・・」

 

アーバインが前に出る。

自らがミサイルの目標となってトーマだけでも行かせるつもりだ・・・

 

しかし、今まさにミサイルが着弾しようとする時、どこからか放たれた機銃によってミサイルは撃ち落とされる。

 

「なんだ?」

 

「すまん。

遅くなった。

上空まではこのストームソーダステルススペシャルが護衛する。」

 

2人とレドラー隊の間に割って入る様に黒い翼竜型ゾイドが姿を表した。

今まで光学迷彩を展開していたため、目視できなかったのだ。

その姿は脚が簡略化され、ブースターユニットが高性能、排熱処理されている。

よほどのステルス性能を誇るように見える。

 

「ハーマンか?

けっ・・・遅すぎだぜ!

くんならもっと早くきやがれ!」

 

驚愕の後に目の前の黒い翼竜型ゾイドに悪態をつく。

 

「それならドクターDに言ってくれ。

特殊な機体故に調整に手間取ってな。」

 

ハーマンは悪びれる様子もなく敵の編隊にミサイルを放つ。

それによって、2、3機のレドラーが落ちるが焼け石に水だ。

敵が怯んだ隙に上昇を再開する3機を遅れて追いながら、レドラー隊が砲火を放つ。

 

ハーマンが応戦してくれているとはいえ、数が違いすぎる。

 

「ええいッ

このまま砲撃を躱しながら上昇するには無理がある・・・」

 

「あぁ・・・

流石にやべぇぞ・・・」

 

「心配するな。

応援は俺だけじゃない。」

 

ハーマンの言葉が言い終わるが早いか聞き覚えのある声が響く。

 

「天定まって、またよく人に勝つ!

我ら平和の使者、漆黒の闇を切り裂く翼の男爵、アーラバローネ!

 

誇り高き嵐の刃、ストームソーダーを恐れぬならば、かかってくるがよい!」

 

突如ストームソーダが飛来し、ミサイルで、機銃で次々とレドラーを堕として行く。

 

「アーラバローネか・・・

ってお前らはルドルフの護衛だろ!」

 

「そのことなら心配ありませんよ。

アーバイン!」

 

もう1機、所々に金色のカラーリングがされ、翼にガイロスのエンブレムをあしらったストームソーダが飛来する。

 

「アーラバローネ、ロイヤル仮面参上!

ロイヤルソーダーを恐れぬならかかってこい!」

 

ロイヤルソーダがソードを展開し、レドラー隊に突っ込む。

 

「へッ・・・陛下?ー」

 

トーマが素っ頓狂な声をあげる。

 

「ばかやろう!

ルドルフ!

てめぇは自分の立場がわかってんのか?

何やってやがる!」

 

「ごめんなさい。

でもあの戦いが終わってから空戦ゾイドの操縦も覚えたんですよ!

そしたら、ドクターDが僕専用のロイヤルソーダを!

それに、僕ばかり逃げてもいられないでしょ!」

 

「あのじじぃ・・・

揃いも揃っててめぇらは・・・

仕方ねぇ!

頼んだぞ!」

 

仕方なく3人にレドラー隊を任せてアーバインとトーマ、ハーマンが上昇を続ける。

 

 

高度10万メートルを過ぎようとしていた・・・

 

「すまんな・・・

さすがのS4でもこの高度が限界だ・・・」

 

「いや、充分だ・・・

むしろ、補助ブースターもなしにこの高度まで来れるのがたいしたもんだぜ・・・」

 

ハーマンのS4が離脱する・・・

 

「アーバイン!

目標を確認したぞ!

・・・なに?」

 

「どういうことだ?

報告より数が多いじゃねぇか・・・」

 

全部で4体のホエールキングの機影が見える・・・

しかし、サラマンダーが背負うミサイルは1発ずつしかない。

これでは、すべて撃破することはできない・・・

 

「考えても仕方ない・・・

2体はミサイルで・・・

残りは・・・」

 

「俺たちに任せろ!」

 

アーバインの言葉が終わる前にロッソから通信が入る・・・

 

 

ロッソが提案した作戦はこうだ・・・

 

まずはサラマンダー2体が射程距離ギリギリからホエールキング2体を迎撃する。

その間に限界高度までストームソーダが上昇し、その後ミサイルを撃ち終わったサラマンダーが一度下降し、ストームソーダをピックアップする。再び、上昇してストームソーダが残り2体のホエールキングを撃破するというものだ。

つまり、高高度のデススティンガーを迎撃した時の補助ブースターの代わりをサラマンダーが務めるのだ。

 

下手すれば、4体全てを撃ち漏らす可能性のある作戦だ。だが、全て撃ち落とすにはこれしかない。

 

「へっ!

また無茶言いやがるぜ・・・

仕方ねぇ!

準備はいいか!

トーマ!」

 

「ああ!

問題ない!

いくぞ、ビーク!」

 

ギリギリまで離れてミサイルの照準を定める。

 

「「いっけぇー!!」」

 

アーバインとトーマの声が重なり、2発の巨大なミサイルが放たれる・・・

同時にサラマンダーは下方に、ロッソとヴィオーラのストームソーダは上方に向けて加速する・・・

 

その間にもミサイルは前進する・・・

 

「お願い・・・

当たって・・・」

 

ルドルフが祈るようにミサイルの軌跡を見つめる・・・

そして、吸い込まれるように目標に着弾する・・・

 

「やったー!」

 

ルドルフから歓声があがる。

 

「喜ぶにはまだ早いぜ!」

 

アーバインの声と同時に、アーバインのサラマンダーにロッソのストームソーダが、トーマのサラマンダーにヴィオーラのストームソーダが背中にとりつく。

そして、残る2体のホエールキングに向かって加速する・・・

 

 

 

ストームソーダを乗せたサラマンダーが上昇する・・・

140000・・・150000・・・170000・・・

2度に渡る限界高度付近での上昇と下降でマグネッサーウィングが軋む・・・

 

「後少しだ・・・

踏ん張れ・・・」

 

180000・・・190000・・・230000・・・

遂にホエールキングと2体の高度が並ぶ・・・

 

「よし!

後は俺たちに任せろ!」

 

サラマンダーの背から銀の翼竜が飛び立つ・・・

 

2機のストームソーダはソードを展開し、ホエールキングの両方の横腹に斬りかかる・・・

 

翼の刃は巨大な鯨の頚部に食い込み、そのまま横腹を尻尾の先まで両断する・・・

 

銀の翼竜は華麗に宙を舞い、もう1つの獲物に斬りかかる・・・

 

「ヴィオーラ!

頭を頼む!」

 

「了解。

任せて。」

 

ロッソの機体が尾部のエンジンを機銃で破壊し、左の胸びれ部分のエンジンをソードで切り裂いた。

ホエールキングは爆炎をあげ、みるみるうちに堕ち始める・・・

そして、その堕ちる速度に合わせて、頭部にぴったりとヴィオーラのストームソーダが張り付く・・・

そのまま、頭部のソードを展開し、鯨の巨大な頭部を両断した。

 

 

 

 

4体の巨大な空の鯨が爆炎をあげ、6体の空の覇者が帰還してゆく・・・

 

 

 

 

ちょうど同じ頃・・・

 

 

「くそっ・・・キリがない・・・」

 

レイヴンが毒づく・・・

いかに格闘能力が強化されたシュトルムフューラーであろうとも流石にブレードライガーが20近くもいれば分が悪い・・・

 

いや、普段のように荷電粒子砲で一掃すれば問題ない・・・

しかし、相手がブレードライガーである以上は防御される・・・

出力をあげて押し切ることも可能だが、複数相手では他の奴からの攻撃を受ける・・・

 

「お前達と遊んでる暇はないんだぁぁぁ!!」

 

ブレードを展開して突っ込んでくる1体を尾でなぎ払い、逆方向から突っ込んでくる1体をエクスブレイカーで捕獲して喉元を噛み砕く・・・

 

続いてスラスターを吹かし、飛び上がり、尾で薙ぎ払った1体を荷電粒子砲で片付ける。

 

しかし、その隙に残りのブレードライガーが包囲し、集中砲火を浴びせてくる・・・

 

「くそっ・・・数ばかりごちゃごちゃと・・・」

 

「レイヴン!」

 

リーゼが駆けつけブレードライガーの1体に飛びかかる・・・

格闘に特化した伝説の虎のコアを持つレイズタイガーだ・・・

パワーでも決してブレードライガーに引けをとらない。

 

「我らも忘れているわけではあるまい?」

 

三銃士のセイバータイガーが砲撃でそれぞれブレードライガーを葬り、飛び上がり3体同時に爪による格闘戦を挑む・・・

 

「ふん・・・

いくら同じ機体でもあの小僧ほどではないわ。」

 

機体が旧式とは言え、帝国が誇るゾイド乗りだ。

1度戦った機体に遅れをとりはしない。

 

「ほう・・・

なかなか活きのいいやつらもいるものだな・・・

ブレードライガー部隊をぶつけてはみたがこのままではもつまい・・・

ギル中佐!

貴官が、指揮をとれ!

奴らは私が引き受けよう・・・」

 

「了解しました。

准将もお気をつけて!」

 

ギルと呼ばれた比較的若い生真面目そうな雰囲気を持つ副官が指揮を取り、部隊を前進させる・・・

 

「これでやっと1人1体ずつの割り当てだね・・・」

 

1体のブレードライガーを爪で葬り、リーゼがつぶやく・・・

 

「ふん・・・そんな面倒臭い割り当てしなくてもこの数なら俺1人で充分だ・・・

 

なに?っ」

 

突如として無数の光の柱が降り注ぐ・・・

全員寸出のところで後退したことでことなきをえたが、残り5体のブレードライガーが巻き込まれ、地面と共に融解する・・・

 

「ほう・・・あれだけの戦いの後にサーミットバーストをさけるか・・・

面白い・・・」

 

「なんだ・・・あいつは・・・」

 

爆煙の影から黒い虎型のゾイドが歩み出てくる・・・

 

 

「きっ・・・貴様はっ・・・・」

 

「あぁ、間違いないようだな・・・

噂は本当だったか・・・

残念だ・・・」

 

 

「これはこれは、三銃士よ・・・

久しぶりだな。

しかし、残念とはどういうことかな?

私は元々ゼネバス兵士だよ。

あるべき場所に帰っただけだ。」

 

 

「気をつけろ。こやつはゲイル准将。

我らにタイガー系の操縦を教えた人間だ・・・」

 

「ふんっ・・・・

何を言い出すかと思えば・・・

誰であろうと関係ない!

この俺が蹴散らしてやる。」

 

フューラーが前に出る・・・

 

「待て!

レイヴン!

どうやらこいつの相手は僕みたいだ。」

 

フューラーを遮ってレイズタイガーが前に出る・・・

 

 

「どういうことだ!

リーゼ!」

 

「こいつのゾイドはブラストルタイガー。

僕のレイズタイガーと同じく古代ゾイド人の伝説の3体の虎型ゾイドのうちの1つだ。」

 

「なるほど・・・

機体は伝説の虎同士・・・

面白い!」

 

漆黒の虎が走り出す。

 

「格闘でレイズに挑むつもりかい?」

 

不敵に笑うリーゼと共に蒼の虎が走り出す。

 

「やぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「ぬおおぉぉぉお!!!」

 

ゲイルとリーゼが叫び声をあげ、黒い虎と蒼い虎が組み合う・・・

 

「頼んだぞ!

リーゼ!

俺たちは砲撃ゾイド部隊を潰すぞ!」

 

「よし!

心得た!」

 

三銃士とレイヴンが敵の特科部隊に突貫する・・・

 

 

「バン!

ネオゼネバス軍が射程圏に入ったぞい。」

 

「あぁ。

こっちのセンサーでも捉えてる!

シュバルツ!

高速戦闘部隊の準備はいいか?」

 

「ああ、問題ない!」

 

ガトリング砲を装備したシュバルツのセイバータイガーがライガーゼロに歩み寄る。

 

「よし!

行くぞ!

弾切れまで打ちまくれ!

ライガー!

ハイブリッドキャノンだ!」

 

ライガーゼロパンツァーの背中の砲塔が連続して火を吹く・・・

それが合図とばかりに砲撃力強化型の装備がなされたモルガ、カノントータス、ゴジュラス、ゴルドスからなる特科部隊の砲門が次々と火を吹く・・・

 

「なるほど・・・

向こうもそれなりの対策をしたということか・・・」

 

ギル率いるネオゼネバス軍は、ガイガロスからの砲撃にさらされ、前進することができずにいた・・・

それもそのはず・・・

レイヴンと三銃士に長距離砲撃部隊を止められているため、こちらからの射撃はできない上に、最初にレイヴンが放った荷電粒子砲で陣形が乱れているのだ・・・

しかも、名将ゲイルがレイズタイガーと交戦しているため、こちらの指揮はとれない・・・

 

「高速戦闘隊前へ!

乱戦になれば撃たれることはない!

懐に飛び込め!

中距離砲撃隊は敵の射程外まで後退しろ。

奴らもじきに弾薬が切れる・・・

そのタイミングを見計らって前進し、砲撃を加えろ!」

 

 

ギルの指示のもと、レッドホーン、アイアンコングを中心とした中距離砲撃部隊が後退する・・・

 

同時に、ガンタイガー、セイバリオン、ヘルキャットを引き連れたセイバータイガーが、さらには、レヴラプター、ヘルディガンナーを引き連れたジェノザウラーが砲撃を避けながら前進を開始する・・・

 

 

 

「バン!

敵の高速戦闘部隊が前にでたぞ!

私達も前進する!」

 

「わかった!

こっちもそろそろ弾薬が切れる・・・

砲撃部隊は撃ち尽くしたやつから砲撃装備を捨ててホエールキングで脱出しろ!」

 

「待つんじゃバン!

お前さんのライガーもそろそろ関節冷却装置が限界じゃ・・・

それに敵の中にはジェノザウラーがいる・・・

アーマーを換装してシュバルツと共に行ってくれ!」

 

「なんだって?

なんでジェノザウラーがそんなにいやがるんだ?」

 

「恐らくはアンビエントじゃろう・・・

以前にレイヴンが手に入れたジェノザウラーもアンビエントがデスザウラーのゾイド因子から作ったものじゃからな・・・」

 

「なんてこった・・・

わかった!

動き回れるアーマーを用意しといてくれ!

シュバルツ!

俺が撃ったら前に出てくれ!

その後俺も追っかける!」

 

「了解した!

行くぞ!」

 

ライガーゼロパンツァーからミサイルが放たれ、長距離装備を撃ち尽くしたゾイドが脱出する・・・

 

それと同時にガトリング砲を装備したシュバルツのセイバータイガーを先頭に、アサルトタイプのセイバータイガーが敵の高速戦闘部隊に向けて走り出す・・・

さらに共和国から派遣されたシールドライガー、コマンドウルフを中心とした高速戦闘ゾイドがそれに続く!

 

 

「バン!

本当にこの装備でいいのか?

あの数を相手にするのじゃぞ?!」

 

 

「構わねえ!

動きまわれりゃそれで十分だ!」

 

「わかった!

くれぐれも気をつけるんじゃぞ!」

 

 

「わかってる!

そんじゃいくぜ!

ライガー!」

 

咆哮と共に蒼い装甲に大型のブースターを背負ったライガーゼロが走り出す・・・

 

「一気にいくぜ!

ブースターオン!」

 

ブースターが展開され、凄まじい推進力が生まれる。

 

「ぐぅぅ・・・

なんてスピードだ・・・」

 

 

「くそっ・・・さすがにジェノザウラーまでいたのでは部が悪い・・・」

 

如何にシュバルツが指揮をとっているとはいえ、数で劣っている上に複数のジェノザウラーがいては劣勢である・・・

 

シュバルツが向かってくるヘルディガンナーを踏み台にし、ジェノザウラーに向かって飛びかかる。

ジェノザウラーも紙一重でこれをかわし、尻尾の一撃を加えてくる。

 

「くっ・・・

無人機ごときがナメるなよ・・・」

 

シュバルツはかわされることも計算にいれていた・・・

身を沈めてかわして喉元に食らいつく・・・

 

しかし、相手は虐殺竜・・・如何にシュバルツのためにチューンアップされていても、セイバータイガーの牙では強固な装甲が打ち破れるはずもない・・・

 

「おおおぉぉぉ!」

 

そのまま爪で組みつき、ゼロ距離でガトリング砲を口腔部に照射する・・・

装甲の1番薄い部分を狙った攻撃だ・・・

流石のジェノザウラーもこれには倒れる。

 

「なんだぁ?

分が悪いとか言う割に余裕じゃねぇか?」

 

次のジェノザウラーが攻撃を仕掛けようとするとき、バンのライガーゼロイエーガーのストライクレーザークローが炸裂する・・・

 

「うおおぉぉぉりゃぁ!

お前らだらしねぇぞ!

このくらいの数押し返せ!」

 

イェーガーのスピードを活かし、ヒットアンドアウェイ戦法で次々とゾイド倒すバン・・・

 

「「「おおお!!」」」

 

それをみて兵士も士気があがり、どうにか盛り返し始める・・・

 

だが、勇猛果敢に挑みかかるシールドライガーをジェノザウラーの荷電粒子砲が消し飛ばす・・・

 

「やはり、ジェノザウラー相手では無理がある・・・

フライハイト少佐!

このままでは全滅だ・・・

いったんひこう!」

 

「ああ、さすがにきついぜ・・・

Dじいさん!

帝都の撤退の準備はまだか?」

 

「後少しで終わるとこじゃ!

軍施設内に誘い込んでくれ!

それまでには準備も完了するわい!」

 

「よし!

撤退だ!

後は作戦通りに動いて合流地点でホエールキングに乗って逃げるぜ!」

 

バンの合図で一斉に撤退を開始する・・・

 

 

 

「撤退だと?・・・

バン・フライハイト!

さっきまでの威勢はどうした?

噂に聞く英雄も思ったほどではない・・・」

 

突如黒い龍型のゾイドが飛来し、撤退を開始する高速戦闘部隊の前に立ちふさがる・・・

 

「なっ・・・

誰だてめぇはー?」

 

「ネオゼネバス中佐のギルだ。

この部隊の副司令をしている・・・

ほう・・・

そのセイバータイガーはシュバルツか・・・

久しぶりだな・・・」

 

「ギル!

貴様まで祖国を裏切ったのか!」

 

「なにを言うシュバルツ!

祖国というなら、ゼネバスこそが我が祖国!

私が忠誠を誓ったのは最初からゼネバスよ!」

 

 

「貴様ぁ・・・」

 

「行ってくれ・・・

こいつは俺がやる!」

 

「待て!

フライハイト少佐!

こいつは、帝国で操縦できないゾイドは存在しないとまで言われた男だ・・・

いくら君でも独りは無茶だ!」

 

「だからって傷ついた機体でこいつと戦おうって方が無茶だ!

無傷なのは俺だけだ!

それに、俺は裏切り者に負けたりなんかしねぇぜ!」

 

 

「わかった!

くれぐれも無茶はするなよ!」

 

それだけ言い残し、シュバルツは部隊を連れて撤退する。

それをネオゼネバスの高速戦闘部隊が追う・・・

 

「おめぇは追わないでここに残ったんだな?

案外優しいのか?

それとも・・・」

 

「ふん・・・

手負いごときはあの部隊だけで充分だ・・・

だが、貴様は俺が相手せねばなるまい?」

 

「なるほど・・・

おもしれぇ・・・」

 

突如ドクターDから通信が入る。

 

「バン!気をつけろ!

そいつはガンギャラドと言って、旧大戦時代にデスザウラーに匹敵するゾイドを作ろうとして開発されたやつじゃ・・・

連射こそできんが荷電粒子砲の威力ならデススティンガーより上じゃ!

イェーガーではとても勝ち目はない・・・」

 

「ありがとよ!

じいさん!

けど、だからって俺が逃げるわけいかねぇだろ!」

 

大型イオンブースターを展開し、ライガーゼロが走り出す・・・

 

黒い龍もそれを砲撃で迎え撃つ・・・

 

 

 

 

 

 




旧大戦ゾイド登場です。
次回もお楽しみに。
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