イセリナ山の山間部
ここはかつてデススティンガーの攻撃により、コロニーが壊滅した場所だ。
現在ではコロニーの住民は別のコロニーに移住し、無人となっている。
そのため、ここは山間部に発生する霧を利用して、ガーディアンフォースの基地が設置されている。
霧の上をストームソーダーが旋回している。
「こちら、アーラバローネ、ヴィオーラ。
周辺に異常なし。
帰投するわ。」
「了解。
お疲れ様。
ポイントB2から入って、上部フライトデッキから着艦してください。」
ストームソーダーが霧の中に入る。
岩の隙間をぬって飛び、何もないだだっ広い空間にたどり着く。
そこで発行信号を送ると、何もない空間で突如ハッチが開く。
前回の戦闘から退却したガーディアンフォースはイセリナ山に身を寄せて、光学迷彩でウルトラザウルスを隠していたのだ。
ハッチから、ストームソーダーが侵入する。
「しかし、こっぴどくやられたもんだな。
どうだ?じいさん・・・
なんとかなりそうか?」
「うーむ・・・
なかなか損傷がひどくてな・・・
なんとか、修復はできたものの、合体して、ワイツタイガーとしての運用はまだ無理じゃな・・・
内部の修復も完全ではない・・・
ウルトラザウルスに積める資材ではこれが限界じゃ。
なんせ、こいつは特別なパーツが多いでな・・・
残りはこいつの自己再生能力で治るのを待つしかないじゃろうて・・・」
「そうか・・・
まあ、お前がいてくれて、助かったぜ。
戻ってきてくれてありがとな。相棒・・・
しばらくは、ゆっくり休んでくれ・・・」
話しかけられたワイツウルフが戦えるとばかりに唸り声を上げる。
「ははっ・・・
まだ暴れたいってか・・・
残念だが、今回は本調子じゃねぇ状態で切り抜けられそうにねえ・・・」
「まあ、悪いことばかりではないぞ。アーバイン!
お前さんのライトニングサイクスは調整が終わっておる。
後はブースターユニットのテストだけじゃ。」
「じじい!
てめえ、あの状況でいつのまに・・・」
「わしを誰だと思っておる!
ひゃーひゃっひゃっひゃっひゃつ!
早速、試してみるか?」
「当たり前だ。
行くぜ!」
イセリナから離れた砂漠。
「ライトニングサイクス、テスト位置へ到着。
パイロット、機体のコンディション規定範囲内。」
「よし!
アーバイン!
テスト開始じゃ!」
「よし!
頼むぜ相棒!」
ライトニングサイクスが爪を展開して走り出す。
「シミュレーション用ゾイド発進!」
セイバータイガー、ヘルキャット、レドラーからなるシミュレーション用自動操縦ゾイドが向かってくる。
「慣らしには持ってこいだ!
行くぜ!」
パルスレーザー砲を連射し、正面のヘルキャットとセイバータイガーを撃破する。
加速した黒い稲妻が爪と牙で地上ゾイドをすれ違いざまに蹴散らす。
レドラーが急降下し、尾のブレードで斬りつけてくる。
サイクスは身を沈めてかわす。
「ちっ!
飛行ゾイドか?
さすがに飛行ゾイドの速さには・・・」
サイクスが唸り声をあげる。
「いけるのか?
相棒!」
サイクスが走り出す。
正面からレドラーが再び急降下して、斬りつけてくる。
身を沈めて機体の真上をレドラーが通過した瞬間、反転し、ブースターを吹かす。
アーバインがGでシートに押し付けられる。
「ぐぅ・・・
前にも増して、とんでもねえ加速だ・・・
うおぉぉぉぉ!」
急降下後でスピードが出きっていないレドラーに一気に追いつき、飛びかかる。
「トップソード・・・
新しい装備か・・・
行くぜ!相棒!」
レドラーを踏み台にし、さらに加速し、飛び上がる。
今までスタビライザーがついていた部分が発光し光の刃を纏う。
そのまま上空のレドラーを切り裂き、着地する。
「ライトニングサイクス、対ゾイドシミュレーション終了。
続いて、ブースターのテストに入ります。」
「大丈夫なのか?アーバイン!
いきなりの戦闘シミュレーションの相手が俺で!」
「はっ!
俺のスピードについて来れなくて泣くじゃねぇぞ!
バン!」
「だったら、手加減はいらねぇな!
行くぜ!ライガー!」
ライガーゼロイエーガーが咆哮をあげ、走り出す。
それに続いて、背中のブースターパックと肩部に大型ブースターを追加装備したライトニングも走り出す。
「どうした?アーバイン!
いろいろ背負っててスピードが出ねぇんじゃねえのか?
ブースターオン!」
ライガーゼロイエーガーの大型ブースターが展開し、残像を残しながら、一気に最高速度まで加速する。
「そうでもないぜ!バン!
行くぜ!相棒!」
ライトニングサイクスの通常ブースターと肩の大型イオンブースターが点火され、加速する。
「なんてスピードだ・・・
イエーガーより速いぞ!」
「驚くにははえーぞ!バン!」
さらに背中の大型ブースターが点火され、加速を強める。
「ぐぅ・・・」
アーバインがシートに押し付けられる。
「おぉぉぉぉ!」
「うぉぉぉぉりゃぁぁ!」
ライガーゼロとライトニングサイクスがトップスピードで何度もぶつかり合う。
「くそッ
こんなに速くちゃ追いつけねぇぜ・・・
でも・・・」
ライガーゼロが突如停止する。
正面からサイクスが突っ込んでくる。
ぶつかり合う直前に、大型イオンブースターを左に吹かし、避ける。
「そんだけ速けりゃ、急な方向転換はできねぇだろ!」
ライガーゼロのストライクレーザークローが降り注ぐ。
アーバインが不敵に笑う。
「そうでもねえさ。」
サイクスの背中のブースターパックが回転し、急旋回して避ける。
「なっ・・・」
「スキだらけだぜ!バン!」
ストライクレーザークローを放って無防備になったライガーにパルスレーザー砲と機銃を叩き込む。
「ぐぅぁぁぁ・・・」
「どうして?
ドクターD・・・
サイクスは走行中の射撃は精度が落ちるから、パルスレーザー砲の射角は正面に固定のはずじゃ・・・」
「うむ・・・
確かに、サイクスほどのスピードが出れば、正確な射撃は難しい・・・
じゃが、旋回中に射撃することも少ないし、砲塔が曲がるということはブースターの方向も変わるということじゃ。
つまり、方向転換を助けるためにブースターパックの回転機能を追加し、直線走行時はロックされるようにしたのじゃ!」
「やるじゃねえかじいさん!
ついでに追加ブースターのおかげでかなりの動きができるぜ!
どうすんだ?
このままだとバンに勝っちまうぜ!」
「うむ・・・
それでは、ついでにあれのテストもやるかの・・・
お嬢ちゃん。
準備頼めるかな?」
「はい!
バン!
今行くから待っててね!」
ホバーカーゴからフィーネが乗った不死鳥型ゾイドが発進する。
「よし!
行くぞ!バン!
ライガーゼロフェニックス起動じゃ!」
「よしっ!
行くぜ!ライガー!
頼むぜ!フィーネ!」
「相対速度正常!
コアの同調率正常!
バン!いつでも行けるわ!」
ライガーゼロとフェニックスが並走する。
「アーマー!強制排除!」
ライガーゼロがイエーガーユニットを脱ぎ捨てる。
同時にフェニックスが空中で分解し、素体となったライガーゼロに合体する。
「ユニゾン完了!
ライガーゼロフェニックス正常に稼働を確認!」
「よし!
行くぜ!フィーネ!」
「へっ!
合体なんぞしてもサイクスのスピードには着いてこれねぇぜ!」
ライトニングサイクスが最高速度で走り出す。
「バン!
大丈夫よ!
ゼロフェニックスなら飛行ゾイド並の動きができるはずだわ!」
「本当か?!
行くぜ!ライガー!」
ライガーゼロフェニックスも走り出す。
全身の装甲は、戦闘中の分離、合体を可能にするために全てがマグネッサーシステムを装備している。
このため、ブースターを持たないライガーゼロフェニックスは全ての装甲のマグネッサーシステムを起動させて、加速しているのだ。
「おおおおお!」
「うおおりゃぁぁぁあ!」
両機が空中でぶつかり合う。
「行くぜ!アーバイン!
ストライクレーザークロー!」
「ワンパターンだぜ!バン!」
飛びかかってくるライガーゼロフェニックスにライトニングサイクスがパルスレーザー砲を連射する。
「そいつはどうかな!
フィーネ!」
空中でライガーゼロがフェニックスとの合体を解き、パルスレーザーの射線上から離脱する。
「ロックオン・・・
発射!」
そのままパルスレーザーを避けながら突撃したフェニックスがチャージミサイルを放つ。
「ちっ・・・」
ブースターを吹かしてサイクスがミサイルを避ける。
「こんのぉぉぉぉ!」
ミサイルを避けた後に加速してライガーゼロを狙う。
「今度こそ決まりだぜ!」
再び合体したライガーゼロフェニックスがストライクレーザークローを繰り出そうとする。
「なんだ・・・
どうした?相棒!」
突如ライトニングサイクスが停止する。
凄まじいエネルギー消費により、コンバットシステムがフリーズしたのだ・・・
「戦闘シミュレーション終了。
バン!アーバイン!
戻ってよいぞ。」
「先ほどの戦闘で、実戦的なデータが取れたのでな・・・
最終調整をしておく。
次はレイヴン。お前さんじゃ・・・」
格納庫にはバーサークフューラーの素体の他に蒼い小型ゾイドが2機鎮座してある。
「これは飛燕と月光・・・
本来はバーサークフューラーの新しいブロックスチェンジングアーマーシステムになるゾイドじゃ。
しかし、バーサークフューラーのコアとのマッチングがまだ上手く行っておらん。
とはいっても・・・
遠隔操作で戦闘支援に利用することは可能じゃ。
それにこいつらは、集光パネルを装備しており、ビーム兵器の類は、例え、荷電粒子砲でも吸収し、自機のエネルギーにできる。
どうじゃ?気に入ったか?」
「ふん・・・
期待外れのゾイドにはもううんざりだ。
俺の操縦について来れずに恥をかかせるゾイドはごめんだね。
次の戦いまでに仕上げておいてくれよな。」
「なっ・・・
お前!わしがどれだけ苦労したか!」
「そんなもの敵は知っちゃくれないさ。
もちろん・・・この俺もね・・・
行くぞ!シャドー!」
レイヴンとシャドーが格納庫を去る。
「全く!とんでもないやつらじゃ・・・」