ゾイド After War   作:西川の兄貴

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第2話 厄災を継ぐ者

イブポリス…

ここは二大大国、紅き竜を駆るかつての破壊者、永きに渡る戦を終わらせた蒼の獅子を駆る英雄…全てのゾイド乗りが星の命運をかけて大地を焼く死竜と戦った場所。

 

 

 

デスザウラーが滅び、レアヘルツの谷の地下深くに沈む直前のイブポリス…

 

「これが二度に渡りこの星を滅ぼそうと蹂躙した父上の成れの果てか…」

 

哀しげな瞳を持つ銀髪の青年が今は伏して動くことのない死竜に歩み寄る。

 

「父上…あなたはなくならぬ戦火が止められぬのならばと全てを滅ぼすことを選んだ。

そして、絶滅から逃れようとする生物の性からか、人類は1つとなり、あなたたちを倒し、戦火は完全ではないにしろ消えた…

しかし、私が破滅ではなく破壊と創造によりこの惑星に真の平和をもたらしましょうぞ。

それはあなたが夢見た今は亡き国の再興と繁栄となりましょうぞ。」

 

それだけ言って銀髪の青年がデスザウラーのぽっかりと空いた胸部の穴に花を手向け、何か破片を拾って去る…

 

 

「父上…いずれ花ではなく勝利の華を…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいのかい!?

黙って出てきちゃって…」

 

コックピットの中で教会のステンドグラスを思わせる綺麗な青い瞳を持つ、どこか中性的な雰囲気を漂わせる少女リーゼが訪ねる。

 

「あぁ…

奴を倒すことに加担したからと言っても俺達が罪を犯してきたことにはかわりない。

それにあっちに残ったとしても軍の中で制約されて生きるなんてのはごめんだからね…」

 

そう答えて黒髪の青年レイヴンが傷ついた紅き竜…ジェノブレイカーを低空で飛ばせる…

 

 

「それで…これからどうするんだい?」

 

 

「なんだってやれる…

どこだって行けるさ…

俺達はもう自由だから…

けど、まずは必要なものを揃えてからこいつを休ませなきゃな…」

 

 

「じゃあ、どこかの基地でも襲う!?

今ならどこもバタバタしてて簡単だと思うけど」

 

 

「それじゃ結局奴らと一緒にいた時と変わらないだろ。」

 

「ははは♪

冗談だよ♪」

 

リーゼがいたずらっぽく笑う…

 

「君の冗談は冗談に聞こえないな…

シャドー!!

何か見えるか!?」

 

呆れながら笑いジェノブレイカーの下を飛ぶ相棒に訪ねる。

 

「グルゥ…」

 

シャドーよりも先をスペキュラーが見つけたようだ…

スペキュラーが示す方向に街が見える…

 

「オアシスだな…

何かしらは調達できるだろ…」

 

ボンッ

小さな爆発音と衝撃…そして鳴り響くアラート…みるみるうちに失速するジェノブレイカー…

 

「ちっ…

さすがにあの戦いの直後に飛ぶのは無理があったか…」

 

整備もうけずに飛び出したのだから当然である…

 

「あーあ…これじゃどのみち基地を襲うなんて無理だったね」

 

「まだお前は襲う気だったのか…」

 

いたずらっぽく笑うリーゼに呆れ果てながらジェノブレイカーを着地させる。

 

街は見える距離だからそう遠くもないだろう…

シャドーかスペキュラーが合体すれば支障なく動けるだろうが彼らも戦いの直後だ…

休ませてやりたい…

仕方ない…

夕方までには着くだろう…

 

 

昼下がりの砂漠…

一体の真紅の竜と二体の子竜の足跡が砂に刻まれていく…

 

 

 

「ふぅ…これでやっとお前さん方のゾイドの整備も終わりじゃ」

 

よほど疲れたのであろう。首をならしながら真っ白な長髪の老人、ドクターDが歩いてくる。

 

「ありがとな!!

Dじいさん!!」

 

逆毛の青年バンが礼を述べる。

彼が今回の戦いでデスザウラーを倒す決め手となった英雄である。

 

「ありがとうございます。」

 

金髪の不思議な雰囲気を漂わせる少女、フィーネがコーヒーをドクターDに差し出す。

 

「おぉ…ありがとうお嬢ちゃん。

いい塩加減じゃ」

 

うまそうに塩入コーヒーを飲み干す老人を見てバンが理解不能といった調子に顔をしかめる…

 

「ところでお前さんらはこの後どうするすんじゃ!?」

 

「とりあえずはジークとフィーネ連れて姉ちゃんがいる村に戻るよ。

それからどうするか考える。」

 

「そうか…

それはそうとわしの作品のひとつのライトニングサイクスを知らんか!?

ブレードライガーの整備の前に直したんじゃがな…」

 

「「「あッっ!!」」」

 

その場の数人の声が重なる。

 

「いい?!

あいつもしかして…」

 

「ガーディアンフォースの機体を持ち逃げしたのか!?」

 

バンの後にトーマが続ける…

 

「そういえば…俺はガーディアンフォースじゃねえとか言ってたしな…」

 

呆れ気味にバンが呟く…

 

「だって、サイクスはアーバインの相棒でしょ。

だったら一緒行っても…」

 

フィーネが無邪気に答える。

 

「あのなぁ…」

 

さらにバンが頭を抱える…

 

「ガウガウ!!」

 

仕方ないとでも言ってるのだろうか…

ジークの声が格納庫に響いた…

 

 

一方某砂漠…

 

疾走する黒い稲妻…

 

「やっぱり俺にはこっちの方が性に合ってるな…

さぁてと…なんかうまい話はねえかな…」

 

眼帯のガラの悪い青年、アーバインが愛機のライトニングサイクスを走らせる…

 

「なんかうまい話はねーかなっと…

早速だな…

いくぜ!!相棒!!」

 

街を襲った後の盗賊団を発見し、襲撃をかけるべくブースターを吹かす…

つまり盗賊から盗品を強奪する気である。

さらに言えば強奪した物品の一部を街に返して用心棒として雇われるつもりである。

やはり軍を抜ければゴロツキと変わりはないが、やはりバンと係わり変わったようである…

 

 

生き生きとした目で相棒を走らせていく…

 

 




ようやく本偏スタートです。
まあ、序章といったところでしょうか。
今後ともお付き合い下さいませ。
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