「どうした?リッツ!遅れてるぞ!」
「うるさい!
あんたこそ敵を討ち漏らすな!」
両軍が激突する前に、アーサーとリッツは敵陣に切り込んでいた。
アーサーのブレードライガーがアタックブースターを全開にし、正面の敵を爪と牙で蹴散らす。
それに続いてリッツのジェノブレイカーがエスクブレイカーでトドメをさして進む。
「ほう・・・
威勢のいいのが来たと思ったら、この前の奴らか!
陛下!こいつらは私がやります。」
「わかった。
ハンナ、お前に任せる。
全軍あの2機は、ハンナに任せて、我らはヘリック、ガイロス同盟軍本体を叩く。
デススティンガーの戦いを巻き込まれぬように遅れずついてこい!」
ネオゼネバスがデススティンガーを残して進軍を再開する。
「なんだぁ?
敵さんがわしらに見向きもしなくなったな・・・」
「数で押すよりデススティンガー1体で対処するつもりなんだろう・・・
確かに同士討ちの可能性がなくなるが、デススティンガーが負けることは考えちゃいないな。」
「好都合だ!
奴を倒して味方の援護に向かうぞ!」
次の瞬間、2体がいる場所に荷電粒子砲が降り注ぐ。
「はっ!
手荒い歓迎だ!」
「かわしただと?
生意気な!
今度こそ陛下の障害となる貴様らを消してやるよ!」
「おいおい、誰に向かって口きいてんだ?
こっちは、ガイロスのアイスマンとヘリックのクレイジーアーサーだぜ!
消えるのはお前の方だよ!」
ジェノブレイカーが一気に距離を詰めて荷電粒子砲を放つ。
「甘い!」
デススティンガーがハサミで荷電粒子砲を打ち払い、衝撃砲を放つ。
「甘いのはお前さんだよ。」
いつの間にか、死角に回り込んでいたアーサーが背中に飛び乗り、アタックブースターのビーム砲を衝撃砲に叩き込む。
衝撃砲から爆炎が上がる。
これで敵の火器は1つ減った。
「貴様らぁぁぁ!
どれだけ私をコケにすれば気がすむんだぁぁぁ!」
ハンナの怒りが爆発する。
背中にいるブレードライガーをハサミで掴んで投げ飛ばす。
「まったく、あんたはなんでそう無茶をするんだ!」
「いいじゃねぇか。
おかげで攻撃は成功したし、相棒も喜んでる。
次も奴の気を引いといてくれ。」
「何を馬鹿なことを言ってる。
あんなことしてたら命がいくつあっても足りないぞ!」
リッツが抗議の声をあげている間にアーサーは走り出していた。
「うおおぉぉぉ!」
デススティンガーに肉薄したアーサーは、ブレードライガーの機動性を活かして翻弄する。
リッツは目を疑った。
あの男はどこであんな操縦を身につけたのだ?
常識では考えられない。
まるで、サーカスの曲芸を見ているようだ。
ある時は敵の攻撃を踏み台にし、またある時はブースターを別々に吹かして攻撃をかわしている。
しかも、ただかわしているのでない。
僅かな傷ではあるが、スピードをのせた爪と牙の攻撃でデススティンガーの装甲を傷つけている。
「おのれぇぇぇぇ!」
なかなか捉えられない敵にハンナが苛立つ。
「今だ!
行くぞ!ブレイカー!」
苛立つハンナに生じた隙をついて正面からジェノブレイカーが突っ込む。
デススティンガーの鼻先でホバリングし、ほぼゼロ距離から荷電粒子砲を放つ。
「舐めるなぁぁぁ!」
荷電粒子砲をシールドで防ぎつつデススティンガーの2本のハサミが同時にジェノブレイカーに襲いかかる。
「ふっ・・・
俺の狙いはここからさ!」
左右から迫るハサミをエスクブレイカーで受け止める。
圧倒的にパワーが違うため、エスクブレイカーのアームが悲鳴をあげる。
「今だ!
アーサー!」
「やるじゃねえか!若僧!」
アーサーのブレードライガーがレーザーブレードでエスクブレイカーにおさつけられたデススティンガーのハサミの片方を切り落とす。
「どうだ?
俺はそっちのブレードライガーのパイロットと違ってトチ狂った戦い方はしない。
冷静に敵のミスを誘い、そこを確実に突く。
だから、アイスマンと呼ばれてるのさ。
まっ、結局クレイジーアーサーに決められたのは気にくわんがね」
リッツが皮肉っぽく笑う。
「いい気になるなよ。
虫ケラどもが!」
「おいおい、その虫ケラにいいようにやられるのは誰だよ?
噂に聞くデススティンガーってのは、こんなもんか?
それとも、パイロットが三流かね?」
アーサーが不敵に笑い挑発する。