「あんた達・・・
あたしを本気で怒らせたな。
いいだろう!
亡きプロイツェン閣下から頂いた力とヒルツ様から頂いた力であんた達を叩き潰す!」
「ふん、だから、わしら相手に出し惜しみするのが間違ってるよ!
三下が!」
「何が来ようと打ち破るまでだ!
ブレイカー!」
「余裕もあるのも今のうちだ!
行くぞ!デススティンガー!」
ハンナが操縦席の球体に力を込める。
キシャァアアアア!
突如デススティンガーが咆哮をあげる。
「来るぞ!」
アーサーが声を上げるのとブレードライガーが飛び退くのは同時だった。
しかし、その反応速度すら上回り、アタックブースターが片方持っていかれる。
「なっ!
速い!
クソ!回避が間に合わん!」
続いてリッツのジェノブレイカーが吹き飛ばされる。
リッツもジェノブレイカーも攻撃は見えていた。
しかし、反応できなかった。
いや、反応したが間に合わなかった。
なぜなら、リッツのジェノブレイカーとレイヴンのジェノブレイカーは全く別物だ。
レイヴンのジェノブレイカーは、ジェノザウラーが進化する過程で駆動系、動力系、ゾイドコアに至るまで全てが強化されている。
対するリッツのジェノブレイカーは、見た目こそ同じだが、ジェノザウラーに、ドクターDが解析したジェノブレイカーの武装を装備しているにすぎない。
つまり、ジェノザウラーブレイカーユニット装備型というのが正しい。
故に機体バランスが著しく崩れ、リッツの操縦技術、アンビエントのゾイド因子を持つジェノザウラーの野生の本能を持ってしても、十分に力を発揮できないのだ。
「おい!リッツ!若造!
ちゃんと生きてるか?!」
返事がない。
ジェノブレイカーは地面に叩きつけられたショックでエクスブレイカーの片方を失い、コンバットシステムがフリーズしている。
リッツも気を失っている。
「全く・・・
こんなバケモノを1人でやれってのか・・・」
アーサーのブレードライガーの前には、失くした、衝撃砲、ハサミが生え変わり、背部以外の装甲をパージしたデススティンガーが・・・
ガァァァァアアアアアア!
ブレードライガーがアーサーと己自身を奮い立たせるように咆哮をあげる。
「わかってるさ!相棒!
こいつはわしらの獲物だ!
誰にも渡さん!行くぞ!」
ブレードライガーが走り出す。
・・・・・・
「なんだ?ここは?
俺は確か・・・
デススティンガーと戦っていたはず・・・」
リッツは、目覚めると何もない真っ白な空間に立っていた。
グアアアアアア!
目の前にジェノブレイカーが現れる。
伝わってくる。
ジェノブレイカーから。
激しい怒り。
歪んだ生命として己を生み出した者への怒り。
誇りを傷つけた敵への怒り。
己と同じ存在でありながら、数歩は先を走る紅い獅子への怒り。
己の力を引き出せぬ主人への怒り。
「ふっ・・・
何がアイスマンだ・・・
ただ自分より弱い奴と戦って図に乗ってただけじゃないか。
これじゃあ、いつまで経ってもアーサーには追いつけない・・・
ブレイカー!力を貸してくれ!
必ず、2人でアーサーを、ブレードライガーを超える!
こんなところでやられるわけにはいかない!」
グァァアアア!
ジェノブレイカーが咆哮を上げ、リッツを受け入れる。