セイスモサウルスから無数の小型荷電粒子砲が放たれる。
それを凱龍輝がホバリングでかわして行く。
「どうしたの?
逃げているだけでは私は倒せないわよ。
それに、長期戦になれば、ゾイドに負担をかけるあなたに不利。
もっとも、長期戦じゃなくても勝ち目はないわね。」
セイスモサウルスの砲撃がさらに激しさを増す。
「余計なお世話だ!」
凱龍輝に装着されたディスペロウの砲が火を噴く。
だが、強靭な装甲を持つセイスモサウルスには傷1つつかない。
「ふふっ・・・
派手な合体をしてその程度?」
セイスモサウルスの長大な尻尾に凱龍輝が弾き飛ばされる。
「クソ!
なんて装甲だ!
どこか弱点は・・・」
「弱点ならあるよ!」
「リーゼ!」
凱龍輝のモニターにセイスモサウルスの機体が映し出される。
「奴は大気中の荷電粒子をデスザウラーと同じ、荷電粒子供給ファンで吸収している。
機体そのものを巨大な荷電粒子砲の銃身にしているセイスモサウルスはそこをやられたらひとたまりもないはず。」
「なるほど。
そして荷電粒子供給ファンの位置が腹の下か。
ならそこを叩くまでだ!
行くぞ!リーゼ!」
凱龍輝がセイスモサウルスに向けて一直線に加速する。
「あら!
思ったより元気じゃない。」
超収束荷電粒子砲を放つ。
「ふん。
丸見えだ!」
レイヴンは迫り来る荷電粒子砲を紙一重で躱す。
「これならどう?」
31門の小型荷電粒子砲をまるでシャワー用に凱龍輝に放射する。
「くっ・・・」
「これで逃げ場はないわ。」
退路を塞がれた凱龍輝に超収束荷電粒子砲を放つ。
勝った。そう思ったシホの目に映ったのは、爆炎の中から姿を現わす無傷の凱龍輝だった。
「荷電粒子砲に頼りすぎだ。
喰らえ!貴様の為に用意した集光荷電粒子砲だ!」
集光パネルによってセイスモサウルスの荷電粒子砲を吸収した凱龍輝の口腔部に膨大なエネルギーが収束する。
「くっ・・・
まさか、あれほどの近距離で超収束荷電粒子砲を喰らって無傷なんて!」
ティラノサウルス型独特の荷電粒子砲発射体勢を見て、シホはすぐさま回避行動に移る。
だが、間に合わない。
セイスモサウルスから放たれた荷電粒子エネルギーと自身のエネルギーを乗せた荷電粒子砲が放たれた。
「さすがね。
まさか、このセイスモサウルスがここまでダメージを受けるなんて。
でも、残念だったわね。
あんな一撃が何発も撃てるはずがない。
一撃で仕留められなかったあなたの負けよ。」
ギリギリでコックピットへの直撃を避けたセイスモサウルスだったが、背中の電子戦用レーダー装置と火器管制システムが吹き飛ばれた。
「勝ち目がないのはそっちじゃないか?
火器管制システムをやられて、精密な狙撃はできないだろう?」
「この距離ならシステムのサポートは必要ないわ。
私ならマニュアルで狙い撃てる。」
セイスモサウルスの口腔部が発光する。
「言ったはずだ!
荷電粒子砲に頼りすぎだと!」
レイヴンが不敵に笑う。
「そう!
僕たちの狙いは最初からこれさ!」
予め分離したエヴォフライヤーがセイスモサウルスの腹部に潜り込み、荷電粒子供給ファンを狙う。
「なるほど。
荷電粒子砲はあくまでも囮。
狙いはよかったわね。
けど、弱点に何の対策もしてないと思う?」
荷電粒子供給ファン付近の装甲が開き、無数のミサイルがエヴォフライヤーを襲う。
「うわぁぁぁ!」
爆散するエヴォフライヤー。
「リーゼ!」
「大丈夫だ!レイヴン!」
ギリギリでスペキュラーと共に脱出してリーゼは無事だ。
「けど、僕達が合体してなきゃ凱龍輝は1分も保たない。」
「心配するな。
俺はやられない。
・・・貴様!
この俺を本気で怒らせたみたいだな!」
「お互い後がないか・・・
次の一撃で決めましょう。」
セイスモサウルス、凱龍輝双方が荷電粒子砲発射体勢に移行する。
「ネオゼネバスの為に!」
「消えろぉぉぉ!」
2人同時にトリガーを引き、荷電粒子砲同士がぶつかり合う。
両者は一歩も譲らず、荷電粒子砲が拮抗する。
しかし、荷電粒子砲を吸収する際の膨大な熱、集光荷電粒子砲発射の際の負荷等、限界を超えた凱龍輝が不利だ。
そして、何よりもリーゼとスペキュラーが合体していない、今の状態ではエヴォルトを維持するだけでもかなりのエネルギーを消費する。
「そろそろ、あなたの機体も限界ね。
レイヴン、あなたの負けよ。
さすがは、プロイツェン閣下の特務兵。
ここまでやるとは思わなかったわ。」
限界を超えて合体し続けた飛燕と月光のコアブロックが機能を停止し、それらを構成していた装甲が石化現象を始める。
「くっ・・・まだだ!」
レイヴンの闘志に応え、凱龍輝の荷電粒子砲の威力が向上する。
「うおぉぉぉ!」
「なっ・・・
どこにそんな力が・・・」
セイスモサウルスの荷電粒子砲を押し返した。
そのままセイスモサウルスを貫く。
同時に限界を迎え、凱龍輝の全ての装甲が石化し、崩れ落ちる。