ゾイド After War   作:西川の兄貴

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第3話 異変

しばらく時をさかのぼり、

 

あの戦いから2年後…ウィンドコロニー…

 

 

村の入り口付近で1体の蒼いライオン型ゾイドが7体の虎型ゾイドに囲まれていた。

 

「おいおい…マジかよ…

こんなちっちゃい村にセイバータイガーの群れで襲ってくるなんて聞いたことねーぞ…」

 

ボヤきながらもバンは愛機を操作する。

 

左手の1体がライガーに飛びかかる。

身を沈めてかわし、喉元に爪の1撃、無造作な1撃だが、的確に急所をとらえており1体目は戦闘不能だ。

さらに逆側から首筋目掛けて牙を立ててくる2体目を頭部を押さえて組伏せる。

しかし、2体目に止めを刺そうとしたときに残りの5体がライガーの肩、足首などに噛みつき動きを封じる。

いかにブレードライガーがセイバータイガーと対になるゾイド、シールドライガーの進化系であると言っても1対6で押さえつけられては部が悪い。

このままでは組付されて餌にされるのがオチだ…

 

 

「やべっ!!」

 

とっさにシールドを展開する。

その拍子に正面の2体が弾かれる。

同時にロケットブースターを全開にしてなんとか振り切り、そのまま距離をとって反転する…

 

「こいつら…盗賊なんかじゃねえ…

でもセイバータイガーが野良になったり、群れで行動するなんて聞いたこたねぇぞ…」

 

通常ならパイロットが乗った状態で5体いっぺんに近接格闘戦などしない。

なぜなら僚機が邪魔になって反撃を避けられないし同士討ちの危険もある…

普通に考えれば、とるべき戦法でないし、卓越したパイロットなら可能かもしれないが、盗賊ごときでは無理だ。

そもそもそれ自体が戦闘の動きではなく野生の狩の動きなのだから…

 

「訳わかんねぇことばっかだけど、どのみち倒すしかねぇか…」

 

「一気に決めるぞ!!ジィィーク!」

 

主人の声に反応し、ジークが上空に舞い上がりライガーに合体する。

ライガーの全機能が活性化し、獣王の名にふさわしい咆哮をあげる。

獅子の咆哮によって一瞬セイバータイガーがたじろぐ。

同時に走り出す。

ブレードを展開し、ブースターで一気に加速し、駆け抜ける。

両側の2体を真っ二つに切り裂き、正面から向かってくる1体を組伏せて噛み砕く。

さらに体制を整えた3体が突っ込んでくる。

突出する1体の両肩をあらかじめ換装したブレード後部のガトリング砲で撃ち抜き、それを踏み台跳躍・・・

左翼の1体を頭上から急襲し、残り1体を二連装ショックカノンで撃ち抜き勝負が付いた…

 

「ふぃぃ…

なんだったんだ…こいつら…」

 

「「バぁーン!」」

 

愛機から降りるとフィーネと一緒にマリアや神父様が駆け寄ってくる。

 

「こんな辺境を攻めるのにあれだけのゾイドとは随分ものものしいですね。」

 

かんがえこみながら神父様が話しかける。

 

「いや…それがおかしいんだ。

神父様…

あいつら動きからして野良だぜ。

だからちょっと手こずっちまった…

ジークがきてくれなかったら危なかったぜ!!

なぁ!!ジーク!!」

 

「ガウガウ!!」

 

「でも野良ゾイドで、しかもセイバータイガーが群れで行動するなんておかしい…」

 

フィーネが、どこか心配そうな顔をする…

 

「いや…それだけではなくて最近野良ゾイドが多い気がするね」

 

「なにか悪いことがなきゃいいけど…」

 

マリアがまた弟がどこかへ行ってしまうのではとでも言うように心配な面持ちで呟く…

 

時を遡ること3ヶ月前…

 

「もう、勘弁してよー!

輸送経路が危ないったらありゃしない!

なんとかしなさいよ!!」

 

ムンベイがハーマンに向かって怒鳴り付ける。

 

「例の無人ゾイドのことか…

その事だが…」

 

「どーだって言うのよ!?

まさか余裕がないから自分でなんとかしろとか言うんじゃないでしょうね!?」

 

「いや…それがどうもおかしいんじゃ…」

 

ドクターDが説明を始める。

 

「あの戦いの後は戦争での緊張状態の緩和により軍事基地の警護用以外はスリーパーゾイドの回収が始まったんじゃ…

だか、回収途中にスリーパーが暴れだし逃走する事件が相次ぎ、さらには基地の警護に当たっているスリーパーまで行方不明になる事件まで発生した。

お前さんも聞いとると思うが、最近では軍事基地が攻撃を受け、配備されていたゾイドを全て奪われるという事件まで発生しておる…

極めつけはイヴポリスに調査に入ったらデスザウラーの残骸が消えておった。

これはとんでもないことが起きると見てまず間違いは無さそうじゃ…」

 

「そこでお前の新しい任務はあのライトニングサイクスの小僧を連れ戻すことだ。

バンの迎えはトーマが行くことになっている…」

 

とハーマンが続ける。

 

「はいはい…ちゃんと護衛はつけてよね…

それとギャラははずむからね!!」

 

山あいのあるコロニーで…

 

「ぶさけんな!!

なんでまた俺があんなとこに戻んなきゃいけねぇ!?

だいたいなんで俺の居場所がわかったんだ!!」

 

「ああ…居場所ならアーラバローネがあらかじめ捜索してくれたからそこに向かってきただけさ…」

 

怒鳴りちらすアーバインと慣れたもんだとばかりに受け流すムンベイ。

 

「で?

今度は何が起きたってんだ…」

 

「あんたも心当たりがあるかもしれないけど…」

 

ムンベイが謎の無人ゾイドの話からデスザウラーの話まで説明する。

 

「なるほどな…

つまりは最近増えたと思った野良ゾイドは実は軍から持ち出されて何かのために行動してるやつでさらにはデスザウラーときたか…」

 

 

人もゾイドも立ち入ることのない電磁嵐が吹き荒れる海域、トライアルグルダラス…

さらにその中に電磁嵐により発見されることのない島の地下…

 

「総督…

ジャミングウェーブシステムの実験は成功しました。

これにより兵力不足は解消されるかと…」

 

「そうか…

すべてはこいつのお陰か…」

 

総督と呼ばれた哀しげな目をした男は格納庫に鎮座する緑色の恐竜型のゾイドを見上げながら報告を受ける。

 

そう・・・一連のゾイドの行方不明事件は彼らの仕業である…

スピノサウルス型ゾイド、ダークスパイナーの背鰭に装備されたジャミングブレードによりゾイドのコントロールを奪い従わせる。

この能力により小規模部隊で基地から物資とゾイドを強奪し、スリーパーゾイドを使いコントロール実験を行っていた…

 

 

「申し上げます!!

技術部より最深部研究施設に来てほしいとのことです。」

 

「わかった。」

 




やっと動き出しました。
久々の主人公の活躍ですね笑
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