「とんでもねぇ数だな…」
格納庫の中でアーバインが独り呟く…
それもそのはずだ…
ガーディアンフォース諜報部が調査した結果、失踪したゾイドがトライアルグルダラスの中に消えたことがわかった。
これは何者かが戦争のための軍備を整えていることは明白である。
さらにデスザウラーの残骸が盗まれたことも考えれば、相当な戦力が必要であることが予想される。
いずれにしても大規模戦闘は免れないだろう。
そのための戦力としてウルトラザウルスのグラビティカノンを取り外し、超長距離射撃殲滅用装備ザデストロイヤーの装備が施され、さらにその護衛及び直接的攻撃部隊としてデストロイヤー兵団が編成される。
その編成にともない共和国軍の首都防衛以外のゾイド、物質、人員がこの基地に集結しているのである。
「おす!!アーバイン!!久しぶりだな!!」
「バン!!一体なんだってんだ?
この物々しさは…
また戦争でもおっ始めようってのか!?」
「違うわ…多分、そうならないために私達が呼ばれたのよ…」
「ほら!!あんたたち!!
そんなとこで話し込んでないで手伝いなさいよ!!
この忙しいときに!!」
久々の再会の挨拶もそこそこにこの異常な事態について話し込むバン、アーバイン、フィーネを作業に追われるムンベイが一喝する。
作業をしながら他と比べて異常に厳重に取り扱われているコンテナを見かける。
「なぁ、ムンベイあれなんた!?」
「あぁ…あれは今回の遺跡の研究で解明された古代ゾイド人の技術らしいの…
デスザウラーのことも危惧されてるからその対抗策らしいわよ…」
ふいに基地の扉が開き大量のゾイドが入ってきた…
その戦闘のアイアンコングから一人の将校が降りてくる。
「帝国軍カール・リヒテン・シュバルツ大佐、両国協同デストロイヤー兵団編成にともないただいま到着した。」
「デストロイヤー兵団総司令官のクルーガー少将だ。支援感謝する。」
「ひぇぇー…こりゃまた偉い数だな…
久しぶりだな!!大佐♪」
両国司令官の会話に無遠慮に割り込んでいくバン。
「これは久しぶりだね。
まあ、こちらもガイガロス防衛以外は全て集結させた訳だからね…
できればこのままなにもなく終わってくれればいいんだが…」
だが…この願いはあっさり打ち砕かれることになる。
デストロイヤー兵団の編成が完了したころ…
帝国、共和国の各施設に突然有視界通信が入った。
画面の中に哀しげな瞳を持つ銀髪の男が映る。
「ガイロス、ヘリックの諸君…ごきげんよう…
私の名はヴォルフ…かつてガイロス帝国の摂政だった男…ギュンダー・プロイツェンの息子…ヴォルフ・ムーロア…」
「ムーロアってまさか…」
歴戦の兵士やこの星の歴史を知るものはムーロアの名を聞き嫌な予感を覚える…
しかもプロイツェンの息子と聞けばなおさらだ…
ヴォルフと名乗った銀髪の男が続ける…
「察しのいい方々にはお分かりと思うが、私はかつてのゼネバス帝国皇帝の末裔だ…
そして現時刻を持ってネオゼネバス帝国の建国を宣言させていただく。
さらに我が国が望むことは惑星Zi全土を統一し、完全平和をなすことです。
ゆえにまずはガイロス、ヘリック両国を解体せねばなりません。
従えば危害は与えません。
従わねば攻め滅ぼさせていただきます。
これを宣戦布告と受けとるかどうかはあなた方次第だが、現にこちらにはそれを行うだけの力があることをお見せしよう…」
突如として巨大な格納庫の様な場所が映し出される…
両国から奪ったゾイドから見たことのない新型の機体…
さらには絶滅したはずの旧世代ゾイドまで並んでいる…
さらに奥に見える巨大な水槽にはあの当時戦ったゾイド乗りなら忌まわしい記憶にあるであろうゾイド…
巨大なサソリ型と恐竜型のゾイドの影が…
「分かっていただけたかな!?
ガイロス皇帝ルドルフ、ヘリック大統領ルイーズ両名の賢明な判断を期待する。」
こうして一方的に通信が切れた。
通信が終わった向こうでヴォルフが
「これでいいか?ヒルツ…」
「ええ…最良かと…陛下…」
「グルゥゥ…」
赤い髪の男とその隣に並ぶ赤いオーガノイド…
あの戦いで死んだはずの二人だが…
デスザウラーと細胞レベルで融合していたため
回収したデスザウラーのコアの破片の培養により蘇ったのだ…
「フッフッフ…まさか再び戻ってくる時が来るとはな…」
久々の更新になってしまいました。
これからはもう少しペースを上げて投稿していきたいと思います。