ゾイド After War   作:西川の兄貴

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更新遅くなりました。
仕事の合間に書いてるもので・・・
飽きずに見ていただければ幸いです。


第8話 首都炎上再び

帝国、共和国の両国がネオゼネバスの声明を正式に拒否してからしばらくの時が流れる。

軍の編成はしたものの、トライアングルダラスに阻まれてこちらからの攻撃ができない。

ならば、あちらからの攻撃を待つしかない訳であるが、あちらからの動きがすでに3週間はなく、戦闘配備のままの兵士達にもいささか苛立ちがつのる。

 

 

そんな中事態はいきなりの急展開を見せる。

 

 

 

 

「なんだと?

一体何をやってたんだ?

ここまで近づかれるまでなぜ気づかなかった?」

 

共和国首都ニューへリックシティーの防衛指令にあたっていたハーマンの怒声が司令室に響き渡る。

 

味方のレーダーがついさっきネオゼネバスと見られるゾイドの大部隊を観測したのだ。

規模は師団クラスだ。

こんな規模の部隊を観測できない訳がない。

だが、こちらのレーダーが捉えたのはついさっきだ。

おそらくは例のゾイドを操る謎の電波でレーダーを狂わせ、さらに夜間移動のみを徹底し、夜の闇に紛れて歩哨の目をかいくぐり、進軍したのだろうとハーマンは分析する。

上空の偵察部隊を編成しなかった自分の甘さを呪うハーマン・・・

いづれにしても敵は1時間以内には攻めてくる。

 

 

何がどうあろうとも国民と大統領を守らねばならない・・・

 

デストロイヤー兵団司令部・・・

 

 

「ハーマンから応援要請がきた・・・

だがこちらもやっと編成が終わったばかりで他に回せる部隊がない状況だ。」

 

クルーガーが苦虫を噛み潰したような表情を見せる。

 

「だからって見捨てるわけには行かねーだろ!

あそこには共和国のみんなもハーマン大佐も大統領もいるんだ。」

 

「落ち着け。バン!

どのみちこっからニューへリックシティーまでの距離考えたらとても間にあわねぇよ」

 

アーバインが激昂するバンを諌める。

 

「でも、このままじゃ・・・

それに嫌な予感もする・・・」

 

「やっぱり君もそう思うかい?

僕も同じことを感じてたところだ・・・」

 

フィーネとリーゼが何か感じ取ったらしい・・・

 

 

「それなら部隊を編成せずに少数精鋭で行けばどうだ?

少数なら小回りも効いて行動しやすい。」

 

「さすがレイヴンだぜ!

それなら俺たちで行こうぜ!

なっ!アーバイン!」

 

「勝手に決めんな!

馬鹿野郎!」

 

 

結局レイヴンの一言で行動が決定した。

 

 

格納庫に急ぐ4人・・・

 

「ちょっと待て!

お前さん方のゾイドは今調整中じゃ!

とても戦闘に出られる状態じゃないわい!」

 

「なっ・・・

じいさん!早くしてくれよ!

今すぐ行かなきゃ共和国が!」

 

「まあ、そう焦るな!

こんなこともあろうかとちゃんと準備はしてあるわい!

順番についてこい!」

 

 

格納庫の奥の研究施設に向かう・・・

 

厳重にロックされた施設の扉を入る・・・

 

そこには二体のゾイドの陰が・・・

 

そのうちのライオン型のゾイドをドクターDが指し示す・・・

 

「バン!これがお前さんのゾイド!

ライガーゼロじゃ!

こいつはライガーの野生体に古代ゾイド人の遺跡から解析したオーガノイドシステムを搭載しておる。

これによってジークと合体している時並みの能力を発揮できる。

さらに、お前さんのブレードライガーのメモリーバンクとリンクされている。

まさにお前さん専用機じゃ!」

 

「すげーや!じいさん!」

 

 

 

「じゃろぉ!

これが科学の力じゃ!

うははははっ!

ところでオーガノイドシステムの注意点じゃが、」

 

「いいよ!じいさん!

結局は俺次第ってことだろ!」

 

バンがドクターDの言葉を遮り、機体に乗り込んで行く。

 

「よろしくな!ライガーゼロ!」

 

獅子が低く唸りをあげて身体を起こす。

 

「全く・・・

仕方ないやつじゃな・・・

バン!調整が終わったら第二ラボで待っとれ。」

 

「わかった!

さんきゅーな!」

 

「レイヴン。

次は、お前さんだ。」

 

ドクターDがライガーゼロの隣に並んでいたティラノサウルス型ゾイドを指し示す。

 

「こいつはバンの機体と姉妹機じゃ。

ゆえに基本的設計機構はライガーゼロと同じ・・・

こいつもバンのライガーと同様にお前さんの専用機じゃ!

性能を引き出せばシャドーなしの時のジェノブレイカーの戦闘力も上回るじゃろう。」

 

「ふん・・・俺に乗りこなせないゾイドはないよ。」

 

「そういうじゃろうと思ったわい・・・

お前さんも調整が終わったらバンと同じところで待っていてくれ。」

 

 

第2ラボ・・・

 

「2人とも気づいておるとは思うがライガーゼロもバーサークフューラーも装甲がついとらん。

その状態が野生体に最も近い状態で機体の特性も活かされる。

じゃが、その状態で長期戦や多勢と闘うのは無謀すぎる。

そこで戦況に合わせて装甲を換装する、チェンジングアーマーシステムを採用した。

今から着けるのは基本装備じゃ。

ライガーゼロはライガー系ゾイドの基本的な戦い方に重点を置いておる。

バーサークフューラーはジェノブレイカーを元にした装備じゃ。

お前さんらが連携して戦えばまず敵はいないじゃろうて。

しかしながら調整が行き届かなかった部分もあるゆえ気をつけるんじゃぞ」

 

 

「そんなに心配すんなって!

行こうぜ!レイヴン!

トーマ!アーバイン!

先いくぜ!後は頼んだぜ!」

 

 

装備の換装が終わった2機はブースターを吹かし基地を飛び出してゆく・・・

 

 

別の格納庫・・・

 

 

青いバッファロー型ゾイドを指し示しながら、ドクターDが説明を始める。

 

「このゾイドはわしが開発した新システム・・・ブロックスシステムを始めて採用した機体じゃ。

ディバイソンの設計を元にしていて、ビークにも対応しておる。

さらに3段階の形態をとることができるため、柔軟に戦局に対応できるじゃろう。」

 

「おおぉ!

すばらしい!

すぐにビークをセットして準備にかかります。」

 

 

 

もう1つの黒い狼型ゾイドの前で

 

「おい・・・

じじい・・・

こりゃ一体どういうことだ・・・

なんでコマンドウルフがここに・・・」

 

 

「驚いたか?

実はジェノブレイカーとの戦闘で大破したお前さんのコマンドウルフじゃが、

コアが停止しても機体の石化現象が始まらなかったんじゃ・・・

歴戦ゾイドとして体内が進化を遂げたのか、何か特別な処置が取られていたのか、再生こそしないものの金属細胞が死ななかったのじゃ・・・

おそらくメモリーバンクが新しい相棒に受け継がれて主人について行っても身体の方もついて行きたい気持ちがそうさせたんじゃろうて・・・

最近遺跡から発掘された古代ゾイド人の伝説の虎型ゾイドのコアが3つある。最初の1体があまりにも強大で暴走の危険があるためコアを2つに分けた,

そのうちの1つをコマンドウルフの機体に移植したのじゃ。

当然ライトニングサイクスのメモリーバンクともリンクさせておる。

お前さんのコマンドウルフは頭脳をライトニングサイクス、肉体をこのワイツウルフとしてよみがえったのじゃ。」

 

 

「はっ・・・

こいつぁすげぇや・・・

難しいこたぁわからねぇが、俺の相棒はまだ戦いたくて戻ってきてくれたってわけだな・・・

じじい!

たまには気の利いたことしてくれるじゃねぇか!

ありがとよ!」

 

機体に乗り込むアーバイン・・・

 

「ニューへリックシティーまでは俺たちがストームソーダで輸送する。

それで作戦通りにことが進むはずだ。」

 

その言葉と同時にアーラバローネのストームソーダがワイヤーでディスペロウとワイツウルフを釣り上げて飛び立って行く・・・

 

 

ニューへリックシティー・・・

 

すでにネオゼネバスの攻撃が始まり、共和国軍の守備軍は首都中心まで追い詰められていた・・・

 

 

戦場にハーマンの怒声が響き渡る。

ハーマンの迅速な対応により、すでに市民の避難と大統領の脱出は完了している。

ここまでは作戦が成功していると言っていい。

ここからは決戦に向けての戦力を温存するためにオコーネルが指揮をとり、ホエールキングで脱出する準備を整え、ハーマンの部隊で敵を食い止めるという作戦だ。

しかし、あまりにも戦力差があり過ぎる。

部隊が混乱してないのが不幸中の幸いだが、このままでは保たない・・・

 

 

 

「くそぉ・・・

踏みとどまれ!

じきに応援もくる!」

 

愛機のゴジュラスのロングレンジバスターキャノンを敵部隊に乱射し、肉薄してくるレブラプターを数機踏み潰し、爪で引き裂く・・・

 

「くそっ・・・

敵が多すぎる・・・

うあっ・・・」

 

群がる小型ゾイドに気を取られているうちに側方からゴルドスの砲撃をモロに受ける・・・

さらにコックピットに向けてシールドライガーが飛びかかってくる・・・

対応しきれない・・・

まさか、奪われた自軍のゾイドにやられるとは・・・

死を覚悟した瞬間、視界の隅を黒い陰がよぎり、シールドライガーを叩き落とし、背中の機銃で砲撃を加えてきたゴルドスを撃破する。

 

「よう!

調子悪いみてぇじゃねぇか!

助けにきてやったぜ!」

 

「お前はっ・・・」

 

驚愕の声をあげるハーマンの横に今度は青いバッファロー型ゾイドが落下してくる。

 

「話は後です。

今は状況の打開を!

ビーク!

行くぞぉ!」

 

トーマがビークのサポートを受けてディスペロウの全砲門を開き、弾幕をはる。

 

「そういうこった!

作戦は聞いてる。

俺達が殿を務めてやるから脱出するぞ!」

 

言葉と同時にアーバインが敵に飛びかかる。

 

「上空は我々に任せて貰おう。」

 

2体のストームソーダが敵の地上部隊にミサイルをばらまき、上空のレドラー、プテラスの混成部隊を撃ち落とし、切り裂いてゆく。

 

「アーラバローネか・・・

よぉし!全機撤退だ。

ホエールキングに集結せよ!」

 

突然の応援とハーマンの指揮により士気が取り戻される。

 

 

「バン・・・2人が戦闘に介入した。

俺たちも行くぞ!」

 

「ああ!

頼むぜ!レイヴン!」

 

いくら最新鋭の機体を受領したアーバインとトーマが殿を勤めると言ってもこの大部隊から逃げ切るのは不可能だ。

そこでバンとレイヴンに与えられた任務は敵部隊の後方から攻撃を仕掛け、陣形を乱し、共和国軍の撤退を助けるというものだ。

 

 

 

レイヴンが敵部隊を捉える。

バーサークフューラーの両脚の二連アンカーが展開され、尻尾のフィンが開き、頭から尻尾までが一直線となり、口腔部が発光する。同時に背部のバスタークローが展開され、中心の砲塔にエネルギーが収束する。

ティラノサウルス型ゾイド特有の荷電粒子砲発射体勢だ。

しかもバーサークフューラーの場合はバスタークローも合わせて三連装だ。

レイヴンは照準を合わせ、トリガーを引く。

出力は最大だ。

フューラーから凄まじいエネルギーの光の渦が3本打ち出される。

その光は真っ直ぐネオゼネバス軍の後方から中心に向けて突き刺さる。

直後ネオゼネバスの部隊の中心付近にいた部隊は一瞬のうちに蒸発した。

掠っただけで済んだゾイドも半身が消し飛び、もはや戦う力はない。

 

 

フューラーから打ち出された荷電粒子砲の光が消えると同時にライガーがブースターを吹かし敵陣に突っ込んで行く。

 

「全く・・・腕はあがっても戦い方はあまり変わらないみたいだな・・・」

 

フューラーの機体から熱が吐き出される・・・

先程の荷電粒子砲の斉射でオーバーヒートしたのだ。

未調整の状態で試運転もなしにいきなりの実戦だ・・・

当然といえば当然だろう。

 

「しばらく荷電粒子砲は撃てそうにないな・・・」

 

機体をジャンプさせ軽く浮き上がった状態でブースターを吹かして砂漠を滑空し、バンに続く。

 

共和国軍が撤退に専念したことによってネオゼネバス軍の火線が共和国軍の撤退路に集中する。

だが、共和国軍の被害はさほどでもない。

守備隊である彼らはニューへリックシティーの地理は知り尽くしており、建物を盾に最善の経路を選んでいるからだ。

 

 

「ぃよぉぉしッッ!

さすがはハーマンだ!

思ったより早く脱出できそうだぜ!

トーマ!

敵の砲撃部隊を潰して共和国軍を援護するぞ!」

 

「おおっ!

行くぞ!

ビーク!」

 

一気にワイツウルフが機関砲を乱射しながら駆け出す。

 

コマンドウルフのボディを使っているだけあってアーバインの手足のように動く。

 

シールドライガー、コマンドウルフ、セイバータイガー等を中心とした高速戦闘部隊が前に出てくる。

それを機関砲で牽制しながら自分の正面の敵だけを格闘戦で倒し、速やかに駆け抜けて行く。

その様はまさに黒い稲妻通り過ぎて行くようだ。

 

ワイツウルフを見失い戸惑っている敵をトーマがディスペロウの全砲門を開き、殲滅する。

 

2人の見事な連携により、砲撃部隊付近まで辿り着く。

 

 

 

レッドホーン、ゴルドス、カノントータスなどで編成された砲撃部隊だ。

ゴジュラスがいなかったのが幸いである。

 

「おおぉぉぉ!」

トーマが雄叫びをあげ、ディスペロウを砲撃仕様から格闘仕様に切り替え突撃する。

正面のレッドホーンが迎撃に出るが体格差を物ともせずに正面からツノで吹き飛ばす。

トーマの突撃で空いた穴にアーバインが飛び込み、機関砲で砲撃装備のカノントータス、モルガ等の小型ゾイドを蹴散らす。

 

「よしっ!

このまま一気に行くぜ!」

 

正面のレッドホーンに照準を定め、トリガーを引く。

しかし、トリガーが異様に軽く、反応がない。

 

「クソッタレっ!

弾が切れやがった!

俺としたことが・・・」

 

それもそのはずだ。

2体だけですでに数十の敵を倒しているのだ。

いかに無駄弾を避けたとしても弾切れは必至だ。

しかも、砲撃専用機でない高速戦闘機であるワイツウルフならなおさらのことだ。

 

たちまちレッドホーン3体に囲まれる。

 

「こいつぁさすがにやべぇな・・・

ぐぁぁっ・・・」

 

状況を打開するべく、ブースターを吹かして後退して体勢を立て直そうとするアーバインの視界のすみにレッドホーンではない赤い影が一瞬見え、機体が弾き飛ばされる。

 

「ちくしょう・・・

なんだってんだ・・・」

 

そこには赤い恐竜型のゾイドが立たずんでいた・・・

 

相棒が唸り声をあげる・・・

アーバインの直感が危険を知らせるのと同様にワイツウルフも本能で危険を悟ったのだ。

 

こいつはヤバい・・・

恐らくこいつはワイツウルフと同じだ。一部の力が封印されてはいるがすでに異様な威圧感を放ってやがる。

確実にこいつもとんでもねぇ化け物だ・・・

 

アーバインの長年のゾイド乗りとしての勘がつげる・・・

 

 

 

 

 




今回は長くなりました。
続きも見てくれたら嬉しいです。
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