一級冒険者がサポーターなのは間違っているだろうか   作:ジェイ

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お久しぶりです。
忘れられても仕方無い位に間があきました。申し訳ないです。
ただえたるつもりはないので待ってくれていた方に楽しんで貰えればと思います。


11話・祭り前

 迷宮都市オラリオには沢山の人々で溢れている。やはりと言うか目立つのは冒険者達であるが、冒険者達だけで都市として運営出来るわけではなくそれ以外の者も数多くいるのは当然である。なので常日頃から街の賑わいはかなりのものであるのだが、この日はそれを増して賑わっていた。

 

 怪物祭(モンスター・フィリア)

 

 年に一回開かれるガネーシャ・ファミリア主催の一大イベントで最大の催しはガネーシャ・ファミリアの冒険者によるモンスターテイムだ。本来相入れないモンスターを調教し手懐ける事で民衆に冒険者の強さを知らしめ安心感を与える事を趣旨としたものである。そしてそれは大いに成功し沢山の人が集まるようになった。それを目敏い商人が逃すはずもなく少しづつ大きくなり、今やオラリオを代表する催しとなっていた。

 

 そんな中で一際賑わう一角がある。それは

 

 「オーダー!特製焼そば2つ!」

 

 「オーダー!特製串焼き4本!塩とタレ2本づつ!」

 

 「オーダー!特製お好み焼き3つ!」

 

 「オーダー!特製唐揚げ15人前!」

 

 「了解!焼そばほいっ!串焼きは後1分!焼そばほいっ!お好み焼きほいっ!唐揚げ30秒前!」

 

 それはレスティア・ファミリアとタケミカヅチ・ファミリアの合同屋台である。

 祭りと言えば露店での食べ物屋は定番である。ちょっとした軽食は勿論、普段から露店販売されているじゃが丸くんも大いに売れている。その中でもこの合同屋台は以上に人気であった。

 

 何故ならメニューの基本は極東の祭りの定番であるからである。通常ならその程度、と見るかも知れないが祭りとなれば極東のメニューは一際目立つ。何故ならオラリオでは基本西洋の食事がメインだからだ。オラリオが位置するのがそうであるのが大きな理由であるが、神々に西洋神が多いのもその理由でもある。そしてそれに目をつけたのがただ一人のレスティア・ファミリア団員であるランだ。

 

 「ほいあがり!次は?」

 

 「ご指名です!」

 

 「相手は?」

 

 「デメテル「デメテル様ーーーー!!」様…………速い!?」

 

 「わんちゃーん!」

 

 

 

 「ご指名です!ロキ様です!」

 

 「ちっ!」

 

 「なんでやねん!?」

 

 物珍しくも美味な極東特有でありお手軽なお祭り料理に目をつけたランは極東出の神であるタケミカヅチとそのファミリアに声をかけ、昨年より開始したのがこの≪和の祭り定番メニュー屋台≫である。本来なら一屋台一メニューであるが、ランのオラリオ最速を利用した事で複数の屋台を同時運営を可能としたのであった。調理と➕αをランが受け持つ事でタケミカヅチファミリアの面々は接客に専念でき、尚且つ➕α、女神をランとタケミカヅチが受け持つ事で成立する企画である。ちなみに男神は基本的に一般と変わらぬあつかいであるが稀にレスティアがサーブする為それを目当てに並ぶ男神も少なくない。

 しかし異様な光景だ。ランゆえに可能な商売であるがランが数十人いる様に見えるのだから。

 

 ランのスキル。それは速さに特化した物だ。オラリオどころかこの世界でも追い縋れない速さの頂点に立つスキル保持者。そんな最上位どころか頂点にたつスキルの使用が

 

 「よし!串焼き、唐揚げあがり!デメテル様に俺は窒息しそう!ロキ様ぺっ!」

 

 あまりにも雑である。ちなみにランは調理しつつ、女神デメテル(大山脈)に抱かれつつ女神ロキ(大草原)を超高速に対応しつつ、他の女神や街娘を対応している。応用の幅が広すぎな力である。

 ちなみに女神デメテル。豊穣の女神であり、その眷属もそれに伴い作物の生産を主に行い、それを販売する商業系ファミリアである。そしてデメテル本人は蜂蜜色の髪をした女性的特徴の豊満な肉体の美しい女神だ。ぶっちゃけ乳がでかい。そして本来なら無乳ロキの嫌悪、と言うより嫉妬対象であるがその大らかな、言ってしまえば呑気過ぎる性格故に無乳女神ロキすらも脱力半分飽きれ半分で気軽に付き合えるある意味強者(つわもの)女神である。

 

 とにもかくにも

 

 「ねぇロキ」

 

 「なんやデメテル」

 

 「私今わんちゃん抱き締めてるわよね?」

 

 「せやな。うちもワンコヘッドロックかけとるわ」

 

 「なんでこの子分身してるみたいに動けてるの?」

 

 「知らんけど、ワンコやで?分身出来ても違和感ないわ。まぁ実際は速すぎてうちらが知覚出来てないだけやと思うけど」

 

 「…………うちに欲しいわね」

 

 「ウチやって欲しいわ。でもれーたんとガチで戦争はしたくないねん。ワンコもヤバイけど一番ヤバイのはれーたんやで?」

 

 「わかってるわよ。この゛世界軸゛の例外に手をだす馬鹿はいないわ」

 

 「見せしめで潰れかけたファミリアもあるしな」

 

 「あれってわんちゃんがやったんだっけ?それともレスティアがやったんだっけ?」

 

 「どっちもや。あん時は流石に焦ったで。神威゛全快゛のれーたんが相手ファミリアの眷属全員屈服させてワンコに至っては神殺し寸前やったからな。フレイヤん所の≪猛者≫とウチの最高幹部がでばってようやく収まったからな」

 

 「あのフレイヤですら手を出さずに協力関係でとどめているのにね」

 

 「それが無難っちゅー事や。暗黙の了解やで?ウチ等が言うのもあれやけど触らぬ神に祟り無し、や」

 

 「そうね。本当に欲しいけど今を崩したくないし、今が最善なのは理解してるわ。ファミリア的にも個人的にも」

 

 「せやね」

 

 「あのー。お二人とも?私今全開でデメテル様の包容を楽しみながら、ロキ様の平原と大地の厳しさに涙を堪えながら享受しつつ多々な業務をこなしているわけですが……………俺の黒歴史の暴露大会やめね?」

 

 ランのスピード特化の力が異常なのは確かである。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから時間もたち祭りも佳境へと移行していた。この祭りの代名詞であるモンスターテイムが開始したのである。

 

 

 「おい、テメーら」

 

 そしてランは怒りにうち震えていた。眼前には己とタケミカヅチ・ファミリア合同の屋台が一部破損していた。幸い負傷者はいない。゛モンスターの襲撃゛に気が付いたランが持ち前のスピードにより駆逐した為である。しかし腑に落ちない。何故 モンスターが街中に出没したのか。

 

 「リリ」

 

 「はい。状況としては何者かがモンスターをガネーシャ・ファミリアから解放したのかと」

 

 「だな。ちなみに回収は?」

 

 「滞りなく」

 

 ランの言葉に素早く反応したリリは現状報告を正確に、そしてランの期待に十全に応えた。その反応に満足げに頷きながらもランは次の指示をだす。

 

 「お前はこのままタケミカヅチ・ファミリアと合同で屋台の維持をしろ。折角の金儲けの機会を不意にする必要はない。料理に関してはレスティア様に懇願する。あの方は俺よりスピードは無いがそこらの料理人より早く上手いからな。んで、桜花!命!」

 

 「「はっ!」」

 

 まるで主に対するように瞬時にランの前に膝を屈した2名。タケミカヅチ・ファミリアの団長桜花と少なからずランに恩義を感じる命。この二人はランに対する思いは違えど尊敬すべき先達としての思いは同じである。

 

 「桜花、テメーは周辺の探索及びモンスターの駆逐。命は民衆の守護をしつつファミリアの指揮。並びに屋台運営の補助」

 

 「お師匠様リリは?」

 

 モンスターより魔石を回収し終えたリリは何気もなく新たに調理の仕込みをしながら聞く。

 

 実はリリはここに至るまで裏方に徹していた。食材管理から金銭管理、そして集客管理においてもリリのサポート能力故である。

 正直この場の売上はリリ無くしてはあり得なかった。ランだけでもそれなりの売上は出た。何せスピードと言う時間をも左右する能力な上タケミカヅチ・ファミリアの助力を得ていたのだから。しかしそれらは管理するのは有限である。勿論それらを管理するのは当然であり、本来担当するのは発案者であるランでもある。しかしそれをするにはランであろうと困難である。だがリリはそれを補って見せたのだ。

 「本当に良い拾い物をしたぜ。リリは最終指揮官でいろ。この場においてお前の指示は誰よりも尊重せれると心得ろ!」

 

 『はっ!』

 

 周囲より言葉が響く。それはリリ及びタケミカヅチ・ファミリアの面々からである。

 

 戦闘面ではタケミカヅチ・ファミリアの誰よりも劣るリリではあるがサポートに関しては誰よりも勝るのが小人族であるリリルカ・アーデの本来の資質である。

 そしてそれはランの弟子を踏まえた上であるが団長桜花にして専属サポーターを希望するほどであり、ファミリアの面々にしてもそれは同様であった。それほどまでにリリの管理能力は高く、ランの信頼は高いのであった。

 

 

 

 

 

 ところ変わって金髪金色この瞳を持つ美少女アイズは困惑する。

 今まで全てを切り伏せてきた。それが例え階層主であろうと、異形主であろうと満遍なく己が技と能力において。そして仲間の助力を得ればまさに一騎当千、戦姫の2つ名を得るほどに彼女の実力は高い。なのに

 

 「うぜぇ!固すぎんだろこいつ!」

 

 「あーーーーもぅ!武器があればこんな奴!」

 

 「皆さん、魔力に敏感に反応してます!恐らく魔法に対しては弱点であると考察しますが、くっ!隙がありません」

 

 現状は膠着と言えた。

 

 本来なら平穏に日常を謳歌するだけであった。街に繰り出し仲間と共にショッピングや祭りを楽しむだけの。しかしそれは突如表れた蛇にも似た植物モンスターにより崩壊したのだ。

 本来ならモンスターが街中に現れるなどあり得ない。しかし現実にそれは出現してこうして脅威をふるっている。仲間たちは武器を所持していないがたまたまレンタルではあるが武器を所持していたアイズは早々に斬りかかるがモンスターの対物理耐性故にか全くダメージを与えられないでいた。

 そして現在膠着状態と陥っていたわけだが突如一陣の風を感じた。

 

 「よぅ。苦戦してんなテメーら」

 

 そこに現れたのはランハティ・マーナガルム。オラリオ最強の一角であり最速を司る男であり、アイズの目標でもあった。

 ランの言葉と共にさっきまで縦横無尽に暴れまわっていた蛇に似た植物モンスターは仰け反った様に体制を替えて対象をランに変えたように複数あると思われる頭部を彼に向けた。

 

 「なるほどな。物理耐性が異常に強いのか。俺の速度の斬撃をくらって傷が少量なのがその証拠だ。俺も見たこと無い新種がここにいるのが疑問ではあるがな」

 

 ランすらも初見であることに少なからず衝撃を受ける面々。物理戦闘を得意とするティオネとティアネ、そして唯一武器を所持していたアイズも効果の薄さに歯噛みした。そして現状はサポーターであるがランすらま初見であるモンスターを睨み付ける。どうすれば攻略出来るのか。それに対しランは事も無く呟いた。

 

  「斬撃によるダメージは少量。アマゾネス姉妹の攻撃も効いてないしアイズと俺の攻撃も対したダメージはないとすれば物理耐性は強い。なのに俺に警戒してるか゛魔力゛に反応しているところから見るに…………」

 

 

 そこでアイズ、及び仲間達は気が付く。物理に強く、魔法に敏感に反応すると言うことは

 

 

 「おいちみっこエルフ!」

 

.「ちみっこ!?」

 

 「そうだよちみっこ!テメーが仕止めろ。リヴェリア程に無いにせよ強い魔法使えんだろ。サウザンド・エルフ!」

 

 ちみっこ扱いに憤慨仕掛けるちみっこエルフもといレフィーアであるが尊敬するリヴェリアを対象にされては返す言葉も無く憤慨するだけにとどまった。だが内容を理解していち早く詠唱を開始する。

 彼女の能力は模倣するものである。それが格上であろうと本来扱えぬ魔法すら使役して見せるのが彼女の能力であった。

 故にアイズ含め仲間達は不確定の事ではあるがレフィーアを守り抜く事にした。

 

 「アイズ!合わせろ!」

 

 「了解」

 

 アイズに一声かけながら周囲より瞬時に集めたロープをアイズに持たせた。ランが何をしようか把握したアイズはそれに反応し己の最高速度をもってモンスターを取り囲む様にランとは反対方向に駆け、そしてほぼランと同じタイミングで二人はヒュリテ姉妹にそのロープを預ける。二人に追い付けないヒュリテ姉妹ではあったがその動きは把握出来ていたため狙いは理解していたので

 

 「「ふんっ!!」」

 

 渡された瞬間に全力でロープを引っ張る。それによって蛇に似た植物モンスターは1つに纏められ1ヶ所に縛り上げられる事になる。ちなみにこのロープは祭りの飾りの為に用意されたもので数々の飾りつけをされていたのでモンスターがまるで不思議なオブジェの様になったのは余談である。

 

 

 そして余裕が出来た事でランはこの場を後にする。直後大きな火柱が街中に燃え上がったのであった。

 




長くなりそうなので前後にわけました。
次こそは早めの投稿を目指したいと思います。
つーか拙い戦闘で申し訳ない(;´д`)
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