異変と地王
あれ、ここって俺の部屋だっけ?そうだよな、俺は確かに自分の部屋にいる。でもなんだか雰囲気がいつもと違う。そうか、俺は幻想郷に来てるんだっけ?忘れてたな。そんな時が度々あった。中学生にして影舷隊団長、西田悠岐はそんな日々を続けていた。時は遡ること1ヶ月前、悠岐は自分の仲間の隼人、ミク、啓介、ウロボロス、麻里を連れて普通に街の見回りに行った。そこから不思議な場所を啓介が興味津々で見つけた。五人はやめようと警告したが啓介は無視してその場所の奥へと進んでいった。五人も啓介の後を追いながら進んでいった。気がつくとそこは街とは全く別の場所、森林が広がっていた。そここそが現実世界から来る人が大体は妖怪に食べられて命を落としていく無縁塚なのである。六人は森を出ようと進んだ。そこで妖怪に遭遇。そして駆逐。六人が通った後には妖怪の血が広がっていた。そのまま六人は無縁塚を通りすぎた後、突然現れたスキマ妖怪、八雲紫と出会った。彼女の助言により六人は博麗神社に行った。そこで霊夢と出会い、訳を説明すると彼女は魔理沙を連れて幻想郷を案内してくれた。その時には案の定、金を払った。幻想郷には様々な建築物があった。その時、六人は疑問に思ったことがあった。何故白玉桜に剛岐が呑気に茶を飲んでいるのか。何故守谷神社の池でモルトは諏訪子と鱒釣りしているのか。何故マーグルは永遠亭にいるのか。それは誰も理解出来なかった。幻想郷で過ごしていくうちに、みんなとは仲良くなっていった。その人の神社や館に泊まるほど仲良くなった。悠岐は博麗神社やアリスの館に泊まったり、隼人は紅魔館のヴワル図書館に泊まったり、ミクは永遠亭に泊まったり、啓介は魔理沙の家に泊まったり、ウロボロスは慧音の家や八雲家に泊まったり、麻里は白玉桜に泊まったりしていた。そんな日々がいつもの日常だった。そんな日常が崩れてしまうことなど、誰も分からなかった。
その日の夜、無縁塚に長身で黒のジャンバーに灰色のジーパンをはいた男が人里を見ていた。彼の後ろには数えきれない程大量の妖怪の死体が転がっていた。
「あのときと全く変わってないな・・・まあいい。なんせ強者がいるはずだからな。」
そう言うと男は人里に向かっていった。
その頃、博麗神社では。異変に気がついた霊夢と悠岐がその気配を探っていた。
「何か来たようだな。それも現実世界から。」
「あんたの知り合いじゃないの?」
「おそらくな。啓介らも分かってるはずだ。」
「とりあえず私達も移動しましょう。」
そう言うと二人は人里へ向かった。
その頃、啓介は魔理沙と共に気配のした無縁塚にいた。
「気配がするな、気を付けろ。」
「分かってる、私だってそんな呑気じゃないぜ。」
二人は捜索を続けた、が二人は不可思議なことに気がついた。妖怪の住処である無縁塚をあちらこちらと歩き回ったというのに一匹も妖怪と遭遇しなかったのである。さらに妖怪のと思われる血痕が所々に残っていた。これは明らかに誰かの仕業だと考えられる。しかしここの妖怪も弱くないはずだった。それを容易く殺せる人などあまりいなかった。そもそも無縁塚を訪れる人などあまりいない。一体誰がこんなことを。二人は厳重に捜索を進めた。結局何も見つからなかったため、人里に行こうとした時だった。
「だ、誰だあいつ・・・」
二人の目の前に長身で黒のジャンバーに灰色のジーパンをはいていて、刀を右手に持っている男がいた。その男は二人を見て、笑った。
「久しいな、山下君。」
「おいそこの人!なんでこんなところにいるんだ。早く帰らないとこの私が追い払ってやるぜ!」
「なんでテメェがいるんだ、セコンド!」
「セコンド?もしかしてあいつのことか?」
「ああ、そうだ。どうして幻想郷にいるんだ!」
「君の問いに答えよう。幻想郷を支配し、私の思うがままの世界を創る。そのためには邪魔な者を排除する。」
セコンド。啓介達のいた現実世界の五大王の一人で地王と呼ばれている男である。背丈は190cmを越えているため、啓介と比べても10cm以上は大きい。魔理沙にとって彼は巨人である。
「テメェの好きにはさせない。ここでテメェをブッ潰してやる!」
「私も協力するぜ!」
「よろしい、やってみるがいい。」
「食らえ!闇のレクテリア!」
「マスタースパーク!」
二人は同時に攻撃を放った。だがセコンドは無傷だった。笑みを浮かべたまま二人を見ていた。
「その程度か?それでは私は倒せないぞ。」
「効いてない!?」
「ちっ、やっぱりこれくらいじゃあ無理か。」
「当たり前だろう。そんな攻撃で私を倒そうなど考えないでくれ。」
「テメェ、まさかあいつは来てないよな?」
「さあ、それは君達の想像に任せよう。」
「なあ、啓介。あいつって誰だ?」
「いづれ会うよ。今は奴との戦いに集中しろ。」
そう言うと啓介はセコンドに向かっていった。あたりにセコンドと啓介が刀を打ち合う音が響いた。その隙に魔理沙がマスタースパークを食らわせた。だがやはりセコンドは無傷だった。効いていないのではない、避けられているのである。まるで動きを読まれているかのように。と、突然セコンドが魔理沙の目の前まで移動してきた。そして刀を降り下ろそうとしていた。セコンドが降り下ろそうとした瞬間、啓介がセコンドの刀を鎖で巻きつけていた。
「今だ魔理沙、やれ!」
啓介の言葉に従い、魔理沙は攻撃を放った。
「ファイナルスパーク!」
鎖で刀を巻かれているため、セコンドは攻撃をくらった。爆発の衝撃であたりに砂埃が舞った。
「魔理沙!いるか、魔理沙!」
啓介は魔理沙の安否を確かめるために彼女の名前を叫んだ。砂埃から影が見えた。帽子が見えたため啓介はすぐ魔理沙と理解した。
しかし、いたのは魔理沙だけではなかった。彼女の後ろにセコンドが刀を構えていた。
「魔理沙、後ろ!」
啓介は叫んだが手遅れだった。セコンドの刀が魔理沙の腹部を貫いていた。そのまま魔理沙は地面に倒れた。魔理沙から出た血をセコンドは嬉しそうに舐めた。
「あんたは・・・吸血鬼なのか?」
「いいや、違うよ魔法使い。私はただの人間だ。特別な力を持ったね。」
「テメェ、セコンド!」
「八つ当たりか?それはよくないな。」
そう言うとセコンドは向かってくる啓介の太刀打ちをかわすと腹部を斬りつけた。さらに啓介の腹部を貫いた。啓介はそのまま吐血した。その血もセコンドは嬉しそうに舐めた。
「なかなかの味だな、山下君?」
「テ・・・メェ!」
「まだやるのか?君は今腹部を貫かれ、重傷をおおっている。そんな君とは戦いたくないな。」
「うるせぇ、黙ってろ!」
啓介はセコンドにかかろうとしたがセコンドに蹴り飛ばされた。そのまま魔理沙にぶつかった。
「今の君は自分のことを考えていない。駄目だよ、自分自身の心配もしないと。さて、私は行くとするか。今は君達に用はないからね、また会おう。」
そう言うとセコンドは霧のように消えていった。
その頃、人里では。悠岐と霊夢が謎の気配を探していた。そんな中、無縁塚から爆発音が聞こえた。
「霊夢、今の・・・」
「魔理沙よ。無縁塚に行ったほうがいいわね。」
そう言うと二人は無縁塚に向かった。二人はそこであるものを見つけた。ボロボロで倒れている啓介と魔理沙だった。二人はすぐ二人の元へ駆け寄った。二人は気を失っていたため、なかなか起きなかった。そこで二人は魔理沙と啓介を影舷隊の小屋まで運んだ。
小屋に入るとウロボロスと麻里、紫と幽々子が何やら話をしていた。どうやらかなり慌てている様子だった。
「紫、あんたどうしたの?」
「西行寺さん、どうしたんですか?」
「悠岐、霊夢聞いてくれ。実は妖夢と藍が買い出しに出掛けたきり、帰ってこないんだ。」
「てゆうか、どうしたの?啓介君と魔理沙は。」
「分からないわ。でも誰かにやられたのは確かよ。」
「セコ・・・セコンドだ・・・」
「セコンド?あいつが来たと言うのか!?」
「ああ、そうだ。奴が来てた。」
「地王ね、剛岐さんから聞いてるわ。」
「まさか、セコンドの軍隊の奴に?」
「私、二つの気配を感じていたのよ。」
「麻里、その二つの気配って?」
「地王セコンドともう一人は・・・」
「幽々子様、手紙が届いていました。」
幽々子の元へ息が切れながら駆けつけていたのはリリカだった。早速手紙を読むとそこには人質と引き換えに己の力を差し出せという内容だった。
「力って・・・私と紫のこと!?」
「考えられるのはその二つですよ。」
「今から私と幽々子で二人を助けてくる。あなた達はここをお願いね。」
「ちょっ、紫!?」
霊夢の言葉を無視して紫と幽々子は小屋を出ていった。二人が向かう場所は手紙に書かれていた。場所は無縁塚の最深部の場所、妖怪達が最も集う人間である悠岐達にとって最も危険な場所に紫と幽々子は向かっていった。
「俺も行くとするよ。大体セコンドが力を欲するなんてあり得ないからな。」
「だったら私も行くわ。」
「麻里、ウロボロス。悪いが啓介と魔理沙の看護、よろしく頼むな!」
「ちょっと悠岐!?」
麻里は止めようとしたがその時には悠岐と霊夢の姿はなかった。
「全く、自分勝手なんだから。」
「ハッハッハッ、悠岐らしいじゃないか。まああいつに任せれば大丈夫だろう。」
そう言うと二人は再び小屋の中に入っていった。
初めての投稿なのでかなり短いです。のちに長くしていく傾向です。さて、幻想郷に現れた地王セコンド。その力は計り知れない程の強さ。果たしてこの強敵を倒すことが出来るのか?
次作は帝王の謀略です。妖夢と藍を連れ去った張本人である帝王が登場します。そこで影舷隊の裏を暴きます。果たしてその内容とは?そして紫と悠岐達は妖夢と藍を救出することが出来るのか!?次作をお楽しみにしてて下さい!