龍と蜘蛛
全員が小宝城に出ると既に1万人という多くの帝王軍が無縁塚まで迫っていた。万が一のために紫は人里の住民を妖怪の森に全員避難させておいた。おそらくは建築物が破壊されるなどの被害が出るリスクを覚悟して霊夢達は帝王軍に向かって行った。
霊夢達が帝王軍に向かって行く前にある一人の少女が既に帝王軍に立ち向かっていた。伊吹萃香である。誰よりもいち早く帝王軍の存在に気づき、立ち向かっていた。流石に萃香一人では無理があるため、萃香は文に頼んで応援を呼んでもらっている。そこで応援が来るまで萃香は一人で挑む。萃香はスペルカードを帝王軍に見せると笑みを浮かべて叫んだ。
「雲集霧散!」
帝王軍の周りに霧が現れ、視界が悪くなり、帝王軍は混乱に陥った。
「うわぁぁぁ!」
「うぎゃぁ!」
霧に包まれる中、どこからか帝王軍の悲鳴が聞こえた。それもその筈、何故なら萃香が巨大化して帝王軍を殴り飛ばしたり蹴り飛ばしていたからだ。その最中に霊夢達が到着し、たった一人で挑む萃香に気づくとそれに乱入し、悠岐は萃香に言った。
「たった一人で挑むなんて凄いな、萃香。」
「そうでしょ?でも私一人じゃ後はどうにもならないよ。来てくれてありがとう。」
「礼は後ででいい。まずはコイツらを倒そうか。」
そう言うと霊夢達はそれぞれの武器を構えると、帝王軍に向かって走って行った。
その頃守谷神社では・・・。帝王軍との戦いに備えて出発しようとしていた早苗、神奈子、諏訪子がいた。
「いよいよですね、神奈子様、諏訪子様。」
「この戦いに死は憑き物よ。あなたも覚悟しなさいね、早苗。」
「はい!」
「死んだら私達は今後の生活が苦しくなるんだからね。」
「はい!死なないように全力を尽くします!」
早苗がそう言った丁度その時だった。何やらガサガサと音が聞こえた。三人な気になって音がする方向を見た。そこにいたのは大きさは5mほどで、背中に帝王軍を意味する五つ星が描かれた巨大な蜘蛛がいた。それも一体ではなく十体以上。それを見て三人は唖然とした。こんなに多くの蜘蛛がやって来ることを想定していなかったからだ。
「神奈子様、これは・・・・」
「帝王の物ね。これは面倒なことになるわね。」
丁度その頃、永遠亭でも異変が生じていた。普通通りに鈴仙が外に出ると、突然空から何かかがやって来た。鈴仙は輝夜、永琳を呼んだ。二人は直ぐに駆けつけた。それを見た二人は驚きを隠せなかった。無理もない、そこにいたのは全身が黒い鱗で覆われていて首が長く、頭に触覚のようなものがついていて、巨大な翼を持ち、手足も大きく、目には帝王軍を意味する五つ星が浮かび上がっている15m程ある巨大はドラゴンがいたからだ。
「師匠、このドラゴンは・・・」
「帝王軍が送りつけたドラゴンのようね。目に五つ星が浮かび上がっているわ。」
「姫様、あなたは中で待機していて下さい。ここは危険ですので。」
「あら永琳、私を避難させてくれるのは嬉しいけれど、万が一永遠亭が破壊されたら元も子もないわ。だから私も戦う。」
その頃、霊夢達は・・・。帝王軍を倒すので精一杯だった。だが途中、ミクがあることに気がついた。先程まで帝王軍は1万人程いたのに今霊夢達が倒したのは500人。僅か二十分の一しか倒せていなかった。残りの9500人は何処へ行ったのか。ミクは慌てて霊夢達に言った。
「何かおかしいわ。あれほど大量にいた帝王軍があっという間にいなくなるなんておかしくない?」
「確かにそう考えるとおかしいぜ。」
みんなが考えている時に、啓介がある一つの仮説を言った。
「まさか、守谷神社や永遠亭に?」
それを聞いた瞬間、一同は驚きの表情を見せた。そして悠岐が言った。
「とりあえず、俺は残りの帝王軍を倒しておく。お前らは急ぎ守谷神社か永遠亭に行ってくれ。」
「待て悠岐。お前一人じゃ無理がある。俺もお前と戦う。」
啓介は悠岐に笑みを浮かべてながら言った。そして悠岐も啓介に笑みを浮かべた。
「悠岐さんが行くなら私も残ります!」
「私も残るわ。」
そう言ったのは霊夢と妖夢だった。そして隼人が言った。
「俺は永遠亭に向かう。」
「隼人、私も行くわ。」
そう言ったのはパチュリーだった。
「だったら私も行くぜ!」
「魔理沙が行くなら私も行くわ。」
続いてアリスも言う。ミクは隼人の言葉を聞くと少し考えて言った。
「私は守谷神社に行くわ。萃香、麻里、美鈴、小悪魔、行くわよ。」
「オッケー!」
「承知しました!」
そう言うと一同はそれぞれの場所に走って行った。
その頃、池のほとりである人物が物見遊山のため、訪れていた。帝王梟雄のメルト・グランチである。どういうわけか、誰もいなくなった紅魔館を見つめていた。そして彼が帰ろうとした時だった。普通に歩いていると、一人の少女が彼の目の前に現れたからだ。青い髪に背中についている氷、そして小さな体をしている少女、チルノである。
「あ・・・・・」
彼女はメルト・グランチを見ると震え始めた。メルト・グランチは笑みを浮かべながら言った。
「おや、見ない妖精だな。」
「あ、あアタイがこんなに震えるなんて・・・・いいいつ以来だろう?」
「おや?何故だろうね。君は氷の妖精だと言うのに震えるなんてね。もしや寒いのかな?確かに今は冬だ。寒いのは無理もないかな?それとも、ただ私が恐ろしく感じて震えているのかね?」
「最強であるアタイがぁぁ、怖がるとでもおお思ってるの?」
「ほう、君は最強なのか。だがそれは違う。最強と言うのは最も強いことを意味する。私を見て震えているようでは最強とは言えないよ。つまり君は理想を追い続けているのだよ。」
そう言うとメルト・グランチはゆっくりチルノに近づいて来た。チルノは震えながら言った。
「ど、どうして近づくの?アタイ食べてもおいしくないよお!」
「まさか、人間である私が君のような妖精を食べるとでも思っているのかね?」
そしてメルト・グランチがチルノの目の前まで来たときだった。
「チルノちゃーん!」
どこからか声が聞こえた。声が聞こえた方向からやって来たのは緑色の髪に、翼が生えている少女、大妖精だった。
「チルノちゃん探したんだよ。もう、急にいなくならないでよ。」
「だって、人間の気配がして人間くらいならアタイでも倒せると思ったから・・・」
「そうか、君の友達だったのか。それは迷惑をかけたな。そろそろ失礼するよ。」
そう言うとメルト・グランチは何処かへ歩いて行った。その様子を二人は黙って見ていた。
その頃、守谷神社では・・・。帝王軍の蜘蛛、
「どうなっているんですか、倒しても倒してもきりがないですよ!」
「この蜘蛛達にはきっとプラナリアの要素が含まれているのね。これは面倒だわ。」
「とにかく、力の限り戦いましょう!」
そうは言ったものの、限りなく襲いかかってくるエンペラースパイダーの数に三人は体力が限界に近づいていた。早苗が油断し、
「八坂さん、大丈夫でしたか?」
「ああ、問題ないよ。来てくれてありがとう、ミク、麻里、美鈴、小悪魔、萃香。」
「パチュリー様によるとこの蜘蛛達には『核』という弱点があるようです。」
「核?そこを狙えばいいのかしら?」
「はい、ですがそこがどこなのかまだ誰も分かりません。核を壊さない限り、この蜘蛛達は再生し続けるようです。」
「面倒ね。とりあえず撃っていればいいことよね?」
「ミクさん、私達に流れ弾が当たったらどうするんですか?」
「小宝さんのところへ行けばすぐに怪我を癒してくれるから問題ないわよ。」
「そうね。さ、さっさと終わらせましょう。」
そう言うと諏訪子は白蛇を操り、
「早苗、神奈子、諏訪子!」
萃香の声に反応し、ミク、麻里、美鈴、小悪魔は救出に向かうがその道を別の
「邪魔よ!」
ミクは
「きゃあ!」
急に巻きつかれたため、五人は転んでしまった。
「あいつは私達を食べるつもり!?」
「おそらくそのようね。急いで糸を切らないと!」
五人は必死になって糸を切ろうとするが別の
「そんな!死ぬのは嫌っ・・・」
「やめて!」
五人は悲鳴を上げるが虫である
上空から誰かが飛んできて五人を喰らおうとする
「はぁ、はぁ、助かった・・・」
「ありがとう、ございます、モルトさん。」
八人を助けにきたのは現実世界の五大王の一人で、闘王と呼ばれている男、アイアルト・モルトだった。
「いいか、こいつらの核は頭だ。頭を集中的に狙え。そうすればこんなやつらもカスだ。」
「頭ね、頭を狙えばいいのね。感謝するわ、モルト。」
「礼はいらねぇよ。」
そう言うとモルトは神社の屋根に飛び乗った。ミクは試しに
「やった!倒したぞ。」
この調子で美鈴、萃香、神奈子は
「よし、これで最後です!」
早苗が最後の一体を倒そうとしたその時だった。
早苗が放った弾幕が何者かによって防がれたのだ。
「初めまして。いや、影舷隊のお二人には必要ありませんね。」
ミクと麻里は目を大きく見開いた。その男に見覚えがあったからだ。二人はその男の名前を言った。
「村山小太郎!」
今回は戦国BASARAの天海をパクリました。天海ファンのみなさん、申し訳ありません。
さて、次作は副臣です。八人の前に現れた謎の男、村山小太郎。その正体とは!?そして永遠亭に隼人達が到着する。果たしてドラゴンを倒せるのか!?
次作もお楽しみに!