東方王戦録   作:ヤマタケる

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魔王軍の配下、牛鬼、リナ、毅を倒すことに成功した悠岐達。そして残った魔王軍を倒すべく立ち上がる。


王の逆鱗

魔王城では次なる報告を待っている大魔王がいた。水晶玉で幻想郷を写しながら。と、彼の部屋にノックが入り、そこから一人の兵士が入ってきた。相当慌てている様子だった。そして彼は大魔王にあることを告げた。

 

「報告致します。先程毅様が討ち取られました!」

 

「クソッ、遂には毅まで!」

 

そう言うと彼は机を叩き壊した。そして一人の兵士に言った。

 

「もうあやつらは役にたたん。我自ら出陣するまでだ。兵を出せ!幻想郷を我が手中の中とする!」

 

そう言うと彼は刀を手にした。そして向かった場所は霊夢と麻里のいる牢屋だった。そして彼は二人の元へ来ると付き添いで連れてきた兵士二人に命じた。

 

「連れていけ。」

 

そう言った瞬間、兵士の一人が牢屋の鍵を開け、二人を無理矢理連れ出した。

 

「何するのよ!」

 

「私達をどうするつもり?」

 

「今、我々魔王軍の幹部である山中毅、上山リナ、そして現実世界から呼び寄せた妖怪、牛鬼が貴様らの仲間によって討ち取られた。これは我々魔王軍にとって大きな影響をもたらすものだ。これから貴様らには黒き刀達に取引をしてもらう。貴様ら二人を釈放する代わりに克服しろとな。」

 

「フン、あんたの軍勢はもう終わりよ。魔理沙や悠岐達がすぐに滅ぼすからね。」

 

「まあ、見てるがいい。すぐに分かる。」

 

そう言うと彼は二人の兵士と霊夢、麻里を連れて何処かへ歩きだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人里ではミク、ウロボロスが途中で合流した紫、藍、橙、幽々子、妹紅、慧音と共に人里に群がる魔王軍を次々と倒していった。だが八人がいくら倒しても魔王軍は増えるばかりであり、きりがなかった。だが紫は四重結界を使って多くの人数を倒していった。妹紅もフジヤマボルケイノで倒していく。と、あることに気がついたウロボロスが口を開いた。

 

「妖怪の森が無防備です。急ぎましょう!」

 

「待ってウロボロス、それなら私が行くわ。」

 

そう言ったのは幽々子だった。そして彼女は妖怪の森へと飛んでいった。

 

「待ってくれ、私も行く。」

 

「私もだ!」

 

彼女に続いて妹紅、慧音も飛び、彼女の後を追った。それを見た紫は藍と橙を見て言った。

 

「二人とも、幽々子達に協力しなさい。私はミクとウロボロスと共にここで戦ってるから。」

 

「・・・どうかご無事で。」

 

「ゆかりしゃまー、死なないでね。」

 

「大丈夫よ橙。私はこんなことじゃ死なないから。」

 

そう言うと紫は橙の頭を優しく撫でた。そして橙は藍に乗って妖怪の森へ向かって行った。そして紫はミクとウロボロスに言った。

「さ、再開よ。絶対に油断しちゃ駄目よ。」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、妖怪の森では妹紅、慧音、幽々子が地霊殿のさとり、燐、空と合流し、魔王軍との戦闘に入っていた。だがそこにも魔王軍の数が多く、簡単には全員倒すことは出来なかった。

 

「数が多すぎるわね、面倒だわ。」

 

「やっていけば問題ないでしょ!」

 

「妹紅、そうやって気を抜くな。」

 

だが数は一向に減る様子はなかった。むしろ数がどんどん増えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、悠岐は玄武の沢へ到着していた。だがそこには魔王軍の者は一人も見当たらなかった。だが魔王軍ではないある人物なら見つけた。彼はその人物を見る。そこには現実世界最強の男、小宝剛岐がいた。彼は悠岐の存在にきがつくと彼の元へ近寄った。そんな彼に悠岐が言葉をぶつけた。

 

「お前、何やってんだ?」

 

「悠岐、丁度いいところに来た。ちょっと俺の手伝いをしてくれないか?」

 

「手伝い?」

 

「そう、爆弾の設置を手伝ってもらいたい。」

 

「・・・は?」

 

剛岐の言葉に彼は理解出来なかった。爆弾の設置?何言ってるんだこいつは。彼の心の中はそんなことで一杯だった。そして言った。

 

「な、何の為に爆弾を?」

 

「魔王軍の大量撃破かな?」

 

「ここに引き付けるのか?」

 

「まあ、簡単に言えばそうだな。」

 

「ふざけんなよ。」

 

思わず彼は自分の思いを言葉に発してしまった。しかも相手は最強の男だというのに。剛岐はその言葉を逃す筈なかった。そして言い返す。

 

「あぁ?何言ってんだテメェ、幻想郷の平和のためにはこれをやるのが正しいだろ?」

 

「それをやるためには幻想郷の一部を壊さないと出来ないことなのかよ!俺は反対だ、こんなことやってらんねぇ。」

 

「テメェ、誰の前だと思ってるんだ?五大王の頂点、小宝剛岐だぞ?そんな態度でいいと思ってるのかよ。」

 

「ああ、そうさ!いいと思ってるさ!」

 

そう言うと彼は刀を取りだし、彼に攻撃を仕掛けてきた。剛岐はそれにすぐに対応し、防ぐ。そして言った。

 

「そうか、相当テメェは度胸があるようだな。いいだろう、認めるまで相手してやるよ!例えテメェが死んでもな!」

 

そう言うと彼は刀を思いきり降り下ろした。その衝撃で悠岐は20mほど吹き飛ばされる。それでも彼は粘った。悠岐は刀の先から紫の光をためるとそのまま技の名前を言ってから放った。

 

「龍の波動!」

 

剛岐はそれを片手で受け止め、吸収した。その瞬間、目の前に悠岐が紅く染まった目をしながら剛岐の腹部を斬りつけようとした。はっとなったがそれでも彼は悠岐の攻撃を防いだ。剛岐は心の中でこう思っていた。

 

(そうか、こいつは普通とは違うんだった。悠岐は確か現実世界の中で最も五大王に近い存在って言われてたな。もう少し気を引き締めねぇとな。)

 

そう言うと彼は地面に刀を刺し、地割れを起こした。悠岐はそれをかわすと剛岐に刀を降り下ろした。剛岐も攻撃を防ぐ。と、突然剛岐の服の一部が斬れた。彼はそのまま後退りし、悠岐の様子を見た。見るとそこには黒い刀、漆黒の刃ともう一本刀を左手に持っている悠岐がいた。その姿を見た剛岐はあることを思い出した。

 

(そうだった、悠岐は二刀流を使いこなせるんだったな。忘れてたな。)

 

そして悠岐は二刀流を構えて彼に挑発するかのように言った。

 

「どうしたよ、現実世界最強の王様殿?たかが影舷隊団長である俺にまさか負けたりはしないよな?」

 

彼の言葉が剛岐の怒りをかってしまった。『悠岐が剛岐の逆鱗に触れた』というのが今の状況なのだろう。悠岐はそれに気づかずに剛岐に向かっていく。彼が目の前に来た瞬間、彼は悠岐を思いきり殴り飛ばした。

 

「ガハッ!」

 

そのまま彼は80mほど離れた場所にある巨大な岩に衝突し、吐血した。そして地面に崩れ落ちた。彼の左手に握られた筈の刀は吹き飛ばされた時に落としてしまったのか、手元には無かった。そんな彼の元へ剛岐がゆっくりと歩み寄って来た。彼の持っている刀は緑色に輝く刀に変化していた。そして悠岐に言った。

 

「王を侮ったテメェの罪は重い。これで平等だろ?楽しく殺り合おうじゃねぇか。」

 

そう言うと彼は左手の指の先から紫の光をためるとそのまま技の名前を言いながら放った。

 

「龍の波動。」

 

現実世界最強と呼ばれ、怒った剛岐の放つ龍の波動の威力は凄まじいものだった。悠岐はそれを波動の鉄壁で防ごうとするが威力が強すぎるため、波動の鉄壁は一瞬にして壊され、彼は攻撃を受けた。そのまま彼は龍の波動から抜け出すと砂埃から剛岐を探した。と、突然背後に気配を感じた悠岐はすぐさま振り返った。その瞬間、グサッという音が響いた。

 

「あ・・・」

 

その瞬間、彼は思わず呆然となってしまった。何故なら剛岐の持つ刀の先が彼の悪魔の目である左目に刺さっているからである。刀の先からはだらだらと鮮血が流れる。悠岐はそれを見た瞬間、左目に激しい激痛を感じ、そのまま声にならない声を上げた。そして彼は思わず剛岐に刀を降り下ろす。その瞬間、ピキンという音が響いたけど見るとそこには悠岐の印象である漆黒の刃が剛岐の持つ緑色の刀によって折られたのである。悪魔の目を斬られ、漆黒の刃を折られた彼は完全に無力だった。剛岐との戦いを諦めてしまった彼はそのまま下を見たまま顔を上げなかった。そんな彼を見たまま剛岐は刀を降り下ろす構えをしながら言った。

 

「王への反逆、それは自らの命を絶つことだ。お前はその命懸けの行為を犯してしまった。これは絶対に許されないことだ。冥界に行け、今のお前にはそれしかやることはない。残念だよ、俺はお前のことを一番信じていたんだがよぉ・・・。ここでお別れだな、さようなら。」

 

そう言うと彼は刀を悠岐に目掛けて降り下ろした。その瞬間、ザクッという音と共に鮮血が飛び散り、ドサッという音が辺りに響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

墓場では青蛾が魔王軍の足軽と戦っていた。どういうわけか、墓場だけ雨が降っていた。彼女は既に足軽と戦っていたのだが、

 

「起き、て・・芳、香・・・」

 

数が多すぎたため、彼女の体は傷だらけで芳香に至っては既に魔王軍の一人によって機能停止してしまった。だが彼女によって100人ほどいた軍勢が残り10分の1程となった。そしてその中にはリーダーのような男もいる。そしてその男が青蛾を指さしながら言った。

 

「何を怯んでいるんだ、殺れ!殺るんだ!」

 

そう言うと震えながらも足軽が彼女を殺そうと襲いかかる。彼女は折角芳香が大量の人数を倒したことを台無しにしないために残りの人数に向かって弾幕を放った。それにより、少し数が減った。と、突然青蛾の背後から現れた一人の足軽が彼女の口を防いだ。そしてもう片方の手で彼女の両手を掴んだ。そしてリーダーの男がゆっくりと青蛾に近寄る。彼女はもがいて抜け出そうとするが両手を防がれているため、どうしようもなかった。リーダーの男は彼女の目の前まで来ると彼女の腹に拳を入れた。

 

「ゴプッ、」

 

口を防がれているため、彼女の口から吐血される筈の血は背後から彼女を押さえている男の手によって口から出すことが出来なかった。と、リーダーの男が口を開いた。

 

「テメェはあのキョンシーがいねぇと何にも出来ないじゃねぇか。弱いなぁ、仙人さんは。おい、殺しちまえ。」

 

「へい!」

 

そう言うと一人の兵士が刀を彼女の腹部へ突きつけた。彼女は逃げようとするがやはり結果は変わらなかった。そのまま彼女の腹部に刀が突き刺さる時だった。突然現れた影が彼女の近くにいたリーダーの男を含む全員を殴り飛ばし、気絶させた。急に放され、彼女は口に含んでいた血を思わず吐いてしまう。影は彼女を見て言った。

 

「大丈夫だったかい?」

 

「あ、はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大魔王が二人を連れてきた場所は無縁塚だった。そして幻想郷を指さしながら言った。

 

「我々はこの世界を完全なる闇にし、我が王国とするのだ。」

 

「それで、私達の命と悠岐達の克服を命ずると?」

 

「そう言うことだ。」

 

「大魔王様!」

 

突如やって来たのは大魔王の足軽だった。彼の顔には疲れと歓喜の笑みが浮かんでいた。そして大魔王に言った。

 

「報告致します、先程黒き刀である西田悠岐が命を落としました!」

 

「何ですって!!」

 

二人はその言葉がどうも信じられなかった。霊夢達の中心的な存在である彼が命を落とすことなど、考えられなかった。と、大魔王が笑い声を上げながら言った。

 

「残念だったな、博霊の巫女、木下麻里よ。取引が不可能になった今、貴様らの敗北は決定した。これで我は貴様らを殺すことが出来る!!」

 

そう言うと彼は刀を取りだし、身動きがとれない二人に向かって降り下ろした。だがそこに二人の姿はなかった。不思議に思った彼は上を見る。そこには魔理沙とアリスが霊夢と麻里を救出していた。

 

「何だと!?」

 

彼は驚きを隠せなかった。なんせ1秒も経っていない一瞬で助けたからである。はっと正気に戻った彼は足軽に命じた。

 

「何をしている、取り返せ!」

 

そう言うと足軽達は魔理沙とアリスを落とそうと弓矢や銃弾などを飛ばしていく。それをアリスが人形を操って防ぐ。その間に霊夢が魔理沙に言った。

 

「ありがとう、魔理沙。助かったわ。」

 

「礼はいらないぜ。それよりもこれを持て、武器無しじゃ戦えないだろ?」

 

そう言うと彼女は二人に取り返した武器を渡した。そして霊夢は武器を手に取ると、空を飛んだ。と、麻里が魔理沙にいった。

 

「魔理沙、私を下に降ろして。私はウロボロスの手伝いをしてくるわ。なんせ、私は空を飛べないからね。」

 

「分かったぜ、じゃあしっかり掴まってろ!」

 

そう言うと彼女は下へ急降下した。そして地上の近くまで来ると麻里は箒から降りて再び霊夢達のところへ行く魔理沙に言った。

 

「死なないでね!何としても!」

 

「・・・ああ、分かってるぜ!」

 

そう言うと彼女は麻里に笑顔を見せた。それに気づいた麻里も笑顔を返す。そのまま魔理沙は霊夢達のところへ行き、麻里はウロボロスのいる場所へ向かった。この時、魔王軍を除く者は全員気づいていなかった。既に彼の思惑通りになっていることを。




次作は神降臨です。魔王軍の支配の危機に迫る幻想郷。そこへ、あるものがやって来る。その正体とは!?
次作もおたのしみ!
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