東方王戦録   作:ヤマタケる

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地王セコンドの次に現れた妖夢と藍を連れ去った張本人、帝王メルト・グランチ。目的は紫と幽々子の力をもらうことだったがセコンドにより失敗に終わる。悠岐は幻想郷の強者に狙いを定めると予測する。そして今二人の王との戦いが幕を開ける。


奇襲と仙人

翌朝、誰よりも早く起きてしまった悠岐は無縁塚に向かっていた。そこにはもうメルト・グランチがいた建築物もなく、妖怪の血痕も残ってなかった。小屋へ帰る途中、妖怪に遭遇したが悠岐に怯えているのか、襲って来なかった。

 

(もしかしてこいつはメルト・グランチを恐れて俺を襲って来ないのか?)

 

それから次々と妖怪が姿を現したが、一匹も悠岐に襲いかかることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小屋に戻ると全員起きていて、メルト・グランチ、セコンドとの戦いに備えていた。支度を終えた霊夢が悠岐の元に来た。

 

「やっぱり私達も戦わなければならないのね。幻想郷をかけた戦いに。」

 

「当たり前だ。これ以上奴らの好きにはさせない!」

 

「さあて、悠岐。これからどうする?」

 

そこへ隼人がやってきた。その後に魔理沙、妖夢、啓介、ミク、ウロボロス、麻里という順番でやってきた。

 

「ん?おい藍はどうした?」

 

「藍は紫さんと西行寺さんの介護をするから残って面倒をみるようだ。」

 

「それならいい。あの二人は藍に任せよう。さて、これから幻想郷の強者のところに行ってメルト・グランチとセコンドが来ることを知らせないとな。とりあえず適当に場所に行ってくれ。」

 

「分かった。」

 

そう言うと霊夢、魔理沙、妖夢、悠岐、隼人、ミク、啓介、ウロボロス、麻里の九人は小屋を飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、地霊殿では・・・。謎の気配を感じ、戦闘に備える勇儀、お空、燐がいた。そこへある一人の男がやってきた。その男は長身で後ろ髪を束ねていて左腕を背に回していて宝刀を持つ男、メルト・グランチだった。

 

「あんたが現実世界の侵略者か・・・。随分とヤバそうな雰囲気だしてるじゃないか。」

 

「それは誉め言葉とは思わないな、星熊勇儀よ。私は侵略など全く考えてないよ、宝の強奪を行う、ただそれだけのことだ。」

 

「とりあえず、さとり様のところには行かせないよ。」

 

「何処を見ているのかね?」

 

その言葉が聞こえた瞬間、三人の前にメルト・グランチがいなくなっていた。はっとなり、辺りを見回すとメルト・グランチは三人の後ろにいて宝刀を振りかざすところだった。

 

「どけっ!」

 

すぐさま勇儀が二人をかばおうと二人の前に出た。メルト・グランチは躊躇うことなく勇儀の腹部を斬りつけた。さらにメルト・グランチは勇儀の腹部に宝刀を突き刺した。吐血した勇儀はそのまま倒れた。

 

「勇儀!しっかりして、勇儀!」

 

「勇儀、起きてくれ、勇儀!」

 

「自身の命より自身の友達のほうが卿らにとって大切なのかな?」

 

二人が後ろを見るとメルト・グランチが不気味な笑みを浮かべながら二人を見ていた。二人はすぐさま攻撃しようとしたが、すでに遅かった。メルト・グランチの姿が再び消えたかと思うとお空の背後に移動し、彼女の右腕を切り落とした。

 

「ああああ!」

 

右腕を失ったお空には勝てる相手ではなかった。そのままメルト・グランチは宝刀でお空の腹部を突き刺した。燐は震えながらもメルト・グランチに向かっていったが、そこにメルト・グランチの姿がなかった。とその時、燐は腹部に痛みを感じた。見るとメルト・グランチの宝刀が燐の腹部を貫いていた。それも肺のある場所に。

 

「かはっ・・・」

 

そのまま燐は倒れた。三人はピクリとも動かなかった。メルト・グランチは三人をそのまま放置し、奥へと進んでいった。中に入るとそこには桃色の髪に第三の目を持ち、青い服を来た少女、古明地さとりがいた。彼女の目は怒っていた。

 

「現実世界の帝王メルト・グランチ!あなたを許しはしない!」

 

「ほう、卿は心を読み取ることが出来るさとり妖怪、古明地さとりではないか。会えて光栄の至りだよ。」

 

「あなたは私の大切な仲間をあのようにした!絶対にあなたを許しはしません!」

 

「私に挑むか・・・いいだろう、やってみたまえ。」

 

そう言うとさとりは早速弾幕を放った。メルト・グランチはそれを容易にかわし、指を鳴らした。その瞬間、さとりの足元から炎岩が突き出てきた。心を読み取れるさとりはそれをかわした。その瞬間、さとりはメルト・グランチの恐ろしさを知った。指を鳴らしただけで炎岩を突き出す力に驚いたからだ。

 

(マズイ、あの攻撃を倉ったらひとたまりもない。)

 

少し焦りながらもさとりは弾幕を放ち続けた。メルト・グランチはさとりを弄んでいるかのように笑みを浮かべながら炎を飛ばす。さとりはメルト・グランチの隙を探しながら弾幕を放ち続けた。そして隙ができたと悟ったさとりはスペルカードを使った。

 

「想起テリブルスーヴニール!」

 

その攻撃がメルト・グランチに命中した。スペルカードの力によって辺りから砂埃が舞った。さとりはメルト・グランチの砂埃の中にいるメルト・グランチの様子を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何処を見ているのかね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さとりの背後から低い声が聞こえた。振り返るとそこにはメルト・グランチがいた。笑みを浮かべながらメルト・グランチはさとりを蹴り飛ばした。

 

「がはっ!」

 

壁にぶつかった衝撃でさとりは吐血した。さとりは立ち上がろうとしたが思うように力が入らなかった。さらに胸が痛む。肋骨を折られたとさとりは自覚した。さらに肺の一つがメルト・グランチの蹴りによって破裂したのか、さとりは呼吸がしづらくなった。

 

「ククククク。」

 

そんな彼女とは別にメルト・グランチはまだ不気味な笑みを浮かべていた。そしてメルト・グランチは座り込むさとりの首を左手で掴み、持ち上げた。そして首を締め上げた。

 

「うっ、く・・・」

 

肺が一つ破裂していてさらに首を絞められているため、さとりは呼吸がさらに苦しくなり、楽になろうと必死に抵抗するがメルト・グランチの左手は鉄のように硬く、放れなかった。と、メルト・グランチがさとりの第三の目を見て、その目を触った。

 

「ほう、卿のこの目は珍しいな、私が頂いていこうか。」

 

「この目は・・・この目は・・・あなたの求める宝には値しないのよ!」

 

「そうか・・・それは、残念だよ。」

 

そう言うとメルト・グランチは右手で触っていたさとりの第三の目を握りつぶした。第三の目があった場所からは鮮血が吹き出た。さとりは絶望を味わい、何も言葉が出なかった。そしてメルト・グランチはさらにさとりの首を絞めた。

 

「っく、ぐ・・・」

 

さとりはもがくが全く歯が立たなかった。さとりの意識が遠くなりかけた時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何をしているのですかあなたは!どうりで地霊殿が騒がしいと思ったらあなたの仕業だったのですね。もう説教だけでは抑えられないようね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

背後から女性の怒声が響き、メルト・グランチが後ろを振り返るとそこにはさとりと同様、桃色の髪で右腕に包帯を巻いていて頭に二つのシニョンをつけて、左腕に鎖をつけている女性、茨木華扇だった。

 

「仙人茨木華扇か・・・。何故卿がいるのかは尋ねないがどうやら卿は私を懲らしめに来たのだな?」

 

「それ以外考えられることはありますか?」

 

「ないよ。私を懲らしめるのなら返り討ちにするだけだ。後悔しないでくれたまえ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ウロボロスは・・・。人里を監視していた。だがそこにはメルト・グランチもセコンドもいなかった。ただ住民達が普通通り過ごしていた。

 

(おかしいな・・・)

 

そう思ったウロボロスは住民の人に話を聞くことにした。

 

「すまない、なにか不気味な雰囲気をしている人は見なかったか?」

 

「不気味な雰囲気の人?いや、見てないな。」

 

ウロボロスは情報がつかめるまで聞き込みを行った。

 

「すみません、不気味な雰囲気をしている人に会いませんでしたか?」

 

「不気味な雰囲気の人?ああ、つい先程ここを通っていって地霊殿の方に行ったよ。良くあの人は妖怪のところに一人で行けるね。」

 

「ありがとうございます!」

 

そう言うとウロボロスは地霊殿へ走っていった。

 

「さとり・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、地霊殿では・・・。メルト・グランチにあえなく敗北した茨木華扇が倒れ、それをメルト・グランチは黙って見ていた。

 

「生物だけでは私には到底勝てないよ。さて、もうここに用は・・・」

 

続きを言おうとした瞬間、ガタッという音が奥から聞こえた。メルト・グランチはその場所へとゆっくりと歩っていった。音がした場所に行くとそこには子犬のように縮まって震えているさとりの妹、古明地こいしがいた。メルト・グランチは彼女の目の前に来ると腰を下ろした。そしてこいしに話かけた。

 

「そんなに震えて、寒いのかね?」

 

「怖い・・・あなたが怖くて震えが止まらないの・・・」

 

そう言うとこいしは泣き出した。突然泣き出されたため、メルト・グランチは少し焦った。だがメルト・グランチは冷静に対処することにした。メルト・グランチは泣くこいしの顎を摘まみ、顔を上げさせた。こいしの顔は涙でいっぱいだった。メルト・グランチはこいしの涙を拭うと優しい笑みを浮かべてこう言った。

 

「私は君のそんな泣き顔を見たくないな。笑顔を見せてくれたまえ。そうだな・・・折角だから私が君に良い場を教えてあげようか。」

 

「嫌・・・あなたについていくと変なところにいくんだしょ?私行きたくない!」

 

「安心したまえ、君の姉や仲間がいる場だよ。君は一人ではないのだよ。どうかな?」

 

「それでも嫌っ・・・・あなたが怖くて仕方ないんだもん!」

 

「そうかな?君にとって私は怖いかな?大丈夫だ、私は君に害を与えるつもりはないよ。君にとって私は怖いかもしれないが、見た目では判断してはいけないよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいしが話そうとした瞬間、メルト・グランチの後ろから誰かが走ってくる音が聞こえた。走ってきたのはメルト・グランチより少し小さく、黒髪で緑の瞳を持つ男、ウロボロスだった。人里の住民に話を聞いてやってきた。そしてウロボロスはこいしに向かって叫んだ。

 

「こいし逃げろ!」

 

「ウロボロス・サーカリアスか・・・。面倒だな、早く済ませないとな。」

 

そう言った瞬間、メルト・グランチの左手がこいしの左目に突き刺さった。

 

「なっ!?」

 

「・・・え?嘘・・・」

 

「残念だよ、本当はもっと君と話したかったのだが・・・ウロボロス・サーカリアスが来ては無理もない。君の宝を頂いていくよ。」

 

「テメェ、やめろ!」

 

ウロボロスは怒鳴りつけたがメルト・グランチは彼を無視した。そのままメルト・グランチはこいしの左目をえぐり取った。




ということで奇襲と仙人はこれで終わりです。でも華扇少ししか出なかったけれど 
さて、次回は怒りと死です。こいしがやられたことに怒り狂ったウロボロスがメルト・グランチと対峙する。さらに竹林ではセコンドが現れ、行動を開始する。果たしてセコンドは誰を標的としているのか!?そしてウロボロスはメルト・グランチに勝てるのか!?
次作もお楽しみにしてて下さい!
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