東方王戦録   作:ヤマタケる

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平和になった幻想郷。そんな中、小宝城ではあることが行われていた。それは異変解決の際に必要なこと、宴会であった。


第4章
歓喜と悲観


翌日、平和になった幻想郷。そこでは沢山の人間、妖怪、幽霊、神がある行事のために朝から支度をしていた。それは異変解決の際には必要なこと、宴会である。この宴会では地王、帝王、そして大魔王との戦いを終えた祝いとして行うので流石に博麗神社には全員は入りそうになかった。そのため、霊夢は最強の男、小宝剛岐に頼んで会場を小宝城に移してもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょうどその頃、啓介は香霖堂へ訪れていた。その理由は香霖堂で売られている品を購入するためである。中に入ると既に霖之助が宴会の食糧調達へ向かうところだった。そんな彼に啓介が言う。

 

「相変わらず食糧集めか、大変だな。」

 

「キノコを持ってこないと魔理沙にだめ押しされるからね。それに、慧音にもあるものを頼まれているからね、僕は色々大変なんだよ。」

 

「慧音に頼まれてるもの?それは?」

 

「書物だよ、現実世界からたまにだけど流れてくるんだ。彼女はそれを呼んで現実世界の歴史を知ろうとしてるんだ。」

 

「やっぱり教師はそういうやつを覚えないといけないからな。」

 

「それに、妖精達も連れてくるように頼まれてるしね。」

 

「あのバカか・・・」

 

「何なら、君も行くかい?」

 

「あっとそうだ!俺は買い物に来たんだ、忘れるところだったよ。」

 

「好きに見てくといいよ、僕は君が買うまで待つから。」

 

「いや、すぐに終わるからいいよ。俺は茶葉を買いに来ただけだからな。」

 

そう言うと彼は茶葉を手にすると金を霖之助に渡した。そして啓介は再び口を開いた。

 

「妖精らを連れてくるの、俺も手伝っていいか?」

 

「勿論だとも、是非とも手伝ってくれ。」

 

そう言うと二人は香霖堂を出た。そして向かった場所は妖精達がよく集まる、湖のほとりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湖のほとりではミクと麻里、ウロボロスが妖精達と戯れていた。ちょうどそこへ啓介、霖之助がやって来た。そしてチルノ達に言った。

 

「君達、今日の夜は宴会だよ。だから明るい内に勉強やっておくことをオススメするよ。」

 

その言葉を聞いて大妖精やルーミア、リグルは納得した表情を見せた。そんな三人とは別にチルノが威張る態度を見せながら言った。

 

「あたいは幻想郷最強!勉強なんて必要ないね!」

 

彼女がそう言った瞬間だった。ゴツン!という鈍い音が辺りに響いた。そしてチルノは白目になり、その場に倒れてしまった。

 

「そうかい、だったらお前だけテストな!終わるまで宴会はなしだ!」

 

そう、チルノの意識を吹っ飛ばした少女は上白沢慧音。白沢の姿になっておぞましい形相をしていた。その姿に一同は汗をかいた。そして啓介が口を開いた。

 

「な、なぁ慧音。少しやり過ぎじゃないか?」

 

「私の生徒には人間じゃない奴には特別指導をしている。だから問題ない!」

 

(いや明らかに問題だろ、こいつ白目向いてるぞ?)

 

啓介、ウロボロスは心の中で思っていた。と、慧音が霖之助を見て、言った。

 

「よし霖之助!今夜はチルノがテストを合格点取るまで私の仕事に付き合ってくれ。」

 

「えっ、えぇ!?そんな急に言われても・・・小宝君には何て言えばいいんだい?」

 

「普通にテストを見てやってると言えばいいんだ!」

 

「小宝様のことだからねぇ、『どうせチルノだろっ!』って断言しそうね。」

 

そう言うとミクは啓介とウロボロス、麻里を連れて小宝様へ行ってしまった。四人が行った後、慧音は霖之助をと共に妖精達を連れて寺子屋へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館では、レミリアがせっせと宴会の支度をしていた。そんな彼女の元へ咲夜が寄り、言った。

 

「お嬢様、今夜は最高の一日となりましょう。」

 

「ええ、そうね。このカリスマである私が今夜の宴会を盛り上げて上げるわよ。」

 

「ウフフ、期待してますね。」

 

「ええ、期待してなさい。」

 

そう言うと彼女はとある部屋へ入った。そこはフランの部屋だった。そして人形と遊ぶフランにレミリアが口を開いた。

 

「今夜の宴会では暴れないようにね?万が一暴れたりしたら小宝さんに迷惑かけるんだから。」

 

「うん!極力控えるよ。」

 

「控えるんじゃなくて、暴れないの。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時は訪れた。午後7時、小宝城には沢山の人達が集まった(慧音、霖之助、チルノを除く)。宴会会場である部屋は現実世界で言う、体育館の1,5倍の広さである。そして沢山のテーブル、椅子、そしてご馳走が用意されていた。全員が席に座った瞬間、部屋の一番奥にいる剛岐が酒の入ったコップを持ち上げて言った。

 

「みんな、お疲れさん!この異変解決を祝い、乾杯!!」

 

彼がそう言った瞬間、

 

「かんぱーい!」

 

多くの人達が一斉に声を上げた。そしてコップの中の飲み物を飲む。そして全員で一言。

 

「いただきま~す!」

 

そして宴会に来た人達は一斉にご馳走に目を向ける。と、剛岐が空いている席を見ながら言った。

 

「あれ、慧音と香霖は?」

 

「ああ、今あの二人ならあいつのテストを見てるから遅れるってよ。」

 

「あのバカか。まあ、いっか。」

 

チルノのことはスルーした。そしてご馳走を口にする。あまりの美味しさに涙を流す者がいたり、味を気にせずに一気に喰らう者もいた。そんな中、五大王である剛岐、マーグル、モルトは酒を一気に飲んでいく。それに負けずと紫、幽々子、加奈子、永琳、白蓮も酒を一気に飲み干す。霊夢とミクはそれを冷たい目で見ながら言った。

 

「す、凄い飲みっぷりね。」

 

「小宝さんもマーグルさんもモルトさんも毎回酒を飲む時はあんな感じなのよ。」

 

「紫達だってそうよ。特に幽々子よ!あいつは物凄い食べる人、いや亡霊なのよ。」

 

「想像するだけで鳥肌がたったわ。」

 

「よーう、お前もいたのかぁ。」

 

そう言いながらミクのところへやって来たのは鮫人間である、シャク・サイバーグレントである。彼の表情を見て二人は酔っていると断言した。そしてシャクは再び口を開いた。

 

「小宝さんも満足だぞぉ、おめぇらぁ、よく頑張ったなぁってさぁ。」

 

「お兄ちゃん、何て言ってるか分からないけど。てゆうか酒臭っ!ちょっと近寄らないでよ。」

 

「まぁまぁいいだろう、折角の宴会だぁ、派手に盛り上がろうぜぇ?」

 

「お兄ちゃんいい加減にしないとぶっ殺すわよ!」

 

そう言うとミクは拳銃を取りだし、シャクに向けた。それを見た彼は笑いながら逃げていった。ミクはそんな彼を追いかけ回す。

 

「まぁ、兄妹は仲がいいのね。」

 

「よっ霊夢。一人か?」

 

そんな彼女の元へやって来たのは魔理沙だった。彼女は少しではあるが、酔っていた。そんな彼女に霊夢が言う。

 

「アリスやパチュリーのところへは行かないの?」

 

「行きたくてもいけないんだぜ。なんせアリスは悠岐のことばっかり気にしてるし、パチュリーは隼人とずっとイチャイチャしてるんだぜ?」

 

彼女の言葉で霊夢はパチュリーの方を見る。確かに魔理沙の言う通り、パチュリーは隼人とイチャイチャしていた。その隣ではレミリアとフランがチェスをやっていた。それを見ている咲夜の鼻からは何故か鼻血が垂れていた。それとは別に霊夢は先程魔理沙の言ったことを思い出す。

 

(あれ、悠岐は?悠岐はどこに行ったのかしら?)

 

疑問に思った彼女は彼のいそうな場所を探す。だが彼はアリスの場所にも啓介の場所にもいなかった。そこで彼女は本来悠岐が座る筈の席に目を向ける。だがそこにも彼はいなかった。と、その時だった。突然ガシャンという音が辺りに響いた。気になった二人はその方向を見る。そこには暴れながら酒を欲する五大王と五大老がいた。それを見た二人は汗をかきながら言った。

 

「な、なぁ霊夢。ひょっとしてこれって・・・」

 

「に、逃げるんだよ~!」

 

そう言うと彼女は魔理沙を置いてどこかへ走って行った。それを見た魔理沙は慌てながらも霊夢の後を追いながら言う。

 

「待て霊夢!友達を置いてくなんて、恥だと思わないのか!!」

 

「今はそんなこと考えてる余裕はないの!」

 

そう言いながら霊夢は小宝城の玄関を開けようと必死になる。だがどうやってもノブが回ることがなかった。それもその筈。何故なら外ではテストを終えたチルノが慧音、霖之助と共に来ていて、チルノがノブを霊夢とは別の方向に回しているので、回ることはなかった。ババァとジジィに追い詰められた二人は苦笑いを浮かべ、震えながら八人を見ていた。そして、剛岐が口を開いた。

 

「さぁ、どんどんしまっちゃうからねぇ~。」

 

「お前は『しまっちゃうおじさん』かー!」

 

魔理沙がそう言った瞬間、声にならない悲鳴が小宝城に響いた。何かおかしいと思った三人は急いで扉を開ける。ノブを逆に回す人はいないので扉はすぐに開いた。中に入るとそこにはぐったりと酔い潰れている人が部屋で眠っていたのである。その中には剛岐や永琳も混ざっていた。そして、あの幽香やウロボロスも酔いに負けてしまい、ぐっすりと眠っていた。そして慧音が言葉を吐いた。

 

「これって・・・」

 

「あたいのターンだ!」

 

スペルカードを使おうとしたチルノに慧音は白沢の姿になり、再び頭突きを食らわした。そして彼女は白目を向いてそのまま意識を失った。そんな彼女を汗をかきながら見ていた霖之助が口を開いた。

 

「・・・・どうする?これ。」

 

「どうにもならないよ。少し寝かせてあげよう。」

 

「そ、そうだね。」

 

そう言うと二人は寝ている(正確には気を失っている)霊夢と魔理沙の近くに腰を下ろした。そして、一つ空いている席に目を向けながら言った。

 

「悠岐君、どうしたのかな?」

 

「恐らく悠岐は何らかの用事で来れないだけだろう。いづれは来るさ。」

 

「・・・あぁ、僕はそれを祈ろう。」

 

みんなは気づいているのかは分からないが、この宴会では肝心の悠岐が来ていなかった。と、二人の元へ一人の少女がやって来た。妖夢である。彼女は二人の元へ来て、言った。

 

「悠岐さん、どうしたんでしょう。」

 

「心配するな、妖夢。多分あいつは何か用事があってまだ来れないだけだからもう少しすれば来ると思う。」

 

「僕もそう思うよ。もう少し待ってみたら?」

 

「そ、そうですね。」

 

不安な表情をしながらも妖夢は幽々子の元へ行ってしまった。あんなに大騒ぎになっていた小宝城のロビーで、もう騒ぐ者は誰一人もいなかった。ここにいる人達はもう疲れてしまい、眠ってしまったのである。

 

 

 

 




次作は黒幕再びです。幻想郷にいるはずのない男が現れる。果たしてその正体とは!?そしてまた幻想郷に悲劇が起こってしまうのか!?
次作もお楽しみに!
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