東方王戦録   作:ヤマタケる

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月人最強と呼ばれている綿月依姫に挑む悠岐。そんな中、あることが起こっていた。


対決と裁判

楽園の裁判所では多くの幻想郷の人、妖怪達が訪れていた。裁判所の裁判長である四季映姫・ヤマザナドゥは罪人の男をじっとみる。その男は幻想郷を支配しようとした男、メルト・グランチである。彼の背後には村山小太郎、綿月豊姫がいた。

 

「それでは始めます。」

 

映姫はそう言うと木槌を叩き始めた。そして無表情のメルト・グランチに言った。

 

「帝王梟雄メルト・グランチ・エンペラー。今回あなたが犯した罪は幻想郷の者の殺害、幻想郷の破壊未遂の二つがあります。それに覚えはありますか?」

 

「・・・あるとも。」

 

「話が速くて助かります。それでは、判決に行きたいと思います。何か議論のある方はいますか?」

 

彼女がそう言った瞬間、真っ先に手を上げたのは永琳だった。そして言う。

 

「私は有罪にするべきだと思うわ。何故なら奴は私の大切な弟子、鈴仙を殺したからよ!」

 

「成程、他にありますでしょうか?」

 

次に手を上げたのは人里に住んでいる一人の男だった。そして彼も言う。

 

「そいつは間違いなく有罪だ!なんせ、俺ん家をでかい蜘蛛を使って壊したからな!」

 

男がそう言った瞬間、回りからざわざわと多くの人達がメルト・グランチに色々言葉をぶつけてきた。それを見た映姫は言った。

 

「どうやら皆さんの意見がまとまったようですね。それでは判決します。あなたは有・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「少し待ってくれないか?」

 

映姫が『有罪』という言葉を発する前にメルト・グランチが先に口を開いた。それを見た映姫が呆れた顔をしながら言った。

 

「何ですか折角もう終わると思っていたのに。それじゃあ早く話して下さい。」

 

映姫がそう言った瞬間、メルト・グランチの顔には不気味な笑みが浮かんでいた。それを映姫の後ろから見ていた死神の小野塚小町は恐怖を覚えた。そんな彼女とは別に彼は言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「実はこの裁判所にもう一人、罪人がいるのだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を聞いた人達は一斉に辺りを見回す。それに反応するかのように二人も辺りを見回す。そして映姫が口を開く。

 

「何処にいるのです?出てきなさい!」

 

彼女は罪人を呼ぶが返事が無かった。と、そんな中、メルト・グランチが言った。

 

「諸君、一体何処を見ている?罪人は私の見る先にいるではないか。」

 

その言葉に反応した人達は一斉に彼が見ている方向を見る。そこにいたのは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんと裁判長である四季映姫・ヤマザナドゥだった。裁判所にいる人達はそれが捏造だと感じ、メルト・グランチに文句を言いつけ始めた。その後、メルト・グランチの言う罪人が自分だと感じた映姫は彼に言う。

 

「あなたは一体何を言っているのですか?この法の番人である私が罪人?馬鹿馬鹿しい話ですね、そんな嘘は私には通用しませんよ。」

 

「何を言っている、私よりも重い罪を抱える者よ。私は卿が犯したことを全て知っている。」

 

「なっ!?」

 

「それでも捏造だと言うのかね?ならば全てを話そうではないか。」

 

「待って、それだけは・・・」

 

慌てて映姫は彼を止めようとするが手遅れだった。既にメルト・グランチが口を開いていた。

 

「彼女の犯した罪は魔王異変に関連する。彼女は私とセコンドが倒されたように見えた後、博麗の巫女である博麗霊夢の堕落を打ち明けるために現実世界から魔王、黒田輝宗を復活させた。なお、現実世界には彼を蘇らせる程の強さを持つ者はいなかった。つまり、彼女は現実世界へ足を踏み入れ、そこで輝宗を蘇らせたということだ。」

 

「違う、私は・・・」

 

「だがその選択は間違っていた。その行為によって霧雨義景、魂魄妖忌を含む多くの者が命を落とし、更には神ガイルゴールを呼び寄せる事態に至り、幻想郷のあらゆるモノを壊した。この行為こそ私を越える罪人と言うのに相応しいのではないかね?裁判長殿?」

 

「黙れっ!」

 

思わず映姫は怒声を上げてしまった。そして震える体を抑えながら彼女は言う。

 

「一体誰がこんなことを・・・出てきなさい!私がこの罪を裁いてあげましょう!」

 

彼女は上を向きながら声を上げる。そんな彼女とは別にメルト・グランチが呆れた顔をしながら言った。

 

「卿はいつまで惚けるつもりだ?もうこれで卿が最重要罪人ということが証明された。これに対して根拠はあるかね?それとも、判決をし直すかな?」

 

「判決します・・・」

 

彼女は歯を食い縛りながら言う。食い縛り過ぎたのか、彼女の口元からは血が垂れ落ちる。そして彼女は震えながら判決を下した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・無罪です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を聞いた瞬間、裁判所にいる人達は驚きを隠せなかった。なんせ、必ず有罪判決をする映姫の口から『無罪』という言葉が出てくるなんて誰も思っていなかったのだろう。そんな彼女にメルト・グランチが言う。

 

「理解してもらえて嬉しいよ。では私はここで失礼させてもらうよ。」

 

そう言うと彼は村山、豊姫を連れて霧のように消えていった。映姫はそれを黙って見ていた。裁判に参加した人達の中にはあまりのショックで気絶する人がいた。そんな中、真っ青な顔をする映姫に小町が言った。

 

「姫様?これで良かったんですか?」

 

「私が何を言おうともあの男はあの異変を口にし、私を追い詰めるだけです。」

 

「そうですか・・・」

 

(強大な力を持ち、更に言葉でも相手を追い詰めるとは・・・。帝王梟雄メルト・グランチ・エンペラー、そんなあなたは伊達じゃないですね。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、悠岐は綿月依姫と激しい激闘を繰り広げていた。隼人とパチュリーはそれをただ呆然と見ていた。

 

(強いな、奴の刀の太刀は並の者じゃない。明らかに人という器を越えている。ここは波動で攻めるか・・・)

 

(強い、私の太刀を受け止める程の力。たかが人間であろうとあの男は何か特別な物を持っている。)

 

二人は荒い息づかいをしながらも戦いを続ける。まず始めに依姫がスペルカードを使った。

 

「祇園ルナティックケイジ!」

 

その瞬間、悠岐の足元から大量の刀が突き出て来た。彼は飛んでそれを避けると刀に黒いオーラを貯めて技を放った。

 

「悪の波動!」

 

彼女もそれに対抗すべく再びスペルカードを使った。

 

「終の神刀ヒノカグツチ!」

 

二人の攻撃がぶつかった瞬間、爆発の衝撃が起こった。パチュリーは直ぐさま隼人と自分の回りに結界を張り、身を守った。砂埃が上がる中、悠岐が左手に力を貯めて技を放った。

 

「波動弾!」

 

彼の攻撃に気づいた依姫はそれを斬るとそのまま彼に向かって行った。そして悠岐の背後まで移動した。

 

「なっ!?」

 

「フン。」

 

鼻で笑った依姫はそのまま刀を降り下ろした。その速さは尋常ではなかった。その瞬間、ガキンという刀と刀がぶつかる音が辺りに響いた。それを見て隼人、パチュリー、依姫は驚きを隠せなかった。何故なら悠岐の左手には赤い、もう一本の刀が握られていたからだ。そして彼の左目は赤く染まっていた。彼は驚いている依姫に言った。

 

「油断したな、綿月依姫。俺が刀を一本しか持ってないと思ったか?」

 

そう言うと彼は漆黒の刃で依姫を斬りつけた。彼女の右肩からは鮮血が飛び散る。依姫は肩を抑えながら後退する。それを見ていたパチュリーは思わず声を発する。

 

「す、すごいわね。まさかあの本気を出したレミィでも歯が立たなかった綿月依姫に傷を負わせるとは・・・悠岐は一体何者なの?」

 

「あいつはただの人間さ。けど、生まれつき特別な力を持っているんだ。だからあいつは強いのさ。」

 

依姫は荒い息づかいをしながら悠岐を睨む。まだ彼女の肩からは血が垂れる。そんな中、依姫は悠岐に言う。

 

「あなたこそ、体は大丈夫なのですか?」

 

「駄目に決まってんだろ。」

 

そう言った瞬間、悠岐の左腕に突如傷口が開き、そこから鮮血が飛び散った。それには二人は唖然となった。そんな二人とは別に悠岐が冷静に言う。

 

「ったく、いてぇな。流石月人最強と呼ばれし存在、綿月依姫。」

 

「あなたこそ、私をここまで追い詰めるとは流石です。」

 

「さて、そろそろこの戦いを終わらせようか。」

 

「いいでしょう。己の全てを出しきって決着をつけましょう。」

 

そう言うと依姫は刀に凄まじい力を貯めた。それを見て悠岐も二本の刀に力を貯めた。そして二人は笑みを浮かべながら言った。

 

「いくぜ、綿月依姫!」

 

「覚悟、地上の民!」

 

そして二人は同時に攻撃を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドラゴンバースト!」

 

「神舞天宇受売命!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、凄まじい衝撃が辺りにいた人達を襲った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館ではミクとの戦いに押される美鈴がレミリアのところには行かせんと彼女との戦いを続けていた。そんな彼女にミクが言う。

 

「ねぇ、いい加減諦めたら?私だってあなたを殺したくてやってる訳じゃないのよ。」

 

「それでも、私はここを通す訳には・・・行きません。お嬢様のところには、絶対に・・・行かせません!」

 

「面倒ね、ごめんね美鈴。ちょっと眠ってもらうわ。」

 

そう言うと彼女は拳銃の先に青い光を貯めた。そしてその攻撃を放った。その瞬間、ミクは目を見開いた。何故ならそこに美鈴の姿が無かったからだ。そして気配を感じたミクがその方向を見て口を開く。

 

「・・・咲夜ね。」

 

彼女が見つめる方向。そこには美鈴に肩を貸す咲夜の姿があった。ミクが攻撃を放つ瞬間、咲夜は時間を止めてその内に美鈴を助けた。そんな彼女にミクが言う。

 

「レミィを連れてきてもらえないかしら?私は今彼女と戦いたいの。」

 

「ミク、それは無理は願いね。例えあなたが何を言おうとも私はお嬢様の元へは行かせないわよ。勿論、妹様のところにもね。」

 

「フランと戦ったら私は死ぬからフランとは戦わない。けどレミィとは戦いたい。」

 

「いい加減にしないと・・・」

 

咲夜がナイフを手に取った時だった。突如空が赤い雲に覆われたのだ。その雲は紅魔館と湖を覆った。それに全く驚きを見せないミクは紅魔館の上にいる人物に目を向ける。そして言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たわね、レミィ。」

 

紅魔館の上ではレミリアがグングニルを手にし、完全に戦闘体勢に入っていた。そんな彼女の顔には不気味な笑みが浮かんでいた。そして言った。

 

「ミク、あなたとの戦い、引き受けたわ。私を存分に楽しませて頂戴。」

 

「上等よ、やってみせる。」

 

「私はあなたに勝ってそして悠岐と戦って彼を倒す。私の目的はそれよ。」

 

「やれるものならやってみなさい、悠岐は強いわよ。」

 

「その前に、私とは逆の存在、光であるあなたを倒す。」

 

「光と闇、どちらが強いか決めようじゃない!」

 

「フフフ、いい度胸ね。さぁ、行くわよ!」

 

そして遂にミクとレミリアの戦いが始まった。咲夜と美鈴はそれを黙って見ていた。

 

 

 




次作は暴露と別れです。小宝剛岐から出る衝撃の言葉。果たしてその言葉とは!?そして遂に悠岐達は現実世界へ帰ることに・・・・

次作もお楽しみに!
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