東方王戦録   作:ヤマタケる

40 / 50
幻想郷に再び訪れようとする悲劇!そんな中、メルト・グランチは突如あることを思い出し、ある場所へ向かっていった。


再来する悲劇

雲のない晴天の日、ある一人の男が人里を歩いていた。彼の名前はモルトである。彼は誰よりもいち早くこの異変に気づき、ある場所へ行っているメルト・グランチの元へ向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、どこへ行くつもりなのかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然声をかけられたため、彼は思わず声が聞こえた方向を見る。そこには日傘をさして緑色の髪をしていて赤い瞳をしている女性、風見幽香がいた。花畑にいるはずの彼女が何故ここへいるのかは問わなかったが、モルトは彼女にこう言った。

 

「テメェ、何のつもりでこんなことをするんだ?」

 

少し驚いた表情をするもすぐに笑みに変わり、モルトの問いに答えた。

 

「全ては霊夢のためよ、彼女の堕落を打ち砕くために行うこと。そのためならば紫だってあの梟だって動くわ。」

 

「なっ、紫とメルト・グランチが協力だと!?参ったな、セコンドの時よりも面倒じゃねぇか。」

 

「なるべく霊夢に手を出さないで欲しいの。勿論、紫と梟にもね。」

 

「そんなことはさせん。何としてでもやめさせる!」

 

「フフフ、鋭いわね。でも嫌いじゃないわ、そういうの。むしろそっちのほうが楽しいからね!」

 

そう言うと彼女は不意打ちのようにモルトに日傘を思いきり降り下ろした。彼もそれに反応し、バック転をしながら後ろへ後退する。そして言う。

 

「そうか、テメェは確かメルト・グランチにただ一人で挑んだのか。流石風見幽香だな。」

 

「フフフ、誉め言葉として受け入れるわ。さて、始めましょう!」

 

そう言うと彼女は日傘の先から光を貯めた。そして攻撃を放つ。

 

「マスタースパーク。」

 

そのまま彼女の攻撃はモルトに向かっていく。だが次の瞬間、

 

「なっ!?」

 

幽香は思わず声を発してしまった。何故ならモルトが彼女の前から姿を消していたからである。彼女は懸命に辺りを見渡した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どこ見てるんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その声が背後から聞こえ、振り返った瞬間、モルトは幽香を蹴り飛ばしていた。彼女はそのまま20mほど飛ばされて笑いながら吐血した。そして言う。

 

「いいじゃない。やっぱり戦いはこうでなきゃつまらないよね!」

 

モルトに蹴られ、吐血してもなお幽香はモルトに向かっていく。彼は深い溜め息をはくと刀を取り出し、彼女に向かっていく。そして二人の攻撃が同時にぶつかった。幽香は振り返り、再び攻撃をする。だがモルトは彼女に背を向けたまま刀の先に光を貯めて放った。

 

「波動弾。」

 

その速さは尋常ではないスピードなため、彼女はそのまま攻撃を受けてしまった。よろけながらも彼女はモルトにゆっくりと歩み寄る。そんな彼女にモルトが言う。

 

「もう諦めろ。五大王である俺に勝てると思うか?俺はそうは思わない。これはお前のことを考えて言っているんだ。もうよせ、紫やメルト・グランチに従うのはやめろ。」

 

「諦める?アハハ、面白いことを言うのね。私は命が続く限り、この世で最も強い存在となるつもりよ。勿論、それが何であろうとね。」

 

「チッ、どうやらお前をいくら説得しても無駄なようだな。なんなら痛め付けるとしようか。」

 

そう言うと彼は彼女にゆっくりと歩み寄る。それを見て幽香は走って彼の元へ向かっていく。そして日傘を叩きつける。だがそこにモルトはいなかった。彼は彼女の背後に移動性していてそのまま彼女の背中を斬りつけた。急所にあたったのか、彼女はその場に崩れた。そしてモルトはそんな彼女を見ながら言った。

 

「こんな力じゃ、お前の力は俺には届かん。もっと鍛えるんだな。」

 

「フフフ、流石五大王。少し、舐めてたわね・・・。」

 

そのまま彼女は意識を失ってしまった。そんな彼女をモルトは抱き上げ、そのまま花畑へ向かっていった。そして向かう途中、心の中であることを考えていた。

 

(紫とメルト・グランチが手を組むなんて有り得ないな。一体何があったと言うんだ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「紫様、どうやら風見幽香が倒されたようです。」

 

「あら、あの子としては速すぎるじゃないかしら?」

 

スキマの中では紫と藍が話をしていた。今後のことを考えるために。と、紫が藍に言った。

 

「いい?あくまでも私達の計画は霊夢を鍛えるための計画。絶対に死者を出してはいけないのよ。」

 

「ですが紫様、メルト・グランチ殿はそれを犯す可能性があるのですが・・・」

 

「それなら問題ないわよ、安心して。」

 

「何故問題ないのです?彼は一度多くの幻想郷の者々、それにウロボロス殿を殺しているのですよ?危険過ぎませんか?」

 

「あら、まだ分からないのね藍は。まぁ、教えておくわね。彼は問題ない理由、それは四季映姫・ヤマザナドゥの存在があるからよ。」

 

「四季殿が?一体どんな関係なんです?」

 

「メルト・グランチは一度裁判所に行って無罪を獲得した唯一の存在。けど、二度目はもう二度と牢獄から出られなくなる。つまり、牢獄へ入らないために彼は人を殺さないのよ。他にもメルト・グランチは幻想郷が好きだから誰も殺さないと思うのよね。」

 

「そうですか。話が変わるのですが、メルト・グランチ殿が言っていた心当たりのある人物とは一体誰のことなのでしょうか?」

 

「それは見てのお楽しみよ。でも、相当面倒な者らしいわ。」

 

「一体どんな人なんです?」

 

「私も幻想郷にそんな面倒な能力を持っている者がいるとは思わなかったわ。流石ガイルゴールと言ったところね。」

 

「・・・・そんなに面倒なんですか?」

 

「じゃあ、これを見なさい。」

 

そう言うと彼女はスキマを展開させ、外の様子を覗いた。。藍もスキマから顔を覗かせた。そこに写っている風景は霊夢と魔理沙が妖怪の森にいる様子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖怪の森では霊夢と魔理沙が何かに警戒しながら道を歩っていた。勿論二人も何かの異変に気づき、その黒幕を探していたのである。

 

「それで、あの男がいたんだぜ!私もその時はびっくりしたぜ。」

 

「何でもいいけど、さっさと異変の黒幕探すわよ。またガイルゴールが来たときみたいになったら嫌でしょ?」

 

「そ、そうだな。また幻想郷が壊れかけたらマズイからな。」

 

そして二人は再び捜索を始めた。しかし、特に何も現れなかったし、何も変な気配はしなかった。そして二人が帰ろうとした時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これはこれは、博麗霊夢さんと霧雨魔理沙さんではございませんか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然声をかけられたため、二人は声の発生源に目を向ける。そこには腰まで伸びる白髪に腹部には鎧がつけられていて顔を一部隠していて大鎌を二本持つ男がいた。二人は男の姿を見て驚きを隠せなかった。

 

「あ、あんたは・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故なら男は病によって命を経った筈の、村山小太郎だったからである。彼は二人を不気味な笑みを浮かべながら見ていた。そんな彼に魔理沙が口を開いた。

 

「お前、どうして生きているんだぜ!?お前はあの時、間違いなく死んだ筈なのに・・・」

 

「メルト・グランチ様の能力、お忘れですか?」

 

「!?」

 

「我が主、メルト・グランチ様の能力は『復活』、つまり蘇らせることができる能力です。それで私は再びこの世を生きることが出来るということです。」

 

「あんたが生きてるということはまさか、メルト・グランチも・・・」

 

「あの方が死ぬはずありません。生きていますよ。」

 

「そんな・・・」

 

「お前は何でここにいるんだぜ?」

 

「ちょっとした理由がありましてね、実はメルト・グランチ様があなたのためにと先代巫女を蘇らせるのです。」

 

「なっ!?」

 

「お母さんを蘇らせる?」

 

「そうです、そしてあなたの堕落を打ち砕くという計画です。」

 

「なんてことなの・・・」

 

「そんなことは絶対にさせないぜ!今からメルト・グランチを止めるぜ!」

 

「メルト・グランチ様を止めたところで何か起きますか?これは帝王軍だけの計画ではないのですよ。」

 

「メルト・グランチだけの計画じゃない?じゃあ一体誰がそんなことをするっていうのよ!」

 

「スキマ妖怪、八雲紫殿です。」

 

「なっ!?」

 

「紫とメルト・グランチが協力ですって!?」

 

「あ、有り得ない話だぜ・・・」

 

「だから私はあの方々の計画を邪魔されないようにするのです。」

 

「上等よ、魔理沙、すぐに終わらせるわよ。」

 

「了解!私に任せろ!」

 

そう言うと二人は戦闘態勢に入った。だが村山は戦闘態勢に入りそうになかった。そして二人に言った。

 

「残念ですが、あなた方のお相手は私ではありません。今回はあなた方の背後にいる『彼』と戦ってもらいましょう。」

 

そう言うと彼は霊夢と魔理沙の後ろにいるある人物を見た。それにつられて二人も背後を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『なるほどね、まさか霊夢と魔理沙が相手とは・・・。まぁ、僕のことは知らないみたいだね。僕は苗沙麗夜。マネしか出来ないただの道化だよ。』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢と魔理沙が言葉を発する前に背後にいる少年が二人に言った。その後に続いて村山も口を開いた。

 

「彼はメルト・グランチ様が選んだ先代巫女復活計画に必要な存在です。あなた方のお相手には到底なると思いますよ。それでは私はここで失礼します。麗夜、くれぐれもやり過ぎには気をつけて下さいね?」

 

そう言うと彼はどこかへ飛んでいってしまった。そんな彼に麗夜は手を振りながら言った。

 

「『ちゃんと褒美とかよろしくお願いしますね~。さて、始めよう。先代巫女復活のため、メルト・グランチ様のため、そして僕のために!」』

 

「魔理沙、気をつけて。こいつは今まで戦ってきた中で一番厄介そうな雰囲気をしてるわよ。」

 

「分かってるって!それじゃ、さっさと終わらせようぜ!」

 

 

 




東方王戦録4,5章は世桜様製作の『東方禁書録』とコラボさせてもらいました!
世桜様、ありがとうございます!
さて、次作は再現です。霊夢と魔理沙の前に現れた苗沙麗夜。果たして彼の正体とは!?
更に永遠亭である悲劇が!!
次作もお楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。