東方王戦録   作:ヤマタケる

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八雲紫、メルト・グランチによって復活を遂げた先代巫女。裏で進んでいく麗夜の企み。


圧倒的な力

そのまま先代巫女はゆっくりと地面に降りた。その瞬間、辺りに茂っていた木々が一瞬にして消えた。彼女の赤い瞳は普通ではなかった。と、彼女が辺りを見回しながら言った。

 

「相変わらず、変わらないな。幻想郷は。」

 

彼女が呟いた瞬間、彼女の背後に紫とメルト・グランチがやって来た。二人を見た先代巫女は笑みを浮かべながら始めに紫に言った。

 

「久しぶりだな、紫。」

 

「えぇ、本当に。久しぶりね。」

 

「元気にしてたか?」

 

「勿論よ。でなかったら今頃私は冬眠してるわよ。」

 

次に彼女はメルト・グランチを見ながら言った。彼女の顔にも彼の顔にも笑みが浮かんでいた。

 

「久しぶりだな、グランチ。」

 

「全くもって、久しく。」

 

と、彼女が後ろを振り返り、紫とメルト・グランチを見ながら言った。

 

「さて、紫にグランチ。私を蘇らせたからには、何か私に用があってこうしたのだろう?」

 

「ああ、そうだとも。」

 

「あなたには霊夢の堕落を打ち砕いて欲しいのよ。」

 

「霊夢の堕落か。私が予期していたことが起こったのだな。」

 

「それだけではないよ。今彼女の隣にいる、現実世界から来た『彼ら』とも戦ってもらいたいのでね。」

 

彼がそう言った瞬間、先代巫女は素早く振り返り、霊夢達の方を見る。そして言った。

 

「久しぶり、霊夢。随分と大きくなったじゃないか。」

 

「お、お母さん?」

 

「ん?何をそんなに控えているんだ?私だよ、私。」

 

霊夢は突然話しかけられたため、どう対応すればいいのか分からず、慌てていた。そして先代巫女は悠岐を見ながら言う。

 

「お前が現実世界から来た半人半悪魔か。」

 

「なっ、なんで俺が悪魔の目を使えることを・・・」

 

「なんでだって?見た目ですぐ分かるよ。」

 

そして彼女は紫とメルト・グランチを見ながら言った。

 

「さて、戦っていいんだよな?」

 

「えぇ、構わないわよ。」

 

「それじゃあ遠慮なく。」

 

そのまま彼女が霊夢達に攻撃しようとした時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「亡郷、亡我郷-宿罪-。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこからか誰かが発動したスペルカードが先代巫女に命中した。紫とメルト・グランチはその爆風から逃れるかのように姿を消した。さらに何者かが先代巫女の右腕を切り落とした。彼女の右腕からは鮮血が飛び散る。さらに青白い光と共に巨大な竜巻が彼女を襲った。さらにゴゴゴという音と共に星蓮船が現れ、そのまま彼女目掛けて攻撃を放った。その瞬間、爆発の衝撃が辺りに響いた。

 

「大丈夫だったかしら?」

 

「これくらい殺れば問題ないと思われます。」

 

「一斉攻撃には流石の先代巫女も敵わないでしょうね。」

 

「これであの方も万事休すですね。」

 

「あ、あんたらは・・・・」

 

霊夢達の元へ駆けつけたのは白玉楼の主、西行寺幽々子と魂魄妖夢、ミクに射命丸文、そして村沙率いる命蓮寺の人達だった。

 

「み、みんな・・・」

 

驚きを隠せない悠岐とは別に星蓮船から白蓮が彼に言った。

 

「八雲紫さんは知りませんが帝王梟雄なら紅魔館へ向かいましたよ。」

 

「ほ、本当ですか?じゃあ俺はそちらへ向かいます。」

 

そう言うと彼は刀を手にし、急いで紅魔館へ走っていった。彼が行った後に霊夢が駆けつけてくれた人達に言う。

 

「助けてくれたのは嬉しいけれど、やりすぎじゃないかしら?」

 

「わ、私もそう思うぜ。」

 

「問題ないわよ。彼女にはあれくらいやってあげないと。」

 

みんなが話している内に砂埃が消えた。そこには右腕をなくし、上半身と下半身が別れている先代巫女が倒れていた。と、彼女が口を開いた。

 

「いやぁ、これは酷いねぇ。」

 

彼女がそう言った瞬間、信じられないことが起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんと、本来動く筈のない先代巫女の下半身がひとりでに起き上がったのだ。それを見た霊夢達は驚きを隠せなかった。さらに先代巫女の上半身と右腕がどんどん塵となっていき、下半身に引き寄せられていき、最終的には元の先代巫女に戻ったのだ。彼女の体には傷跡一つも残らなかった。そして彼女が頭を掻きながら言った。

 

「不意打ちで人の胴体を半分に分け、腕を切り落とすなんてねぇ。全く、幻想郷は変わらないな。」

 

そう言うと彼女は溜め息をはき、星蓮船を睨んだ。そして言った。

 

「折角だから私が『力の差』を見せてやろう。」

 

そう言った瞬間、彼女の姿が一瞬にして村沙達の背後に移動した。白蓮達はすぐさま後ろを振り返る。そんな彼女らに先代巫女は笑みを浮かべながら言った。

 

「破滅拳。」

 

そう言うと彼女は飛び上がり、そのまま星蓮船を一瞬にして貫いた。その瞬間、星蓮船が激しい爆発と共に大破した。

 

「白蓮さん!!」

 

それを見たミクが白蓮達の元へ駆けつけようとするが、既に彼女の目の前には先代巫女の足があった。そのまま彼女はミクを蹴り飛ばした。その威力は凄まじく、一瞬にしてミクの姿が見えなくなった。その間に文がスペルカードを発動した。

 

「風符、風神一扇!」

 

彼女の攻撃は先代巫女へ向かっていく。だが彼女はそれを片手で受け止め、それを握り潰した。そして一瞬にして文の真上に移動した。文は葉団扇で強力な風を起こすがそれよりも先に先代巫女の右足が彼女を捉えていた。そのまま文は見えない早さで地面に叩きつけられた。その衝撃で砂や岩が跳ね上がった。

 

「文!!」

 

幽々子が先代巫女に弾幕を放とうとした時だった。彼女の目の前に先代巫女が現れた。

 

「させません!」

 

主である彼女を死守すべく妖夢は幽々子の前へ出て楼観剣で攻撃を防ぐ体勢に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無駄だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言った瞬間、先代巫女が右足を楼観剣に叩きつけた。その瞬間、ピキンという音と共に妖夢の楼観剣が折れ、そのまま先代巫女は二人ごと蹴り飛ばした。そのまま二人の姿は一瞬で見えなくなった。

 

「さて、後はお前達だけだ。」

 

彼女が見つめる方向、そこには震えながらも彼女を見る霊夢と魔理沙だった。と、魔理沙が霊夢に言う。

 

「れ、霊夢。あの人の、のの能力って・・・」

 

「し、しし知らないわよ!」

 

「そうだな、教えていなかったな。ならば教えよう。私の能力は『常識を破壊する程度の能力』だ。」

 

「常識を破壊?」

 

「所謂、先程のものだ。さて、仕合いを再開しよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無縁塚から放れて玄武の沢では啓介と豊姫が戦っていた。

 

「闇のレクテリア!」

 

啓介がいくら攻撃を放っても彼女の持つ扇子によって一瞬にして粒子に変えられてしまう。と、一瞬にして豊姫が彼の背後に回った。

 

「なっ!?」

 

「ウフフフフフ。」

 

彼女の顔には不気味な笑みが浮かんでいた。そしてそのまま扇子を彼目掛けてあおいだ。その瞬間、近くにあった木々が一瞬にして粒子になってしまった。啓介は危機一髪で避けたが、自分の腕を見た瞬間、彼は思わず目を大きく見開いた。

 

「そ、そんな・・・」

 

彼は完全に言葉を失った。何故なら彼の左腕がなくなっていたからである。その瞬間、彼の左腕の付け根に激しい激痛が走った。そんな彼とは別に豊姫がゆっくりと歩きながら言った。

 

「もう終わりなの?つまらないわね、だから地上の民は・・・」

 

「ク、クソッ!!」

 

「さて、これからあなたをどうしてあげようかしらねぇ。ウフフ。」

 

「やるならやれよ。俺には悔いは残らねぇ。」

 

彼がそう言った瞬間、豊姫の表情が急変した。先程までは余裕の笑みが今は真剣な表情をしていた。だが彼女は突如笑みを浮かべたかと思うとそのまま声を上げて笑いだした。それに腹がたった彼は豊姫に言う。

 

「何が、一体何がおかしいって言うんだ!!綿月豊姫!」

 

「アハハハハハ。あぁ、おかしい。まだ何もやってないのに悔いは残らないってね。なんておかしいんでしょう!!アハハハハ。」

 

彼女の笑い声は玄武の沢中に響いた。その姿に啓介鳥肌がたった。と、突然彼女の笑い声がピタリと止まった。そして豊姫は啓介を見ながら言った。

 

「何か、飽きちゃったわね、私は帰らせてもらうわ。」

 

「なっ!?ふざけるな!ここまでやっておいて、帰るなんてことはさせない!!」

 

「だって、あなたが弱いんですもの。それに、先代巫女はもう復活したみたいだし、月では依姫が待ってるし。」

 

そう言うと彼女はクスクスと笑いながら啓介に言った。

 

「また会いましょう。今度会ったら、あなたの命は無いからね。」

 

「ちょっと待て!!メルト・グランチはもういいのかよ!」

 

「あの人も私が帰ることは知ってるわ。それじゃ、またね~。」

 

そう言うと彼女は彼にウインクするとそのまま消えていった。彼女が消えた後、啓介は一言言葉を発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんて自分勝手な野郎なんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

守谷神社では村山が早苗を殺そうとした時に突如麗夜が現れた。そんな彼に村山は言う。

 

「何故ここへ来たのです?」

 

「『君に用があったからです。』」

 

彼がそう言った瞬間、村山は早苗から足をどけた。そしてゆっくりと麗夜に近づきながら言った。

 

「リナはどうしたのです?あなたはリナと共に行動していた筈・・・」

 

「『リナちゃんには消えてもらいましたよ。そう、僕のためにね!!』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言った瞬間、村山の左腕に螺子が突き刺さった。それを見た早苗と村山は思わず目を大きく見開いた。

 

「なっ!?」

 

「そんな・・・・」

 

「麗夜君、これは何のつもりですか?」

 

「『これはただの僕の計画。君には関係無いよ。』」

 

「麗夜君、君の計画、何となく分かってきましたよ。それは・・・」

 

村山が続きを言おうとした瞬間、麗夜の表情が鋭くなり、そのまま麗夜は左手を彼の腹部に置き、言った。

 

「『消えなよ、君は僕にとって目障り以外の何者でもない。』」

 

「なっ!?」

 

驚く彼とは別に麗夜があの言葉を発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『大嘘憑き、君の存在を無かったことに。』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言った瞬間、『村山小太郎』という存在が完全にこの世からいなくなった。早苗は呆然とそれを見ていた。そんな彼女に麗夜は言う。

 

「『安心しなよ、僕は君を消したりはしない。』」

 

「あなたは一体何者なのですか?帝王軍の人達を消していくなんて・・・」

 

「『僕はマネしか出来ないただの道化だよ。』」

 

「あなたの目的ってまさか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『そう、僕は帝王軍の首領に恨みがあるんだ。僕はその復讐を果たすだけだよ。』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言うと彼は何処かへ走っていった。




次作は梟と紅魔です。圧倒的な力を見せつける先代巫女!そして再び紅魔館を奇襲するメルト・グランチ!果たしてレミリア達の運命は・・・
次作もお楽しみに!
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