東方王戦録   作:ヤマタケる

5 / 50
メルト・グランチによって地霊殿の全員がやられ、さらにウロボロスが死んだ。さらに竹林ではセコンドによって啓介と魔理沙が危機に陥った。その時にミクと霊夢が二人を救出した。セコンドが突然メルト・グランチのおそるべき計画を暴く。


犠牲と主

霊夢達がメルト・グランチ、セコンドと戦っている時、レミリア・スカーレットは自身の部下であるメイド、十六夜咲夜を連れてとある人物の所へ訪れていた。その男は現実世界の五大王の一人で光王と呼ばれた男、ゴールド・マーグルの所だった。マーグルは大体は永遠亭か守矢神社の裏側にある小さな小屋にいる。レミリアと咲夜はマーグルの小屋に訪れた。中に入るとそこには顔を包帯で巻いていて黄金のハット帽を被っていて机に向かって何かを書いている男、ゴールド・マーグルだった。マーグルは二人の存在に気がつくと手を止め、二人を見た。そして驚いた顔をしてこう言った。

 

「運命を操る力を持つお前さんが来るとは以外だな。」

 

「私は運命を操ることが出来てもこの先の出来事を変えることは出来ないわ。」

 

「それで俺に予言してもらいたいと?」

 

「そういうことです。どうかよろしくお願いします。でないとあなたは身体中傷だらけになりますよ。」

 

「やめなさい、咲夜。この方は現実世界の五大王の一人で光を使うことのできる、ゴールド・マーグルなのよ。私でも歯が立たない位強いのよ、だから余計な真似はしないのよ。」

 

レミリアに言われて咲夜は少し悔しそうな表情を見せたがそのままレミリアの後ろに下がった。何事もなかったかのようにマーグルは話を続けた。

 

「それでお前さんは予言してもらいたいんだな?」

 

「ええ、そうよ。頼むわね。」

 

「了解だ。」

 

そう言うとマーグルは黄金の水晶玉を取り出した。そして呪文を唱え始めた。マーグルが呪文を唱えている時に咲夜はレミリアに尋ねた。

 

「お嬢様、今さらなんですが、何故マーグルさんに予言してもらいたいのですか?」

 

「さっきも言ったでしょ?私は運命を操ることが出来てもこの先の出来事を変えることは出来ないのよ。だから予言者である彼に頼んだのよ。」

 

二人が話しているうちにマーグルは呪文を唱え終えていた。マーグルは手招きしながら二人を呼んだ。二人はマーグルのところまでくると、予言の結果を聞いた。

 

「さて、予言の結果は?」

 

「明後日の外出は控えたほうがいい。それとお前さん、死ぬぞ。」

 

「!?」

 

「お嬢様が死ぬ?どういうことですか!」

 

「落ち着いて聞け。お前さんを狙うやつがやって来る。」

 

「その奴は誰のことかしら?」

 

「そいつの名はメルト・グランチ・エンペラー。通称メルト・グランチだけどな。そいつは現実世界の五大王の一人で帝王と呼ばれている。」

 

「あなたが奴と戦えばいいんじゃないのかしら?」

 

「奴は強い。この俺でも勝てるかどうか分からない相手だからな。それと咲夜、さっきから顔色が悪いぞ。どうかしたか?」

 

「咲夜、無理しなくていいのよ。」

 

「いえ、このくらいなんともありませんから。」

 

「何か隠しているのね。正直に言いなさい。」

 

「実は私は奴に一度会っているんですよ。」

 

「メルト・グランチとか?」

 

「はい、実は八年前に奴と会っていて私は奴から時を操る力を貰ったんです。そしてまた会う時には返してもらうと言われていました。ですが私はお嬢様を守りたい思いで一杯で、だから私は力を返しませんでした。その恨みを持って奴は襲撃してくると思います。申し訳ございません、お嬢様。」

 

「正直に話せばいいわ。許してあげる。けど、今後は気をつけなさいね?」

 

「はい!」

 

「さて、話に戻るぞ。お前さんは今後どうするんだ?」

 

「決まってるでしょう?迎え撃つのよ。」

 

「流石幻想郷のカリスマと呼ばれた吸血鬼レミリア・スカーレット。考えていることの規模が大きい。」

 

「それはどうも。それでは失礼するわ。」

 

「あ~ちょっと待った!」

 

マーグルは帰ろうとした二人を呼び止めた。そして衝撃の言葉を口にした。

 

「しっかり守ってやれ。お前さんの妹も死ぬぞ。」

 

「!?フランまで?」

 

「二人で死にたくはないだろう。だったら外出は控えることだ。」

 

「・・・わかったわ。」

 

そのまま二人は紅魔館に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その翌日の夜、レミリアは眠ることが出来なかった。明日自分が死ぬと考えると怖くて仕方なかったのだ。パチュリーにも相談し、影舷隊にも協力を得ることにした。それでもレミリアは眠ることが出来なかった。フランが死ぬと考えると心配で仕方なかったのだ。そしてついに予言の日が訪れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明け方、薄暗い黒い雲の日に紅魔館ではメルト・グランチが来る前に隼人、ミクが来ていた。そしてメルト・グランチとの戦いに備えていた。レミリアだけでなく、フラン、パチュリー、咲夜、美鈴、小悪魔も幻想郷の平和のために戦うことを決意した。そして八人はメルト・グランチが来るのを待っていた。十分もしないうちにメルト・グランチがやって来た。

 

「ごきげんよう、気分はいかがかな?」

 

「ちょうどよかったわ。なんせ太陽の光が雲に覆われているもの!」

 

「それが私の計画だ。吸血鬼である卿に太陽の光など必要ないだろう。私はね、卿の力を嗜みたいのだよ。」

 

「これ以上あなたの好きにはさせないわ、メルト・グランチ!」

 

「成程、私を撃ち取るかね。いいだろう、レミリア・スカーレット、やってみたまえ!」

 

まず始めに隼人が竜巻を起こしてメルト・グランチに飛ばした。続いてレミリアがグングニルを出すとメルト・グランチに攻撃を放った。

 

「不夜城レッド!」

 

しかし二人の攻撃はメルト・グランチの背に回されていたはずの左手によって受け止められていた。その隙にミクが発砲、パチュリーがスペルカードを使った。

 

「日符ロイアルフレア!」

 

だがメルト・グランチは二人の動きを読んで意図も簡単にかわした。続いて咲夜がメルト・グランチの時を止め、ナイフを投げた。だが時を動かしたときにはそこにメルト・グランチの姿はなく、地面だけがあった。彼は八人の後ろにいた。その時、フランがメルト・グランチの肩を掴んだ。そして一言、

 

「ギュッとして、」

 

「?」

 

「ドカーン!」

 

そのままフランはメルト・グランチの肩を握り潰そうとした。だがメルト・グランチの肩には全く異常がなく彼は辛そうな表情をしていなかった。むしろ、笑っていた。

 

「この程度の力で私を倒せるとでも?」

 

「!!」

 

何かの異変に気がついたフランはレミリア達の元まで下がった。無理もない。何故ならメルト・グランチがフランを殴り飛ばそうとしていたからだ。

 

「はあっ!」

 

その瞬間、美鈴と小悪魔がメルト・グランチに向かって突進してきた。だがメルト・グランチにそんなことは通用するはずなかった。メルト・グランチは二人の攻撃をかわすとまず始めに小悪魔の右の翼を切り落とした。

 

「ぐ、ああああ!」

 

さらに彼女の腹部に宝刀を刺しこんだ。

 

「がはっ!」

 

そのまま小悪魔は何も言わずに倒れた。次に小悪魔が倒れた時に隙を作ってしまった美鈴を蹴り飛ばした。

 

「ぐふっ・・・」

 

美鈴は壁に衝突し吐血した。メルト・グランチかわ美鈴の目の前まで来るとそのまま美鈴の腹部に宝刀を刺した。美鈴はそのまま動かなくなった。たった数分でメルト・グランチは二人の意識を失わせた。メルト・グランチに休む暇もあたえず、六人が一斉にメルト・グランチに向かって行った。その瞬間、メルト・グランチは笑みを浮かべた。そして左腕を上げ、指を鳴らした。その瞬間、爆発の衝撃が六人を襲った。爆発の衝撃がおさまったところには倒れる八人がいた。メルト・グランチは笑みを浮かべながら八人の様子を見た。

 

「全く、卿らは私の考えを理解しないで私に挑もうとは。まだ早すぎるのだよ。」

 

「何がまだ早すぎるですか・・・梟の存在であるあなたにそんなことは言われたくありません!」

 

そう言うとミクはフラフラしながらメルト・グランチに向かって行った。だがメルト・グランチは弱っているミクに手加減するはずなかった。メルト・グランチはミクの腹部を蹴った。

 

「かひゅ・・・」

 

ミクはそのまま吐血した。メルト・グランチは吐血しているミクをパチュリーの方に蹴り飛ばした。そのままミクはパチュリーにぶつかり、動かなくなった。パチュリーも動く力も残っておらず、ミクをどかすことが出来なかった。

 

「ミク!」

 

「満身創痍の状態で私を倒そうと考えるとは。卿の考えが分からないな。」

 

「よくも美鈴を、小悪魔を、ミクを!梟の分際であるあなたを許さない!」

 

そのまま咲夜はメルト・グランチに向かって行った。咲夜はナイフをメルト・グランチ目掛けて投げた。だがメルト・グランチはナイフを全て弾いた。そして迅速な速さで咲夜の目の前までやって来た。

 

「くっ、」

 

すかさず咲夜は攻撃を防ぐ態勢に入ったがメルト・グランチはそんな彼女の動きを読んで背に回していた左手で咲夜の首を締め上げた。

 

「あがっ!?」

 

「考えが甘いよ、咲夜?」

 

突然の攻撃に彼女は思わずナイフを落としてしまう。咲夜はメルト・グランチの左手から放れようと必死に抵抗するがメルト・グランチの左手は硬く放れなかった。さらにメルト・グランチは咲夜の首を絞めながら咲夜を持ち上げた。なんせ190cm近くある長身。彼にとって小柄な咲夜を持ち上げるのは容易なことだろう。

 

「やめて、咲夜を放して!」

 

すかさず彼女を助けようとレミリアが言う。そんな彼女にメルト・グランチも言う。

 

「放せばどうする?次は卿が嘆くのかね?」

 

「そ・・・それは・・・」

 

「ないだろう。あるとすれば卿の宝を私に送るかだ。それ以外何が考えられる?」

 

咲夜はメルト・グランチが話しているときに放れようと必死に足をばたつかせるが全く動かなかった。次第に咲夜の足のばたつきが治まっていった。

 

「あがっ、かはっ、」

 

「咲夜、卿のその苦しむ顔は愛しいな、もっと私に見せてくれ。」

 

「咲夜!」

 

「卿が選択を早く選べば咲夜は助かるのだがね。さ、卿はどうする?助けるか助けないかは卿次第なのだよ。」

 

その時だった。突然メルト・グランチの背後から影が現れた。影は炎の剣を持って飛び上がり、メルト・グランチに向かって行った。影の正体はフランだった。

 

「咲夜をはーなーせー!!」

 

咲夜を持ち上げている状態ではメルト・グランチはどうすることも出来ないと悟っていたのだろう。フランはメルト・グランチの隙を狙っていたのだ。誰もがフランの攻撃が当たり、メルト・グランチにダメージが当たると認識していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがその予想は的中しなかった。むしろ的中したのはマーグルの予言だった。メルト・グランチが宝刀をフランの喉に刺していたのだ。そのまま宝刀をフランの喉から抜いた。そしてフランは何も言わずに小悪魔と同様、倒れた。それを見て咲夜は大きいショックを受け、意識を失った。それに気がついたメルト・グランチはそのまま咲夜を放し、フランの元までやって来た。そしてフランの頭に左手を置いた。そしてフランから黄色の光の玉を取った。

 

「まさか無意識で私に向かって来るとは。」

 

「フラン!」

 

隼人は叫んだ。しかしそれ以前にあることに気がついた。肝心のレミリアが何も言葉を発しなかったからだ。隼人はレミリアの方を見た。そこには驚いた顔をしているレミリアがいた。

 

「レミリア?」

 

「卿の妹の魂、いただいていくよ。」

 

メルト・グランチが何を言おうとレミリアは一切言葉を発しなかった。何かおかしいと考えた隼人だったが、それよりも早くメルト・グランチがレミリアの状態を理解していた。

 

「成程、卿は今絶望を味わっているのか、レミリア・スカーレットよ。」

 

「・・・・・・」

 

「は、絶望?」

 

「卿にも言っておこう、疾風の青年よ。この世には二つの絶望が存在する。一つは我を忘れ怒り狂い、殺そうとする絶望、つまり古き黒き刀の場合。もう一つは、今の卿のように何も考えることが出来ずただ呆然とすることしか出来ない絶望、つまり卿は無力だ。」

 

そう言うとメルト・グランチはゆっくりとレミリアの方へ歩き始めた。

 

「させるかよ!」

 

レミリアを庇おうと隼人が前に出るがメルト・グランチは隼人に黒い塊を投げつけた。隼人は少し苦しんだが後に冷静さを取り戻した。

 

「邪魔しないでくれたまえ。卿の主は私なのだよ、疾風の青年よ。」

 

「はい、申し訳ございません。メルト・グランチ様。」

 

隼人の目が紫に変わり、帝王を意味する印が目に現れた。

 

「それでよい。さて、レミリア・スカーレットよ。今の状況を考えると卿にとって幻想郷は必要ないだろう。唯一卿を理解してくれる妹がいない世界など卿にとってはもっての他いらない。折角だから私が妹の元へ行かせてあげようではないか。悲しいような嬉しいような感情が卿から生じるだろう。問題ないよ、卿が朽ちた後の紅魔館の主は・・・」

 

レミリアの背後までやって来るとメルト・グランチは宝刀を構えた。そしてレミリアに一言。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この私だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言った瞬間、メルト・グランチの宝刀がレミリアの首を切り落とした。

 




メルト・グランチの奇襲により、新たな犠牲者が出てしまった。
さて、次作は感情の器です。メルト・グランチに立て続きセコンドが行動を開始する。果たして襲撃の場とは!?
次作もお楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。