東方王戦録   作:ヤマタケる

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無縁塚に現れた仮面の男。霊夢達が駆けつけた時に隼人とミクが殺されかけていたところを悠岐が救出した。仮面が外れた男の正体はなんと死んだ筈のウロボロスだった。


憑依と集結

ありえない光景に五人は唖然とする。

 

「そんな・・・どうして?」

 

「ウロボロスは死んでしまったはず。どういうことだ?」

 

一同は混乱に陥った。死んだウロボロスが生きていてさらに隼人とミクを殺そうとしたことがありえなかったからだ。と悠岐があることに気づき、言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前、セコンドだな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠岐の言葉があまりにも衝撃すぎたのか四人は目を大きく見開いた。

 

(ウロボロスの正体がセコンド?ありえない。そんなことは絶対ない!)

 

四人はそう確信していた。その時、ウロボロスが突如倒れ、口の中から砂が舞い、砂が一つの塊になったかと思うと人の形になり、砂から長身の男、セコンドが姿を現した。四人は驚きを隠せなかった。

 

「流石影舷隊団長西田君。私の能力など理解済みか。」

 

「悠岐、どうしてセコンドだって分かったんだ?」

 

「ウロボロスが隼人とミクを殺そうとする奴だと思うか?第一、ウロボロスは隼人とミクを持ち上げられる程の力を持っていないんだぞ。それで考えられるのはセコンドしかいないと判断したんだ。」

 

「ですが悠岐さん、帝王梟雄だったかもしれませんよ。」

 

「メルト・グランチは相手を乗っ取るんじゃない。相手を支配するんだ。セコンドはウロボロスに乗っ取って行動力したんだ。」

 

「その通りだよ、西田君。私は彼に憑依して君達を倒そうと考えていたのさ。だけど、警戒心が強い君には到底それを実行するのは不可能だったようだね。やはりありのままで君達を倒すほうがいいようだね。」

 

そう言うとセコンドは刀を取りだした。そして戦う体勢に入った。霊夢達も武器を取りだし、戦闘体勢に入った。

 

「おい文、ちょっと・・・」

 

悠岐は文の肩を軽く叩き、文の耳元で何かを話した。納得したかのように文は頷き、何処かへ飛んで行った。霊夢は不思議に思い、悠岐に尋ねた。

 

「ちょっと悠岐、文を何処に行かせたの?」

 

「文にはあることを頼んだ。それまでは四人で奴を食い止めるんだ。後に俺達が有利になるからな。それまで頑張るんだ。」

 

「・・・・・分かったわ。」

 

霊夢が言い終わった瞬間、セコンドが四人の目の前まで来て、刀を振り下ろした。四人は反射的にかわした。そして悠岐が始めに攻撃を放とうとした。

 

「龍の波動!」

 

悠岐がそう言った瞬間、悠岐の持つ漆黒の刃の先に紫の光が溜まり、そのまま紫の光線をセコンドに放った。その次にミクが銃の先に青白い光を溜め、セコンドに放った。

 

「創造の一撃!」

 

だがセコンドは悠岐の攻撃をかわし、ミクの攻撃を片手で受け止めると、それを隼人目掛けて投げた。隼人はそれを避けることが出来たが気づいた時には遅かった。隼人の後ろにセコンドがいて、そのままセコンドは隼人を地面に叩き落とした。

 

「グホッ!」

 

隼人は地面に衝突し、吐血した。その瞬間に霊夢がスペルカードを使った。

 

「夢想封印!」

 

霊夢の攻撃はセコンドに命中したがあまり手応えはなく、セコンドはよろけることなく立っている。そしてセコンドは霊夢の前まで飛ぶと霊夢の首を掴み、ミクの方へと投げた。ミクは受け止める体勢に入った。悠岐も後から続いて霊夢を受け止める体勢に入った。そして二人は霊夢を受け止めた。

 

「悪いわね、二人とも。」

 

「いいえ。」

 

「これくらいどうってことねぇよ。」

 

悠岐とミクは目の色をそれぞれ悠岐は赤く、ミクは青くすると、セコンドを斬ろうと二人で斬りかかる。セコンドは二人のセコンドは二人の攻撃をすべて弾くと見えない早さで悠岐とミクの腹を蹴り飛ばした。

 

「ガハッ!」

 

「グホッ・・・」

 

悠岐とミクは霊夢のところまで飛び、その場で吐血した。霊夢はセコンドに再び夢想封印を、放つがやはりセコンドには通用しなかった。セコンドは霊夢目の前まで来ると霊夢を殴り飛ばした。

 

「ガハッ、ハァ、ハァ・・・」

 

霊夢は隼人同様、地面に叩き落とされ、吐血した。セコンドは霊夢の前まで来ると刀を上げ、言った。

 

「中々だったな、博麗の巫女。だが私に敵うことはなかったな。さて、君には死んでもらうよ。」

 

セコンドが刀を振り下ろすその時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神速の速さで何者かがセコンドの肩を斬りつけた。

 

「何っ!?」

 

セコンドはその何者かを斬ろうとしたがあまりにも動きが速すぎるため、攻撃出来なかった。さらに何処からか炎とマスタースパークがセコンド目掛けて飛んできた。セコンドはそれをかわすと、飛んできた方向を見た。見る前に背後から二人セコンドの背中を斬りつけた。

 

「ぬぐっ!?」

 

セコンドは刀を後ろに振ったが既にそこには誰もいなかった。さらに正面からセコンドの顔面に蹴りが飛んできた。セコンドは顔を抑えながら後ずさった。その背後から頭突きがセコンドの頭に命中し、セコンドはよろけた。そして最後にセコンドの足に何者かが刀で斬りつけた。

 

「えぇい誰だ誰だ!!」

 

セコンドは腹が立ちながら刀を振ったがそこにはやはり誰もいなかった。

 

「間に合ったか?」

 

「ああ、そうだな。ありがとな、文。」

 

「いえいえ、これくらいは当然のことですから。」

 

セコンドはよろめきながら霊夢達を見た。そこにはセコンドと同様、現実世界の五大王の一人で闘王と呼ばれている男、アイアルト・モルトに、魔理沙、妹紅、啓介、麻里、美鈴、慧音、パチュリー、妖夢、文、椛がいた。セコンドは驚きを隠せなかった。無理もない。何故なら一気に相手が四人から十五人になったからだ。

 

「なんてこったい。こんな多くの相手を倒し、さらには私の友人とも戦わないといけないなんてね。面倒だよ。だけど、これを食らったら君達はきっと朽ちるだろうね!」

 

そう言うとセコンドは右の人差し指から茶色の光を溜めるとそのまま霊夢達に向かって光線を放った。

 

「波動の鉄壁!」

 

悠岐はすかさず自らの能力である波動で波動の鉄壁を使った。悠岐は恐らく防ぎきれないと思っていた。だがセコンドが放った光線は消えた。悠岐が使った波動の鉄壁は壊れることはなかった。一同は不審に思った。

 

「なんでだ?俺の波動じゃあ奴の攻撃は防げないと思ってたのに・・・」

 

「どういうことだ!たかが西田君ごときの波動の力に私の攻撃が防がれただと!?ありえないね、そんなことは私は一才認めない!ならば自得で・・・!?」

 

セコンドは傷ついた自分の体を癒そうとしたが思うように力が入らず、結局は自分の傷を治すことは出来なかった。と、モルトが口を開いた。

 

「自得を使えないか?セコンド。」

 

「モルト・・・・まさか君の仕業かい?」

 

「俺の能力を忘れたというのか?俺の能力は『闘魂』に『神速』、そして『封印』だ。つまり、俺はお前の『自得』と『憑依』の能力は封印した!」

 

「!?」

 

「す、すごい。これが闘王アイアルト・モルトの力。」

 

「さあ霊夢、悠岐。今の奴は『自得』を使えない。倒すのは今しかない。頼んだぞ!」

 

「分かったわ!」

 

「承知した!」

 

そう言うと霊夢と悠岐はセコンドに向かって行った。それに続いて他の皆も後に続く。セコンドは地面に手を置き、巨大な岩石を発生させ、みんなに向かって投げた。それをパチュリーが魔法で動きを止めてそれを椛と妖夢、麻里で粉々に砕いた。その瞬間にセコンドは四人を殴り飛ばした。

 

「ぐっ、」

 

「かはっ・・・」

 

四人はそのまま地面に叩き落とされ、吐血した。

 

「はあっ!」

 

「そらよっ!」

 

その瞬間に妹紅と美鈴がセコンドの腹に蹴りを入れた。

 

「グホッ!こ、こんなもので・・・」

 

セコンドは自得を使えないため、その場で吐血したがセコンドは妹紅の足を掴むと美鈴に向かって投げた。美鈴は受け止められずに吹き飛んだ。

 

「竜巻!」

 

続いて隼人と文が竜巻を発生させ、セコンドに放った。だがセコンドは竜巻を消しとばすと隼人と文の背後まで移動し、二人の背中を斬りつけた。そして二人を地面に叩き落とした。次に魔理沙がスペルカードを使い、ミクが銃に青白い光を溜めた。

 

「マスタースパーク!」

 

「創造の一撃!」

 

二人の攻撃はセコンドに命中し、さらに悠岐と啓介でセコンドの腹を斬りつける。

 

「くらえっ!」

 

そして慧音が背後から頭突きを食らわす。セコンドはそのままよろめいたが見えない速さで五人の腹を斬りつけた。急所に当たったせいか、五人はその場に崩れた。

 

「さて・・・後は君だけだよ。・・・博麗の巫女。」

 

セコンドは息を切らしながら言った。霊夢は冷静にスペルカードを使おうとしたがいつのまにセコンドが背後に回っていた。その瞬間を狙って悠岐がうずくまりながらセコンドに龍の波動を放った。

 

「ぬおっ!?」

 

それを予期していなかったセコンドはその攻撃を食らった。セコンドがよろけている間に悠岐が漆黒の刃を霊夢に向かって投げた。霊夢はそれをキャッチすると悠岐に尋ねた。

 

「悠岐、これは一体・・・・」

 

「それで夢想封印を放て!俺の力をうまく使ってセコンドを倒せ!それがお前の、博麗の巫女の真の役目だ!」

 

その言葉を聞いて霊夢は深く頷くと漆黒の刃を右手にスペルカードを左手にセコンドを睨む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その様子を帝王城から見ていたメルト・グランチは鼻で笑った。そして椅子から立ち上がり、宝刀を手にし咲夜を置いて霧のように消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地王との戦いはまだ終わらない。セコンドは霊夢を見ると漆黒の刃があることを気にせずに霊夢に向かって行った。霊夢は自分の持つスペルカードが新しくなっていることに気づき、幻想郷の誇りとしてセコンドを倒すことを胸にスペルカードを使った。

 

「黒符、漆黒転生!」

 

初めて見る技に一同は唖然となった。霊夢の力と悠岐の力が合わさった攻撃を目の前で放たれたため、セコンドは避けることが出来ず、そのまま攻撃を食らった。その威力は辺りに響き、砂埃が舞った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂埃が治まった無縁塚の場には漆黒の刃を持つ霊夢と傷だらけの悠岐達、その様子を見ていた闘王アイアルト・モルト、そして霊夢に呆気なく退治され、地面に仰向けで倒れているセコンドがいた。霊夢は悠岐の元までやって来ると漆黒の刃を悠岐に返した。悠岐は霊夢に笑顔を見せて言った。

 

「俺の漆黒の刃は使いずらかったか?」

 

「そんなことはないわ。私からすれば丁度良かったものよ。」

 

「そうかい。それは何よりだ。」

 

「これで終わりですね。」

 

「いやまだよ椛。あとは帝王が残ってるわ。」

 

「そいつも倒せば幻想郷は元通り、平和になるんだな。」

 

「でしたら悠岐さん、この戦いが終わったら是非白玉桜に来て下さいね。」

 

「ねぇ妖夢。肝心の私はどうしたのよ!」

 

「ハッハッハ、妖夢もまだ子供だな!まあ、麻里も落ち着けって。」

 

「啓介さんに言われたくありませんよ!」

 

無縁塚にいる一同の声が辺りに響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ終わってないよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然、誰かの怒声が聞こえた。みんなはその声がした方向を見つめる。そこには傷だらけで刀を手にするセコンドがいた。

 

「まだ生きていたのか!」

 

「こんなことで・・・・私が負けることなんてない!」

 

「面倒だぜ、とっととやらないとな。」

 

魔理沙が再びマスタースパークを放とうとした時だった。セコンドの背後に黒い粉が舞ったかと思うとそこからセコンドより少し小さいが長身で後ろ髪を束ねていて右手に宝刀を持ち、左腕を背に回している男、メルト・グランチが現れた。その顔には不気味な笑みが浮かんでいた。

 

「・・・・ついに来やがった。」

 

「帝王梟雄!」

 

セコンドは霊夢達が自分の後ろに誰かがいることに気づき、後ろを見た。そこにはメルト・グランチがいて、笑みを浮かべていた。セコンドはメルト・グランチの前までやって来ると大声を出しながら言った。

 

「今まで何をしていたんだ!私がどれほど苦労したのか君は分かっているのか!!」

 

「すまないな、私にも事情があってね。そのため遅れた。」

 

「それならいい。」

 

セコンドは再び戦闘体勢に入った。そして霊夢達に言った。

 

「今度はグランチがいる。今度こそ、君達は終わりだ!」

 

セコンドが話している時にメルト・グランチは宝刀を構えた。宝刀が指す方向を見て霊夢達は目を大きく見開いた。それに気づかないまま、セコンドは続きを言った。

 

「これでやっと、・・・やっと私とグランチの夢にまで見た世界が・・・ついに、ついにっ!?」

 

続きを話そうとした瞬間、ドスッという音が響き、セコンドの言葉が止まった。そしてセコンドは吐血した。そこにいる全員が言葉を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故ならメルト・グランチがセコンドの腹部に宝刀を刺していたからである。セコンドはゆっくり後ろを振り向きながら言った。

 

「グ、グランチ・・・これは、一体・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「卿は用済みだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉に全員が驚きを隠せなかった。それをメルト・グランチは笑みを浮かべながら見ていた。

 

 




次作は裏切りと罠です。霊夢達の前に再び現れた帝王メルト・グランチ。彼は自らの仲間の筈のセコンドを攻撃する。果たしてメルト・グランチの目的とは!?
次作で第一章は終了です。第二章に続きますので是非読んでみて下さいね。
それでは次作もお楽しみに!
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