超下位存在君の無駄な努力   作:龍崎悠司

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少し間が空きました。

次はもう少し早く投稿したいと思います。


報告と対策~きな臭い事案編~

 

 

 

 ―――――……

 

 窓から覗く景色。

 

 明るかったり笑顔だったり。

 

 希望という言葉がピッタリ当てはまる風景に。

 

 嫌悪しか感じられない自分を憎む。

 

 ―――――……

 

 

 

 

 

 翌日の早朝。

 黒斗は、報告のために雪姫の部屋へと向かっていた。のはいいのだが、

「何でお前たちも一緒なんだ?」

 黒斗の後ろには昨日仕事の見学をした四人がいた。

「知らないわよ。ただ、この時間に自分の部屋に来てくれって言われたのよ」

 黒斗の質問にキリヱが答える。

 他の者たちの頷いてる様子を見て、同じようなことを言われたのだろう。黒斗と同じく。

「黒斗はどうしてだ?」

「俺は昨日の仕事の報告に行くんだよ。昨日のうちでもよかったのに、何でかこの時間を指定されてな」

 刀太の質問にはっきり嫌そうに答える。どうも黒斗は雪姫のことが嫌いらしい。

 雪姫を慕っている刀太にとってはそのことは純粋に疑問だ。

「なぁ黒斗、雪姫のことどう思ってるんだ?」

「大嫌いだ」

 即答。

 それ以外に聞くな、と言外に言っているようなきっぱりした言い方だった。

 それから沈黙が続いてる間に目的地に到達する。

「入るぞ」

 扉を開けて全員を中に入れる。

「女の部屋に入るのにノックぐらいはしろ」

「俺らにそんな気遣いが、無用どころか無意味なことくらいわかってんだろ?エヴァンジェリン」

「一応、今は雪姫なんだがな……」

 何もせずに入った黒斗に注意するが、本人は何処吹く風だ。

「ん?それより黒斗、あのわざとらしい言葉遣いはやめたのか?」

「……別に、面倒になっただけだ」

 ぷい、と顔を逸らす黒斗にニヤニヤとした笑みを浮かべる雪姫。

 その顔にイラッとしたのでさっさと用件を済ませることにした。

「とにかく、昨日の報告だ」

 若干強めの口調で昨日の仕事の内容を全て話す。

「―――っつうわけで、この四人にもそれなりの給与は頼むわ」

「分かった。よかろう」

 仕事を手伝った報酬の話も忘れずにして終了。

「ってか、こんだけならこいつら一緒にさせる必要ないだろ?」

 黒斗の疑問はもっともだが、雪姫はその目を鋭く光らせる。

「それだけならな」

「あ?」

 雪姫の言葉により不機嫌な顔をする黒斗。

「で、どう思った?」

「……なにがだ?」

 おそらく自分の考えを見抜いている雪姫に、諦めながらも小さく抵抗する。

「不可解だっただろう?」

 他の四人が何のことか分からず首を傾げる中、黒斗は完全に諦めた。

「わぁったよ。……ったく、それを聞かせるためにわざわざこいつら呼んだのか?」

「よく分かってるじゃないか」

 大きくため息を吐いてから説明を始める。

「一言で言えば、きな臭ぇ」

 雪姫は頷いて説明の続きを促す。

「そもそもあんな雑魚怨霊がまともに戦うだけの力を持っていたことがおかしい」

 結局は雑魚でしかなかったが、それでも力を持っていたことが有り得ない事態なのだ。

 生前高い魔力を有していたなどのことでもない限り、自縛霊には力なんて欠片もないのが当たり前である。

「すなわち、誰かがあの怨霊に力を与えた可能性が高いってことだ」

 ならば、その力は誰かに貰ったものだという線が濃厚だ。

 それだけならば大したことはないのだが、

「なにより、雑魚怨霊相手で考えりゃ破格の力を与えたのに、それをこのアジトの近くに置き去りにしたのが解せない」

 そう、何もすぐにUQホルダーに目を付けられるようなところで行動を起こし、様子を見に来るでも遠くから眺めるでもない。

 行動が理解不能なのだ。

 故に不可解。

「どう見る?」

 そこまでは雪姫も同じ意見なのか、さらに先を促す。

 ちなみに、既に刀太と三太は話に着いていけていない。

「考えられんのは実験と挑発。片方か、両方か、正解かどうかも知らんがな」

 実験の予測としては、怨霊に成長させる力を与えて自身の成長のシミュレーターとして使ったのかもしれないというところ。

 挑発はわざわざUQホルダー近くで事を起こしたことを鑑みてだ。

「実験ならばまだいい……いや、よくはないが」

 言葉を受けて少し悩む雪姫。

「じゃあ聞くが、誰への挑発だと思う?」

 雪姫の質問を受けてさらに悩む黒斗。

「ぱっと見で考えりゃUQホルダーだが……個人の可能性を考えると……」

「黒斗殿への挑発、ですか?」

 少し言いよどむ黒斗。その考えを理解したのか九郎丸が続きを答える。

「どういうことだよ?」

 もはや話に置き去りの刀太が聞く。

「簡単よ。ああいう除霊はこいつの担当だって知ってて昨日みたいなことをやった可能性があるってことよ」

 同じく話を理解していたキリヱが代わりに答える。

「そういうこった。……んで、どうする?」

「取り敢えずは、お前に一任する」

 今後の対応を聞いた黒斗は、予想通りの言葉に頷こうとして、

「ただ、何かある時はそこの四人も連れて行け。何かと役には立つだろう」

 その言葉に動きを止めた。

「おいこら、昨日は温かったからまだいいがな。危険度が上がりゃあこいつらにまで手ぇ回せねぇぞ?」

「その辺は心配しなくても大丈夫だろう。全員、伊達にナンバーズではないよ」

 雪姫の言葉に悩んでいると、扉がノックされて開く。

「雪姫様、お茶をお持ち…………」

 入ってきた夏凛が固まる。

 その視線は黒斗に注がれていた。

「おいエヴァンジェリン、これはどういうこったぁ?」

 対して黒斗は、額に青筋を立てて雪姫に迫る。

「何のことだ?」

 それを見てニヤニヤした笑みを浮かべるエヴァンジェリン。

「ふざけんな!俺と夏凛が連日顔を合わせるなんざ、てめぇが仕組まねぇとあり得るわけがないだろうが!!」

 怒る理由が分からない四人は置いてけぼりで戸惑い、動けない。

「俺と夏凛は接触するのを禁止されてるんだからよ!」

「「え、えぇぇえええええええ!!?」」

 その衝撃の事実には驚かずにはいられなかった。

 何せ接触禁止だ。

 昨日の微妙なやり取りで昔からの知り合いだったのだろうというのは分かるが、流石にそんな関係だとは予想外すぎた。

 しかも、たかが二日連続で顔を合わせただけでここまで怒るとは、普通ではない。

「たまたまだろう?そう怒るな」

「ああん?」

 しかも、雪姫は白々しく流す。

 そして先ほどよりも意地悪な笑顔を浮かべる。

(あ、何か悪いこと考えてる)

 二年間共に過ごしてきた刀太はその顔でそれだけ悟り、少しだけ黒斗に同情した。

「それと、何かある時は夏凛も連れて行け」

 パリン。

 雪姫が告げると夏凛が湯呑みを落として割り、

 

 

 ドゴシャァ!!

 

 

 次の瞬間には、黒斗が闇顎を発動させて雪姫を壁ごと外へ吹っ飛ばしていた。

「てめぇ、ざけたことばっかしやがって……」

 そこには、怒りで顔を歪ませた黒斗が立っていた。

「許さねぇ。てめぇは三回殺してやるよ」

 殺気を溢れさせて、黒斗は雪姫に飛びかかっていった。




あっれぇ~?
主人公は弱いほうが……ってあっれぇ~?

何か書いてたら真正面から雪姫に攻撃とか、あれぇ?


とりあえず、次回はもうちっと激しい戦闘回になります。
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