超下位存在君の無駄な努力   作:龍崎悠司

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自分の次回は~詐欺はいつまで続くのだろうか……
そしてどんどん短くなっていく一話当たりの文字数…

それと、少し遅ればせながら…

通算UA1000人突破&お気に入り数16!!

本当にありがとうございます!!


そうだ、京都へ行こう。

 

 

 

 ―――――……

 

 その昔。

 

 霧の男がいて。

 

 街を恐怖に陥れたという話。

 

 その事実が百年も経つ頃には。

 

 子供を躾けるお伽話に変わっていた。

 

 ―――――……

 

 

 

 

 

 自室に戻った瞬間、黒斗は膝をついた。

「はぁっ、はぁっ、……くそっ!」

 悪態をつくが、それで調子が戻るでもない。

(くそ、消費しすぎたな。やっぱ、黒針を全部落とされたのが痛かったか。補充しねぇとな……それに)

 黒剣。

 あれを使ったのは本当に数十年、もしかしたら百年以上前だ。

 全盛期の頃とは違い、使用した際の負担はそのまま黒斗を苦しめる。

 まだ荒い息を無理矢理整えながら、黒斗は準備する。

(どこ行くかな……イギリス時代なら迷わなかったのに)

 キャリーケースに荷物を入れて、さっさと旅立つ。

 目指すは日本の古都、京都だ。

 

 

 

 

 ぐちゃぐちゃになった部屋を刀太たちも巻き込み六人で片付けている雪姫。

「……雪姫殿、彼は、黒斗殿は何者なのでしょうか?」

 飛び散らかった資料の整理をしていた九郎丸が、唐突に聞く。

「全く、意味分かんねぇよな。いきなり雪姫を攻撃するし、思ってたより強ぇし」

「まぁ、あれで私より数百年は長生きしているからな」

 そうなの?と聞く刀太に、確か生まれたのは日本の平安中期頃だか末期だかと答える。そうなると、黒斗は千年近く生きているということだ。

「雪姫殿……彼は、本当に生きている(・・・・・)のでしょうか?」

 その質問に、雪姫は感心する。

「どういうことだ?黒斗が三太みたいな幽霊ってことかよ?」

 正しくは幽鬼だけどね、と小さく訂正してから首を横に降る。

「どっちかって言うと荒御霊(あらみたま)が近いかな」

 でも……と口ごもる。

「言ってみろ」

 雪姫が促すと、自信なさ気に答える。

「彼の正体、それは『瘴気そのもの』……ですか?」

 その答えを聞いた雪姫が笑顔になる。それは無言の肯定だ。

「え、でもおかしいじゃない!?」

 しかし、キリヱは反論する。

「瘴気は確かに毒だけど、空気中のチリみたいなものなのよ!?普通じゃない存在は確かに瘴気を放ってるけど、瘴気そのものってどういうことよ!?」

 キリヱの言い分はもっともで、いくら空気中のチリが集まったところでそれはチリの集まりで、ゴミ程度でしかない。そんなものが、あれだけの力を持つだなんて、冗談にしかならない。

「普通はな。ただ、あれが生まれたのは奇跡そのものだ。本当に、偶然瘴気が集まって意思が芽生えた。それが、あいつの正体だ」

 空気中のチリが集まって意思を持つ。

「まぁ、だから確かにあいつは正確に言えば生きては――」

「生きてます」

 生物ではないので、生きてないと言おうとしたところ、夏凛に遮れた。

 それを見た全員が驚く。

 雪姫の言葉に賛同しても、否定するところなど(主に刀太関連の冗談以外)なかったのだから。

「彼は、生きています」

 戸惑う面々の中、雪姫だけが、ふっと笑う。

「そうだな、お前にとっては絶対そうだったな」

 事情を知る雪姫が優しく笑う。

 刀太的にはちょっと面白くない。

「どういうことだよ?説明してくれよ」

「あなたには関係のないことよ」

 ピシャリ、と言われて雪姫を見るが、首を横に振られる。

「黒斗や夏凛が言わないなら、私から言えることはない」

 その言葉に残念そうにする。

 ぶーぶー文句を言いながら手伝いを再開した。

 

 

 ―――今日からお前の面倒を見る奴だ。挨拶しておけ。

 ―――おいこら、せめて最低限説明してけ。

「?夏凛先輩、どうしたんだよ。手、止まってるぜ?」

 言われて、はっとする夏凛。

 そのまま静かに作業を再開する。

(ねぇ、やっぱり……)

(うん。夏凛殿、様子が変だ)

 作業は続けながら、キリヱと九郎丸はこそこそ話す。

(もしかして、昔の男、みたいな!?)

(えぇ!?でも……そんな)

(だって、あの夏凛があそこまで取り乱すなんて、そうとしか思えないわ!)

「こら、サボるな」

 ゴン!という音が二つほど鳴って、九郎丸とキリヱの頭にたんこぶが出来る。

「あまり男女の仲を詮索するもんじゃないぞ」

 その言い方に、じゃあやっぱり!と楽しそうな顔をするキリヱにもう一発ゲンコツを食らわせる。

「まぁ……色々あったんだよ。夏凛も、黒斗もな」

 少し寂しそうに夏凛を見やる雪姫。

 その様子に何も言えなくなってしまう。

 話題が途切れて、静かな片付けがその日は続いた。

 

 

 

 

 一方その頃。黒斗が新幹線に乗って、戦闘の疲れからか寝ていると。

「くすくすくす……もうすぐ、もうすぐあなたを捕まえられる」

 黒斗を遠く、かなりの遠方から新幹線に乗っているその姿を、正確に覗く人影があった。

「待っていてね。愛しの、私だけの……バーナビー(・・・・・)

 愛おしい伴侶を抱くように自分の身体を抱きしめて、人影は消えた。

 回り始める歯車の中心にいるのは、果たして誰なのだろうか。




日常編と言ったはずなのに、まだ続くシリアス…
おそらく今度こそ日常&主人公の正体解説になると思います。

さぁ、瘴気で出来ているとはどういうことなのか?※)自己解釈が入ります
そして、最後の人影は誰なのか?←実はまだアイディアが固まっていないという。
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