魔法少女リリカルなのは!?「落ちこぼれの魔導師」   作:ヘルカイザー

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ども〜

遅くなりましたお許しを…………

ちなみに、この話が取り敢えずゆるゆる雰囲気最後になります。

次の話からはキツめで行こうかと。

ではよろしくお願いします。


第13話《ペルの食欲》

「おかわり〜! 」

「え!? う、う〜んと……まだ食べるの? 」

 

「ダメ……なの? 」

「はうっ!? 」

 

「どうしたの? 白いお姉様? 」

 

「はぁ……はぁ……う、ううん。なんでもないよ。今持ってきてあげるね? (可愛い……何この生き物……なんかとことん甘やかしたくなる。ゆた君……こんな可愛い子独り占めしてるの? なんかズルいんだけど)」

「わ〜い! 」

 

私はゆた君が気絶してからずっと、ペルちゃんという少女の面倒を見ている。だが今、私は身体に見合わないペルちゃんの食欲に驚いていた。食べても食べてもその食欲は止まることを知らない。いい加減食堂のテーブルはお皿でいっぱいになっていた。おそらくここに置いてあるお皿もそろそろ底を尽きるだろう。しかし止めようにもペルちゃんが可愛すぎて止める事が出来ないでいた。よって私は追加の注文をしに厨房のスタッフの所に向かう。

 

「すいません、またお願いします」

「もう無理だよ」

 

「え? 」

「もう材料が無いって言ってるんだよ!?なんだい? どんだけの大食らいなんだい!? くっ……管理局の厨房を任されて50年! 未だ嘗て私の作った飯で満足しなかった奴はいないと言うのに……もう……潮時なのかね? それそろ……おばちゃん引退かな? 」

 

「そ、そんな気を落とさないで下さい!? おばちゃんの料理は十分美味しいですから! 」

 

「そうかい? ありがとうね」

 

取り敢えず早まったマネはしないでくれたがペルちゃんには我慢して貰うしかなかった。だが私は知らなかったのだ。ペルちゃんがそう言って我慢のきく子では無い事を。

それは私がペルちゃんにもう作る材料がないと伝えた時に起こった。

 

「ごめんねペルちゃん、そういう訳なの」

「お腹……すいたぁ…………」

 

「え!? お、お腹すいたって……あれだけ食べたのに? でも材料がないみたいだから……今は我慢してくれないかな? 」

 

「また……我慢? 」

 

「うん、ペルちゃんはいい子だから我慢でき「ちょっ!? ダメです!? ペル様を普通のものさしで測っては!? 」え? っ!? 」

 

「お腹すいたもん!? お腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたぁぁぁあああああ!? 」

 

突然ゆた君のデバイス? である花火ちゃんが私とペルちゃんの会話を聞いて飛び込んできた。何やら慌ててる様子。だが私は花火ちゃんの言っている事がよく分からず困惑した。しかし次の瞬間、ペルちゃんは大きな口を開けて私を食べようとして来たのだ。とっさの事で私は反応できない。でも花火ちゃんが私と入れ替わるように私を引っ張り、かわりに花火ちゃんが食べられた。正確には咥えられたと言うのが正しいだろう。上半身を丸々咥え込まれ、足をバタバタさせている。

 

「むぐむぐ……こりぇ……花火お姉しゃまの味だぁ〜」

「いやぁぁぁぁあああああ!? ペル様そんなに舐めまわさないでください!? うひゃっ!? ちょっ!? 入ってます!? 段々奥に入ってってますよ!? ペル様許して!? 」

 

「ええ〜だっへおいひんだもん……むぐむぐ……チュルチュルチュル〜」

「おぼぉぉぉおおおおお!? いや!? 吸わないで下さい!? 色々でちゃう!? いやぁぁああああああ!? 」

 

「むぐむぐ……むぐむぐ……へへ〜そろそろ呑んじゃおうかなぁ〜? 」

「いやぁぁぁあああああああああああ!? 」

 

「ん……あ! お兄しゃま!? ペ! 」

「きゃっ!? 」

 

「だ、大丈夫? 」

「はい……な、なれてますので」

 

ゆた君が気がついたのかフェイトちゃんと一緒に食堂に入って来た。そしてそれを見つけたペルちゃんは花火ちゃんを吐き出すとゆた君に向かい全速力で抱きつく。私は吐き出された花火ちゃんを心配したが思ったより大丈夫そうだった。

 

「お兄様……私お腹すいたぁ…………」

「うん、ごめんね。帰ったらご飯作ってあげるから。今度は約束破らない。だから我慢できる? 」

 

「うん我慢する! 」

「どうして!? 」

 

「なのは様諦めて下さい。ペル様はゆた様の言う事なら大抵聞きますから」

「ううっ……ゆた君ズルい…………」

 

ゆた君はペルちゃんを抱っこしたまま私の所へと歩いてくる。その顔は物凄く険しかった。一体何を言われるのだろうか。私は少し不安になりながらも全て受け止める事にした。

 

「なのは……」

「な、何かな? 」

 

「今ペルが食べた食事いくら? 流石にシャレにならない金額だよね? 払うよ」

「そんないいよゆた君!? こんなのほら……け、経費で落ちるし」

 

「はぁ……それは嘘だ。俺だって管理局にいたんだから分かる。こんな額落ちない」

 

「そ、それは……で、でも払えない事はないし」

「ダメ。そこまでして貰う訳にはいかない。大体……自腹切ってまでそんな事して貰う資格なんか……僕にはない」

 

そう言われた瞬間、私は悲しくなった。同時に私はわからなくなってしまった。どうしてゆた君はそうまでして私達から距離を置くのか。確かに私達がゆた君にした事は無意識でも許される事ではないのかもしれない。けど今のゆた君を見ても私達を嫌っているようには見えなかった。むしろ私よりも自分を嫌っているんじゃないかと思うくらい、ゆた君は周りとの関わりを断とうとしている。

 

「どうして……」

「え? 」

 

「どうして? どうしてなの!? 私はゆた君に嫌われても仕方ないと思ってた! この間だってゆた君の口から嫌いだって言われた! なのに……わかんない! 嫌いなら嫌ってよ!? ゆた君が自分が嫌いなだけなら……みんなと距離を置く必要なんて……ないよ…………」

「あ、なのは!? 」

 

私は言いたい事だけ言って走り出していた。その時ゆた君がどんな顔をしていたかなんて分からない。でも私は悲しくなり、ゆた君に自分の顔を見られたくなかった。何故なら今私の顔は涙でぐちゃぐちゃだからである。

しかししばらく走り、人気のない六課の裏まで来た時だった。私の前に誰かが現れる。一体誰だと思い足を止めるとそれはペルちゃんだったのだ。

 

「白いお姉様どこ行くの? 」

 

「え、えっと……その…………」

「お兄様と喧嘩……したの? 」

 

「え? ううん!? してない、してないよ!? 大丈夫大丈夫」

 

「でも……お姉様泣いてるよ? 」

「あ…………」

 

ペルちゃんが心配そうに私の顔を覗き込む。確かに私は泣いている。そんな事も忘れて、私はペルちゃんに言い訳をしているのだ。そして私が我慢できずにその場に座り込んだ時だった、私はペルちゃんに抱きしめられた。

 

「白いお姉様? 元気ないなら、ペルがぎゅってしてあげる。お姉様私に優しくしてくれるから……大好き」

 

「ペル……ちゃん……うっ……ひぐっ……うわぁぁぁ…………」

 

いい歳をして私は子供の前で声を出しながら泣いてしまった。考えてみればこんなに思いっきり泣いたのはいつ以来だろうか。私はしばらく泣き続けてしまった。

 

「白いお姉様元気出た? 」

「うん! ありがとう、ペルちゃん! 」

 

「それじゃ〜お姉様? お兄様の所戻ろ? 」

 

「え!? そ、それはその……」

「大丈夫! お兄様優しいからちゃんとお話ししてくれる。 だから私も一緒に願いしてあげる」

 

「ペルちゃん……うん、わかった」

 

私はペルちゃんに連れられて食堂へと戻った。でもそこにはさっきまでなかった筈の食材が山程置いてあり、これからパーティーでも始めるのかというくらいの材料があったのだ。するとどこからか甲高い笑い声が聞こえ始め、この食材の理由が分かった。

 

「お〜ほっほ! 如何かしら? ペルちゃんの為にマッハで準備させましたのよ? さぁ〜存分にお作りなさい! 」

「突然来たかと思えば何だ!? 一体どこからか聞きつけてきたんだ!? 」

 

「ふふ、私が貴方の居場所を知らないわけないですのよ? 勿論ペルちゃんの居場所も。ですが事もあろうにペルちゃんにお腹を空かせるとは何事ですの!? 可哀想じゃありませんの! ですから早く作って下さい。私も食べます」

「なんでお前まで食おうとしてる!? 」

 

「え? 何故って……材料を用意のは私ですわ? 食べて何が悪いんですの? それに私も貴方のご飯が食べてみたいですの! 」

 

金髪で左右にクロワッサンみたいな髪型をしている女性。しかも漫画とかでしか見た事のない、嫌なお嬢様の高笑いをしている。だがそこまで仰け反る必要があるのだろうか。

 

「はぁ……分かったよ。おばちゃん、ちょい厨房借りるよ? 」

「ほほぉ〜? 私の戦場で料理しようとはいい度胸だね? お手並み拝見させて貰うよ? んふふふふふ」

 

「い、いや……そこまで凄いもの作れないんだけど…………」

 

そう言ってゆた君は調理を始める。だが完全に私はゆた君と話すタイミングを逃した。しかも何故かゆた君の料理を食べる為の試食会みたいな感じに六課のみんなが食堂に集まってくる。するとあっという間に食堂のテーブルには食事が並んだ。それも一流シェフ顔負けの豪華な出来栄え……みんなの唾を呑む音が一斉に聞こえた気がした。

 

「わぁ〜、お兄様のご飯……いただきます! 」

 

ペルちゃんを皮切りに、みんなのいただきますが合唱する。かくゆ私もいただいているのだが……昔と比べて格段にゆた君の料理は進化していた。正直勝てる気がししない。もはやプロの味だ。

 

「くっ……」

「しょ、食堂のおばちゃん……ど、どうしたんですか? 僕の料理はダメですかね? え? 」

 

「うちで働かないかい? 君がいてくれたら私も楽になる」

 

「い、いや……それはちょっと…………」

 

「……そうかい……そりゃ〜残念だね? 」

 

「その……すいません」

「ああ、いいだよ。それよりあの子がなんか言ってるよ? 」

 

「お兄様お代わり! 」

「え? はは、分かったよペル。お代わりな」

 

そう言ってゆた君は追加の料理を作り始めた。最初はあんなにあった材料も気がつけば跡形もなく。ほとんどの料理がペルちゃんのお腹の中に収まった。そして絶対に見てはならなかったと思える、お腹いっぱいのペルちゃんのキラースマイルがこの場の全ての人間を射抜いた。

 

「か、可愛すぎる〜」

「だろ? あれが見たいが為に僕は働いているといってもいい。あ……その、さっきはごめん。別に……泣かせるつもりはなかったんだ」

 

「ゆた君……ううん。大丈夫、ペルちゃんが元気付けてくれたから。それで……ちゃんとお話し……してくれないかな? 」

 

「……分かった。ペルもお世話になったし……少しだけなら」

「本当!? 」

 

「う、うん」

 

私は嬉しかった。やっとゆた君と向き合って話ができる。そう思い、ゆた君と2人になれる場所へと移動した。ここは訓練所。ここなら今は人がいない。

ペルちゃんは花火ちゃんが見ていてくれる。だから安心してゆた君と話ができる。そう思った。しかし私は知らなかったのだ。どうしてゆた君が管理局をクビになり、何故私達の前から消えたのかと言う本当の理由を。だがそれを聞いた時、私は涙を堪えることが出来なかった。




次回もよろしくお願いします。

次回はゆたとなのはの話し合いの続きになります。


追記

すいません、どういうわけか、最後の何行かが消えてました。修正しておきます。

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