タグには付けていませんが、キャラ崩壊してる気がします。もちろんいろはすのキャラが、です。
あれですよ、あれ。ニセコイのノリですよ。小野寺と千棘と万里花が混ざった感じですよ。……はい、意味不明ですね。
まぁ、その点を頭の片隅に入れて読んでください。
それと白銀の百合についての設定はオリジナルです。
『花吐き病』の感染力はおかしいと思う。
起源とか、そもそもの感染源とかは調べてもよく分からなかったけど、感染方法としては『花吐き病罹患者が吐いた花に触れる』ことだ。わたしの場合は、おばあちゃんの花を触ったのが原因である。
……でもちょっと待って欲しいんです。わたしが触れた白銀の百合は、完治した際の最後の花。おばあちゃんに聞いた話によると、あの花はもう何十年も前に咲いた (表現をぼかしてますよ?) 花だというのだ。
……枯れないとかやばすぎじゃないですかねー? しかもそんなに前の花なのに、感染力に関してはバリバリ現役とか恐ろしすぎます。
おばあちゃん曰く、『燃やしたりすると無くなるわ。でも綺麗だったからこうやってずっと飾っているの』とのこと。
……気持ちはすごい分かるんですよ? だって本当に綺麗だったから。でもせめて、わたしの手の届かないところに置いて欲しかったというか……。
まぁ、そもそもはわたしが約束を破ったのがいけないので、文句を言えるわけもなく。でも、そのおかげで『本物』が見つかったと思えばプラマイゼロ……いや、今のところは限りなく無限大にマイナスですけど……。
因みに、魔が差したというか、単純に好奇心という名の欲望に負けたと言いますか。マーガレットの花言葉を調べてみました。……えーと、なになにー?
『真実の愛』
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!?!?(錯乱)」
バッ! と布団を捲り上げ身を起こしたわたし。時計の針は午前の5時半を刻んでいた。
バクバクドキドキと音立てる心臓のせいで、顔が火照ってたまらない。きっと熟れたリンゴみたいに頰を真っ赤に染めて、耳の裏から首筋まで紅潮しているのだろう。
………………最悪の目覚めでした。
「…………はぁ」
昨日から何度目とも知れない溜息が溢れる。
すっかり熱くなってしまった顔を両の手の平で包み込み、なんとか熱を冷まそうと揉みほぐしてみるが、残念ながら効果は薄いようで。
……ああああああああ恥ずかしいっ! なんなんですか『真実の愛』って⁉︎ どんだけなんでしょうね、わたしのこれは⁉︎ 乙女チックとかいうレベルじゃないですよ! こんなに先輩のことでいっぱいになるなんて……しかもそれがちょっぴり幸せだと思ってるわたしが恥ずかしすぎる!
「……うっ、ちょっとやばい」
思わず口を抑えて我慢する。会ってもいない、想っただけでこれなのだ。……我ながらこれは重症だと思う。これでは実際に会って会話できるのかが本当に心配である。
気持ちを落ち着かせた後、今日はもうこのまま起きることに決めた。二度寝なんてする気には到底なれなかった。
それに、今日は元々いつもより少し早起きするつもりだったのだ。なぜならそれは。
「手作りお弁当を作る! もちろん先輩の!」
……そこ、発想がチープとか言わない。胃袋を掴むのは基本戦術ですよ?
それに、そもそも分が悪い勝負なのだ。あの二人、雪ノ下先輩と結衣先輩が相手なんて、十人中十人が無謀だと言うだろう。
加えてわたしとあの二人では、先輩と過ごしてきた時間の密度が違いすぎる。ただでさえステータスで劣っているというのに、この差はとんでもなく大きい。これをひっくり返すとゆうのだから、もう一刻の猶予も許されていない。
だからわたしはわたしらしく。
あざとく、小悪魔的に、かつ戦略的強引さで挑むのみ。
キッチンに入ってエプロンを装着。こんなシチュエーションがあっても困らないように、今まで自分とついでにお父さんのお弁当を作ってきたのだ。遂に機会が訪れましたよ!
さて、メニューは何がいいのだろう? 冷蔵庫の中の食材を見ながら考える。先輩の好きなものとか知ってたら良かったけど、そこはまだ調査不足。なので今日は、ありきたりで男性受けがいいものを詰め込もう。
「ふっふふ〜んっ♪」
料理をするのがこんなに楽しいと思ったのは初めてかもしれない。ご機嫌な様子で鼻唄交じりに調理しているわたしを見て、起きてきた両親が何か話しているが気にしないでおく。突っ込まれたらめんどくさそうだし。
昨日新たに買ったお弁当箱に完成した品を入れていく。主食は梅・昆布・おかかのおにぎり、おかずには先輩好みであろう砂糖多めの出汁巻き卵、男性が好きな肉料理ランキングトップ10には入るであろう唐揚げ、レタスを敷いた上にポテトサラダとミニトマトをトッピング。栄養バランスも考えて、ほうれん草の胡麻和えときんぴらごぼうを付け加える。
「こんなものでしょ♪」
「あら、いろは。今日は一人分多いのね。お友達に?」
「うん。ちょっと色々あってねー」
お母さんの詮索は難なく躱す。恋バナなんて提供しません。だって、絶対ややこしいことになるって相場が決まってるからね。
その後は朝食を頂き、部屋へと戻って制服に着替える。カバンに二つのお弁当を入れ、ついでにこれまた昨日入手した制吐剤を入れる。
……ん? 制吐剤はどう手に入れたんですかって? そんなの市販薬を買ったに決まってるじゃないですか!
なんですか、病院に行くとでも思いましたか⁉︎ 行けるわけないじゃないですか! ……そもそも何科なんですかねー?
それであれですか? その日初対面のお医者さまに『片想いを拗らせて吐き気が止まらないので良い薬ありませんか?』と言えと? どんな拷問ですか! 恥ずかしすぎて死にますよ!
……ふぅ。とにかく、これで準備万端です。
正直、市販薬なので効き目がない可能性もあるけど、とりあえず今日1日くらいなら大丈夫でしょう。……もしダメそうだったら病院行きだ。そのときは適当に理由をでっち上げてなんとかするしかない。まぁ、ぶっちゃけその点はそこまで心配していない。わたし、そういうの得意ですから。
「いってきます!」
さぁ、今日わたしは新しい一歩を踏み出す。
立ち塞がる
でも、わたしも『本物』が欲しいから。
先輩の『本物』になりたいから。
……恋は戦争とは、よく言ったものです。
*
今更だけど、先輩って購買派の人? もし弁当派だったら、この作戦は成功するとかそんな問題ではないんだけど……。
「……考えてなかった」
朝の
折角作ってきたが、今回は延期させるべきだろうか? これは事前調査を怠ったわたしのミスだ。このまま突っ込んでいくのは、流石にリスキーかもしれない。
でも、躊躇している余裕もないわけだし。それにこれには大袈裟でもなんでもなく、わたしの人生がかかっているのだから……うん。
…………よし、突撃決定だ。
そうと決まれば善は急げというもの。早速、先輩の在籍しているクラスである二年F組へと向かうことにした。
その最中に会話のシチュエーションを考えておく。と言っても、わたしが先輩に使える武器は限られているので、一緒にいれる口実としては必然的に生徒会のことになるだろう。「仕事がー」とか、「助けてくださいー」とか言えば万事okのはず。……なんかこれだけだと先輩ちょろいなぁ〜。
そして、今回はその際にお弁当のことを持ち出す。あくまで自然に、会話に織り込まなければならない。あわよくば、その後も継続できる形に持っていく。……むぅー、これは中々に難しいぞー。わたしが培ってきた交渉術が、今試されようとしてます!
「さて、見えてきましたよー」
二年生のフロアへとやって来たことで、わたしに対する注目度がさらに上がった気がする。これでも一応、一年生にして生徒会長という肩書きをもっているのだ。視線を集めてしまうのは仕方がない。それに、わたしは可愛いのでっ♪
辿り着いた二年F組の教室。そろぉ〜っと中を伺うと……いましたいました、先輩がいました。両耳にイヤホンを装着して机に突っ伏している。きっとあれは寝たふりで、話しかけるなオーラを発散しているつもりなのでしょう。
ですが残念! わたしは突っ込みますよ! ちゃんと薬も飲んだので、昨日ような失態はしません!
いきなり訪れたわたしに刺さる上級生の視線。それをわたしは気にも留めないで、いかにも誰かを探してますよーという風にキョロキョロと教室内を見渡す。そして、その相手が見つかったと周りに思わせるために、ある一点を見つめて花開くような笑顔を浮かべたあと、トテトテーっとそこへ歩み寄っていった (ここまで全て演技です) 。
「せ〜んぱいっ♪」
ここには実質先輩しかいないのだが、わたしがそう呼ぶのはただ一人だけ。
しかし、その本人は我関せずと言わんばかりに寝たふりを続行している。流石先輩である。でも、これはある意味チャンスですよ!
「せんぱーい? 起きているんですよねー?」
ツン、ツンと頭をつつくと、刺激に合わせて先輩のチャームポイントであるアホ毛が揺れる。えへへ〜、こういうちょっかい出してみたかったんですよねー。
これで反応がなかったらどうしようと思っていたけど、それは杞憂に終わり、先輩は身を起こしてくれた。
「……なんだよ後輩」
「むぅ〜。せっかく可愛い後輩が来たというのに、その反応はなんですかー?」
「……はぁ」
嫌そうな顔をしてため息を漏らすなんて、相変わらず乙女の扱いがなってません!
「先輩。ここは喜ぶところじゃないですかねー……」
「別に喜ばねぇよ。……それより、昨日大丈夫だったのか?」
「ふぇっ?」
「体調悪かったんだろ? あの後、部室にも来なかったし」
「あ、あぁはい、大丈夫ですよ。……もしかして、心配してくれたんですかー?」
冗談交じりにそんなことを聞く。どうせ「別に……」とか返ってくるんだろうなーと思っていたら、先輩は少し顔を紅くしながら顔をそらして。
「……まぁ、な」
なんて言った。
「……ぁ、ありがとう、ございますぅ」
…………もう! そういう不意打ちは控えてくれないですかね! 胸が高鳴って、お腹がぐるぐるしてしまうじゃないですか!
互いに若干赤面しているわたしたち。それをさり気なく見ている周りの人たちがざわめき出した。
実はこれも狙いの一つなのです。要するに、外堀から埋めていこう作戦! もう使える手はなんでも使いますよー!
「で、要件は?」
先輩もそんな空気を察してか、一刻も早く会話を切り上げようとする。わたしも今回はそれに乗っかろう。
「はい、お昼休みに生徒会の仕事を手伝って欲しいんです」
「別に俺いらねぇだろ」
「クリスマスイベントの事後報告書なんですー。先輩が仕切ってた部分もあったから、それの確認がしたいんですー」
「えぇー……」
めんどくさそうな態度を醸し出す先輩。でも多分、先輩は断らないだろう。だから、切り出すならこのタイミングしかない!
「まぁ、ただ働きも嫌でしょうし、今回はわたしから報酬があるんですよ?」
「報酬?」
「えぇ。そ…それはですねー、……」
ーーわたしの手作りお弁当です!
って言うだけなのに、……あれ? なんかすごく緊張してきた。嫌な顔されたらどうしようとか、断られたらどうしようとか、今まで体感したことのない感情が駆け巡る。……何これ! こんなの、わたしらしくない!
……いや、一旦落ち着こう一色いろは。大丈夫、大丈夫。いつものようにあざとく、小悪魔的に言えばいいだけなんだから。それで大丈夫なんだから。
心の中で深呼吸を一つする。……そう、いつものように。いつものように……!
「わ、わたしのっ! てっ……手作りお弁当ですっ!」
……………………………………………。
…………………シーン…………………。
……………………………………………。
……空気が、凍った。
先ほどまで少々のざわつきがあった教室から、完全に音が消え去っていた。
ある人はギョッと目を見張り、ある人は面白そうに口をニヤニヤさせ、ある人は嘆き叫ぶような苦悶の表情をしている。……最後については意味不明だけど、みんな一様にこちらに注目していた。
やっちゃったやっちゃったやっちゃった⁉︎
無意識のうちに照れてちゃってた必死な声を出しすぎたこれじゃ報酬という建前でお弁当を食べて欲しいと思われてるみたいじゃんまぁその通りなんですけどやばい恥ずかしい心臓のドキドキがホントやばいのでうーひゃーだめだもうこれ以上ここにいられない!
この場は強引に引くしかなかった。
「いいですかお昼休み絶対来てくださいね来なかったら泣きますからね先輩のあることないこと全校放送で流しますからねマジですからねだから絶対来てくださいねではではよろしくです!」
シュバッ(お辞儀)!
バッ(反転)!
ピューん(全力疾走)!
声を掛ける暇さえ与えず逃げる。今突っ込まれたら羞恥でどうにかなってしまいそうだ。
あぁごめんなさい先輩! きっと今はとんでもなく不躾な、視線という鉛を撃ち込まれていることでしょう。……チラリと見えた結衣先輩の瞳が暗く重く沈んでいる感じだったので本当にごめんなさい! でも、恥ずかしかったんです!
……それでも一応、お誘いはできた。
先輩は捻くれてるけど優しいし、ちゃっかり脅迫紛いな内容も言ったのでほぼ確実に来てくれるはずだ。うん、そうに違いない。
そう思うとすごく楽しみになってきた。お腹がぐるぐるしてきたのはあれだけど、油断していると直ぐさま頰が緩みそうでやばい。具体的に言うと、授業中ニヨニヨしそうで本当にやばいんです! ……早くお昼休みにならないかなー。
四時間目までの授業内容は、ほとんど全く頭に入りませんでした。
スラスラと浮かんできたのがここまで!
好きだと自覚した後はこうなったらいいなという妄想全開ですね……。料理に関してはオリジナルですが、趣味がお菓子作りに自分磨きとあるのでおかしくはないかなと。
いろはす可愛いよいろはす!
そしてルミルミもちょーかわいいよー!
『花吐き病』が現実にあったら社会問題になってそう……画面に向けて吐く人とかが続出してたら悲惨だろうなぁ(笑)